発達障害と診断されると生命保険に入れないのか加入前の注意点も紹介
発達障害と診断されたけれど、将来に備えて生命保険に入っておきたい…。
発達障害があると保険に入れないの?
発達障害と診断され保険加入を検討しているなか、上記のように感じる方もいるでしょう。
発達障害だと生命保険への加入が難しいケースもありますが、必ずしも入れないわけではありません。
今回は、無料保険相談を行っている「保険のぷろ」が、発達障害と診断された方が生命保険等に入れないケースや、発達障害でも加入しやすい保険や加入前の注意点について解説します。
発達障害と診断されたら生命保険などに入れないの?
発達障害と診断された方でも、生命保険や医療保険などに入れないとは限りません。
ただし、発達障害の種類や程度、会社によって加入の可否や条件が異なります。
詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
発達障害の種類によって異なる
発達障害には3つの種類があり、特徴は以下のとおりです。
種類 | 特徴 |
---|---|
ASD (自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群) |
・言葉の発達に遅れが見られる ・人とのコミュニケーションが上手く取れない ・パターン化した行動やこだわりがある |
SLD (限局生学習症) |
・全般的な知的発達に遅れはない ・聞く、読む、話す、書く、計算、推測のうち特定の能力が困難である |
ADHD (注意欠如・多動症) |
・集中できない ・落ち着きがない ・衝動的に動いてしまう |
発達障害があるからといって、生命保険や医療保険に入れないわけではなく、種類や程度によって加入のしやすさが異なります。
知的障害を伴っていると、会社によっては契約時の理解力や判断力を考慮し、入れない場合があるのも事実です。
一方、知的障害を伴わない発達障害なら、種類や程度によって加入の可否が判断されます。
軽度のADHDの場合は保険加入しやすい傾向にある
軽度のADHDで日常生活や仕事に大きな支障がない方は、保険に加入しやすい傾向があります。
症状が軽度であると、進学や就職に支障がなく、成人してからADHDと気づく方も少なくありません。
しかし、症状が重度で、衝動性や不注意によって事故やケガのリスクが高いと判断されるケースもあります。
重度の症状だと保険に入れない場合や、保険料が高くなる可能性もあります。
発達障害と診断されても、必ずしも保険に入れないわけではありません。
自ら判断するのは難しいため、FP(ファイナンシャルプランナー)や保険会社に相談するのがおすすめです。
発達障害の方でも加入しやすい保険の種類
発達障害があり、なかなか保険に入れない方でも加入しやすい商品が増えています。
各保険について紹介するので、ぜひ参考にしてください。
引受基準緩和型保険
引受基準緩和型保険は、健康状態に関して告知する項目が少なく、一定の条件を満たせば持病があっても加入できます。
会社によって、告知する項目は3〜5個程度であり、内容は以下のとおりです。
- 現在、入院しているか
- 一定期間内に、医師から入院・手術・検査などをすすめられた経験はあるか
- 一定期間内に、病気やケガで入院や手術をした経験はあるか
- 一定期間内に、所定の病気で医師の診察・検査・治療・投薬を受けた経験はあるか
引受基準緩和型保険は、持病や入院歴など健康上の理由で通常の保険に入れない方でも、加入しやすくなっています。
ただし、保険料が割高になったり保障内容が限定されたりする場合もあるため、注意しましょう。
ぜんち共済
ぜんち共済は、障害のある方専門の保険会社です。
加入時の健康状態に関する申告が不要で、持病や障害を持つ方でも加入できます。
保障内容は以下のとおりです。
- 死亡時
- 入院・通院時
- 手術時
- 他人にケガをさせてしまったとき
- 他人の所有物を壊してしまったとき
- トラブルに遭い、弁護士に相談したとき
心身的な健康状態だけでなく他人とのトラブルまでサポートしてもらえるため、通常の保険に入れない方も安心して保障が受けられます。
加入条件が柔軟なうえ、比較的安価な掛け金に設定されているのも特徴です。
がん保険
がん保険は、誰にでも起こりうる病気のため、発達障害を持つ方でも入りやすくなっています。
がん保険で告知が必要な項目には、発達障害が含まれないケースも多く、具体例は以下のとおりです。
- 今までにがんを発症した経験があるか
- 3ヶ月以内に医師の診察・検査・治療・投薬を受けたか
- 5年以内に認知症・アルコール依存症などの病気や症状で診察・検査・治療・投薬を受けたか
- 2年以内に健康診断や人間ドックで異常を指摘された経験があるか
がん保険なら、死亡保障付きの生命保険に入れない発達障害の方でも、比較的加入しやすい傾向にあります。
入院や通院などで医療費が高額になりがちな、がん治療に備えたい方は、加入を検討すると良いでしょう。
加入を検討する際に注意すべきこと
発達障害のある方が保険に加入する際、注意すべき注意点があります。
加入前に確認しておかないと、いざというとき保障を受けられない可能性もあるため、ぜひ参考にしてください。
まずは活用できる公的制度を確認
保険に加入する前は、利用可能な公的制度がないか確認しましょう。
発達障害を持つ方が活用できる公的医療保険制度を、以下にまとめました。
公的制度 | 概要 |
---|---|
医療保険制度 | 健康保険証の提示で一部の医療費を国が負担してくれる |
自立支援 医療制度 |
慢性疾患や重度障害者の方が通院・治療を受ける際の自己負担額を軽減してくれる |
高額療養費制度 | 医療費が一定額を超えると超過分が払い戻される |
子どもの 医療費助成制度 |
都道府県・市町村が定める年齢の子どもにかかる医療費を一部または全額負担してくれる |
傷病手当金制度 | 労働者が病気やケガで仕事を休んだ際に支給される |
ほかにも、障害者手帳の交付を受けていると、障害年金や医療費助成などの公的支援を受けられます。
民間企業が運営する保険には入れない可能性もあるため、公的制度を有効活用すれば、保険料の負担を軽減できるでしょう。
加入条件を確認する
保険商品によって加入する条件が異なるため、年齢・健康状態・職業などを資料や公式サイトで確認しましょう。
発達障害に関して申告する項目や、過去の通院・服薬歴などを正確に把握しておくのが重要です。
同じ名前の保険や保障内容でも、特定の加入基準を設けている会社もあります。
過去の病歴や持病によっては、保険料が高くなるだけでなく加入できない場合もあるため、注意が必要です。
虚偽のない告知をする(告知義務違反をしない)
発達障害の有無に関わらず、保険に加入する際は、心身の健康状態を正しく申告する義務があります。
発達障害を持つ方は、以下の項目について正しく申告する必要があります。
- 診断名
- 治療内容
- 治療にかかる期間
- 処方されている薬剤名
- 社会生活や就業の状況
治療期間の告知は、保険会社が加入の可否を判断するために重要な要素です。
治療の必要性や内容の変化があれば、正確に伝えましょう。
告知義務に反して虚偽の申告をすると、契約を解除されたり、保険金が支払われなかったりする可能性があるため注意してください。
複数の保険商品を比較・検討する
保険商品は、数多くの会社から販売されているため、特徴や保障内容・保険料などを比較検討する必要があります。
各商品における特徴や料金体系だけでなく、契約後のサポート体制も検討する際の重要なポイントです。
発達障害があると、入れない商品もあるのは事実です。
しかし、発達障害の種類や程度によっては加入できる保険もあるため、資料請求や公式ホームページなどで確認しましょう。
記事まとめ
発達障害と診断されると保険に入れないと思われやすいですが、加入できる可能性はゼロではありません。
加入の可否や条件は、発達障害の種類や程度、会社によって異なります。
引受基準緩和型保険やぜんち共済など、発達障害で保険に入れない方でも加入しやすい商品は複数存在します。
公的制度の活用も検討しながら保険商品を比較し、治療や通院・トラブル時の保障など、自分に合った商品を選びましょう。