
70歳以上の高齢者が民間医療保険に入るメリットとデメリットを解説
70歳以上で年齢を重ねると、医療保険の必要性について考える機会が増えてきます。
公的医療保険の負担割合が変わるため「自己負担額はどれくらい?」「民間の医療保険は必要か?」と悩む方も多いでしょう。
高齢になるほど病気やケガのリスクは高まる一方で、保険料の負担も気になるところです。
今回は、無料保険相談を行なっている「保険のぷろ」が、70歳以上の医療費負担における仕組みを解説します。
医療保険に加入するメリットやデメリット、保険選びのポイントも詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。


70歳以上の医療費の負担割合はどうなる?まずは公的医療保険制度についておさらい
70歳から74歳までの方は「高齢受給者」として、公的医療保険の制度が適用されます。
医療費の負担割合は、収入によって以下のように異なります。
2割負担 | 70歳以上で課税所得が145万円未満の方 |
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3割負担 | 年齢関係なく現役並み所得(145万円以上)の方 |
出典「70歳以上75歳未満の方の医療」つくば市公式ウェブサイト
https://www.city.tsukuba.lg.jp/soshikikarasagasu/hokembukokuminkenkohokenka/gyomuannai/4/1/1001239.html
例えば入院すると、1日3食までの食事代として1食あたり490円の自己負担が発生します。
長期入院で必要な「療養病床」を利用する場合は、食事代に加えて部屋代(居住費)も自己負担となります。
認知症の症状がある高齢者の方は、療養病床を利用するケースが大半です。
75歳以上の方や、65~74歳で一定の障害の状態にあると認定を受けた方は「後期高齢者医療制度」の対象となり、医療費負担の仕組みが変わります。
後期高齢者医療制度では、医療費の自己負担額は原則1割、一定以上の所得がある方は2割となります。
出典「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202209/1.html
70歳以上の高齢者に民間の医療保険は必要か
70歳以上となると、医療費の負担や保険の必要性について改めて考える方が増える傾向にあります。
公的医療保険により自己負担は軽減されますが、入院費や先進医療など公的保険ではカバーしきれない部分もあるためです。
高齢者における民間医療保険はどの程度必要か、医療保険へ加入すると得られるメリットやデメリットを詳しく解説します。
70歳以上の医療保険の必要性
70歳以上の方が民間医療保険に入るべきかどうかは、貯蓄額や年金の額など状況により異なります。
医療費が高額となった場合に支払えるのか不安な方は、民間保険の加入を検討する価値があるでしょう。
例えば病気やケガで入院すると、治療費や入院費、薬代は公的医療保険の対象になります。
ただし先進医療の費用、差額ベッド代、入院中の食事代、日用品代などは全額自己負担になります。
もし、費用を貯金や年金だけで支払うのが心配なら、民間医療保険への加入も検討するとよいかもしれません。
70歳以上の高齢者が医療保険に入るメリット・デメリット
70歳以上の高齢者が医療保険に加入すると、メリットとして自己負担を軽減できます。
一方で高齢になるほど、保険料が高くなるデメリットもあります。
加入を検討する際には、自分の健康状態や経済状況を考慮するのが重要です。
ここでは、70歳以上の高齢者が医療保険に入るメリットとデメリットについて詳しく紹介します。
メリット
70歳以上の高齢者が医療保険へ加入するメリットは、以下の通りです。
医療費の自己負担を軽減できる点が、民間医療保険に加入する主なメリットです。
公的医療保険ではカバーされない差額ベッド代や、入院中の日用品代などを保障してもらえるため、民間医療保険に入ると自己負担額が抑えられます。
病気やケガで高額な医療費が発生しても、保険から給付金を受け取れるため、貯金を減らさずに済むでしょう。
さらに入院や手術に対する給付金があると、療養中の生活費補填ができ、家族の経済的負担も軽減できます。
デメリット
70歳以上の方が医療保険に入るデメリットは、以下のような点が挙げられます。
70歳以上だと保険料が高額になり、終身保険では長期間支払う場合が多い傾向です。
健康状態や年齢制限により、加入できなかったり保障対象外になったりするケースもあります。
健康であれば給付を受ける機会が少なく、貯金で備える方が効率的な場合もあるかもしれません。
年齢を重ねると民間医療保険に加入するデメリットが増えるため、70歳以上で加入するかは、慎重に判断する必要があるでしょう。
民間の医療保険に入るのがおすすめな高齢者の特徴とは
70歳以上の高齢者に民間医療保険が必要かどうかは、経済状況や医療への考え方により異なります。
貯蓄や年金が少なく医療費の負担が心配な方や、公的保険でカバーできない治療を受けたい方は、加入を検討するとよいでしょう。
ここでは、民間医療保険への加入がおすすめな高齢者の特徴を紹介します。
十分に貯蓄がない方
十分な貯蓄がない方にとって、病気やケガによる医療費の負担は大きくなる可能性があります。
突然の入院や手術に備えて、民間の医療保険に加入しておくとよいでしょう。
公的医療保険で治療費の自己負担はある程度まで抑えられますが、それでも一定の出費は発生します。
例えば、入院による食事代や個室利用の差額ベッド代、医療用消耗品など、公的保険の適用外となる費用はすべて自己負担です。
入院となった場合、期間が長くなるにつれて費用は積み重なるため、貯蓄が少ないと経済的な不安は大きくなるかもしれません。
医療費の支払いに不安がある方は、保険の活用を検討してみてください。
年金が少ない方
年金が少ない方にとって、病気やケガの医療費負担は不安に思う方が多いでしょう。
万が一に備えて、民間の医療保険に加入しておくのがおすすめです。
年金収入が限られていると、毎月の保険料負担を避けたいと考える方もいます。
しかし、病気やケガで入院や手術を受けた場合、公的医療保険の適用があっても、自己負担は発生します。
公的な医療保険では対象外となる費用をカバーできるので、年金が少ない方にこそ医療保険の加入は必要と言えるでしょう。
治療の幅を広げたい方
70歳以上で、病気やケガをした際にできるだけ手厚い治療を受けたいと考える方は、民間の医療保険に加入しておくと安心です。
公的医療保険が適用される治療であれば、自己負担割合は抑えられます。
しかし病気になった際、より効果的な治療を求めて先進医療や自由診療を検討する場合もあるでしょう。
新しい治療法や高度な医療機器を使用した治療は、保険適用外となるケースが多く、その費用は全額自己負担となります。
必要な治療を金銭面の理由であきらめずに済むよう、医療保険へ加入して備えておくのがおすすめです。
70歳以上の高齢者向け保険選びのポイント
70歳以上の高齢者が医療保険を選ぶ際は、以下のポイントを抑えて選びましょう。
- 高度な医療費に備えられる
- 保障と保険料のバランスを考える
医療費は公的医療保険でカバーされない費用もあります。
例えば先進医療の技術料は、公的な保険では保障されず自己負担が高額になります。
保険を選ぶ際は、自分が備えたい治療や医療費用を補える保障があるかを確認しましょう。
なお長期入院に備えるなら、入院日額の保障が手厚い保険や、保障期間が長い商品をおすすめします。
ただし、保障が充実するほど保険料も高くなります。
家計に負担がかかりすぎないようバランスを考えて、慎重に選ぶ必要があるでしょう。
記事まとめ
今回は、70歳以上の高齢者に対する民間医療保険の必要性や、加入するメリットとデメリットを紹介しました。
医療保険を選ぶ際は、公的医療保険でカバーしきれない差額ベッド代や先進医療費用など、長期入院に備えた保障内容の有無を確認する必要があります。
特に貯金や年金が少ない場合は、民間の医療保険を活用すると経済的負担を軽減できます。
保険料と保障内容のバランスを考え、無理のない範囲で必要な保障を確保しておきましょう。
また次の記事では、70歳以上におすすめの医療保険をご紹介していますのであわせてご覧ください。
「民間医療保険が大切なのはわかったけれど、70歳以上におすすめの保険はなに?」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
