保険代理店の種類とは?一社専属・乗合の給与や働き方の違いを解説
保険代理店への就職・転職を検討している方のなかには「どの企業に勤めるのがベストなの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
保険営業の主な職場である保険代理店には、いくつかの種類があり、それぞれ入社するメリット・デメリットが存在します。
自分にとって理想的な条件の就職先を見つけるには、保険代理店の種類の違いや各企業の特徴・魅力を正しく理解しておくべきです。
本記事では、保険代理店の種類と具体的な違いを詳しく解説します。
給与や働き方などのポイントごとに、各種類の保険代理店で働くメリット・デメリットを比較するので、ぜひ参考にしてください。
保険代理店の種類は2種類(専属・乗合)
保険代理店の種類は、主に以下の2種類に分類されます。
- 一社専属
- 乗合代理店
2種類の保険代理店の違いは、以下の通りです。
一社専属 | 乗合代理店 | |
---|---|---|
提携する保険会社の数 | 一社のみ | 複数社 |
提供する商品 | 一社の商品のみ | 複数社の商品 |
代理店としての傾向 | 損害保険代理店が多い | 生命保険代理店が多い |
一社専属は、主に保険会社のグループ企業が多く、親会社の生命保険や損害保険などの商品を顧客に提案し、契約してもらうための営業活動を行うのが特徴です。
一方、乗合代理店では、顧客からの相談内容に応じて、幅広い種類の保険商品から最適なプランを提案します。
保険代理店営業マンと保険会社専属営業マンの違い
保険営業は、大きく「保険代理店営業マン」と「保険会社専属営業マン」の2種類に分類されます。
2種類の保険営業マンのおもな違いは、以下の通りです。
保険代理店営業マン | 保険会社専属営業マン | |
---|---|---|
提供する商品 | 複数社の保険商品 | 一社の保険商品のみ |
収入形態 | 固定給+インセンティブ または完全歩合制 |
固定給+インセンティブ または完全歩合制 |
契約へのアプローチ方法 | 主に顧客からの相談や問い合わせに対応する | 主にテレアポや客先訪問によって新規顧客を開拓する |
メリット | 顧客のニーズにマッチする商品を提案しやすい | 商品知識を短期間でインプットしやすい |
デメリット | 商品知識のインプットに時間がかかりやすい | 顧客に提案できる商品数が少ないため、成果を出しづらい |
専属と乗合、それぞれの給与や働き方などを比較
ここからは、保険業界への就職・転職を検討している方に向けて、一社専属と乗合、2種類の代理店の給与と働き方を比較します。
2種類の代理店で働くメリットとデメリットを把握して、自分にとって最適な就職先を見つけるための参考にしてください。
給与・収入の目安
一社専属と乗合の2種類の保険代理店における給与・収入の具体例は、以下の通りです。
給与例 | 初年度の想定年収 | |
---|---|---|
一社専属A社 | 月給(初期補給金)25~30万円+ インセンティブ+賞与年4回 |
年収300~600万円 |
一社専属B社 | 月給27~40万円(固定残業代含む)+ 賞与年2回 |
年収400~600万円 |
乗合代理店A社 | 月給25~27万円(固定残業代+一律支給のライフプラン手当、営業手当含む)+賞与年2回 | 年収300~450万円 |
乗合代理店B社 | 月給25万円以上(固定残業代含む)+ インセンティブ年4回(賞与として支給) |
年収300万円~ |
上記から、求人情報における給与・収入例では、一社専属のほうが高い傾向があるといえるでしょう。
ただし、給与の詳細は代理店の種類だけでなく、事業規模や経営基盤の安定性などの各要因で変わるため、一概にはいえません。
詳細は企業によりますが、保険代理店は「基本給+インセンティブ制度(歩合制)」の給与形態を導入している傾向があります。
インセンティブは営業成績と手数料率によって決まるため、効率的に成果を出せる代理店であれば、高収入を達成できる可能性も高いでしょう。
ここからは、一社専属と乗合の2種類の保険代理店における稼ぎやすさをそれぞれ解説します。
一社専属の稼ぎやすさ
一社専属は乗合代理店と比較して、成果を出しにくい傾向があります。
一社の保険商品のみを取り扱う専属代理店は、商品の種類が少ないので、お客様へ提案できる選択肢が少ないといえます。
商品数が少ない分、顧客のニーズにマッチした提案ができる可能性も低いため、インセンティブを得られるチャンスは減ると考えられるでしょう。
ただし、保険営業の経験が少ない方でも、安定して成果を出しやすいのも特徴です。
商品の種類が少なければ、営業活動に必要な知識を習得するのにかかる時間を短縮できます。
大手企業の傘下として教育制度が整っている企業が多いのもメリットです。
営業スキルや業界知識に自信がない未経験者にとって、成長しながら報酬も稼ぎやすい魅力的な環境といえるでしょう。
乗合代理店の稼ぎやすさ
幅広い種類の保険会社の商品を取り扱う乗合代理店は、一社専属と比較して、高収入が期待できる会社といえます。
会社の垣根を越えて、幅広い種類の保険商品を提案できるため、さまざまな顧客のニーズを満たしやすく、成果も出しやすいです。
乗合代理店は国内の生命保険会社より販売手数料が高い傾向にあるため、効率よく報酬を稼ぎやすいでしょう。
ただし、乗合代理店で成果を出すには、幅広い業界知識と顧客の相談内容から的確にニーズを見抜き、最適なプランを提案する力が求められます。
一社専属代理店よりも規模が小さい会社が多く、教育体制が十分に整っていないケースもあるため、自主的に商品知識や業界の最新情報をインプットする意欲も必要です。
営業スキルや保険関連の知識が豊富な方にとっては、魅力的な職場である反面、未経験者にとっては過酷な環境ともいえるでしょう。
働き方の違い
一社専属と乗合の2種類の保険代理店には、働き方の違いが存在します。
ここからは、2種類の代理店における働き方をそれぞれ解説します。
一社専属の働き方
乗合代理店と比較して一社専属では、営業マンから顧客にアプローチする働き方が多い傾向にあります。
自分で顧客とアポイントを取り、相談を聞いたうえで、ニーズにマッチする最適な商品を提案し、契約につなげます。
訪問営業やテレアポ、知り合いへの声かけなど、新規顧客を開拓するのが主な仕事です。
保険加入の手続きやアフターフォローなどのサポートにも注力しなければなりません。
提供している商品の種類が少ない分、商品だけではなく売り手に対しても魅力や信頼感を感じてもらえるように売り込むのが特徴です。
乗合代理店の働き方
乗合代理店では、顧客からの相談に対応する働き方が主流です。
実店舗を構えている会社が多く、窓口に訪問した顧客の相談や問い合わせに対して、最適な商品を提案します。
電話やインターネットからの問い合わせにも幅広く対応し、契約数を増やすための営業活動を行います。
乗合代理店でも、顧客に対して営業側からアプローチする場合はありますが、アポイントを会社が提供しているケースも多いのが特徴です。
こちらから新規顧客の開拓はせず、商談に特化した働き方をするのが乗合代理店の保険営業といえるでしょう。
【記事まとめ】メリット・デメリットを見極めて理想的な保険代理店に就職しよう!
本記事では、保険代理店の種類について解説しました。
保険代理店の種類は、主に「一社専属」と「乗合」の2種類に分類されます。
一社専属は、一社の保険会社のみと委託契約を結び、特定の商品のみを取り扱うのが特徴です。
一方、乗合代理店は、複数の保険会社と委託契約を結び、幅広い種類の商品を販売します。
どちらの保険代理店にもメリット・デメリットがあるので、自分の要望やスキルレベルを把握したうえで、理想的な条件の企業を選びましょう。
保険代理店の求人情報や、自分にとって最適な就職先を見分けるコツを知りたい方は、下記ページもあわせてご確認ください。