創業50年企業の事業承継を一貫支援
悩み
「代替わり相続に伴う相続税対策を」
創業50年を超え業績もここ10年で徐々に売上利益とも安定的に増えてきた。そのため3代目(65歳)から4代目(38歳)に代表交代をこのタイミングでしたいと考えているが、代表交代をしても株価が想像以上に上昇しており、仮に万が一の事があった場合、多額の相続税を収める事になる。今後相続を考えると株価対策が必要だ。
守りたいもの
目的が一致「会社や社員を守り抜く」
株価を下げたいという当初の依頼だったが、改めて長期的なスパンで3代目と4代目別々で話を聞いた。3代目は株価が下がる事で生前に株式をうまく譲渡したいというニーズがあり、4代目は極力無駄なコストを掛けずに株式を取得したいという利害が一致していた。しかし、改めてそもそも株価を下げる目的を掘り下げると、「先代から代々守ってきた会社の成長・発展」というところに行きついた。その話の中で、具体的に守りたいものは、①会社の根幹である企業理念②熟練工の持つ匠の技術③大切な社員の生活という事だった。この話を3代目、4代目と交えて話す中で、「守りたいもの」の共通認識を持てた事で、うまく進まないと言われる事業承継対策が円滑にいく土台が整った。
解決策
事業承継計画立案と関係者間連携の牽引
事業承継対策は様々な関係者が連携しないとうまく進みません。そのため、中期的なスパンで考えなければならず、事業計画を基に事業承継計画表を作成し、3代目から4代目の持ち株比率の譲渡スケジュールや親族、銀行、税理士等の関係者の理解を取り付け、進めていく事に。基本対策は事業承継税制を活用がメインとして据え置き、不足の事態に備え、損金性の高い生命保険を活用しました。生命保険の活用は、株価の引き下げ要因にもなり資金も貯まります。また、3代目の生前退職金の原資、3代目死亡時の自社株買取資金、経営悪化時の事業資金としても活用できるため様々な環境変化にも対応できます。それ以外にも関係者を巻き込み不良債権の処分や値下がりしている不動産の売却等を進め、全体的に株価を下げる事に成功しました。保険契約を預かるためではなく、本当の意味で会社を守る解決策を提案した事に、3代目、4代目から喜ばれました。