
精神疾患がある方の終身保険加入ガイド|審査基準と選び方のポイント
「精神疾患があると終身保険に入れないのでは?」と心配する方は少なくありません。
実際にうつ病や統合失調症、双極性障害など精神疾患のある方が保険に加入しようとすると、審査が慎重になったり、断られたりする場合もあります。
しかし、最近では引受基準緩和型の保険や、特定の条件下で加入できる商品も増えてきました。
この記事では精神疾患がある方が終身保険に加入する際のポイントを、初心者にも分かりやすく解説します。保険知識がない方でも読めるよう、やさしく・丁寧にまとめています。
終身保険と精神疾患の関係を知ろう
まず「終身保険」とは、被保険者が亡くなるまで自動的に保障が続く生命保険です。支払った保険料の一部が積み立て(貯蓄)に回るため、解約時には「解約返戻金」が戻ってきます。
- 死亡保障が一生涯続く
- 貯蓄性がある(解約時に返戻金)
- 保険料は途中変更できない
注意: 精神疾患歴があると、通常の終身保険では「告知義務」により診査で断られることも多いです。
精神疾患でよく問われる「告知」とは?
保険加入時には、健康状態や過去の治療歴について「告知書」を提出します。精神科への通院歴や、うつ病・不安障害などで投薬治療を受けている場合は、必ず正直に記載する必要があります。
精神疾患と終身保険の審査基準
実際にどのような審査基準になるのかをまとめました。各保険会社や商品によって細かな違いはありますが、大まかな傾向は以下の通りです。
審査基準 | 通常の終身保険 | 緩和型保険・無告知型保険 |
---|---|---|
現在の通院・服薬 | 多くの場合、加入不可 | 加入できる場合あり(条件あり) |
過去3年以内の入院歴 | 厳しく審査/加入不可が多い | 症状が安定し、一定期間経過で加入可能な場合も |
軽度・通院歴のみ | 個別で判断・追加資料要請も | 比較的入りやすい |
病歴の申告(未告知の場合) | 発覚した場合、契約解除・無効 | 同上 |
- ポイント: 審査は「過去3~5年の治療歴・入院歴」を重視されることが多いです。
- 完治・症状安定から5年以上経過していれば、通常の終身保険も審査通過の可能性が上がります。
精神疾患があっても加入できる保険の種類
- 引受基準緩和型終身保険
保険会社が健康告知の内容を緩めている商品です。持病や治療歴があっても比較的加入しやすいのが特徴です。 - 無告知型終身保険(無選択型)
告知不要(または非常に簡易的)の商品です。「2年以内の入院がなければOK」などハードルが低くなっています。 - 団体信用生命保険(既加入の場合)
勤務先や組合などを通じて既に加入している場合は、精神疾患が発症しても保障が継続されるケースもあります。
これらの商品は通常の終身保険と比較して、保険料が割高になる傾向があるので注意が必要です。
緩和型・無告知型保険の比較表
商品タイプ | 健康告知 | 加入のしやすさ | 保険料 | 主な注意点 |
---|---|---|---|---|
通常型終身保険 | 厳しい(精神疾患で不可が多い) | △(通院・投薬歴で不可) | 安い | 精神疾患だとほぼ断られる |
引受基準緩和型 | 簡略化・告知項目少なめ | ○(治療中でも入りやすい) | やや高い | 保障・返戻金少なめ |
無告知型(無選択) | ほぼ不要 | ◎(ほとんどの方がOK) | 高い | 2年以内の死亡は保険金制限あり |
要注意: 無告知型の終身保険は、契約から2年間は条件付きの「死亡保険金」や「減額支払い」になる場合が多いです。
終身保険の選び方と比較ポイント
自分の病歴・現在の状態を正確に把握
- 診断書や通院履歴、治療内容の整理
- 完治時期や入院歴が重要
各社の「引受基準緩和型」や「無告知型」を比較
- ホームページで「精神疾患可」と明記している会社を選ぶ
- 返戻金(解約金)や保険料、保障内容も比較
保険料と保障のバランスを考える
- 安すぎる保険料にはリスクもある
- 長期的に支払える額を無理なく設定
申込前に事前相談・見積もりを活用
- 保険ショップやオンライン無料相談が便利
- 精神疾患歴が伝えやすい環境を選ぶ
医師の診断や通院・治療の記録をきちんと保管
- 告知内容に誤りがあると契約解除のリスク
精神疾患のある方が終身保険に入る際のQ&A
Q1: どんな精神疾患が審査で対象になる?
うつ病・統合失調症・双極性障害・パニック障害・不安障害・自律神経失調症・てんかん など精神疾患歴全般が「告知」対象です。
「一度でも診断された」「現在は治療していないが通院歴がある」場合も、必ず申告が必要です。
Q2: 軽度の症状や治療歴だけでも断られる?
軽度で投薬・通院のみの場合は、経過観察期間を設けている保険会社もあり、審査基準は会社ごとに異なります。
緩和型や無告知型であれば加入できる可能性が高まります。
Q3: 治療をやめてから何年経てば加入しやすい?
「完治・寛解から3年以上経過」など条件があるケースが多いです。保険会社により、5年以上であれば通常型も視野に入ることがあります。
Q4: 精神疾患の終身保険の保険料の目安は?
通常型に比べ「緩和型・無告知型」は保険料が約1.5~2倍程度高くなります。30歳・死亡保険金300万円の場合は、
通常型:約2,800~4,000円/月
緩和型:約4,500~6,000円/月
まとめ:精神疾患があっても終身保険に入る道はある
- 精神疾患を持つ方も、条件により終身保険に加入できる
- 「引受基準緩和型」「無告知型」など専用商品の活用がカギ
- 自身の症状・治療歴・完治経過年数などを正直に申告しよう
- 審査基準・保険料・加入条件は会社ごとにしっかり比較
大切なのは、「あきらめずに情報を集めること」「自分に合ったプランを選ぶこと」です。
心配な点があれば、複数社に資料請求や無料相談を活用し、納得いくまで検討しましょう。