保険営業のデメリットとは?転職・就職するメリットや向いている人の特徴も紹介
「保険営業はやめておけと聞くけど、その理由は何だろう?」
「保険営業に転職・就職する前に、デメリットを知っておきたい」
このような悩みを抱えている人は、多いのではないでしょうか。
デメリットを知らずに転職・就職してしまうと、後悔にもつながりかねません。
保険営業は、収入ややりがいの面で大きなメリットもありますが、人によってはデメリットの方が強く感じてしまう可能性があります。
本記事では、保険営業に転職・就職するデメリットについて解説します。
保険営業のメリットや向いている人も紹介しているので、自分の適性を判断するために役立ててください。
保険営業に転職・就職するデメリット!やめとけと言われる理由とは?
「保険営業はやめておけ」と耳にした経験がある人も多いでしょう。
やめておけと言われる理由には、多くの会社で採用されている「実力主義の評価制度」が関係しています。
ここでは、保険営業に転職・就職するデメリットについて解説します。
- ノルマ達成が難しい
- 給料が不安定で生活が安定しない
- 商品が売れないと長時間労働になる
- 労働時間外の自己研磨が必要になる
- ストレスが溜まりやすい
デメリットを許容できるか、自分に合っているかを確認してみてください。
ノルマ達成が難しい
保険営業に慣れていない人にとっては、ノルマの達成が難しいです。
すべての会社にノルマがあるわけではありませんが、下記のようなノルマが課せられることが多いです。
- 月に〇件の新規契約を獲得する
- アポイントを月に〇件取る
特に生命保険業界では、既に加入している顧客が多いうえに他社との競争が激しいため、契約やアポイントを取るのは容易ではありません。
ノルマは、個人に課せられた達成しなければならない目標です。
達成できなければ、会社からのプレッシャーや給料の減額によって、辛いと感じる方もいるでしょう。
給料が不安定で生活が安定しない
保険営業は成果主義なので、商品が売れなければ生活が安定しません。
また、スキルが高い人であっても、契約が取れなかった月は大幅に給料が下がることもあります。
保険営業の給料形態は「基本給+歩合制」がほとんどです。
基本給だけで生活するのは厳しく、どうしても成果を上げて歩合制で得られる金額を引き上げる必要があります。
商品が売れないと長時間労働になる
就業時間内に成果が上げられなければ残業をせざるを得ないため、長時間労働になる可能性があります。
また、顧客のスケジュール次第では、夜にしかアポイントが取れない場合もあるでしょう。
上記のような背景が影響しているためか、保険業界の労働時間は他の業界と比較しても長い傾向にあります。
総務省統計局が公表した令和5年の産業別平均週間就業時間では、金融・保険業の週間就業時間は男女ともに上位の順位にランクインしました。
平均週間就業時間(h)
職種/性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
金融業・保険業 | 42.9 | 36.4 |
運輸業・郵便業 | 45.0 | 32.5 |
情報通信業 | 41.8 | 38.0 |
不動産業・物品賃貸業 | 36.7 | 28.8 |
宿泊業・飲食 サービス業 | 36.6 | 25.7 |
出典元:総務省統計局 労働力調査
労働時間外の自己研磨が必要になる
営業成績を伸ばして年収を上げるためには、労働時間外の自己研磨も必要になります。
営業スキルがいくら上手かったとしても、商品に関する知識が薄ければ顧客からの信頼は得られません。
一方商品の知識が豊富でも、接客の印象が悪ければ契約獲得にはつなげられないでしょう。
日々最新の保険商品に関する動向を勉強し、営業スキルも磨く必要があります。
労働時間内に個人の勉強が許されていない企業では、労働時間外に勉強せざるを得ません。
ストレスが溜まりやすい
保険営業は、以下のような理由からストレスが溜まりやすい仕事と言えます。
- ノルマ達成のプレッシャーがかかる
- 顧客に誠心誠意営業しても、契約につながらない可能性がある
- 他の営業スタッフから職場内の人間関係が悪化するリスクがある
人と関わる機会が多い分、他人の言動で一喜一憂しやすい人は要注意です。
自分を鼓舞しストレスの解消方法を見つけなければ、精神的にまいってしまう恐れもあるでしょう。
デメリットだけじゃない!メリットも紹介
デメリットだけを見ると保険営業への転職・就職を躊躇してしまう人もいるでしょう。
しかし、給料ややりがいの面では、以下のようなメリットもあります。
- 高収入を目指せる
- 幅広い知識やスキルが身に付く
- 自由な働き方が実現する
- 幅広い人脈を形成できる
保険営業は成果主義によるデメリットを乗り越えられれば、多くのメリットを享受できる仕事です。
それぞれのメリットについて見ていきましょう。
高収入を目指せる
保険営業の給料はインセンティブが占める割合が高く、高収入を目指せるのが特徴です。
インセンティブは成果に応じて基本給に上乗せされていきます。
例えば生命保険(生保)や損害保険(損保)を取り扱っている会社では、獲得した新規契約数や商品の保険金額などがインセンティブに影響します。
成果に応じて青天井で給料が上がるため、年収1000万円超えも夢ではありません。
幅広い知識やスキルが身に付く
保険商品に関する知識だけでなく幅広い知識やスキルが身に付きます。
デメリットでも解説した通り安定した収入を維持し続けるには、日々の自己研磨が欠かせません。
しかし、それは裏を返せばメリットにもなりえます。
保険営業で身に付く知識やスキルは以下のとおりです。
- 公的支援制度の知識
- 年金制度の知識
- 資産運用の知識
- コミュニケーション能力
- コンサルティング能力
仮に離職して他の業界に移る際にも、仕事で培った知識や能力は武器になる可能性があります。
また、保険営業で得た知識は日常生活の資産形成にも役立つのが特徴です。
自由な働き方が実現する
成果主義の保険営業の世界では、自由な働き方が実現します。
時間による拘束がなく成果さえ上げていればよいので、自分のペースで仕事を進められることが可能です。
また、転職・就職したばかりの時期は、知識や能力が乏しいために長時間労働を余儀なくされる場合もあるでしょう。
しかし、知識や能力が身に付いてくると、時間をかけずに安定した成果が上げられるようになり時短勤務が可能になります。
幅広い人脈を形成できる
保険営業では、顧客やビジネスパートナーと会う機会が多く幅広い人脈形成が可能です。
顧客の人生に深く関わり誠実なコミュニケーションを重ねれば、深い人間関係が築けるでしょう。
さらに顧客からの紹介で人脈が広がっていくケースもあります。
人脈が広がれば新たな契約の獲得にもつながり、結果的に収入アップが望めます。
また業界の動向や顧客のニーズなどを迅速に入手でき、効率的な営業活動が可能です。
保険営業に向いている人の特徴
保険営業には向き不向きがあるので、求人に応募する前に自分の適性を見定める必要があります。
デメリットを知って成果主義や自己研磨に苦手意識を感じた人には、残念ながら向いていない可能性が高いです。
ここでは保険営業に向いている人の特徴について解説します。
- 人と接するのが好きな人
- 自己管理能力が高い人
- 人の人生設計をサポートしたい人
- 高収入を目指したい人
- 毎日の努力を継続できる人
自分が仕事に求めている内容や自分の性格と照らし合わせながら参考にしてください。
人と接するのが好きな人
保険営業は顧客との会話が主な業務内容です。
そのため人と接するのが好きかどうかは、仕事を円滑に行ううえで外せない要素と言えるでしょう。
一方で、対人関係が苦手な人にとっては、苦痛な仕事になりかねません。
人と抵抗なく話せれば、顧客に寄り添ったコミュニケーションができ顧客ともフランクに会話でき信頼関係を築きやすいです。
ゆくゆくはそれが成果につながり、収入にも直結します。
自己管理能力が高い人
自由な働き方ができる分、自己管理能力も必要になります。
時給制では決められた時間に決められた場所にいさえすれば給料が貰えますが、歩合制ではそうはいきません。
ノルマ達成のために必要な作業と工数を主体的に設定し、緻密な計画作りが必要です。
また、デメリットでも解説した通り、成果が上がらずに収入が激減や人間関係が悪化するリスクがあり、ストレスの原因にも繋がりやすいです。
自分の精神的な不調を瞬時に察知し、適切なアプローチで回復できる能力がある人におすすめの職業と言えるでしょう。
人の人生設計をサポートしたい人
「人の人生に深く関わりたい」「人生設計の構築をお手伝いしたい」と考えている人は、仕事にやりがいを感じやすいので、保険営業に向いています。
仕事内容自体にやりがいを見いだせると、モチベーションを維持しやすく、多少のデメリットも気にならないでしょう。
また、顧客から「人生に向き合ってくれてありがとう」と感謝された際には、喜びもひとしおです。
高収入を目指したい人
保険営業は、転職・就職先の条件として、高収入を重視している人にもおすすめです。
インセンティブ制度を設けている会社を選べば、自分の努力次第で収入を増やせます。
厚生労働省が公表している「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、産業別にみた保険・金融業の平均賃金は約39.3万円と、全体で第三位の高収入です。
職種 | 平均年収(万円) |
---|---|
電気・ガス・ 熱供給・水道業 | 41.0 |
学術研究、専門・技術、サービス業 | 39.6 |
金融業、保険業 | 39.3 |
情報通信業 | 38.1 |
宿泊業、飲食、サービス業 | 25.9 |
出典元:令和5年賃金構造基本統計調査
求人に応募する際には、インセンティブの達成条件や金額にも着目してみてください。
比較的達成しやすい条件と高いインセンティブ率が設定されていれば、高収入が期待できます。
毎日の努力を継続できる人
保険営業で成果を上げ続けるためには、毎日の努力が欠かせません。
それをデメリットではなく、自己成長のチャンスと捉えて努力を継続できる人が向いています。
顧客との信頼関係は簡単に築けるものではありません。
すぐに成果が出ないからといって努力を怠ってしまえば、営業成績は悪化の一途をたどるでしょう。
失敗も学びと捉えて、努力を楽しめれば結果は自ずと付いてきます。
次の記事では、会社の種類や選び方を確認
本記事では、保険営業のデメリットについてまとめました。
成果主義の評価制度を設けている会社が多く、ノルマ達成の難しさや収入の不安定さなどのデメリットがあります。
一方で、高収入を目指している人や顧客の人生をサポートしたい人には、うってつけの職業と言えるでしょう。
次の記事では、保険会社の種類や選び方について紹介します。
自分にマッチしている会社が見つかれば、ぜひ応募してみてください。