保険営業の仕事とは?種類や内容を比較して転職をさせる方法を紹介
「どのような仕事内容なのか」
「保険営業にはどんな種類があるのか」
保険業界への転職や就職を考える際、疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
保険営業にはいくつかの種類があり、それぞれ仕事内容や取り扱う商品の種類、活かせるスキルや資格の種類などが異なります。
本記事では、自分に合った保険営業の仕事を選ぶうえで大切なポイントをまとめました。
保険営業への転職や就職を考えている人は、ぜひ本記事を参考にして、自分に合った種類の保険会社を見つけてください。
主な仕事内容は?
保険営業の主な仕事内容は、保険の提案とセールス、契約手続きのサポートです。
契約後は、給付金の請求や更新手続きなどのアフターフォローも行います。
既存顧客を訪問して、契約内容の確認や追加加入の提案、新商品への乗り換え勧誘を行う場合もあります。
また保険営業の仕事は「保険会社」と「代理店」で営業の種類も異なる点を順番に紹介するので参考にしてください。
保険会社の営業の種類と内容
保険会社の営業には、次の3つの種類があります。
- ①生命保険営業
- ②損害保険営業
- ③医療・介護
ここでは、上記の種類と内容について解説します。
①生命保険営業
生命保険は死亡や病気、ケガに備える「第一分野」と呼ばれる種類の保険です。
主に個人が顧客であるため、自宅や職場へ訪問営業を行います。
生命保険は、顧客の万が一に備える商品であるため、社会保険制度やライフプランに沿った提案力が求められます。
「家族が亡くなった」「病気になった」など、顧客の困りごとを解決できるため、感謝されるケースが多く、やりがいを感じられる仕事と言えるでしょう。
知人や友人など、既存顧客からの紹介から成約につながるケースも多く、人脈を活かせる仕事です。
②損害保険営業
損害保険は、自動車保険や火災保険、傷害保険など、偶然発生するリスクに備える「第二分野」と呼ばれる種類の保険です。
損害保険における営業の種類は、代理店の開拓や営業指導を行う代理店営業、企業へセールスを行う法人営業に分かれます。
主な仕事内容 | 必要なスキルや知識 | |
---|---|---|
代理店営業 | 代理店の開拓、指導、計数管理 | 幅広い商品知識、リーダーシップ |
法人営業 | 企業向け火災保険、企業の財産に関する保険、業種ごとのリスクに備える保険の提案や営業 | 損害保険の周辺知識 |
代理店営業では、代理店の指導や計数管理が主な仕事になるため、幅広い商品知識とリーダーシップが求められます。
法人営業では、企業向け火災保険、企業の財産に関する保険、業種ごとのリスクへ備える保険を取り扱うため、周辺知識の習得が欠かせません。
損害保険だけでなく、経営者向けの生命保険を併売するケースも多く、生命保険会社の勤務経験がある人は、知識やキャリアを活かせます。
③医療・介護保険営業
医療・介護保険は、生命保険(第一分野)と損害保険(第二分野)のどちらにも該当する第三分野と呼ばれる種類の保険です。
生命保険会社、損害保険会社ともに取り扱う商品であるため、会社ごとに商品内容や特長が大きく異なる傾向にあります。
自社商品のメリットをアピールするだけでなく、他社商品との比較提案が必要なため、契約を獲得するには一定の営業スキルが必要です。
医療・介護保険は、銀行や信用金庫などの金融機関で取り扱うケースも多く、販売網が豊富であるため、比較的契約獲得が難しい種類の商品と言えます。
安定して獲得するには、人脈を利用したり、セミナーを活用したりするなどの工夫が必要になります。
保険代理店の営業の内容
保険代理店の営業内容は次の通りです。
- 見込み客開拓
- 面談・商品の提案
- クロージング・契約
多くの保険代理店では、上記の業務を1人でこなしますが、チームで協力しながら業務をこなす代理店もあります。
ここでは、上記の営業内容について解説します。
見込み客開拓
代理店の営業でとても重要な業務です。
代理店が利益を上げ成長していくためには、新たに見込み客を開拓し、契約を獲得し続ける必要があるためです。
見込み客の開拓には次の方法があります。
- テレアポ
- 訪問
- チラシ配布
- DM
- セミナー
代理店の見込み客開拓は、企業側からアプローチするアウトバウンド営業が基本です。
ただし、最近ではWebページやSNSを利用して問い合わせや申し込みを募るインバウンド営業も増えています。
面談・商品の提案
面談や商品の提案も代理店営業の大切な業務です。
面談では、顧客からのヒアリングによってニーズを見つけ出し「どの商品を提案するか」「保障内容をどうするか」を検討します。
商品の提案では、商品のメリットだけでなく、デメリットも説明します。
特に重要なのは保険金が「どんな場合に支払われるのか」「どんな場合に支払われないか」などの支払い条件です。
顧客と長く良好な関係を築くには、信頼を得る必要があるため、デメリットはしっかりとした説明が必要です。
クロージング・契約
クロージングと契約は代理店営業で最も重要な業務です。
クロージングとは、商談を締めくくる代理店営業の最終課程です。最も営業スキルが試される局面と言って良いでしょう。
契約手続きでは、最後に重要事項と顧客の意向確認が行われます。
ここで「顧客が商品の内容を理解しているか」「顧客の意向に合った商品か」を確認しなくてはいけません。
契約完了後は、アフターフォローの体制について説明を行ったり、必要に応じて見込み客の紹介を依頼したりすることもあります。
保険営業に向いている人とは?
保険営業は、営業成績が求められるため「自分に向いているのか」と不安に感じる人も多いでしょう。
保険営業に向いているのは、次のような人です。
- 顧客の利益を第一に考えられる人
- 自発的に行動できる人
- 数字を追う仕事にやりがいを感じる人
- 相談にのるのが得意な人
- ルールを遵守する人
- 精神的にタフな人
上記に該当する人であれば、保険営業の仕事に転職してキャリアアップできる可能性が高いと言えます。
顧客の利益を第一に考えられる人
保険営業は、顧客のライフプランや家計状況に合わせて提案します。
「契約を取りたい」「営業成績を上げたい」など、自分本位の考えから提案しても、顧客から理解を得られにくいでしょう。
逆に顧客の利益を優先した提案であれば、信頼され成約につながりやすくなります。
顧客の利益を第一に考えられる人は、保険営業に向いていると言えるでしょう。
自発的に行動できる人
保険営業に向いた人の特徴として、自発的に行動できる点が挙げられます。
テレアポや飛び込み営業など、多くの契約を獲得するためには、自発的に行動しなければいけません。
保険営業では門前払いされる場合も多いため、とにかく数をこなす必要があります。
目標達成のため、自発的に行動できる人は成果を出しやすいと言えます。
数字を追う仕事にやりがいを感じる人
数字を追う仕事にやりがいを感じる人は、保険営業の仕事に向いています。
インセンティブや営業成績、顧客の保険料見積りなど、保険営業では常に数字を意識する必要があるためです。
また、税金や社会保障、医療費などの知識が必要となるため、数字に関する勉強が好きな人も保険営業に向いています。
相談にのるのが得意な人
「家族が亡くなったら収入が減ってしまう」「病気になったら医療費が大変だ」など、保険は顧客の悩みや不安を解決する商品です。
相談にのるのが得意な人は、顧客から悩みや不安を聞き出しやすいため、保険営業に向いています。
保険営業は、性別年齢を問わずさまざまな人と接する機会があるため、偏見や分け隔て無く他者の話を聞ける人も向いています。
ルールを遵守する人
ルールを遵守する人は、保険営業に向いています。
保険販売の仕事には、保険業法や金融商品取引法など、守らなくてはいけない法律や決まり事があるためです。
ルールを守る姿勢や適切な提案方法は、顧客からの信頼につながるため、良好な関係を築くうえで大きな強みになるでしょう。
また、保険営業は契約行為を伴うため、ルールの遵守は顧客とのトラブルを防ぐうえでも重要です。
精神的にタフな人
精神的にタフな人は、保険営業に向いています。
保険営業では、見込み客獲得のためテレアポや飛び込み営業を行う場合が多く、何度も断られると精神的に弱い人は仕事が辛いと感じてしまうでしょう。
また、ときには高い営業目標が課せられて、プレッシャーに感じる場合があるかもしれません。
精神的にタフであれば、長く仕事を続けるうえでも大きな強みになります。
活かせるスキルや資格の種類
保険営業には、次の通り活かせるスキルや経験、資格があります。
【活かせるスキルや経験の種類】
- コミュニケーションスキル
- 営業経験
- 金融機関の勤務経験
- テレアポの経験
- 管理職の経験
【活かせる資格の種類】
- FP資格
- 社会保険労務士
ここでは、上記スキルや資格を活かせる理由について解説します。
活かせるスキルや経験の種類
保険営業には、さまざまなスキルや経験を活かせます。
ここでは、どのようなスキルや経験を活かせるのか、活かせる理由について解説します。
コミュニケーションスキル
保険営業では、面談やヒアリングが欠かせないため、コミュニケーションスキルは重要なスキルの1つです。
保険を販売するには、顧客のニーズを引き出し、商品内容を正確に伝える必要があるため、コミュニケーションスキルは特に重要になります。
コミュニケーションスキルは、顧客へのセールスに役立つだけでなく、社内の連携を図るうえでも大きなポイントになります。
営業経験
業種を問わず、他業種の営業経験は保険営業にも活かせます。
営業経験がある人は、セールストークやクロージング手法が身についていたり、目標達成意識が強かったりなど、営業の基礎が備わっているためです。
営業経験がある人は、自己管理能力が高いケースも多く、成果を出しやすいと言えます。
営業経験者を重点に採用している代理店も多く、転職時には大きなアピールポイントになります。
金融機関の勤務経験
銀行や証券会社など、金融機関の勤務経験は、保険営業で役立ちます。
金融商品の知識や実務経験があると、提案に説得力が増すためです。
特に金融関連の資格がある場合は、商品提案の際に大きな強みとなります。
また、金融機関勤務で身につけたリスク管理や法令遵守の考え方は、保険会社への転職でも評価のポイントになります。
テレアポの経験
テレアポの経験は、保険営業に活かせます。
保険営業では、ほとんどの会社が見込み客開拓のためテレアポを行うからです。
通常、入社時にテレアポの研修が行われますが、スキルを身につけるには時間が必要です。
テレアポの経験がある人は、すぐにスキルを活かせるため成果を出しやすく、保険営業では有利と言えます。
特に、アウトバウンド営業が主体の代理店では、テレアポのスキルが大いに役立つでしょう。
管理職の経験
業種にかかわらず、管理職の経験も保険営業に活かせます。
保険代理店では、目標達成に向けチームで営業する場合も多く、リーダーシップを発揮し、成果管理ができる人は高い評価を得られます。
また、一定の結果を残すとマネージャーへのキャリアアップが望めるため、管理職の経験は大いに役立つでしょう。
代理店の中には、管理職経験を高く評価する会社も多いため、転職時には大きなアピールポイントになります。
活かせる資格の種類
保険は、家計や社会保険制度と大きく関係するため、保険営業ではFPや社会保険労務士の資格を活かせます。
FP資格
FP資格は、社会保険制度や税制、ローンなど、家計に関するさまざまな知識を問われる資格です。
保有していれば、必要な保障額の算出やライフプランに合った商品の提案ができるため、保険営業に活かせます。
公的保険制度や公的年金制度を理解していることで、商品提案の幅が広がる点も強みになるでしょう。
FP資格取得を推奨する代理店も多く、転職前に取得しておけば、大きな評価ポイントになります。
社会保険労務士
社会保険労務士は、公的年金や健康保険など、社会保険の専門家です。
「公的年金だけで生活費がいくら不足するか」「公的健康保険でカバーできない医療費はいくらか」など、具体的な数字から保険を提案できるため、資格を保険営業に活かせます。
また、社会保険労務士は企業の労務管理、人事管理にも強いため、法人向け損害保険や経営者保険の営業でも資格を活かせます。
記事まとめ:転職でキャリアアップを成功させるために
保険営業は、コミュニケーション能力や精神的な強さなど、さまざまな要素が必要な仕事です。
しかし、金融機関の勤務経験や営業経験、接客経験がある場合は、保険営業に活かせるため、前向きに転職を考えても良いでしょう。
転職を考える場合は「自分に向いた仕事であるか」「活かせるキャリアや資格があるか」を考慮し、転職するか慎重に判断する必要があります。
保険営業への転職を考えている人は、代理店の求人広告やWebサイトから、おすすめの求人情報を見つけてはいかがでしょうか。
次の記事では、保険営業でおすすめの保険会社へ転職するポイントを解説しています。
ぜひ、併せてお読み下さい。