医療保険
訪問リハビリは医療保険の対象?利用条件やサービス内容について解説
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医療保険で訪問リハビリを利用するには?そもそも保障対象?

訪問リハビリテーションは医療機関などに通院する外来リハビリが難しい人が利用条件を満たした場合に居宅で受けられる介護サービスです。

訪問リハビリテーションの利用にあたって加入している民間の医療保険が使えたら有難いですが、果たして利用することができるのでしょうか。

今回は、無料保険相談を行なっている「保険のぷろ」が、訪問リハビリには医療保険が使えるのか、またその他の利用条件や内容などを分かりやすく解説します。

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訪問リハビリテーションとは

訪問リハビリテーションとは

まずは、訪問リハビリテーションがどのようなサービスなのかについて解説をします。

概要

訪問リハビリテーションは、居宅要介護者の居宅において病院や診療所、介護老人保健施設の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが心身の機能の維持回復や日常生活の自立を助けるために理学療法や作業療法など必要なリハビリテーションを行うサービスです。

リハビリ施設と違い、日常生活に必要な訓練ができることとリラックスした状態でリハビリが受けられる点が訪問リハビリテーションのメリットです。

対象者

訪問リハビリの対象者は要介護認定を受け要介護1以上と判定された人です。また要支援1以上と判定された人は介護予防訪問リハビリテーションの対象となります。

この他40~64歳で特定疾病により介護認定されている人や主治医が介護が必要とみなした人も訪問リハビリテーションの利用が可能です。

回数制限と所要時間

訪問リハビリテーションの回数制限は、ケアマネジャーが作成するケアプランに基づいた日数となりますが、1回20分以上で週6回まで(1回40分であれば週3回まで)と上限が設けられています。

1回のリハビリは20分ですが、1日あたりの上限は設けられていないため同日に40分のサービスを受けることも可能です。

リハビリ費用の自己負担割合とその金額

訪問リハビリテーション費用の自己負担割合は地域やリハビリの内容、リハビリサービスの提供事業者、利用する時間帯等などで違いがあります。

訪問リハビリテーションを利用する際の自己負担割合は原則1割ですが、年齢や介護状態、所得によって異なるため注意が必要です。

また訪問リハビリテーションの自己負担額は訪問リハビリテーションの事業者や地域により違いますので正しい金額は担当のケアマネージャーにご確認ください。

どんなサービスを受けられる?

どんなサービスを受けられる?

訪問リハビリテーションで受けられるサービスの内容は次のとおりです。

  • 身体機能の改善
  • 健康管理
  • 日常生活の動作訓練
  • 家族へのアドバイスや相談
  • 生活環境の改善に関するアドバイス
  • 福祉用具の選定

具体的には歩行や寝返り、立ったり座ったりといった日常生活に必要な動きの訓練や嚥下訓練(嚥下:食べ物などをを飲み込むこと)、麻痺や褥瘡(床ずれ)解消のためのマッサージ、排せつ動作訓練などが行われます。

訪問リハビリ利用者の状態例

訪問リハビリテーションの必要が認められる状態として次のようなことが挙げられます。

ただし主治医が必要性を認めない場合には訪問リハビリテーションの対象になりません。

訪問リハビリテーションを利用できる状態例
  • 筋力低下によって歩行が困難である
  • 言葉がはっきり話せず会話に支障がある
  • 手の動きが悪くなってきた
  • 食事の際上手く飲み込めずむせる
  • 麻痺や拘縮(長く関節を動かさないことで硬くなった状態)がある
  • 日常生活に不安がある

医療保険で訪問リハビリを利用できる?

医療保険で訪問リハビリを利用できる?

訪問リハビリを利用する際には保険適用の対象となりますが、医療保険の対象になるのでしょうか。

年齢によっては介護保険へ加入していなく、医療保険によって訪問リハビリの費用等を保障したいという方もいるのではないでしょうか。

以下では、医療保険で訪問リハビリを利用できるのかについて解説していきます。

医療保険は利用可能(介護保険との併用は不可)

訪問リハビリを利用する場合、介護保険と医療保険を使うことができますが、併用することはできません。

しかし、同じ利用者であっても別の病気でリハビリを受ける場合や、訪問リハビリと訪問看護のように別の介護サービスを利用する場合には医療保険と介護保険の併用が可能になります。

原則的に要介護認定を受けている人は介護保険が優先され、そうでない人は医療保険を使って訪問リハビリを利用することになります。

また40歳未満の人は介護保険に加入していないため、訪問リハビリの利用には医療保険が適用されます。

訪問リハビリの利用に介護保険と医療保険のどちらを使うかは、年齢と要介護(要支援)認定の有無、16特定疾病かどうかで決まります。

要介護認定を受けていない人は年齢に拘わらず医療保険を使った訪問リハビリテーションの利用が可能です。

要介護、要支援認定
を受けていない
要介護、要支援認定を受けている
40歳未満 医療保険 医療保険
40歳~64歳
(第2被保険者)
医療保険 原則医療保険だが16特定疾病などの場合は介護保険
65歳以上
(第1被保険者)
医療保険 介護保険

16特定疾病の場合は介護保険が適用

40~64歳であっても16特定疾病である場合は医療保険ではなく介護保険が適用されます。

特定疾病とは65歳以上の高齢者に多く発生する病気のうち40歳以上65歳未満の年齢層の人にも発生が認められる等、罹患率と加齢の関係が認められる疾病のことで難病とは違います。

特定疾病は3〜6ヶ月以上継続して要介護状態または要支援状態となる確率が高いため、特定疾病の診断を受けたら早目に訪問リハビリテーションの利用を検討しましょう。

16特定疾病とされる対象疾患は次のとおりです。

16特定疾病とされる対象疾患

【医療保険に必要】要介護認定の申請方法

【医療保険に必要】要介護認定の申請方法

特定疾病にかかった場合、まず要介護認定を申請しましょう。

これは訪問リハビリテーションの申し込みにあたっては要介護認定が必要になるためです。

申請は住所のある市町村の担当窓口で行います。

健康上の理由で本人が窓口に来られない場合は家族や地域包括支援センターのスタッフ、ケアマネジャー、民生委員などが代理人として申し込みすることも可能です。

必要書類

要介護認定を申請するにあたって必要な書類は次のとおりです。

  • 要介護認定申請書(市区町村の担当窓口や地域包括支援センターで入手可能)
  • 介護保険証(65歳以上の場合)
  • 健康保険証(40~64歳で特定疾病のために介護が必要な場合)
  • マイナンバーカード
  • 主治医意見書、または主治医意見書を依頼する医療機関の診察券

※主治医意見書とはかかりつけ医が申請者の病歴や精神状態などを記載したもので、持病の状態や介護が必要な状態であるかどうか、また特定疾病に該当するかなどの見解が盛り込まれています。

保険のぷろ<br class />担当者
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担当者

主治医意見書は、認定調査や一次判定の資料として用いられます。

要介護認定までの流れ

要介護認定を申請してから認定までにかかる審査期間はおよそ1ヶ月といわれておりますので、早めの申請をおすすめします。

病状によっては特例として認定が下りる前に介護サービスを利用することもできますが、実際に認定が下りた場合に要介護度が低いと料金の自己負担額が大きくなってしまうので要介護度が確定するまでは最低限のサービスに留めておきましょう。

要介護認定までの具体的な流れ
  1. 担当窓口で申請を行う
  2. 訪問面談による認定調査を受ける
  3. 一次判定
  4. 二次判定
  5. 申請結果を受け取る

まとめ

まとめ

訪問リハビリテーションはクリニックなどに通院することが難しい要介護者の身体機能の改善や家族の負担軽減に欠かせないものです。

訪問リハビリテーションの利用には原則として介護保険が適用されますが、条件によっては医療保険を使うこともできます。

訪問リハビリは早期に始めればそれだけ改善の可能性が高くなりますので、介護や支援の認定を受けた場合には主治医に相談してみるのも良いでしょう。

監修者プロフィール
菱村真比古
菱村真比古
ファイナンシャルプランナー
10種の金融資格と中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャルプランナー。NISA、住宅ローン、社会保障制度などが複雑に絡み合うライフプランを明快シンプルに紐解きます。中でも《菱村式老後資金計算法》は将来に不安を抱える子育て世代に好評。生命保険と金融サービス業界の最高水準として世界中で認知されている独立組織MDRTの正会員。『お金のエキスパート』として講演や営業マンの育成など幅広い領域で活動している。

【資格情報】
・住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー
・日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー
・生命保険協会認定トータルライフコンサルタント
・CCAA クレジットカードアドバイザー
・相続診断協会認定 相続診断士 
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