医療保険に通院保障は必要?入院給付金だけで保障が不足するのは本当か?
医療保険は、手術や入院にかかる費用を軽減するための保険商品です。
特約で通院保障を付加できる医療保険も増えており「通院保障は本当に必要なのか?」「いくら必要なの?」などの疑問を抱く方も多いでしょう。
本記事では、無料保険相談を行なっている「保険のぷろ」が、通院保障とは何かや通院保障の必要性、通院保障の選び方を解説します。
医療保険への加入や保障内容の見直しを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
通院保障とは【基礎知識】
通院保障は、病気やケガによる入院や手術の前後に通院を行った際、治療費に対して給付金が支払われる保障です。
医療保険では通常、入院や手術の費用を対象としていますが、ほとんどの場合、通院に関する保障は含まれていません。
通院費用へ備えるには、医療保険に特約として通院保障を追加する必要があります。
なお、通院保障の対象となるのは、あくまでも入院や手術と関連する通院に限られます。
単なる外来診療や入院を伴わない治療は通院保障の対象外となるため、加入を検討する際は注意が必要です。
医療保険の通院保障の必要性
医療技術の進歩や医療環境の変化によって、通院保障の重要性が高まっており、医療保険加入時に通院保障への加入を検討する方が増えています。
ここでは、医療保険に通院保障がなぜ必要とされるのか、その理由について詳しく説明します。
入院日数が短期化しているため、入院給付金では不十分
通院保障が求められる理由として、入院日数の短縮化に伴い、医療保険の入院給付金だけでは十分な保障を得られない状況が挙げられるでしょう。
厚生労働省が令和5年(2023年)に発表した患者調査によれば、入院期間は年々短くなる傾向が見られます。
【平均入院数推移】
年度 | 平均入院日数 |
---|---|
平成17年(2005年) | 37.5日 |
平成26年(2014年) | 31.9日 |
令和5年(2023年) | 28.4日 |
入院期間が短くなってきている主な理由は、医療技術の進歩が挙げられます。
今後も医療技術がさらに進歩し、入院日数の短縮傾向が続くとすれば、通院保障の必要性はますます高まるでしょう。
通院患者は増加傾向にある
通院患者が増加している点も、医療保険で通院保障が必要とされる理由の1つです。
病気やケガで医療機関を利用する際、入院日数が減少している一方で、通院患者の数が増加傾向にあるためです。
厚生労働省が公表した令和5年(2023年)の患者調査によると、通院患者数は約727万5千人に達し、平成5年(30年前)から約30万人増えています。
通院患者増加の背景には、治療方法の変化があると考えて良いでしょう。
例えば、体への負担が少ない日帰り手術の普及や、抗がん剤治療をはじめとした化学療法の増加が要因とされています。
日帰り手術の場合、ほとんどの医療保険は手術給付金が減額されるほか、一般的に医療保険では通院治療可能な化学療法の費用が保障されません。
通院保障は日帰り手術や化学療法に伴う費用を補うためにも、重要性が増していると言えるでしょう。
通院には様々なお金がかかる
通院時には、医療費以外にも交通費やリハビリなどの費用が発生します。
医療費以外の費用は、公的保険や医療保険の入院給付金ではカバーされない場合が多く、通院保障が必要とされる理由の1つです。
- 通院時の交通費(タクシー代・電車やバスの運賃など)
- 付き添い・介護人への報酬
- サプリメント・健康食品購入費用
- リハビリにかかる費用
- ベビーシッター・ホームヘルパー費用
また、入院日数が短縮化している昨今、治療内容によっては通院が長期にわたるケースも想定されます。
長期化した通院に伴う出費の増加へ備えるためにも、医療保険に通院保障を追加する意味は大きいと言えるでしょう。
医療保険の通院保障の選び方
病気やケガへの備えを考える際に「公的健康保険だけで良いのでは」「民間の医療保険は必要なのか」と疑問に感じる方も少なくないでしょう。
公的健康保険(国民健康保険や社会保険)と民間の医療保険では、役割が大きく異なるため、医療保険の必要性は預貯金や家計の状況により異なります。
- 公的医療保険 : 病気やケガにより生じる経済的負担を軽減する公的保険
- 民間医療保険 : 公的医療保険でカバーできない自己負担部分を補う保険商品
医療保険に付帯される通院保障は、保険会社ごとに給付内容や保障の対象となる通院期間が異なるため、保険選びの大きなポイントと言えるでしょう。
ここでは、医療保険の加入を検討する際に注目すべき通院保障の選び方について詳しく解説します。
保障対象となる条件
保障対象となる条件は、通院保障を選ぶ際の重要な判断基準の1つです。
通院保障の給付を受けるためには、保障対象となる条件を満たす必要があるからです。
多くの医療保険では、入院後の通院のみが対象となっていますが、一部の医療保険では入院前の通院も保障範囲に含まれる場合があります。
- 入院後の通院のみが対象
- 入院前および入院後の通院が対象
ただし、いずれの場合も給付の対象となるのは入院に至った病気やケガに関する治療の通院のみです。
「風邪をひいた」「骨折した」など、入院の原因になった病気やケガと無関係の通院であれば保障対象外となる点に注意が必要です。
保障対象となる通院の期間
通院保障を選ぶ際には、保障の対象となる通院期間も大切なポイントになります。
医療保険は商品によって通院保障の対象期間が異なり、すべてのケースで無制限に保障されるわけではありません。
「退院翌日から120日以内の通院が対象」「1回の入院で通院給付金が支払われるのは60日以内」などの条件が設定されている場合がほとんどです。
さらに「保険期間中の通算通院日数が1,095日以内」「放射線治療後の通院も対象に含む」など、特定の条件が付加されている商品もあります。
医療保険を選ぶ際には、保障内容や給付条件を詳細に確認するため、契約書や約款をしっかりと確認する必要があるでしょう。
通院給付金
医療保険の通院保障を選ぶうえで、通院給付金の金額も重要なポイントと言えるでしょう。
1日あたりの通院給付金額は、保険会社や商品ごとに大きな差があるためです。
厚生労働省が公表した「医療保険に関する基礎資料」によると、1日の通院費用は約10,000円、平均的な通院日数は約12日とされています。
平均的なデータを参考にしつつ、自分自身の通院費用がどの程度医療保険でカバーできるかを検討し、適切な通院保障を選ぶと良いでしょう。
通院保障以外で通院費用に備える保険
医療保険の通院保障は、原則として病気やケガによる入院や手術に関連した通院が対象となるため、それ以外の通院では給付を受けられません。
治療方法の多様化により、通院治療が重要視される中で「医療保険の通院保障に頼らず通院費用を補う方法はないか」と考える方も少なくないでしょう。
ここでは、医療保険の通院保障に加えて、別の手段で通院費用に備えられるおすすめの保険商品を紹介します。
三大疾病保険
三大疾病保険は、がん、急性心筋梗塞、脳卒中の三大疾病に罹患した際、保険会社が定める一定の条件を満たした場合に、一時金が支払われる保険です。
三大疾病は通院治療が長期にわたるケースも多く、まとまった金額を受け取れる三大疾病保険は、通院費用を補うための効果的な手段になるでしょう。
ただし、三大疾病保険では、他の病気やケガは対象外となる点に注意が必要です。
「保険料が無駄になるのでは」と不安を感じる方は、解約返戻金がある貯蓄型の三大疾病保険を検討するのがおすすめです。
がん保険
がん保険は、医療保険の通院保障とは別に、通院費用へ備える選択肢の1つとして利用できます。
多くのがん保険では、がんと診断された際に一時金を受け取れるため、入院や手術を伴わない場合でも通院費用を補えるからです。
放射線治療や抗がん剤治療を受けた際、一時金が支払われるタイプのがん保険もあり、一時金は通院費用に充てられます。
ただし、がん保険はその性質上、がん以外の病気やケガは保障の対象外であり、ほとんどの商品が掛け捨て型です。
がん保険は、加入している医療保険の保障内容や保険料負担を考慮し、無理のない範囲で加入を検討する必要があります。
記事まとめ
本記事では、医療保険の通院保障とは何か、通院保障の必要性や選び方を解説してきました。
医療保険は、医療を取り巻く環境の変化によって通院保障の重要性が高まっています。
医療保険に加入する際は、病気のリスクに「公的保険でどこまで備えられるか」「預貯金で対応できないか」を考え、適切な保障を選ぶ姿勢が必要です。
必要な保障額は個々の家計状況や貯蓄の有無に左右されるため、自分だけで判断が難しい場合には、保険の専門家に相談すると良いでしょう。
保険のぷろでは、保険の見直しや新規加入に関する無料相談を実施しております。予約は30秒で完了しますので、お気軽にご利用ください。