
【基本のキ】一時払い終身保険は予定利率って何?プロがわかりやすく解説
「一時払い終身保険ってよく聞くけど、予定利率ってなに?」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
最近では、多くの保険会社が一時払い終身保険の予定利率を引き上げる動きを見せており、ちょっと気になる存在になってきています。
この「予定利率」は、保険料の金額や将来の保障に深く関わってくる大事なポイントです。
今回は、無料保険相談を行なっている「保険のぷろ」が、予定利率の意味や保険料との関係、そしてなぜ今予定利率が上がっているのかまで、保険の知識がない方でも分かりやすく解説していきます。
一時払い終身保険を検討している方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
【基本】一時払い終身保険とは
一時払い終身保険とは、契約時に一括で保険料を支払うタイプの終身保険です。
被保険者が死亡もしくは保険会社所定の高度障害状態になった時に、死亡保険金が受け取れる仕組みで、保障は一生涯続きます。
一般的に「保険」と聞くと、毎月(もしくは毎年)一定の保険料を支払うのをイメージされるかと思いますが、一時払い終身保険では、保険料の支払いが一度で完了します。
そのため、将来的な金銭的負担を気にする必要がありません。
また、保険料払込期間が短ければ短いほど支払う保険料総額が低くなるため、月払いや年払いの場合と比べて、負担する保険料総額が少なくなるメリットもあります。
ただし、契約時にまとまった資金が必要な点がデメリットです。保険料は保障内容等によって決定しますが、一時払い終身保険に加入する際は最低でも300万円程度必要になることを覚えておきましょう。
予定利率って何?
一時払い終身保険を検討していると、多くの方が目にするのが「予定利率」です。
予定利率は、支払う保険料や受け取る死亡保険金に関係するため、加入前に知っておきたい項目の一つです。
以下では、「保険について難しいイメージがある・複雑で理解しにくい」と感じている方でもわかりやすいよう、噛み砕いて解説しているため、ぜひ参考にしてください。
予定利率(よていりりつ)について
予定利率とは、保険会社が保険料を運用する際の利回りの目安のことです。簡単に言えば、「お預かりしたお金をこれぐらいの割合で増やせると予想しています」という数字です。
保険会社は、契約者から預かった保険料をそのまま置いておくわけではありません。
国や大きな信用のあるところなど、安全性の高い金融商品で運用して増やしていくことを目指しています。
この時、「これぐらいの利益が見込める」という前提で決めているのが予定利率です。
一般的に予定利率が高ければ保険料は安くなり、予定利率が低ければ保険料は高くなります。
なぜ予定利率が高くなると保険料が安くなる?
あなたが、将来1,000万円の死亡保険金を受け取れる終身保険に加入したとします。
万が一のことが起こった際に、その1,000万円を支払うため、保険会社は契約時に受け取った保険料を運用して備えます。
このとき重要になるのが「予定利率」です。
予定利率が高い、つまり「お金がよく増える」と想定されている場合は、少ない保険料でも将来1,000万円に届く見込みが立ちます。
一方、予定利率が低い、つまり「お金があまり増えない」と見込まれる場合は、将来1,000万円を準備するために、より多くの保険料を受け取る必要があるのです。
以下の表にもまとめてみました。ぜひ参考にしてください。
予定利率が 高い場合 | 予定利率が 低い場合 | |
---|---|---|
お金の増え方 | よく増える (利回りが良い) | あまり増えない |
保険料 (必要な元手) | 少なくてOK | 多めに必要 |
支払う保険料 | 安くなる | 高くなる |
各社の予定利率を引き上げる動きが相次いでいる件について
近年、多くの生命保険会社が一時払い終身保険の予定利率を引き上げています。
これは、国内の市場金利が上昇傾向にあることを受け、契約者に還元する動きの一環です。
一時払い終身保険は、退職金などまとまったお金の運用にも利用されることが多く、予定利率が引き上げられることにより保険料が安くなります。
そのため、資産の有効活用や相続対策を考える方にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
特に、一時払い終身保険の予定利率は長年低水準にあり、数十年ぶりに引き上げをした保険会社も多いため、長期で安定的な資産形成を期待することができます。
多くの生命保険会社が予定利率を1%超えに
住友生命は、2024年6月に一時払い終身保険の予定利率を1.00%から1.10%に引き上げました。さらに同年8月には1.25%に、12月には1.30%へと段階的に引き上げています。
同様に、日本生命保険も2024年1月に予定利率を0.6%から1%に引き上げたほか、明治安田生命保険も0.94%から1.10%に引き上げました。
例えば、60歳男性が一時払い終身保険を保険金1,000万円で契約したとします。
従来では、8,118,900円の保険料負担でしたが、予定利率引き上げ後の保険料は8,033,400円となり、約9万円もの差があります。
このように、予定利率の引き上げにより、同じ保障内容でも支払う保険料が安くなるなど、契約者にとってメリットが生まれています。
記事まとめ
一時払い終身保険は、月払いや年払いの保険と比べて保険料の負担が少なく、一生涯の死亡保障を確保できるのが大きな特徴です。
しかし、予定利率をはじめとした少し複雑な仕組みも含まれており、内容を正しく理解することが大切です。
特に、保険の構造や将来のライフプランにどう適応するかを十分に把握した上で選ぶことが重要です。
また、まとまった資金が必要になるうえ、長期にわたって大きな影響を及ぼす金融商品でもあるため、自己判断だけでなく、信頼できる専門家に相談した上で検討することをおすすめします。
専門家に相談する理由としては以下の4点が挙げられます。
- 自分の将来設計やライフステージにあった商品を提案してくれる
- 複雑な契約内容を理解するため
- 税金や相続の知識が必要
- 市場動向を把握している
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自分に合った最適な選択ができるよう、ぜひご利用ください。