医療保険がいらないとされる理由は?必要な人の特徴をプロが解説
医療保険は万が一のケガや病気の際に保障が受けられる保険商品です。
いざという時のために加入している人も多いですが、一方では「医療保険はいらない」という意見も耳にします。
では実際のところはどうなのでしょう。最近ではひろゆき氏の「医療保険はいらない」という発言も話題となり、悩んでしまうかどうか分からない方も多いでしょう。
今回は、無料保険相談を行なっている「保険のぷろ」が、医療保険がいらないとされる理由や必要性について詳しく解説します。
民間の医療保険がいらないとされる理由
医療保険がいらないとされる理由を知らない人は少なくありません。
「医療保険はいらない」という言葉がひとり歩きしてしまっていて、自分にとって医療保険が必要かどうかは考えたことがない、という人も多いです。
医療保険がいらないとされる理由はいくつかありますが、ここではよく挙げられる4つの理由についてくわしく解説します。
いらない理由を知った上で自分にとってはどうなのか考えてみましょう。
いらないとされる理由①公的医療保険制度が充実しているため
医療保険がいらないとされる理由のひとつが「日本の公的医療保険制度は充実しており、わざわざ民間の医療保険にお金を払って加入する必要はない」というものです。
日本では国民皆保険制度により公的な健康保険(国民健康保険や勤め先の社会保険)の加入が義務づけられています。
健康保険は病気やケガで治療を受けた場合、費用を1~3割自己負担すれば良いので誰もが病院に通いやすく世界的に高い評価を受ける医療制度です。
健康保険は一般的な入院や手術にも対応しているので、医療保険はいらないだろうというのがひとつの理由です。
いらないとされる理由②高額療養費制度があるため
日本の公的医療保険には高額医療費制度があるため、民間の医療保険がいらないという理由もよく耳にします。
高額療養費制度とは、1カ月にかかった医療費が高額になった場合に、上限金額を超過した部分を健康保険が負担してくれるものです。
公的医療保険で一部の費用を自己負担するだけで済むならそれで充分だ、という人にとっては民間の医療保険はいらないといえるでしょう。
いらないとされる理由③高齢の場合、医療保険の保険料が高くなる
民間の医療保険の保険料はリスクが高いほど保険料が高くなるため、病気やケガのリスクが高まる高齢者の保険料は高額になってしまいます。
例を挙げるとA社の医療保険(終身、日額5,000円)を30歳の男性が加入すると仮定した場合の保険料は999円ですが、60歳で加入すれば約5,000円と5倍ほどの差が生じるのです。
いらないとされる理由④保険金が受け取れないことがある
民間の医療保険は保険金が受け取れないことがあるのでいらない、という意見もあります。
医療保険で保険金を受け取るには、契約時に取り決めた支払条件を満たさなければいけません。
そのため、いざという時に保障がされないのであれば医療保険はいらない、と感じてしまう人も多いのです。
医療保険は本当にいらない?その必要性とは
公益財団法人生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によれば、医療保険はいらないといわれる一方で実際に医療保険に加入している人の割合は6割を超えているのが現状です。
ではどうして多くの人が医療保険に加入するのか、医療保険が必要とされる理由を確認していきましょう。
①公的医療保険の対象外の部分を補える
民間の医療保険は、公的制度の対象外の部分を補うものとして必要だと言われています。
前述の調査によると、病気やケガで入院する際にかかる費用の自己負担分は1日あたり平均20,700円となっており、公的医療保険のみでまかなうことに不安を感じる人は少なくありません。
一方民間の医療保険に加入した場合、保険の種類によっては日帰り入院でも保険金を受け取ることができるので万が一の場合でも安心です。
②医療費が高額になった場合に備えられる
民間の医療保険が必要とされる理由として、医療費が高額になった場合に備えられる点も挙げられます。
医療費が高額になると、公的医療保険では高額療養費制度を利用できますが、収入に応じた上限金額までは自己負担しなければなりません。
例えば、70歳以上75歳未満で年収が156~370万円の人が1カ月に支払った医療費が40万円だった場合、自己負担金額は57,600円になります。
そのため、家計に大きな負担を与えたり貯蓄を切り崩したりせずに治療を受けるためにも、民間の医療保険への加入が必要なのです。
③治療の選択肢が広がる
自己負担額を少なく、治療の選択肢を広げる目的で民間の医療保険に加入するのもおすすめです。特約で保障する幅を広げることができます。
公的保障の対象外である治療なども保障されるため、経済的負担を減すことができるのです。
特に、先進医療は治療費が高額になりがちです。民間の医療保険で先進医療特約に加入していれば、費用を気にすることなく安心して治療を受けることができますね。
加入する必要がある人の特徴とは?
ここからは、民間の医療保険に加入すべき人の特徴についてそれぞれ解説していきます。
自分にとって医療保険はいらないのか、判断の基準にしてください。
貯蓄が少ない・不安がある人
貯蓄(貯金)が少ない人は医療保険の必要性が高いといえます。
公的医療保険制度はたしかに優れていますが、何割かの自己負担が生じるため、いざという時に費用を賄うことができない可能性もあります。
急な多額の出費にも耐えられるほどの貯蓄(貯金)がある方は加入する必要はありませんが、貯蓄が少なかったり不安がある人は民間の医療保険へ加入することをおすすめします。
老後に備えて、若いうちに一生涯保険料が変わらない終身医療保険に加入するのもひとつの方法です。
自営業やフリーランスの人
自営業やフリーランスの人は、病気やケガをした場合の保障が公的医療保険だけでは不十分なため、民間の医療保険の必要性が高くなります。
会社員であれば病気やケガで仕事を休んでも傷病手当金を受け取れますが、自営業やフリーランスは受け取ることができないため、民間の医療保険に加入して万が一のために備えておく必要があります。
成人していない子どもがいる人
病気やケガで入院した場合収入が減る恐れがあるため、成人していない子供がいる人は医療保険に加入しておくのが安心です。
大学卒業までにかかる子どもの教育費はおよそ1,000万円といわれており、親がケガや病気により収入が途絶えてしまうと、タイミングによっては子供の将来を変えてしまうことになりかねません。
ライフステージに変化があった人
就職や結婚、妊娠・出産、退職などのライフステージに変化がある人は民間の医療保険によって入院・手術の保障を備えておくと良いでしょう。
独身か既婚者、または子供の有無によって生じる責任は異なり、自身や配偶者が働けなくなったときの負担は測りし得ないものです。
そのため、自身や配偶者が働けなくなった場合に備えて医療保険への加入をおすすめします。
家族全体が保障の対象となる、家族型の医療保険もおすすめです。
必要な分だけ備えることが大切
医療保険の必要性はさまざまな場面で議論されていますが、医療保険に加入することで高額な医療費に備えられたり、治療の幅を広げることができます。
公的保障に加えて、民間の医療保険が本当に必要かどうかは、自身の取り巻く家族環境やライフステージに応じて判断しましょう。
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記事まとめ
「民間の医療保険はいらない」という意見はよく聞かれますが、ライフステージや家族環境によっては医療保険の必要性は高くなります。
公的医療保険の自己負担は意外と家計を圧迫するものです。
医療保険に加入しておけば自己負担分を保障してくれるので、貯金などの貯蓄を減らす心配がありません。
医療保険はいらないと漠然と思っている方は、本当にいらないものなのか一度検討してみることをおすすめします。