団体信用生命保険(団信)と生命保険のバランスはどのように考えればいい?
マイホームを購入する際に、住宅ローンを利用する人の割合は約8割で、団信(団体信用生命保険)と呼ばれる生命保険への加入が必須となっています。
一般的に団信加入時は生命保険の見直しに最適なタイミングとされていますが、これはどういう理由からなのでしょうか。
今回は、無料保険相談を行なっている「保険のぷろ」が、住宅ローンを組んだら生命保険の見直しが必要な理由を分かりやすく解説します。
なぜ住宅ローンを組んだら生命保険の見直しが必要なの?
住宅ローンを組んだら、生命保険の見直しがなぜ必要なのでしょうか。
これは住宅ローンを利用する際の、団信への加入が理由です。団信に加入すると保険の見直しが必要な具体的な理由を、詳しく解説します。
住宅ローンを組むと団体信用生命保険(団信)に加入するため、死亡保障が重複する恐れがあるから
住宅ローンを組むときに保険の見直しが必要な理由は、住宅ローンを利用する際は原則として団体信用生命保険(以下団信)という生命保険への加入が必須となっており、死亡保障が重複する恐れがあるためです。
団信は、住宅ローンの契約者が死亡、あるいは高度障害になった場合に保険会社が契約者の代わりに住宅ローンの残債を支払ってくれる生命保険です。
住宅ローンを支払うべき契約者がいなくなっても、団信に加入していれば、遺族は住宅ローンの残債の支払いを免除されます。
そのため、加入している生命保険が住居費までカバーできる金額の死亡保障を備えている場合、見直しによって保険金額を減額するのもひとつの方法です。
ただ「団信で保障されるのは住宅ローンの残債のみ」なので、その他の遺族の生活費の保障については、子どもの教育費なども含めてしっかり備えておく必要があります。
住宅購入時の保険の見直し方の3つのポイント
住宅を購入するタイミングは保険の見直しに適した時期ですが、どう見直せば良いか分からない人も多いでしょう。
見直し方を間違えると、万一の場合に必要な保障が得られなかったり、逆に保険料をムダに支払う羽目になる場合があるので、注意が必要です。
ここでは、住宅購入時の保険の見直しで押さえておきたい3つのポイントを詳しく解説します。
ポイント①団信で追加された分の保障は不要
ひとつ目のポイントは、団信で追加された保障分は不要であるということです。
では団信の保険金額分の死亡保障を減額あるいは解約すれば良いのかというと、そう単純な話でもありません。
まずは必要な保障額を確認しておきましょう。
- 住居費
- 教育費
- 生活費
- その他経費(各種税金など)
- 加入している生命保険の死亡保障
- 公的制度で受け取れる遺族年金や老齢年金など
- 貯蓄や株
- 配偶者の収入
- 加入している生命保険の死亡保障
- 団信の死亡保障(住宅ローンの残債分のみ)
- 公的制度で受け取れる遺族年金やる例年金など
- 貯蓄や株
- 配偶者の収入
団信の加入後に見直しを行なう場合、上記の3つが見直しを行なうべきお金です。
もし団信に加入する前の死亡保障に住居費が含まれていた場合は、その分の金額を減額しても良いでしょう。
肝心なことは、団信に加入する前の保障がどこまでをカバーしているのかを、知っておくことです。
ポイント②団信に疾病保障をつける場合には医療保険やがん保険などの保障内容とのバランスをみる
元々保険での備えをしっかりしていない方は、団信に加入する際に疾病保障を追加で加入する方法もあります。
その場合、すでに加入している医療保険やがん保険の保障内容を確認し、重複やムダがないか確認しましょう。
ポイント③ケガや病気で働けなくなった場合の経済的リスクをカバーできるか
団信に加入した際に見直しを行なうときは、万が一動けなくなった場合の経済的リスクをカバーできる保障が備わっているか確認しておきましょう。
団信は契約者が死亡または高度障害になった場合に、住宅ローンの残債を支払ってくれるものですが、それ以外の遺族の生活費などは保障されません。
そのため、高度障害にならないまでも、ケガや病気で働けない状態が続いたときの経済的リスクへの対策はしっかりしておきましょう。
よくある質問にFPがお答えします【FAQ】
住宅ローンや保険について、よくある質問に、保険やお金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)がお答えします。
住宅ローンを組む際に知っておきたいことばかりですから、ぜひ参考にしてください。
Q.団体信用生命保険(団信)に加入できないケースってあるの?
団体信用生命保険に加入できないケースは、残念ながらあります。
例えば次のような方は、団信に加入できない恐れがあるため、注意しましょう。
これらの条件に当てはまる人は、団信に加入できない恐れがある、もしくは団信ワイドと呼ばれる引受緩和型の生命保険に加入する必要があるかも知れません。
Q.団信に加入できない場合はどうなる?
団体信用生命保険に加入できない場合は、次のような方法が考えられます。
配偶者の名義で住宅ローンを組む
配偶者の名義で住宅ローンを組む場合、団信の契約者も配偶者となり、問題なく加入できる可能性があります。
ただしこの場合、配偶者が給与所得者であり、健康状態に問題がないことが条件です。
連帯保証型の住宅ローン(ペアローン)を組む
最近人気の連帯保証型の住宅ローンを組む場合、健康状態の良い配偶者が団信に加入すれば問題ありません。
ただし、この場合も配偶者が給与所得者で健康状態に問題がないことが条件となります。
またペアローンを組んだ場合、契約者もしくは配偶者が死亡しても住宅ローンの残債は死亡した契約者の割合分しか支払われないため注意が必要です。
団信に未加入で住宅ローンを組む
健康状態が理由で団信に加入できない場合、団信に未加入でも組める住宅ローンを選ぶのもひとつの方法です。
ただ団信に加入しない場合、住宅ローンの契約者が死亡すると残債の支払い義務が生じることになります。
Q.住宅ローンの組み方によって保険金額は変えたほうがいい?
住宅ローンの組み方によっては、生命保険の保険金額を変えた方が良い場合もあります。
長い人生の間には結婚や出産、子供の進学といったさまざまなライフイベントがあり、必要なお金もその時々で同一ではありません。
そのため見直しを行なう場合には、住宅ローンをどう組むのかによって、すでに加入している生命保険の保険金額を変えた方が良い場合もあります。
Q.自分たちだけで保険を見直すのには不安がある…
住宅ローンを組んだときには、将来的に必要となるお金や、万一の場合に必要なお金を考慮して保険の見直しを行なう必要があります。
人生の中で保険の見直しを行なうべきタイミングは、住宅ローンを組んだときだけではありません。
またその時に必要な保障だけを考えて見直しを行なうと、近い将来必要になる保障が備えられない恐れがあるため、将来の計画を考慮して見直しを行なうようにしましょう。
自分たちで保険を見直すのは不安だと感じた場合、信頼できるFP(ファイナンシャルプランナー)による無料の保険診断を受けてみるのもひとつの方法です。
記事まとめ|住宅ローンを組んだらFPに相談がおすすめ
今回は、住宅ローンを組んだら保険の見直しを行なうべき理由を解説しました。
保険の見直しは、それぞれの家庭の事情や家族構成、ライフプランによって異なるため、プロに相談するのが安心です。
次の記事でおすすめの無料相談サービスの情報を紹介しておりますので、そちらも併せて読んでみてください。