がん保険は20代に必要？メリットやデメリット、必要な人の特徴なども解説

がん保険は、がんに罹患した際に保障を受け取ることが出来る、がん保障に特化した保険商品です。

しかし、日本の公的医療の「高額療養費制度」が適用されるケースもあるため、がん保険への加入はいらないといった声もあります。

では、20代にとっても必要ないのでしょうか。

今回は、無料保険相談を行なっている「保険のぷろ」が、がん保険は20代に必要かどうかをメリット・デメリットや必要性の高い方、低い方の特徴をわかりやすく解説します。

そもそもがん保険とは？

がん保険とはどういった保険商品なのか。

医療保険と比較しながら見ていきましょう。

がん保険

がん保険とは、被保険者が「がん」と診断された場合にのみ適用される保険です。

その他の病気やケガに適用されることはなく、保障対象が「がん」のみに設定されていることから保険料などがその他の保険に比べて低く抑えられているという特徴があります。

医療保険

医療保険は、あらゆる病気やケガに対して保障が適用される保険です。

一般的な医療保険では、医療機関で入院や手術などをした際に給付金が支払われます。

しかし、医療保険には給付金の支払限度額や日数が厳しめに設定されることが多いという点には注意する必要があるでしょう。

20代にがん保険は必要？

20代にがん保険は必要なのでしょうか。

結論から言うと、がん保険に加入しておく方が安心だが、個人の好みや考え方によって異なります。

上記のように、個人の好みや考え方によって必要かどうかは異なるという結論に至る理由は以下の通りです。

1. 20代の直近におけるがん罹患の確率は低い
2. 将来的な医療の発達により治療費が低くなる可能性がある

①．20代の直近におけるがん罹患の確率は低い

20代のがん罹患率は、その他の年代に比べて非常に低くなっています。

以下の表は、現在20歳の方が今後「がん」と診断される可能性を表しています。

出典：国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」（最新がん統計・がん罹患）2019年データ

上の表によると、生涯を通してがんと診断される確率は男女問わず、約2人に1人と非常に高くなっています。

しかし、現在20歳の方が10年以内 (20代のうち) に「がん」と診断されるケースは男性0.3％(1000人に3人)、女性0.5％(1000人に5人) と比較的少ないと言えるでしょう。

そのためこの罹患する確率をどう見るかによって、20代の方にがん保険が必要かどうかという意見は変わってきます。

②．将来的な医療の発達により治療費が低くなる可能性がある

現代の治療技術では、がんの治療に多額の治療費がかかるため、がん保険に加入しておくことは有事の際に役立つと言えます。

しかし、将来的に医療技術が発達し治療費が低く抑えられるといったような可能性があります。そのような場合には、これまで支払い続けた支払保険料と保障として支払われた支給額の不釣り合いな点に目が行くなどが起こる可能性があり、必要性に疑問を抱くといったようなことが起こり得るでしょう。

がん保険の必要性が高い20代の方の特徴は？

ここからはがん保険加入の必要性が高いと考えられる20代の方の特徴を見ていきましょう。

特徴①：がんの罹患率が比較的高いと思われる方

がんは、誰もが突然罹患する可能性のある病気です。

そのため、がんに罹患する人、罹患しない人を区別することはできません。

しかし、がんの特徴からリスクが高い方というのは存在し、以下のような方はがんに罹患する確率が相対的に高いと言われています。

1. 親族にがん罹患経験がある方がいる場合
2. 生活習慣が芳しくない方 (飲酒や喫煙など)

上記のような特徴のある20代の方はがん保険の必要性が高いと思われるため、加入を検討することがおすすめであると言えます。

特徴②：働けなくなった際に、経済的不安が残る方

がんに罹患してしまい治療を受けるとなった際には、仕事を休職し治療に専念しなければならない場合もあります。

そのような際に、経済的不安が残る20代の方はがん保険に加入しておく必要性が比較的高い方であると言えます。

がん保険の必要性が低い20代の方の特徴は？

反対に、がん保険の必要性が比較的低いと考えられる20代の方の特徴について見ていきましょう。

特徴①：貯蓄や収入など経済的に余裕のある方

がんに罹患してしまい、一定期間働くことやがん治療で出費がかさむことを考慮しても貯蓄や収入に余裕のある20代の方はがん保険に加入する必要性が比較的低いと言えるでしょう。

しかし、がんを患う部位や程度、治療法などによって休職せざるを得ない期間や治療負担額などが大きく異なってくるため、きちんと最悪の場合を想定しておかなければなりません。

特徴②：すでにがん特約に加入している方

既に医療保険などに加入しており、がん特約などに加入している20代の方はがん保険に新たに加入する必要はないと言えます。

医療保険などに付属するがん特約なども多くのがん保険と同じく、がんと診断されたときや治療時のサポートを行ってくれるものです。

そのため、すでにがん特約に加入している20代の方は新たながん保険に加入しなおす必要はなく、がん特約をそのまま継続するという選択が良く、必要性は低いと言えるでしょう。

20代でがん保険に加入するメリット・デメリットは？

ここから20代でがん保険に加入するメリット・デメリットについて見ていきましょう。

20代でがん保険に加入するメリット

メリット①：がんに罹患した際、治療に集中ができる

がんに罹患した際、治療に集中することが出来るというメリットがあります。

療養している間は、治療費などで金銭的負担が増えるかつ、入院などが必要になる可能性もあり療養期間中は働くことが出来ない場合もあります。

がん保険に加入している場合、金銭的な不安を感じることなく治療に集中することが出来るでしょう。

メリット②：20代から加入しておくことで、支払保険料を低く抑えることができる

終身タイプのがん保険に加入する場合、20代から加入しておくと30代や40代からがん保険に加入するよりも月々の支払保険料、さらには総支払保険料も低く抑えることが出来るという点がメリットとして挙げられます。

20代でがん保険に加入するデメリット

デメリット①：月々の支払が負担になることも

デメリットとしてまず挙げられるのは、月々の支払保険料が負担になる可能性があるという点です。

がん保険に加入することで、毎月の保険料を支払う必要が生じます。

特に若い20代の方は、その他の年代と比較すると経済的余裕のある方が多くないため、がん保険の保険料が負担になるような状況であればがん保険への加入は考え直す必要があるでしょう。

デメリット②：直近のがん罹患の確率は低いため、無駄と感じる可能性も

20代や30代でがんに罹患する確率は低いため、20代でがん保険に加入しても保険料が無駄になると感じる可能性もあります。

しかし、保険はリスクに対して備えるものであり、かつ20代のうちからがん保険に加入しておくことで生涯で支払うがん保険の総保険料を低く抑えることが出来るため、どちらに重きを置くかは考え方によると言えます。

女性：20代でがん保険に加入するメリット

20代の女性がん保険加入のメリット: 女性特有のがんに備えることが出来る

女性特有のがん (乳がんや子宮頸がんなど) の治療には多額の費用が掛かります。

また、がん保険に加入していれば、乳房再建手術費用など治療後もサポートを受けることが出来る場合もあり、女性特有のがんに備えることが出来るという点は20代女性のがん保険加入によるメリットであると言えるでしょう。

さらに、20代の女性は同世代の男性に比べるとがんに罹患する確率が高いということが分かっています。また、その傾向は50代になるまで続く傾向にあるため、女性は特に20代からがん保険に加入しておくことがおすすめであると言えます。

男性：20代でがん保険に加入するメリット

20代の男性がん保険加入のメリット: 男性特有のがんに備えることが出来る

男性特有のがん (前立腺がん) に備えることが出来るという点は男性特有のがん保険に加入するメリットであると言えるでしょう。

男性は50代以降にがん罹患率が高くなる傾向にありますが、男性特有のがんへの罹患リスクは年齢関わらず存在するため、20代のうちから男性もがん保険に加入することで治療や働けなくなる際の安心を確保しておくことが出来ます。

この記事のまとめ

ここまで20代にがん保険が必要かどうか、加入するメリット・デメリット、がん保険の必要性が高い20代の方、必要性が低い20代の方の特徴などについて解説してきました。

20代でのがん保険は、加入しておく方が安心ではありますが、各個人の考え方や世帯の状況、ライフステージによっても異なります。

上記のがん保険の必要性が高い方、低い方の特徴やメリットデメリットも参考にしながら、ご自身に本当に必要かどうかよく検討する必要があるでしょう。

困ったら保険のプロに相談がおすすめ

がん保険が20代の皆さんに必要かどうか、またがん保険についてもっと知りたいという方は、保険のプロに相談することをおすすめします。

また、20代でがん保険への加入を検討する際、ご自身の経済状況や本当に必要かどうか、またどの保険会社やどのプランがいいのかなどをプロに相談することで、20代向けの保険商品や選び方、症例に基づく必要性などを知ることが出来るため、納得のいくがん保険に加入することが出来るでしょう。

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菱村真比古

ファイナンシャルプランナー

10種の金融資格と中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャルプランナー。NISA、住宅ローン、社会保障制度などが複雑に絡み合うライフプランを明快シンプルに紐解きます。中でも《菱村式老後資金計算法》は将来に不安を抱える子育て世代に好評。生命保険と金融サービス業界の最高水準として世界中で認知されている独立組織MDRTの正会員。『お金のエキスパート』として講演や営業マンの育成など幅広い領域で活動している。

【資格情報】
・住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー
・日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー
・生命保険協会認定トータルライフコンサルタント
・CCAA クレジットカードアドバイザー
・相続診断協会認定 相続診断士