保険営業の給料の仕組みとは?インセンティブ・年収・報酬アップのコツも紹介
顧客の人生に深く関われる保険営業の仕事に興味があっても、給料の仕組みについては詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
転職した後、具体的にどのくらい稼げるかを知るのは、自分の思い描くキャリアを形成するうえで、重要な要素と言えるでしょう。
本記事では、保険営業への就職・転職を検討している人に向けて、給料の仕組みや平均年収について解説します。
インセンティブの仕組みや給料アップのコツも掲載しているので、給料の全体像を把握するために役立ててください。
保険営業の給料の仕組み
保険営業の給料は、成果に応じて上がる仕組みを採用している会社が大半です。
これまでの仕事が固定給で時給換算できた人は、保険営業の給料形態に最初は抵抗を感じるかもしれません。
しかし、成果に応じた収入が得られるため、モチベーションを維持しやすいでしょう。
給料の仕組みを理解するために、以下の2点について解説します。
- 給与形態について
- 平均年収について
転職を検討している人は、現在の給料と比較しながら見ていきましょう。
給与形態について
保険営業の給料は、基本的に「基本給+歩合制(成果報酬型)」です。
営業成績が上がれば、基本給にプラスされるインセンティブの支給額も多くなります。
日々の努力を継続すれば、月収100万円超えも夢ではありません。
出典元:job tag(厚生労働省運営)
ただし、会社によっては「完全歩合制」や「固定給」を採用している場合もあり、インセンティブの仕組みも異なります。
基本給とは手当を含まない賃金を指し、固定給は基本給に諸手当を含めた金額を指します。
それぞれの給与形態について、メリット・デメリットを見ていきましょう。
給与形態 | メリット | デメリット |
---|---|---|
固定給 | ・安定した給料が得られる | ・成果が給料に反映されにくい |
・評価によって基本給が上がる | ・仕事のモチベーションを維持しづらい | |
基本給+歩合制 | ・成果を上げられなくても収入が途絶えない | 歩合給と固定給の割合が大きい方のデメリットが発生する |
・仕事のモチベーションを維持しやすい | ||
完全歩合制 | ・成果次第で収入を上げられる | ・給料が安定しない |
・年齢や勤続年数が収入に影響しない | ・労働時間と収入が割に合わない場合がある | |
・仕事のモチベーションを維持しやすい | ・精神的負担が大きい |
平均年収について
厚生労働省が公表している「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、保険営業の平均年収は585.9万円です。
金融業・保険業の平均年収を含め、他の業界と比較して見てみましょう。
業種別の平均年収(万円)
金融業・保険業 | 建設業 | 情報通信業 | 卸売業・小売業 | |
---|---|---|---|---|
全体平均年収 | 653.9 | 615.7 | 598.1 | 490.1 |
20~24歳 | 331.8 | 369.7 | 339.6 | 326.2 |
25~29歳 | 475.4 | 479.6 | 440.1 | 397.3 |
30~34歳 | 599.4 | 554.7 | 511.0 | 444.2 |
35~39歳 | 692.6 | 610.7 | 612.5 | 482.9 |
40~44歳 | 752.7 | 649.5 | 668.0 | 524.4 |
45~49歳 | 779.3 | 697.9 | 735.5 | 564.4 |
50~55歳 | 778.3 | 759.0 | 746.5 | 584.9 |
55~59歳 | 771.6 | 764.0 | 790.6 | 589.0 |
20代前半の平均年収は331.8万円と、他の業界と比較しても決して高い値とは言えません。
しかし、経験を積んで契約数が上がり始める30代前半では、高水準である599.4万円にまで伸びています。
保険営業インセンティブの仕組み
「基本給+歩合制(成果報酬型)」を採用している会社の中でも、インセンティブが発生する仕組みは会社によって異なります。
ここでは、インセンティブの仕組みについて解説します。
- 1.新規契約の獲得
- 2.継続更新
- 3.チームや支店の目標達成
個人での契約数獲得やチームでの目標達成が収入に直結するので、どのインセンティブが自分に合っているかを確認してみてください。
1.新規契約の獲得
生命保険(生保)や損害保険(損保)を取り扱っている会社では、新規契約の獲得が収入に直結する仕組みをよく採用しています。
インセンティブに影響するのは、獲得した新規契約数や商品の保険金額、売上の上昇率などです。
例えば、以下のような仕組みを採用している会社のケースを見てみましょう。
- 基本給14万円に対してインセンティブが発生する
- 保険商品Aのインセンティブは契約1件あたり2万円
1ヶ月の間に商品Aを20件契約できたと仮定すると、月収は14万円(基本給)+40万円(インセンティブ)=54万円です。
完全に個人の成績が収入に直結するため、仕事のモチベーションを維持しやすいでしょう。
2.継続更新
既存契約の更新を成功させた場合、件数に応じてインセンティブが得られる仕組みを採用している会社もあります。
インセンティブの金額に影響する要素は、更新された商品の金額や更新期間などが該当します。
転職してから既存顧客が更新するまでの期間は、インセンティブが発生しません。
新規顧客を獲得できたとしても、既存顧客の更新が途切れると収入が激減するリスクがあります。
長期的な信頼関係を築くのが得意な人に向いているインセンティブの仕組みと言えるでしょう。
3.チームや支店の目標達成
個人の営業成績ではなく、チームや支店としての目標達成がインセンティブに直結するケースもあります。
メンバー間の競争意識が薄れ、チームワークが強化されるため、1人では達成できないような大きな目標を達成できるかもしれません。
目標を達成した際にはチーム全員で喜びを分かち合えるので、達成感も得られるでしょう。
一方で、個人の営業成績はチーム全体の成果に埋もれてしまう可能性があるので、モチベーションの低下を招くリスクもあります。
チームで協力して仕事がしたい人に、最適なインセンティブの仕組みと言えるでしょう。
給料アップのコツ
保険営業に転職して給料アップを目指すためには、会社が採用しているインセンティブの仕組みによらず、新規顧客を獲得できるかが重要です。
ここでは、給料をアップさせるためのコツを3つ紹介します。
- 顧客との信頼関係を築く
- 自己研磨を怠らない
- 給料アップが見込める会社に転職する
高収入が得られる給与形態の求人に転職し、日々のインプットと顧客への誠実な対応をするための具体的な方法を紹介していきます。
顧客との信頼関係を築く
保険営業では、顧客との深い信頼関係が給料に直結すると言っても過言ではありません。
営業や保険に関する知識を常に吸収し、顧客と真摯に向き合っていれば、顧客からの信頼を得られる可能性があります。
自分が提案する保険商品を契約したいと思ってもらえるでしょう。
新規契約の後もアフターフォローを継続していれば、顧客満足度はさらに上がり、既存顧客からの紹介で新たな契約が取れる可能性もあります。
継続更新によるインセンティブの仕組みを採用している会社もあるので、顧客との長期的な信頼関係が必要です。
自己研磨を怠らない
保険営業で高収入につなげるためには、日々の勉強が欠かせません。
保険営業には、保険に関する知識や営業スキルの自己研鑽が常に必要になるからです。
顧客との接し方がいくら上手かったとしても、保険に関する知識が薄ければ、顧客からの信頼は得られにくいでしょう。
一方で保険に関する知識がいくら豊富でも、営業スキルが乏しければ、契約につなげるのは困難です。
最新の保険商品や市場の動向を勉強し、営業スキルを磨けば、自然と顧客への提案力は向上します。
収入が伸びても自己研磨を怠らずにいれば、顧客から求められる人材になるでしょう。
給料アップが見込める会社に転職
給料アップが見込める給与形態を採用している会社に転職するのも、有効な方法です。
基本給の金額や歩合制の評価制度は、会社によって異なります。
内閣官房が公開した全職種合計を100種とした場合の職種別の賃金差によると、営業分野において日系企業が100種であるのに対して、外資系企業は106種でした。
外資系保険会社は、完全歩合制の仕組みを採用している場合が多く、投資系商品も豊富に揃っているため、インセンティブが日系よりも高くなるのです。
出典元:内閣官房
次の記事:転職におすすめの会社を紹介
本記事では、保険営業の給料やインセンティブの仕組みについてまとめました。
基本給+歩合制を採用している会社が多く、成果が年収に直結しやすいうえに、モチベーションの維持にもつながります。
平均年収は393.4万円と、他の業界と比べても高い水準です。
次の記事では、保険営業への転職におすすめの会社を紹介します。
歩合制による年収の高さが志望動機に含まれている人に最適な会社を厳選しているので、ぜひ参考にしてください。