保険外交員の給料は?性別・年齢別の平均年収や給与・インセンティブの仕組み
保険会社や代理店に勤めて顧客に保険商品の提案やアドバイスを行う保険外交員。
女性の職員が多いため「生保レディ」の呼び名でも知られています。
そんな保険外交員への就職・転職を考えている人は、給料がどれくらいもらえるのかが気になるのではないでしょうか。
本記事では、保険外交員の平均給料や給料の仕組みについて解説します。
成果に応じてもらえるインセンティブの仕組みも掲載しているので、保険外交員の仕事に興味がある人は就職・転職活動にぜひ役立ててください。
保険外交員の平均給料
厚生労働省が2024年に発表した「令和5年賃金構造基本統計調査」で算出したデータによると、保険営業に携わる会社員の平均年収は585.9万円となっています。
金融業・保険業を合わせた平均年収と他の業界とを比較しても、上位3業界に入るほどの高い水準に位置しています。
職種 | 平均年収(万円) |
---|---|
電気・ガス・ 熱供給・水道業 | 652.4 |
学術研究、専門・技術、サービス業 | 651.7 |
金融業、保険業 | 653.9 |
情報通信業 | 598.1 |
建設業 | 615.7 |
宿泊業、飲食、サービス業 | 374.4 |
ただし、保険外交員に就職・転職すれば無条件に高い給料がもらえるわけではありません。
保険外交員の給料は、以下のような要素によっても異なります。
- 給料形態(完全歩合制/基本給+歩合制/固定給)
- インセンティブの金額(1契約あたり〇円/年間保険料の〇% など)
- 会社形態(保険会社/代理店)
- 取り扱う保険商品(生命保険/損害保険)
- 出資している投資家(外資系企業/日系企業)
それぞれの要素が持つメリット・デメリットをよく比較し、まずは希望の条件を導き出しましょう。
高い報酬だけに惹かれて保険外交員に就職すると、後悔する結果になりかねません。
保険外交員の平均給料【年代・性別】
保険外交員の平均給与は、年齢の上昇に伴う伸び率が高いのが特徴です。
成果に応じて給料が増える歩合制が関係しています。
生保レディと呼ばれるほど女性職員が多い保険外交員では、男女によっても給料に差があります。
ここでは、保険外交員の平均給料について以下の2点を見ていきましょう。
- 【年代別】保険外交員の平均給料
- 【男女別】保険外交員の平均給料
自分の年齢と性別ではどれくらいの給料がもらえるのか、参考にしてください。
【年代別】保険外交員の平均給料
全体平均では高い水準の給料であった保険外交員ですが、20代前半の平均年収は331.8万円と、他の業界と比較しても下位に位置しています。
一方で、経験を積んで安定した成果を出せるようになっている40代後半の平均年収は、全業界の中で最も高い779.3万円です。
年齢 | 金融業・保険業 | 電気・ガス・ 熱供給・水道業 | 学術研究、専門・技術、サービス業 | 情報通信業 |
---|---|---|---|---|
平均年収 | 653.9万円 | 652.4万円 | 651.7万円 | 598.1万円 |
20~24歳 | 331.8万円 | 365.9万円 | 358.4万円 | 339.6万円 |
25~29歳 | 475.4万円 | 468.3万円 | 469.9万円 | 440.1万円 |
30~34歳 | 599.4万円 | 574.2万円 | 551.4万円 | 511.0万円 |
35~39歳 | 692.6万円 | 649.0万円 | 642.6万円 | 612.5万円 |
40~44歳 | 752.7万円 | 699.4万円 | 695.0万円 | 668.0万円 |
45~49歳 | 779.3万円 | 757.0万円 | 760.1万円 | 735.5万円 |
50~54歳 | 778.3万円 | 825.3万円 | 792.6万円 | 746.5万円 |
55~59歳 | 771.6万円 | 813.5万円 | 823.2万円 | 790.6万円 |
保険外交員は、獲得した契約数や商品単価によって給料が上乗せされる成果報酬型の給料形態を採用している会社がほとんどです。
年齢を重ねて能力が上がるにつれて、平均給料も急上昇しています。
【男女別】保険外交員の平均給料
男女別に保険外交員の平均給料を見てみると、男性は817.1万円と全業界の中でもトップの年収を誇ります。
一方で、女性の平均給料は499.7万円となっています。
金融業・保険業 | 電気・ガス・ 熱供給・水道業 | 学術研究、専門・技術、サービス業 | 情報通信業 | |
---|---|---|---|---|
男性 | 817.1万円 | 672.9万円 | 651.7万円 | 643.8万円 |
女性 | 499.7万円 | 526.2万円 | 651.7万円 | 486.3万円 |
女性は男性に比べると育児や家事を担う時間が多いため、フルタイムでの勤務が難しくなります。
したがって、成果報酬型を採用している会社では、女性よりも営業活動に時間をかけられる男性の方が高収入につながりやすいと推測できるでしょう。
営業と仕事内容は同じ!雇用形態別の給料形態
保険外交員と保険営業の仕事内容はほとんど同じですが、雇用形態と付随する給料の仕組みが異なります。
保険営業の場合、正社員として決められた時間内で従事するのが大半です。
一方で、保険外交員の雇用形態には、正社員と業務委託の2種類があります。
ここでは、以下の雇用形態別に給料の仕組みを解説します。
- 正社員
- 業務委託
会社員として正規雇用されるのか、個人事業主として業務委託契約を結ぶのか、悩んでいる人はぜひ判断材料にしてください。
【正社員】給料の仕組み|確定申告が容易になる
正社員の給料形態は、基本的に「基本給+歩合制(インセンティブ)」です。
営業成績が上がれば、もらえる給料も高くなります。
基本給が20万円で、歩合制の部分が1契約あたり2万円のケースを見てみましょう。
ケース1)3件の契約を獲得した場合
月収=20万円(基本給)+6万円(インセンティブ)=26万円
ケース2)契約を1件も獲得できなかった場合
月収=20万円(基本給)+0円(インセンティブ)=20万円
基本給の部分があるので、たとえ成果を上げられなくても無給になる心配はありません。
ただし、完全歩合制に比べると成果は給料に反映しづらいと言えるでしょう。
正社員の給料形態では、確定申告が容易になるのも魅力です。
基本給の部分は「給与所得」の扱いになるため、毎月の給与から所得税が引かれ、会社が年末調整を行ってくれます。
ただし、打合せの飲食代や交通費などの経費が計上できないため、節税効果は低くなる点に注意しましょう。
【業務委託】給料の仕組み|確定申告で節税できる
業務委託の給料形態は、完全歩合制である場合がほとんどです。
1契約あたり5万円の歩合制を採用している会社のケースを見てみましょう。
ケース1)5件の契約を獲得した場合
月収=5万円×5件=25万円
ケース2)契約を1件も獲得できなかった場合
月収=5万円×0件=0円
成果が全て給料に反映されるため、人によっては年収1,000万円を超える可能性もあるでしょう。
ただし、成果が上げられなかった月は極端に給料が減額するため、収入は安定しません。
いくら時間をかけて仕事をしても、成果を上げられなければ収入は0です。
年齢や勤続年数は給料に全く影響しないので、中途採用で転職を考えている人にはおすすめです。
仕事のスケジュールは自分で調整する必要があり、自由な働き方が実現します。
個人事業主で業務委託契約を結んでいる場合、歩合制の部分が事業所得になります。
事業所得とは、収入から経費を引いた金額です。
経費計上による節税効果を得られるだけでなく、最大65万円の青色申告特別控除も受けられます。
保険外交員の報酬はインセンティブによって変わる
歩合制を導入している保険外交員の給料は、インセンティブに応じて変動します。
努力が給料に直結しやすいので、モチベーションアップにもつながるでしょう。
インセンティブが発生する主な条件は以下のとおりです。
- 新規契約の獲得
- 継続更新
- チームや支店の目標達成
生命保険や損害保険を取り扱っている会社では、契約数や商品の保険金額などの要素がインセンティブに影響します。
例えば、基本給20万円の保険外交員が契約1件あたり2万円のインセンティブが発生する保険商品を、5件契約した月の給料を見てみましょう。
月収=20万円(基本給)+10万円(インセンティブ)=30万円
自分の能力が上がれば成果も上がり、給料も上がります。
固定給と異なり、成果が直近の収入に反映されるのも特徴です。
保険外交員は勉強をし続けられる向上心があり、高収入を目指したい人には向いている仕事と言えるでしょう。
まとめ|次の記事では、転職先の選び方やおすすめの会社を解説
本記事では、保険外交員の給料やインセンティブの仕組みについてまとめました。
保険外交員の雇用形態には正社員と業務委託の2種類があり、どちらも歩合制を導入している会社がほとんどです。
成果が給料に直結するので、やりがいを感じやすい仕事と言えるでしょう。
次の記事では、保険外交員への転職におすすめの会社を紹介します。
高い給料が期待できる会社を厳選しているので、自分のキャリアアップに最適な会社を選びましょう。