医療保険は掛け捨て型と貯蓄型のどちらを選ぶべき?
「転ばぬ先の杖」ということわざは「災いに備えることが大切」という意味ですが、医療保険もケガや病気の際に通院や入院、手術などを対象に保障が受けられる医療リスク対策に欠かせないものです。
医療保険は大きく分けると掛け捨て型と貯蓄型の2つに分けられ、それぞれ異なる特徴とメリット、デメリットがあります。
今回は、無料保険相談を行なっている「保険のぷろ」が、掛け捨て型の医療保険のメリットやどのような人におすすめなのか、貯蓄型との違いについて分かりやすく解説します。
医療保険の加入を検討されている方はぜひ最後まで読んでみてください。
掛け捨て型の医療保険とは
掛け捨て型の医療保険とは、契約時に設定した期間に偶発的な事故が起こった場合に保険金が支払われるものです。
その契約期間内に事故が起こらなければ保険金を受け取ることはできず、契約はそのまま終了します。
支払った保険料は文字どおり「掛け捨て」になり、契約期間の途中で医療保険を解約した場合も支払った保険料は戻ってきません。
保険料が掛け捨てになるのはもったいないと感じるかも知れませんが、保険料を抑えて手厚い保障を受けられるため、多くの医療保険がこの掛け捨てタイプです。
特徴
掛け捨て型医療保険は「終身型」と「定期型」の2種類のタイプがあります。
終身型は保険料を払い込む限り一生涯保障が続くもので、定期型は契約時に定める契約期間中保障が続く医療保険です。
終身型は定期型と比較して保険料の金額が高いことが多いですが、終身型の保険料は一生涯変わらないため、保険料が安い20代や30代に加入すると定期型よりお得になる傾向があります。
一方、定期型は1年や10年、15年など予め設定した契約期間のリスク対策を行うもので終身型と比較すると保険料が安いことが多いですが、契約期間を満了して更新する場合は更新時の年齢で保険料が決定するため、更新前より保険料が高くなるのが一般的です。
定期型 | 終身型 | |
---|---|---|
保険期間 | 契約時に一定期間の選択肢から選択 | 一生涯 |
保険料 払込期間 |
月払い、半年払い、年払い、一時払い | 月払い、半年払い、年払い、一時払い、短期払い |
保険料 | 終身型と比較すると割安 | 定期型と比較すると割高 |
中途解約金 | なし | なし、あるいはほとんどなし |
メリット
掛け捨て型の医療保険のメリットは、保険料を抑えながらケガや病気のリスク対策がしっかりできることです。
例えば、入院した場合に受け取れる入院給付金ひとつとっても「必要だと思う入院金額と加入している医療保険の入院日額」に差があることが医療保険の加入者を対象とした調査で明らかになっています。
つまり、入院した際には手厚い保障が望ましいものの保険料が高くなりすぎるため、ある程度の保障内容で妥協しているというのが実際のところです。
掛け捨て型の医療保険は、手ごろな保険料で万一の場合に手厚い保障が受けられる点がメリットなのです。
掛け捨て型であれば、保障が充実した医療保険が販売されればいつでも見直しが可能ですね。
デメリット
掛け捨て型の医療保険のデメリットは、契約期間内に保険を使う機会がないまま満期を迎えてしまうと払い込んだ保険料がもったいない気がすることです。
とくに年齢が若い内に1年や10年の定期タイプの医療保険に加入した場合は保険を使わないまま契約期間が終了することも少なくありません。
そのため掛け捨ての医療保険はもったいないと感じてしまいがちですが、自動車事故のリスクに備える自動車の任意保険も掛け捨てです。
医療保険も保険料が掛け捨てですが、ケガや病気による万一の場合は手厚い保障が受けられますし、健康に過ごせればそれに越したことはありません。
そう考えると保険料が掛け捨てであることはもったいないわけじゃないといえるかも知れません。
掛け捨て型の医療保険、保険料は月額いくら位?
医療保険は保険料を月払いにしている人が多いですが、平均すると毎月の保険料はいくら位なのでしょうか。
掛け捨て型の医療保険は加入者の年齢や保障内容でひと月に支払う保険料が大きく異なります。
医療保険単体の月額保険料の相場は公表されていませんが、生命保険を含んだ調査結果では保険料の平均は月13,000円であることが分かりました。
なお入院日額の平均は男性で9,600円、女性で8,100円が平均です。
参考:公益財団法人 生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」(2023年3月発行)
貯蓄型の医療保険とは
医療保険には掛け捨て型の他に「貯蓄型」のものもあります。
以下では、貯蓄型の医療保険について特徴や給付金の受け取り方について詳しく解説します。
特徴
貯蓄型の医療保険は、ケガや病気のリスク対策と保険料の一部の積立てによる貯蓄が同時にできる保険商品です。
払い込んだ保険料が積立てられ、一定の条件を満たしたタイミングで満期保険金などの形で戻ってくることから貯蓄型と言われています。
貯蓄型の医療保険で支払われる保険給付金はいくつかあるため、希望の形で給付金が受け取れる保険商品を選ぶことが大切です。
給付金の受け取り方
貯蓄型の医療保険には保険給付金の受け取り方が3種類あります。
以下ではそれぞれの給付金について詳しく解説します。
①お祝い金タイプ
お祝い金タイプは、3~5年ごとに事故がなかったお祝い金として5~10万円の給付金が受け取れるタイプのことです。
支払われるお祝い金は高額ではないものの使い道が自由なので、ちょっとした贅沢や旅行などを楽しむことができます。
この期間中に保険事故がなければ満額を、保険事故があればその時に支払われた保険金を差し引いてお祝い金が支払われるのが一般的です。
保険商品によっては事故があった場合はお祝い金が出ないこともあります。
②リターンタイプ
リターンタイプとは、一定の年齢まで保険料を支払い続けると、それまでに払い込んだ保険料が全額戻ってくる保険金のことです。
一定の年齢は保険会社により異なりますが、55~70歳の間で任意で設定できる場合が多く、払込期間が長いほどまとまった給付金が受け取れます。
ほとんどはリターンタイプで、給付金を受け取った後も保険料の支払いを続ければケガや病気の保障が引き続き受けられるので安心です。
なお契約期間中に保険金を受け取った場合はその分が給付金から差し引かれます。
③解約返戻金タイプ
解約返戻金タイプは、任意で設定したタイミングで保険契約を解約すると解約返戻金が受け取れるタイプの保険金です。
解約返戻金は高齢者になってから受け取って老後の資金にしたり、子供の成長に合わせて解約して学費にするなど自由に使えます。
リターンタイプとの違いは、ケガや病気で給付金を受け取った場合でも返戻金に影響せず、契約期間と払込金額に応じた返戻金を受け取れる点です。
ただ契約を解約してしまうため、その後の医療保障については新たに契約をする必要があります。
掛け捨て型と貯蓄型のどちらを選べば良い?
医療保険の加入を検討している人は掛け捨て型と貯蓄型のどっちを選べば良いか迷ってしまうことが少なくありません。
掛け捨て型にも貯蓄型にもそれぞれ異なる特徴とメリット、デメリットがあるため、それらを理解して自分に合った医療保険を選ぶことが大切です。
ここでは掛け捨て型と貯蓄型、それぞれどんな人に向いているかくわしく解説しますのでぜひ医療保険選びの参考になさってください。
掛け捨て型が向いている人
掛け捨て型の医療保険は、お手頃な保険料でケガや病気のリスク対策をしたい人や定期的に保険を見直したい人、貯蓄は別の方法で行う人に向いています。
医療保険に限ったことではありませんが、毎月支払う保険料は固定費にあたり余り高額になると家計を圧迫してしまう恐れがあるため注意が必要です。
万一の場合には手厚い保障を受けたいと考える人は多いですが、家計から保険料を捻出するのが負担になるようでは元も子もありません。
その点、掛け捨て型の医療保険は保険料を抑えてしっかりした保障を備えられるため、万一の場合も安心です。
また、掛け捨てタイプの医療保険では解約返戻金がないため、手厚い保障が受けられる医療保険が新しく販売された場合に切り替えやすく、定期的に保険を見直したい人に向いています。
医療保険は医療保障のみと考え、貯蓄はより運用効果が期待できる投資信託や積立等で行いたいと考える人も掛け捨て型の医療保険がおすすめです。
こんな人は貯蓄型がおすすめ!
貯蓄型の医療保険は保険料が掛け捨てになることで無駄になってしまうと感じる人、積立てた保険料を解約返戻金や還付給付金という形で受け取りたい人、ライフステージの変化で保険の見直しが必要ない人に向いています。
貯蓄型の医療保険を検討されている方は前述の保険給付金の受け取り方を参考にして自分に合う医療保険を選んでみてください。
まとめ
今回は掛け捨て型の医療保険について、その特徴や貯蓄型との違い、また掛け捨て型の医療保険が向いている人について解説しました。
医療保険に加入する際には本来の目的である医療保障を備えることはもちろんですが、異なる特徴を持つ掛け捨て型と貯蓄型のうち自分の家庭環境や経済状況、医療保険に対する考え方に合う最適な商品を選ぶことが大切です。
医療保険は種類も多く、どの医療保険にすべきかお悩みの方は、丁寧なカウンセリングに定評のある保険のぷろにお気軽にご相談ください。