関東で1円物件を購入できるエリアや、移住関連サービスを提供する自治体を紹介

関東で不動産を格安で購入して、居住地や投資先として活用したい人は多いのではないでしょうか。

0円物件や1円物件と聞くと地方をイメージされるかもしれませんが、中心都市でも格安不動産の購入は十分に可能です。

この記事では関東で1円物件を購入できる狙い目エリアや、関東で移住を後押しするサービスを提供する自治体を紹介します。

低額・無償譲渡の注意点もお伝えするので、これから不動産や空き家を探したい人は参考にしてみてください。

関東でも1円物件は売買可能！狙い目エリアはどこ？

1円物件と聞くと地方にありそうなイメージがありますが、関東地方でも売買がされています。

空き家を所有していても維持管理費や税金がかかることから、「1円でもいいから売り出したい！」という人が増えているのです。

ここから、関東地方の1円物件や0円物件を中心に、現時点（2024年4月8日）で売り出されている物件や売買成立の事例を紹介します。

「関東で移住先を探している」「不動産投資をやってみたい」という人は参考にしてみてください。

東京都

東京都の場合、23区外の多摩地区が1円物件の多いエリアとして有名です。

多摩エリア

参照：みんなの０円物件

千葉県

千葉県は幅広いエリアで1円物件が確認できます。

千葉市をはじめ観光地として人気の高い房総エリアなど、物件の探しやすさが魅力です。

外房エリア

参照：みんなの０円物件

埼玉県

埼玉県内では、秩父エリアや北部・南部エリアを中心に1円物件が存在します。

北部エリア

参照：みんなの０円物件

神奈川県

関東地方の中で東京に次いで人口の多い神奈川県は、全県で1円物件を見つけることができます。

緑区エリア

参照：ジモティー 神奈川版

群馬県

群馬県は、別荘地やゴルフ場の多い軽井沢などで不動産売買が盛んです。

嬬恋村エリア

参照：ジモティー 群馬版

栃木県

栃木県は関東地方の北部に位置する海なし県で、昼と夜、夏と冬の寒暖差が大きいことで有名です。

気候の特徴にマッチする別荘地の売買成約事例が多く見られます。

日光エリア

参照：フィールドマッチング

茨城県

茨城県では、農業が盛んな鉾田市を中心に1円物件を確認できます。

牛久市エリア

参照：みんなの０円物件

そもそも1円物件が存在する理由とは？

1円物件が存在する理由には、以下の要因が考えられます。

• 物件の維持費がかかるから
• 相続人へ負担をかけたくないから
• 相続を放棄できないから
• 空き家を解体するとお金がかかるから
• 田舎の空き家・土地は高く売れないから

このような理由から、売主は1円でもいいから1日でも早く物件を売りたいと考えています。

1円物件と聞くと、ボロボロの家や廃墟を想像する人が多いかもしれません。

しかし、実際は温泉地や別荘地といった観光地、関東の都市部で十分に暮らせる空き家も売りに出されています。

買主の場合は「どれほど手入れが必要か」「管理状況を示す書類があるか」など、きちんと見極めてから居住を決意しましょう。

移住目的なら無償譲渡制度がある自治体もおすすめ

自治体によっては、地域の過疎化防止と活性化を目的とした移住制度の一環として、「無償譲渡制度」を実施しています。

例えば、何十年か住宅に住み続けることを条件に、土地や住宅を無償で譲渡するといった制度があります。住宅は譲渡されるまで賃貸扱いとなるため、固定資産税や火災保険などがかからない点がメリットです。

関東で住宅が無料でもらえる制度を実施している自治体は、「東京都奥多摩町」と「茨城県境町」が有名です。

東京都奥多摩町「0円空家バンク」

奥多摩町が運営する「0円空家バンク」は、物件を手放したい人と物件を活用したい人をマッチングさせるサービスです。

町では物件の案内は行っておらず、物件を譲り受けた人が契約や登記にかかる費用を負担しなければなりません。

0円空家バンクの特徴は、年齢や定住などの要件を気にせず利用できる点が挙げられます。

茨城県境町「無償譲渡制度」

茨城県境町は「子育て支援日本一」を目指し、子供たちの未来のために最大限の投資を行なっています。

町が実施する譲渡制度は、25年住み続けたら土地付きの新築戸建住宅を譲渡するというものです（2023年の実施例の場合）。

条件は世帯主が45歳以下で、中学生以下の子どもがいる世帯または妊娠している者がいる世帯となってます。

移住を後押しする住居支援制度も活用しよう

0円物件や1円物件は、そのまま住むのが難しいことが大半でしょう。

移住先で不動産を購入する際は、以下の住居支援制度の活用をおすすめします。

• 引越し費用の補助
• 住宅取得にかかわる補助
• 家賃の補助
• リフォーム費用の補助
• 住宅設備費用の補助

補助内容や申し込み方法は自治体によって異なるので、よく確認して積極的に活用しましょう。

関東の1円物件検索におすすめのサイト5選

ここでは、関東の1円物件検索におすすめのサイトを紹介します。

みんなの０円物件

「みんなの０円物件」は不動産をあげたい人と欲しい人をつなぐ、無償譲渡物件の不動産マッチング支援サイトです。

物件写真に加えて土地面積や建築年、アクセス、固定資産税などの情報が一覧で明記され、一目で情報を把握できるという特徴があります。

全国の0円物件情報数は「972件」、関東地方は「242件」です（2024年4月5日現在）。

「おまかせプラン」では、15万円の費用で契約に関する手続きをサポートしてくれます。

みんなの０円物件公式サイトはこちら

家いちば

「家いちば」は、売主と買主を直接つなぐ不動産マッチングサイトです。

セルフサービスの気軽さとプロのサポートを組み合わせた独自のシステムを採用し、売主と買主が直接交渉を行います。

不動産の売買や法律、資金面などの相談ができるサービスがあるため、不動産売買が初めての人でも安心です。

物件の掲載数が累計3,500件以上を突破しているところも、大きな魅力の一つといえます（2023年12月時点）。

家いちば公式サイトはこちら

フィールドマッチング

「フィールドマッチング」は、要らない土地を売りたい人と自分だけの土地が欲しい人をつなげる土地の売買マッチングサイトです。

「1円物件」「固定資産税0円」「建物あり」といったタグ検索に対応し、快適に物件を検索できます。

2024年4月7日時点の物件掲載数は233件です。

フィールドマッチング公式サイトはこちら

空家ベース

「空家ベース」は地方の空き家を購入して移住したい人や、不動産事業にチャレンジしたい人を応援する不動産マッチングサイトです。

100件を超える空き家の売買実績があり、2024年4月7日時点の物件掲載数は105件となっています。

また、LINE公式アカウントを友だち登録することで、低価格で魅力的な未公開物件を知ることが可能です。

空家ベース公式サイトはこちら

アットホーム空き家バンク

アットホームの「空き家バンク」は、空き家または空き地の情報サイトです。

全国の自治体が行っている空き家バンクの情報をまとめて検索できます。

空き家の担当部署が「買いたい人」と「売りたい人」をつなげる窓口となり、テーマ別の特集も行っています。

アットホーム空き家バンク公式サイトはこちら

低額・無償譲渡の不動産購入は税金に注意！

低額・無償譲渡で不動産を購入する場合は、あらかじめ税金の知識を身につけておくことをおすすめします。

なぜなら、低額・無償譲渡の税金は特殊なケースが多く、思っていた以上に高額の税金を課せられる可能性があるためです。

下記は、どのような課税になるのか一覧にまとめたものです。

個人の買主は、売主が個人の場合は贈与税、法人の場合は所得税を課せられる点に注意が必要です。ここでは、もっとも多いであろう個人から個人へのケースで課税額の計算例を紹介します。

売主が個人の場合、買主が個人であれば贈与税が課せられます。また、低額譲渡も時価との差額分が贈与とみなされ、贈与税が発生します。

贈与税の計算式は「（贈与額-基礎控除×税率）-控除額」で、基礎控除は110万円、控除額は「贈与額から基礎控除後を指し引いた金額」で決まります。

仮に土地と建物の評価額が500万円の物件を1円で購入した場合、差額分の4,999,999円が贈与されたとみなされるため、以下のように計算します。

参照：贈与税の計算と税率（暦年課税）｜国税庁

上記以外にも登録免許税や固定資産税といった税金が関わってくるため、詳しくは税理士に相談することをおすすめします。

記事まとめ

関東地方で1円物件を購入することは可能です。

ただし、不動産の購入にあたって、税金がかかったり複雑な契約手続きが必要になったりします。

手続きに不安がある人は、物件検索サイトの有料サービスもしくは司法書士などに依頼するのがおすすめです。

ぜひ理想の空き家を手に入れて、移住ライフを存分に楽しみましょう。

菱村真比古

ファイナンシャルプランナー

10種の金融資格と中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャルプランナー。NISA、住宅ローン、社会保障制度などが複雑に絡み合うライフプランを明快シンプルに紐解きます。中でも《菱村式老後資金計算法》は将来に不安を抱える子育て世代に好評。生命保険と金融サービス業界の最高水準として世界中で認知されている独立組織MDRTの正会員。『お金のエキスパート』として講演や営業マンの育成など幅広い領域で活動している。

【資格情報】
・住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー
・日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー
・生命保険協会認定トータルライフコンサルタント
・CCAA クレジットカードアドバイザー
・相続診断協会認定 相続診断士