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医療保険と介護保険は併用できる?2つの保険の違いや使い分けについて解説
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医療保険と介護保険を併用できる例外ケースも紹介!利用対象者や必要な条件も解説

相談者
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医療保険と介護保険の併用ってできるの?

相談者
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介護保険のほうが優先されるって本当?

上記のように悩んでいる方は多いでしょう。

結論、公的な制度では2つの保険は併用はできず、介護保険が優先的に使われます。

ただし、併用できるケースがあったり、民間保険なら併用可能だったりなど適用条件が複雑です。

そこで今回は、保険相談を無料で行っている「保険のぷろ」が、医療保険と介護保険における併用可否を解説します。

併用できる利用対象者や条件の違いも詳しく紹介しているので、ぜひ役立ててください。

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医療保険と介護保険の併用は可能なのか

医療保険と介護保険の併用は可能なのか

基本的に医療保険と介護保険を併用することはできません。

ただし、公的・民間の組み合わせによっては医療保険と介護保険の併用が可能です。

以下で詳しくみていきましょう。

基本的には併用が認められていない

公的な医療保険と介護保険は、基本的に併用は認められていません。

公的医療保険は病気やケガによる治療費用を補うサービス、公的介護保険は介護に必要な費用を補うサービスと目的が異なるためです。

ただし、民間保険だと保険会社の条件を満たしていれば、医療保険と介護保険の併用が可能です。

公的保険と民間保険の併用可否を下記の表にまとめました。

公的
医療保険
公的
介護保険
民間
医療保険
民間
介護保険
公的医療保険××
公的介護保険×
民間医療保険
民間介護保険×

民間保険は公的保険とほとんど併用可能ですが「公的な医療保険」と「民間の介護保険」の組み合わせは併用不可です。

例外ケース

医療保険と介護保険は基本的に併用できませんが、同時に使えるケースもあります。

タイトル
  • 別の診断名を受けた時
  • 医療保険と介護保険を使う時期が異なるとき
  • 末期癌のような難病に該当する場合

別の診断名を受けたとき

医療保険が適用となった疾病とはまた別で診断を受けると、医療保険と別の診断名で介護保険の申請が可能です。

医療保険を使いながら、介護保険の訪問介護やデイケアなどのサービスが受けられます。

医療保険と介護保険を使う時期が異なるとき

利用時期をずらすと、併用して保障が受けられます。

医療保険による訪問リハビリや看護サービスを利用している場合、医療保険の保障期間終了後に介護保険で訪問看護やデイサービスが受けられます。

2つの利用期間が被ってしまうと併用できないため、保障が終わった翌月以降に申請してください。

末期がんのような難病に該当する場合

特定疾病や難病に罹患している方は併用が可能です。

原則として介護保険が優先的に適用されますが、がんやパーキンソン病などの難病と診断されると、医療保険も適用となり、併用可能です。

特に治療や手術での回復が難しい末期がんは、医療と介護の両方によるケアが必要なため、特例として併用可能なケースはよく見受けられます。

公的制度ではどちらの保険が優先される?

公的制度ではどちらの保険が優先される?

厚生労働省により加入を義務づけられている公的な医療保険と介護保険では、内容が被っている保障は多く見受けられます。

公的制度における優先順位を解説します。

介護保険制度が先に適用される

公的な制度では、介護保険のほうが優先的に適用されるのが一般的です。

下記のように介護保険の利用が認められない方は、医療保険が適用されます。

  • 40歳未満である
  • 40歳以上65歳未満で、厚生労働省が定める特定疾病でない
  • 40歳以上で、要介護あるいは要支援認定を受けていない

介護保険の対象者は基本的に介護保険が優先的に適用され、そのうえで医療的な支えが必要と判断されると医療保険も使えるようになります。

医療保険と介護保険における違い

医療保険と介護保険における違い

公的な医療保険と介護保険における違いを解説します。

それぞれの利用対象者や条件、自己負担額など、詳しく解説するので、併用可否を含めて参考にしてください。

①利用が認められている対象者

医療保険と介護保険の利用対象者について、下記の表へまとめました。

保険の種類対象者
医療保険
(被用者保険)
企業に属している方やその扶養家族が対象
医療保険
(国民健康保険)
自営業や無職の方など、企業に属していない方が対象
医療保険
(後期高齢者医療制度)
75歳以上の方、あるいは65歳以上で障害を持つ高齢者が対象
介護保険65歳以上で介護が必要となり要介護認定を受けている方
40~64歳で特定疾病により介護が必要となり要介護認定を受けている方

医療保険は日本の全国民が利用対象で、上記のように3種類の保険があります。

一方、介護保険の利用者対象は、65歳以上で介護が必要、もしくは40~64歳で特定疾病により介護が必要となり、要介護認定を受けている方です。

医療保険も介護保険も、行政により加入を義務づけられています。

②利用するための条件

医療保険と介護保険の利用条件は、下記の通りです。

 利用条件
医療保険なし
介護保険・40歳以上
・要介護認定の調査を受け「要支援1~2」
もしくは「要介護1~5」に認定

医療保険には利用条件はなく、医療機関を受診した際に保険証を提示すれば、自己負担額が3割のみで済みます。

一方で介護保険を使えるのは、40歳以上かつ要介護あるいは要支援認定を受けた方のみです。

介護保険の被保険者は2つに分けられ、それぞれ利用条件が異なります。

介護保険の利用条件
  • 第1号被保険者:65歳以上で要介護あるいは要支援認定を受けた方
  • 第2号被保険者:40歳以上65歳未満で、特定疾病により要介護あるいは要支援認定を受けた方

特定疾病とは厚生労働省が定めた16の疾病で、がんや関節リウマチ、初期の認知症など、老化が原因となる疾病を指します。

出典:厚生労働省|介護保険制度について

③自己負担額と限度額

医療保険を使った際の自己負担額について、下記の表へまとめました。

年齢自己負担の割合
0~6歳(義務教育就学前)2割負担
6~70歳未満3割負担
70~74歳まで2割負担
※現役並み所得者は3割
75歳以上1割負担
※現役並み所得者は3割

原則3割の自己負担で医療が受けられます。

ただし、医療保険が適用されない自由診療の場合は、全額負担が必要です。

出典:厚生労働省|医療費の一部負担(自己負担)割合について

介護保険における自己負担は原則1割で、年間所得が一定の所得を超える場合は2割、または3割です。

介護保険は医療保険とは異なり、限度額が設けられています。

要介護度支給限度額
自己負担1割の場合
支給限度額
自己負担2割の場合
支給限度額
自己負担3割の場合
要支援150,320円10,064円15,096円
要支援2105,310円21,062円31,593円
要介護1167,650円33,530円50,295円
要介護2197,050円39,410円59,115円
要介護3270,480円54,096円81,144円
要介護4309,380円61,876円92,814円
要介護5362,170円72,434円108,651円
要介護度支給限度額
自己負担1割の場合
支給限度額
自己負担2割の場合
支給限度額
自己負担3割の場合
要支援150,320円10,064円15,096円
要支援2105,310円21,062円31,593円
要介護1167,650円33,530円50,295円
要介護2197,050円39,410円59,115円
要介護3270,480円54,096円81,144円
要介護4309,380円61,876円92,814円
要介護5362,170円72,434円108,651円

上記の限度額を超えた場合、上回った部分は全額自己負担となります。

出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」

④認定の有無

医療保険は加入していれば認定手続き無しで利用可能な反面、介護保険を使い始めるには認定手続きが必須です。

介護保険の認定手続きについて、ステップ形式で紹介します。

認定手続きの流れ
  1. 市町村の窓口にて申請・書類提出
  2. 市町村の職員による訪問を伴う聞き取り調査(認定調査)
  3. 認定調査の結果や主治医の意見書を元に審査
  4. 要介護認定の通知
  5. サービス計画書(ケアプラン)を作成し市町村へ提出
  6. 介護サービスの利用開始

介護保険サービスの利用前に、どのサービスをいつ・どこで受けるかなど利用計画を記したケアプランの提出が必要です。

出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」

記事まとめ:保険の併用についてプロに聞いてみよう

記事まとめ:保険の併用についてプロに聞いてみよう

公的医療保険と公的介護保険は目的が異なるため、同時利用は基本的に認められていません。

どちらの保険とも利用対象者に該当する場合は、介護保険が優先的に適用されます。

公的保険制度だけでは、保障が足りないと感じる方は、民間保険へ加入して併用するのがおすすめです。

ただし、民間保険は保険会社ごとで保障内容や適用条件が異なり複雑になるため、知識の豊富なアドバイザーに相談するのがよいでしょう。

「保険のぷろ」は保険に関する無料相談を行っているので、民間医療保険や介護保険の加入を検討したい方は、ぜひ活用してみてください。

【無料保険相談】保険のぷろ
監修者プロフィール
菱村真比古
菱村真比古
ファイナンシャルプランナー
10種の金融資格と中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャルプランナー。NISA、住宅ローン、社会保障制度などが複雑に絡み合うライフプランを明快シンプルに紐解きます。中でも《菱村式老後資金計算法》は将来に不安を抱える子育て世代に好評。生命保険と金融サービス業界の最高水準として世界中で認知されている独立組織MDRTの正会員。『お金のエキスパート』として講演や営業マンの育成など幅広い領域で活動している。

【資格情報】
・住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー
・日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー
・生命保険協会認定トータルライフコンサルタント
・CCAA クレジットカードアドバイザー
・相続診断協会認定 相続診断士 
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