医療保険
公的医療保険制度の仕組みを知って安心した備えを!プロがわかりやすく解説
公的医療保険制度の仕組みを知って安心した備えを!プロがわかりやすく解説
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公的医療保険の仕組みや給付について詳しく解説

医療保険には、国の制度「公的医療保険制度」と民間の保険会社が提供する任意で加入できる商品の「医療保険」があります。

公的医療保険制度の仕組みが充実しているため、病気やケガでの金銭的負担が少なくなるものの、この仕組みだけでは万が一の際にカバーしきれないかもしれません。

今回は、無料保険相談を行なっている「保険のぷろ」が、公的医療保険制度の仕組みを解説します。

公的医療保険制度の仕組みを知ることで、民間の医療保険でどのような保障を備えれば良いのかわかるため、参考にしてください。

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日本の公的医療保険の仕組み

日本の公的医療保険の仕組み

普段当たり前に受けている日本の公的医療保険制度は、中国や米国などの諸外国と比べ、仕組みが充実しています。

ここでは、日本の公的制度の仕組みを解説するため、見ていきましょう。

国民皆保険

公的医療保険制度には、国民全員に加入を義務づける国民皆保険制度の仕組みがあります。

国民ひとりひとりが保険料を支払い、お互いが助け合う仕組みです。

民間医療保険を中心とするアメリカでは導入されていない仕組みで、日本と比べて医療費が高額になる傾向があります。

しかし、日本には国民皆保険制度の仕組みがあるため、年齢や所得によって1~3割の定められた自己負担割合の分を支払うのみです。

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安価で高品質な医療を受けられるのが、この仕組みのメリットになります。

フリーアクセス

全国のどこの医療機関でも、患者自身が自由に治療を受けられるフリーアクセスの仕組みも公的医療保険制度のメリットのひとつです。

イギリスなどでは、最初は登録された指定の医療機関を受診する決まりがあり、この仕組みは制限されています。

日本では制限なく、治療方針や状況によって医療機関を選べるため、自由度が高いのがこの仕組みの特徴です。

原則3割負担での現物給付

診療や投薬などの必要な医療サービスを現物給付によって、原則3割負担で誰でも平等に受けられる仕組みがあります。

自己負担割合は年齢や所得によって異なり、以下の表のとおりです。

年齢 自己負担割合
75歳以上 1割(現役並み所得者は3割、一定所得以上は2割)
70~74歳 2割(現役並み所得者は3割)
70歳未満 3割
6歳未満 2割

医療機関の窓口で保険証を提示することで、負担が少なくなる仕組みです。

例えば、病気やケガをして入院・手術などの医療費が1万円かかった場合、70歳未満の方は3,000円の負担で済みます。

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国民みんなで助け合う仕組みがあるおかげで、経済的な不安を減らして治療に専念できる仕組みです。

公的医療保険の種類と特徴

公的医療保険の種類と特徴

年齢や仕事などによって、公的医療保険制度は種類があり、それぞれ特徴が異なります。

公的医療保険制度についてそれぞれ解説するため、あなたがどの種類に当てはまるかチェックしてください。

被用者保険

被用者保険とは、公務員や会社員・船員などとその扶養家族が加入できる公的医療保険です。

被用者保険は主に以下のとおりです。

  • 組合管掌健康保険:大企業の従業員
  • 全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ):中小企業の従業員
  • 船員保険:船員
  • 共済組合:公務員・教職員

被用者保険は被用者の4~6月の標準報酬月額を元に保険料が算出され、企業と折半して負担する仕組みです。

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被用者の扶養家族も加入でき、加入する人数によって保険料は変わりません。

国民健康保険

国民健康保険は、市区町村や同じ職業の人々で組織された組合が運営する公的医療保険制度で、自営業や農業・無職の方などが対象です。

世帯ごとの収入や資産額・世帯人数によって保険料が定められ、住んでいる地域によって計算方法が変わります。

また、加入者ひとりひとりが被保険者になり、被用者保険のように扶養家族という考えはありません。

ほとんどの市区町村で、被用者保険のように傷病手当金や出産手当金の仕組みはなく、民間の医療保険での備えが必要となるでしょう。

後期高齢者医療制度

後期高齢者医療制度は、75歳以上の方や65歳以上74歳以下の一定の障害がある方が対象です。

被保険者になると、元の公的医療保険制度を脱退し、保険証や保険料が変わります。

年金の受取額が年額18万円以上の場合は、原則年金から保険料が差し引かれ、2年ごとに保険料率が改定される仕組みです。

【知っ得】給付制度について

【知っ得】給付制度について

公的医療保険制度は、国民全員の医療費負担を軽減する仕組みです。

ここでは知っておきたい公的医療保険制度の給付制度の仕組みを、それぞれ簡単に解説します。

療養費

療養費とは、やむを得ない事情で保険診療を受けられず、自費で受診した場合などに、医療給付を受けられる仕組みになります。

保険診療を受けた場合にかかる金額から、一部負担金相当額を差し引いた額が給付される仕組みです。

  • 保険者証の発行手続き中のとき
  • 感染症予防で隔離収容されたとき
  • 医師の指示により義手・義足・義眼・コルセットを装着したとき
  • 生血液の輸血をしたとき
  • 柔道整復師等による施術を受けたとき など

一度全額立て替え払いし、あとで請求する必要があります。

入院時食事療養費

入院時食事療養費とは、一定額を超えた入院中の食事の費用が給付される仕組みです。

  • 一般的な方:1食460円
  • 低所得者:1食210円
  • 低所得者で90日を超える入院:1食160円
  • 特に所得の低い70歳以上の低所得者:1食100円

こちらも所得や入院期間によって負担額が異なります。

入院時生活療養費

入院時生活療養費は、65歳以上の方が対象で、一定額を超えた入院中の食事・生活費用が給付される仕組みです。

  • 一般的な方:1食460円、居住費370円
  • 低所得者:1食210円、居住費370円
  • 低所得者で90日を超える入院:1食160円、居住費370円
  • 特に所得の低い70歳以上の低所得者:1食100円、居住費0円

入院時食事療養費と同様、所得や入院期間によって負担額が異なります。

高額療養費制度

高額療養費制度とは、ひと月の自己負担限度額が設定され、限度額を超えた分の費用が後から払い戻される仕組みです。

以下の表のとおり、所得や年齢によって上限額が異なります。

【70歳未満】

年収 ひと月の世帯上限金額
約1,160万円~ 252,600円+(医療費-842,000)×1%
約770~約1,160万円 167,400円+(医療費-558,000)×1%
約370~約770万円 80,100円+(医療費-267,000)×1%
~370万円 57,600円
住民税非課税 35,400円

【70歳以上】

年収 ひと月の世帯上限金額
一般 入院:57,600円、外来:18,000円
低所得者 入院:24,600円、外来:8,000円
低所得者のうち特に所得の低い人 入院:15,000円、外来:8,000円

70歳以上で年収約370万円以上の方は、70歳未満の方と仕組みが同様です。

70歳未満の方が病気やケガなどで入院・手術して、医療費が100万円かかった場合でも、この制度を利用することで、実際に負担する金額は月に8万7,430円になります。

傷病手当金

病気やケガで3日以上連続して休んだ場合、4日目から最長1年6カ月、傷病手当金を受け取れる仕組みがあります。

1日あたりの給付額は、直近12カ月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3で計算可能です。

出産育児一時金・家族出産育児一時金

出産育児一時金・家族出産育児一時金は、被保険者や扶養家族が出産した際の仕組みです。

医療機関 一時金の額
産科医療補償制度に加入の医療機関 妊娠週数22週以降は子ども1人につき50万円、妊娠週数22週未満は子ども1人につき48万8,000円
産科医療補償制度に未加入の医療機関 子ども1人につき48万8,000円

医療機関や出産週数により一時金の金額は異なり、多胎出産の場合には、子どもの人数分支給されます。

出産手当金

出産手当金は、出産のために仕事を休んだ場合に給付される仕組みです。

傷病手当金と同じ計算式で給付金が計算され、直近12カ月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3となります。

埋葬料

埋葬料は、被保険者や被扶養者が死亡した場合に現金給付される仕組みです。

  • 健康保険・共済組合:定額5万円
  • 国民健康保険・後期高齢者医療制度:条例・規約が定める額

後者は市区町村によって給付額が異なり、1~5万円程度となります。

足りない保障は民間の医療保険で補おう

足りない保障は民間の医療保険で補おう

日本の公的医療保険制度は充実しており、安心して治療を受けられます。

しかし、長期にわたる入院で医療費の自己負担額が増加するリスクが考えられるでしょう。

医療費負担の不安をなくし、治療に専念するためにも、民間の医療保険で備えるのがおすすめです。

以下では医療保険の選び方を紹介しているため、民間の医療保険への加入を検討する際に参考にしてください。

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記事まとめ

記事まとめ

この記事では、公的医療保険制度の仕組みについて詳しく解説しました。

公的医療保険制度は医療費負担を減らせる制度ですが、長期の入院や働けなくなるリスクに備えて、民間の医療保険へ加入しておくのがおすすめです。

また、健保で給付される傷病手当金や出産手当金を導入していない国民健康保険では、給付を受けられないかもしれません。

そのため、自営業などの方は、民間の医療保険や就業不能保険・介護保険などで備えておくと良いでしょう。

民間の保険を検討している方は、ここで紹介した医療保険の選び方の記事を参考にするとともに、保険のぷろに相談するのもおすすめです。

監修者プロフィール
菱村真比古
菱村真比古
ファイナンシャルプランナー
10種の金融資格と中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャルプランナー。NISA、住宅ローン、社会保障制度などが複雑に絡み合うライフプランを明快シンプルに紐解きます。中でも《菱村式老後資金計算法》は将来に不安を抱える子育て世代に好評。生命保険と金融サービス業界の最高水準として世界中で認知されている独立組織MDRTの正会員。『お金のエキスパート』として講演や営業マンの育成など幅広い領域で活動している。

【資格情報】
・住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー
・日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー
・生命保険協会認定トータルライフコンサルタント
・CCAA クレジットカードアドバイザー
・相続診断協会認定 相続診断士 
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