保険営業って何する仕事なの？会社や商品、必要な資格の種類を解説
保険営業への就職・転職を考えている方のなかには「具体的に何する仕事なの？」と疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
保険営業は、単純に商品をセールスするだけでなく、顧客のライフプランの実現を総合的にサポートするやりがいのある仕事です。
本記事では保険営業は何する仕事なのか、平均年収や会社の種類、必要な資格も解説します。
保険営業への就職・転職を検討している方は、ぜひご参考にしてください。
保険営業って何する仕事？
ここでは「保険営業って何する仕事なの？」と疑問に思っている方に向けて具体的な仕事内容を解説します。
「保険営業って何するのがやりがい？」に対する答えも解説するので、就職・転職を検討する際の参考としてご確認ください。
主な仕事内容
保険営業の主な仕事内容は、お客様のニーズやお悩みに対する最適な保険商品の提案と契約完了までのサポートです。
見込み客や商品の売り込み方によって、以下のような種類に分かれます。
- 個人営業
- 法人営業
- 新規開拓営業
- ルート営業
- 内勤営業 など
いずれの場合でも、お客様の悩みや現状のライフスタイル、経済状況などのヒアリングを行います。
聞き出した顧客の要望をもとに、相手が理想とする人生設計を叶えるための最適な保険を提案するのが基本的な流れです。
契約後は保険金関連の相談に乗ったり、状況の変化にともない適宜プランを見直したりなど、アフターケアにも対応します。
取り扱う保険に対する深い知識はもちろん、臨機応変に対応できる柔軟性なども求められる仕事です。
保険営業って何するのがやりがい？
「保険営業って何するのがやりがい？」に対する答えとして、以下の点が挙げられます。
- 資産運用や保険関連の自分の人生に役立つ知識が身に付く
- 紹介によって人脈が広がりやすい
- 保険を通じてお客様を人生単位でサポートできる
- 成果が報酬や評価に直結しやすい など
保険営業として働くなかでやりがいを感じるポイントの1つが、仕事で身に付けた知識やノウハウを自分の人生に活かせる点です。
仕事で得た資産運用や保険に関する専門知識は、自分や家族のライフプランを考える際にも役立つでしょう。
営業先で人脈も広がりやすいので、将来的に別の職種に転職する場合も、保険営業で得た知識や経験を活用できます。
顧客の人生に寄り添い、理想のライフプランを実現するサポートができるので、自分の仕事が誰かのためになっている実感も得られます。
保険営業の職場には、歩合制やインセンティブなどの制度が採用されている会社が多く、報酬面でもやりがいを感じられるでしょう。
平均年収はどれくらい？
厚生労働省が発表した「令和５年賃金構造基本統計調査」によると、保険営業の平均賃金は39.1万円でした。
男女別の内訳は以下の通りです。
| 性別 | 平均賃金 | 平均年収 |
|---|---|---|
| 男性 | 52.2万円 | 800.0万円 |
| 女性 | 31.2万円 | 459.1万円 |
ただし、上記のデータはあくまで保険営業の平均であり、残業代や賞与などを含めた平均賃金です。
保険営業が受け取る実際の給与額とは、乖離している可能性が高いでしょう。
保険営業の場合、基本給＋インセンティブ制や完全歩合制が採用されているケースも多いため、年収の個人差が大きい職業です。
仕事で成果さえ出せれば、入社1年目から年収1,000万円以上の高収入も実現できる可能性もあります。
年収アップを目指す方の就職・転職先としては、夢のある仕事といえるでしょう。
女性も活躍できる？
保険営業は女性も活躍できる仕事です。
実際に「生保レディ」や「セールスレディ」と呼ばれる女性の保険営業も数多く活躍しています。
しかし、なかには「生保レディやセールスレディって何する仕事？」と疑問に思っている方もいるでしょう。
ここでは「生保レディやセールスレディって何する仕事？」に対する回答や女性が活躍できる理由を解説します。
働くメリットも解説するので、生保レディやセールスレディへの就職・転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
生保レディやセールスレディって何する仕事？
基本的に保険営業の仕事内容は、男女ともに変わりません。
生保レディやセールスレディの主な仕事内容は、保険に関する相談対応や訪問営業による商品のセールスです。
顧客のニーズやライフプランをヒアリングしたうえで、最適な商品を提案し、契約手続きのサポートを行います。
インターネットで相談や手続きを進められる保険が増加した結果、客先訪問の機会は減少傾向にあります。
以前と比べて、営業経験のない方でも働きやすい環境といえるでしょう。
女性が活躍する理由
保険営業で女性が活躍する主な理由として、女性特有のコミュニケーション能力を活かせる点が考えられます。
無形商材である保険の販売においては、プラン内容や価格など商品の魅力だけでなく「誰から買うか」が重視されます。
女性は相手の感情に寄り添ってコミュニケーションを取るといわれており、顧客の信頼を獲得しやすい傾向があります。
特に家計の管理をしている女性であれば、顧客の悩みや不安に深く共感したうえで最適な提案ができるため、保険営業として活躍しやすいでしょう。
女性の保険営業って何するのがやりがい？
「女性の保険営業って何するのがやりがい？」に対する答えとして、以下の点が挙げられます。
- 成果が報酬に直結しやすい
- 働き方の自由度が高い
- 将来性も高い
保険営業は成果が報酬に直結しやすく、女性も稼ぎやすい仕事です。
性別に関係なく、契約を締結した数によってインセンティブが発生する企業も多いため、努力次第で年収500万円以上の高収入も目指せます。
保険営業は正社員だけでなく、企業と業務委託契約を結んだ個人事業主として勤務できる会社もあります。
個人事業主であれば勤務時間や休日を自由に決められるので、家事や育児などの個人や家庭の事情に合わせて無理のない範囲で働けるでしょう。
万が一の事態に備えて多くの方が加入する保険商品を取り扱う営業職であれば、長期的な需要も見込めます。
家事や育児と両立しながらできるだけ多くの収入を得たい女性や、将来性の高い安定した職業に就きたい方にとって魅力的な仕事といえるでしょう。
保険会社の種類と仕事内容
保険営業への就職・転職を考える際、どのような会社に就職するべきか判断に迷う方は少なくありません。
なかには「保険会社では何するのが仕事？」「会社によって業務内容は違う？」と疑問に思っている方もいるでしょう。
保険営業の職場となる会社は、主に以下の種類に分かれます。
- 生命保険会社
- 損害保険会社
- 保険代理店
ここでは、会社の種類ごとに「何するのが仕事なのか」を解説します。
会社によって取り扱う商品や顧客へのアプローチの仕方が変わるので、自分にとって最適な職場を見つけるための参考にしてください。
生命保険会社は何する会社？
生命保険会社は、主に第一分野の保険商材を取り扱う会社です。
第一分野は生命保険を意味し、被保険者が亡くなった場合や、契約期間を満了した際に契約内容に応じた金額を支払います。
生命保険会社では、主に個人の顧客に対して営業訪問を行います。
電話でのアポイントや飛び込み営業だけでなく、知人や既存顧客からの紹介など、見込み客へアプローチするのが大半です。
生命保険は事故や病気など万が一への備えになるため、顧客から感謝される機会も多く、やりがいを実感しやすい職場といえるでしょう。
損害保険会社は何する会社？
損害保険会社は、主に第二分野の保険商材を取り扱う会社です。
第二分野は損害保険を意味し、事故によって発生した損害を保険金によって補償する契約です。
損害保険会社の営業職は、主に代理店や法人の顧客に対して、セールスを行います。
代理店営業の主な仕事は、自社の保険を取り扱ってくれる店舗の新規開拓や営業指導、計数管理です。
自社商品に関する専門的な知識と指導力が求められる仕事といえるでしょう。
法人営業では、見込み客となる企業に対して、経営リスクに備えるための保険を提案します。
保険や金融の深い知識だけでなく、会社経営や顧客企業の業界・業種に関する周辺知識も必要な専門性が高い仕事です。
保険代理店は何する会社？
保険代理店とは、販売契約を交わしている保険会社の商品を顧客に営業する会社です。
保険会社では自社で作った商品を販売するために営業活動を行います。
一方、保険代理店は他社の商材を複数取り扱い、お客様の希望に沿って最適な内容のプランを提案するのが特徴です。
保険会社と代理店では、自社商品の有無だけでなく、セールスの方法にも違いがあります。
保険会社は自社商品を営業が売り込むのに対して、代理店ではお客様からの問い合わせに対応するのが基本的な流れです。
セールスに特化しているため、代理店も保険営業の主な職場の1つといえるでしょう。
保険営業に必要な資格はある？
保険営業として働くためには必ず取得しなければならない資格が存在します。
ほかにも特定の資格を持っていれば、就職や転職の際に有利になったり、昇給やキャリアアップにつながったりする可能性もあります。
ここでは、保険営業として働くにあたって、必須の資格について解説します。
評価につながりやすい資格も解説するので、保険営業として活躍したい方はぜひ参考にしてください。
必須の資格一覧
保険営業として働くためには、募集人資格が必須です。
募集人資格とは、保険を販売できる資格であり、保険会社や代理店に勤める営業やスタッフは、必ずこの資格を取得しなければなりません。
なお、募集人資格は以下の種類に分かれます。
| 募集人資格の種類 | 資格の概要 |
|---|---|
| 生命保険募集人資格 （一般課程試験） |
生命保険を販売するために必要な資格 |
| 損害保険募集人資格 （一般課程試験） |
損害保険を販売するために必要な資格 |
| 専門課程試験 | 一般課程試験の上位資格。 専門知識を問われるが一般課程試験と難易度はそれほど変わらない。 |
| 応用課程試験 | 専門課程試験の上位資格。 実務に関する専門的な内容の問題が出題される傾向。 |
| 変額保険販売資格 | 変額保険を販売するための資格。 専門課程試験の合格者が受験可能。 |
| 外貨建保険販売資格 | 外貨建て保険を販売するための資格。 専門課程試験の合格者が受験可能。 |
| 生命保険大学課程試験 | 応用課程試験の上位資格。 全6科目の試験合格でトータル・ライフ・コンサルタント（生命保険協会認定FP）を名乗れる。 |
一般課程試験の取得条件は「生命保険会社または代理店への所属」であり、個人の申し込みはできません。
保険営業に就職・転職する際に必要な資格ではなくても、入社後スムーズに取得できるよう、試験勉強を進めておくとよいでしょう。
評価につながりやすい資格一覧
保険営業へ就職・転職する際、評価につながりやすい資格は以下の通りです。
| 資格の種類 | 資格の概要 |
|---|---|
| ファイナンシャルプランナー （FP技能士） |
金融や保険に関する知識を証明できる資格。 1級と2級に分かれており、会社によっては募集要項にFP2級が含まれるケースもある。 |
| 公的保険アドバイザー | 公的な保険に関する知識を証明できる資格。 年金や健康保険などの公的保険の知識を踏まえ、顧客によりよい提案をするため役立つ。 |
| 中小企業診断士 | 中小企業の経営に関する知識を証明できる資格。 法人・企業向けの商品を提案する際の説得力や信頼感を高められる。 |
| 相続診断士 | 相続に関する知識を証明できる資格。 相続対策としての保険活用を提案する際に説得力や信頼感を高められる。 |
| 投資診断士 | 投資に関する知識を証明できる資格。 変額保険や外貨建て保険など投資性の強い商品を提案する際に役立つ。 |
上記はいずれも、必須の資格ではありません。
ただし、保険や金融・投資に関して専門的な知識を持っている証明になるため、お客様からの信頼を得やすくなります。
多くの顧客から信頼を獲得し、成果につなげられれば昇給やキャリアアップも実現しやすくなるでしょう。
次のページではノルマやインセンティブについて解説
本記事では「保険営業って何する仕事なの？」に対する答えを解説しました。
顧客に対して商品のプラン内容や魅力を分かりやすく伝え、契約につなげるのが保険営業の主な仕事です。
契約後のアフターフォローやプラン変更・アップデートなどにも携わります。
もちろん、ターゲットの属性や取り扱う商品の種類によって、顧客に対するアプローチの仕方は変わります。
しかし、どのような会社でも保険を通じて顧客の人生に大きく関わる仕事なので、やりがいを感じられるでしょう。
なお、保険営業が働く職場は、基本給＋インセンティブや完全歩合制を採用している傾向があります。
なかには、営業担当者に対して契約数のノルマが課せられる企業も少なくありません。
次のページでは、保険営業のノルマやインセンティブについて詳しく解説するので、ぜひあわせてご確認ください。
