医療保険は無駄と言われる理由は？加入せず後悔するケースや保険の選び方も紹介

日本は公的医療制度が充実しているため「医療保険は無駄」「保険金が無駄だから入らなくていい」と考えている人もいるでしょう。

公的医療制度が充実しているものの、万が一に備えて、民間の医療保険に加入しておくと安心です。

今回は、無料保険相談を行っている「保険のぷろ」が、医療保険が無駄と言われている理由を紹介します。

医療保険に入っていない人の割合や、入っていなくて後悔するケースも解説しているので、医療保険に入るか悩んでいる人はぜひ最後までご覧ください。

民間の医療保険は無駄・入らない方がいいと言われるワケとは

民間の医療保険は「無駄」「入らない方がいい」と言われる理由は、公的医療制度が充実している点があげられます。

ここからは、医療保険が無駄・入らない方がいいと言われる理由を2つ紹介します。

公的医療制度が充実している

日本では「国民皆保険制度」が導入されており、国民全員が公的医療制度に加入しています。

公的医療制度とは、加入者が保険料を負担し合って、医療費の経済的な負担を軽減する仕組みです。

現在は、医療費の最大3割自己負担で、誰しもが医療を受けられます。

公的医療制度のおかげで自己負担額を抑えて、医療を受けられるため、民間の医療保険は無駄と言われています。

高額な医療費は高額療養費制度によって負担が軽減される

高額な医療費は「高額療養費制度」によって、自己負担額が軽減される点も、医療保険は無駄と言われている理由の1つです。

高額療養費制度とは、1ヶ月あたりの自己負担額が一定の基準を超えた場合、超過分が払い戻される仕組みです。

自己負担額の基準は、年齢や個人の収入などによって決められ、収入が多いほど高額療養費の自己負担上限額は高くなります。

1ヶ月あたりの医療費が高額になっても、高額療養費制度で払い戻しが受けられるため、医療保険は無駄、必要ないと言われやすい傾向にあります。

入っていない人の割合と入らない理由を調査

医療保険に入らない理由として、独身だったり保険料の支払いが負担になったりするなどがあげられます。

医療保険に入っていない人の割合や、入らない理由を紹介します。

入っていない人の割合

生命保険文化センターの「生活保障に関する調査（2022年）」によると、医療保険に入っていない人の割合は以下の通りです。

参考：生命保険文化センター「生活保障に関する調査（2022年）」

日本は、公的医療制度が充実しているものの、8割程度の人が医療保険に加入しています。

自身の怪我や病気による高い医療費に対して、不安を抱いている人が多いのがわかります。

なかでも、男性より女性の方が加入率は高くなっているのも特徴です。

女性は妊娠や乳がん、子宮頸がんなど、女性ならではの医療費負担が発生するため、手厚い保障を受けたいと考えている人が多い傾向にあります。

入らない理由

医療保険に加入していない人は、以下のような理由から医療保険に加入していません。

医療保険に加入しない大きな理由は、公的医療制度や高額療養費制度で十分な保障を受けられる点があげられます。

あまり怪我や病気をしていなかったり、養う家族がいなかったりすると、医療保険に加入しなくても問題ないと感じる人もいるでしょう。

また、会社員や公務員であれば「傷病手当」で保障を受けられる点も、医療保険に加入しない理由と言えます。

傷病手当とは、病気や怪我で働けなくなった際に、支給される手当を指します。

休職中でもある程度の収入が確保されるため「医療保険に加入するのは無駄」と考える人もいるでしょう。

医療保険に入らないで後悔したよくあるケースをご紹介

公的医療制度が充実しているからと言って、医療保険に入らず後悔する人もいます。

ここからは、医療保険に入らないで後悔するよくあるケースを3つ紹介します。

個室を使用したら自己負担額が多かった

医療保険に加入しておらず、個室を使用したら自己負担額が多く、後悔する人がいます。

日本の公的医療制度や高額療養費制度は、充実した保障を受けられるものの、全ての医療費が対象になるわけではありません。

個室利用料や差額ベッド代などは、公的医療制度の対象にならず、自己負担で費用を払う必要があります。

個室を利用するには、本来の治療費に1日あたり3,000円〜1万円程度の料金を上乗せして支払わなくてはなりません。

民間の医療保険に加入していれば、入院した日数分の給付金を受け取れます。

保険のぷろ
担当者

他人の生活音が気になる、プライバシーに不安のある人は、医療保険に加入したうえで個室を利用するのがおすすめです。

先進医療を受けたら全額自己負担だった

先進医療を受けたら公的医療制度が適用されず、全額自己負担になってしまうケースもあります。

先進医療とは、厚生労働省が認可する高度な医療技術や治療法を指します。

現在の治療に効果が見られなかったり、治療の幅を広げたりしたい方は、医師から認められた場合、先進医療による治療が可能です。

先進医療は、全額自己負担になるため、高いと数十万円〜数百万円の支払いが求められます。

ただし、民間の医療保険に加入していれば、通算2,000万円までの先進医療費用を保障する特約があります。

幅広い治療から自分に合った治療を選びたい人や、体に負担の少ない治療を受けたい人は、無駄と考えず、医療保険に加入しておくといいでしょう。

医療保険に入りたい時に入れなかった

「医療保険は無駄」と考えており、いざ医療保険に入りたいと思った時には、入れず後悔する人もいます。

医療保険は、加入の申し込みをしても、健康状態や年齢によって加入できない可能性もあります。

特に、がんと診断されてから医療保険に加入するのは難しくなるため、注意が必要です。

加入が認められたとしても、保険料が高くなったり、条件付きの加入になったりするケースもあります。

医療保険に入りたいと思ったタイミングで必ず加入できるわけではない点に留意しておきましょう。

「将来に備えて医療保険に加入しようかな」と悩んでいる人は、早めに加入しておくのがおすすめです。

医療保険を無駄にしない正しい保険選びの方法

医療保険を無駄にしないためには、ニーズに合った保険を選ぶ必要があります。

医療保険を無駄にしない正しい保険の選び方を詳しく見ていきましょう。

定期型か終身型を選ぶ

医療保険には「定期型」と「終身型」の2種類があり、ニーズに合った方法を選ぶ必要があります。

定期型と終身型のメリットやデメリット、概要は以下の通りです。

定期型と終身型は、それぞれメリット・デメリットがあるため、無駄のないよう理解したうえで選びましょう。

特約をつけるか選ぶ

医療保険は、加入時に主たる医療保険の他に「特約」と呼ばれるオプションをつけるか選べます。

女性であれば、乳がんや子宮頸がんなど、女性ならではのリスクに特化した特約が代表的です。

がんや脳卒中など「特定疾病」にかかり、保険会社が定めている状態になった際に、保険金を受け取れる特約もあります。

ただし、特約をつけると保険金の負担は大きくなるため、無駄のないよう必要な特約のみを契約しなくてはなりません。

記事まとめ：自分にとって無駄な保障か判断に迷ったらご相談ください

日本は、医療費を軽減するが充実しているため「医療保険は無駄」と考える人もいます。

しかし、医療保険に入っていないと、個室や差額ベッド代を一部自己負担で支払わなくてはなりません。

先進医療は、公的医療制度では賄えないため、全額自己負担で治療を受ける必要があり、家計を圧迫するリスクもあります。

医療保険に加入していないと、多くのリスクが伴うため「医療保険は無駄」と一概にはいえません。

「本当に医療保険は必要なのか気になる」「無駄のない保険に入りたい」と考えている人は、以下の記事もご覧ください。

あわせて読みたい

あなたにぴったりな医療保険の選び方は？保障を考える際に見るべきポイント

菱村真比古

ファイナンシャルプランナー

10種の金融資格と中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャルプランナー。NISA、住宅ローン、社会保障制度などが複雑に絡み合うライフプランを明快シンプルに紐解きます。中でも《菱村式老後資金計算法》は将来に不安を抱える子育て世代に好評。生命保険と金融サービス業界の最高水準として世界中で認知されている独立組織MDRTの正会員。『お金のエキスパート』として講演や営業マンの育成など幅広い領域で活動している。

【資格情報】
・住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー
・日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー
・生命保険協会認定トータルライフコンサルタント
・CCAA クレジットカードアドバイザー
・相続診断協会認定 相続診断士