保険営業の報酬体系を雇用形態別に紹介!雇用形態別で働くメリット・デメリットも解説
「保険営業はどのような報酬の仕組みなの?」
「保険営業は正社員と個人事業主のどちらで働くべき?」
保険営業職として就職または転職を考えている人は、報酬の仕組みや働き方が気になるのではないでしょうか。
保険営業の主な雇用形態は正社員と個人事業主であり、新規契約数や既存契約の更新数によって報酬が上下する仕事です。
本記事では、保険営業の雇用形態別における報酬制度と平均年収や働くメリット・デメリットを紹介していきます。
保険営業の仕事に興味を持っていて、保険営業の詳細な報酬制度を知りたい人は就職や転職先の会社を選ぶ際の参考にしてください。
保険営業の報酬の仕組みと平均年収
保険営業では、正社員または個人事業主として働く選択肢があります。
正社員と個人事業主の主な給与形態は以下の通りです。
- 【正社員】固定給+インセンティブ
- 【個人事業主】フルコミッション制
ここからは、正社員と個人事業主の主な給与形態や平均年収を紹介します。
保険営業がどれだけ報酬をもらえるのか把握してから就職・転職したい人は参考にしてください。
【正社員】固定給+インセンティブ
正社員として就職する場合、保険会社または代理店と雇用契約を結びます。
報酬は固定給+インセンティブ(歩合)の形が基本です。
顧客が支払う年間保険料の20〜30%がインセンティブの相場と言われています。
例えば、固定給が25万円で、月5万円の生命保険を5件契約できると年間保険料は300万円となります。
- 20%の場合:25万円 +(300万円 × 20% ÷ 12)= 30万円/月
- 30%の場合:25万円 +(300万円 × 30% ÷ 12)= 32.5万円/月
他にも、インセンティブを以下のように定めている場合があります。
- ノルマを超えた売上の粗利に対しての割合で決定
- 売上金額に関係なく契約1件に対する固定金額
固定給とインセンティブの内容は会社や代理店で異なるため、求人情報や実際に働く社員のコメントを確認するのがおすすめです。
保険営業の正社員はインセンティブで年収を大きく上げられる可能性がありながら、安定収入を得られる給与形態であると言えます。
【個人事業主】フルコミッション制
個人事業主は会社や代理店と業務委託契約を結ぶ雇用形態です。
例えば「生保レディ」と呼ばれる営業職員の女性は個人事業主に分類されます。
固定給は無く、給与形態はインセンティブのみのフルコミッション制(完全歩合制)が基本です。
フルコミッションの場合は、主に以下のパターンでインセンティブが決定されます。
- 新規契約(初年度)は年間保険料の30〜50%
- 継続契約(2年目以降)は年間保険料の5〜10%
例えば、年間100万円の新規契約3件と年間60万円の継続契約5件がある場合は、以下の計算になります。
- 新規契約分:100 × 30%(50%)× 3 = 90(150)万円
- 継続契約分:60 × 5%(10%)× 5 = 15(30)万円
上記の場合は年収105〜180万円と算出できます。
トップクラスの保険外交員であれば1件数千万の契約を何本も抱えて、年収1億円となる場合も珍しくはありません。
フルコミッション制は収入の幅が大きく、平均年収で比較するのが難しい報酬制度です。
営業スキルに自信を持っている人は挑戦してみる価値があるでしょう。
保険営業の雇用形態別のメリット・デメリット
保険営業職として正社員または個人事業主で働く際、どちらが良いとは一概に言えません。
それぞれ良い面と悪い面があります。
- 正社員として働くメリット・デメリット
- 個人事業主として働くメリット・デメリット
ここからは、報酬の仕組みに注目したメリット・デメリットを雇用形態別に解説していきます。
自分に合う雇用形態を知りたい人はぜひ検討材料にしてください。
正社員として働くメリット・デメリット
保険営業の正社員として働く際、報酬に関するメリット・デメリットは以下の通りです。
正社員として働くメリット | 正社員として働くデメリット |
---|---|
・契約件数が0件でも最低限の年収は確保される | ・固定給に依存して仕事のモチベーションが上がらない |
・昇給や昇進で収入が底上げされる | ・勤務時間が決まっていて増やせる収入に限りがある |
・会社からボーナスが支給される |
それぞれ詳しく解説していきます。
正社員として働くメリット
正社員は固定給以上の給料が保証されており、成果を出せなくても生活に困るケースは少ないでしょう。
固定給は過去の営業成績や勤続年数によって上がり、同じ会社で長く働いて貢献するほど多額の年収が安定的に手に入ります。
年に数回はボーナスも支給されるため、保険営業の経験が浅く、着実にスキルアップしたい人におすすめの働き方です。
正社員として働くデメリット
固定給は安定収入を確保できる一方、仕事のモチベーション低下につながる可能性があります。
固定給に満足してしまうと、契約数や売上が伸びる努力をしなくなる人もいるでしょう。
正社員は勤務時間がある程度決まっているので、時間や会社の縛りに関係なく収入を伸ばしたい方には向いていません。
個人事業主として働くメリット・デメリット
保険営業の個人事業主として働く際、報酬に関するメリット・デメリットは以下の通りです。
個人事業主として働くメリット | 個人事業主として働くデメリット |
---|---|
・報酬の多い会社や代理店を選んで契約できる柔軟性がある | ・正社員よりも収入が安定しない |
・経費計上により手取り収入が正社員よりも多くなる | ・会社からボーナスは支給されない |
・いつでも働けて収入に上限がない |
それぞれ詳しく解説していきます。
個人事業主として働くメリット
個人事業主は取引先を選べるので、報酬の多い企業と優先的に契約する働き方が可能です。
毎年の確定申告が必要になりますが、営業で使用した車のガソリン代や接待費など、業務にかかった経費を収入から控除できます。
同じ額でも、控除できる金額が少ない正社員よりも多くの手取り収入を得られます。
勤務時間の縛りは無く、土日・祝日や平日の早朝など、収入につながる仕事がいつでもできる点もメリットです。
個人事業主として働くデメリット
毎月の契約件数が給料に直結する影響で、正社員よりも収入は不安定であり、固定給やボーナスが支給されません。
業務委託契約は正社員の雇用契約よりも比較的簡単に解除できるため、契約先で働く正社員よりも成果を出してアピールしていく必要があります。
保険営業の豊富な経験を持ち、会社の制限を受けずに大きな報酬を得たい人はおすすめです。
関連記事:年収相場や高い報酬を得やすい会社の種類を紹介
保険営業の仕事を雇用形態別で見ると、保険の契約数から生じるインセンティブが年収を大きく左右しています。
本記事を読んで、雇用形態別とは違った観点から年収相場を知りたい人もいるのではないでしょうか。
次の記事では、性別や年齢別における保険業界の給料相場や平均年収を中心に紹介しています。
一社専属と乗合ではどちらが高収入を得られるのかも解説していますので、保険営業の仕事で年収を上げたい人も参考にしてください。
記事まとめ
本記事では、保険営業の雇用形態別における報酬制度や年収、働くメリット・デメリットを紹介しました。
正社員は固定給+インセンティブで会社から報酬を得ているため、収入が比較的安定しています。
安定収入やボーナスがある一方、決められた勤務時間で収入を伸ばしていくのには限りがあります。
収入へのリスクを低く抑えながら、コツコツ努力して成長したい人に向いている働き方です。
個人事業主はフルコミッション制の給与形態なので正社員よりも不安定ですが、年収の額に上限がありません。
仕事相手や働く時間・場所を選べる自由度の高さも特徴です。
保険営業の正社員と個人事業主ではどちらにもメリット・デメリットがあるので、目指している年収や稼ぎ方によって働き方を選択していきましょう。