お金を借りる理由としてよくあるケースや、親・祖父母や友達にお金を借りるときの伝え方、カードローン審査における借入理由の重要性を解説
借金をするにあたって、相手方に「お金を借りる理由」をどう伝えるべきか迷っている人は多いでしょう。
借りる相手は、銀行・消費者金融から親・親戚・友人までさまざまですが、いずれにしても嘘はつかないことが鉄則です。
嘘の理由でお金を借りると、信用を失ったり詐欺罪に問われたりする可能性があります。
借金によるトラブルを避けるためにも、貸主には誠実でいることが大切です。
この記事では、お金を借りる理由としてよくあるケースや、親・祖父母や友達にお金を借りるときの伝え方、カードローン審査における借入理由の重要性を解説しています。
この記事を参考に、適切な方法と金額でお金を借りましょう。
お金を借りる理由として多いもの
日本貸金業協会が毎年行う消費者調査によると、お金を借りる理由は「趣味/娯楽」がトップとなっています。
- 趣味/娯楽(レジャー、旅行を含む)費…34.3%
- 食費…19.4%
- 家族のための支出…14.1%
- 外食等の遊興費…13.2%
- 家賃の支払い(住宅ローンの返済を除く)…12.2%
- 他の借入(住宅ローン・自動車ローン等)の返済資金不足の補填…11.4%
- 衣料費…11.0%
- 他の借入(クレジット・キャッシング等)の返済資金不足の補填…10.2%
- 自動車・バイクの購入費(車検整備費等を含む)…8.2%
- 水道・光熱(電気・ガス等)費…8.2%
- 医療費…8.0%
- ギャンブル…7.1%
- 授業料、保育料、給食費等の学校関係費…5.9%
- 納税・納付などの支払…5.7%
- 通信費(電話料金やインターネット利用料等)…5.3%
- 冠婚葬祭費…4.8%
- 住宅のリフォーム費…3.6%
- 学習教材等の教育関係費…3.6%
- 投資などの資産形成に必要な費用…3.6%
- 起業・副業のための費用…2.9%
- 資格試験・受験勉強のための予備校等受講料…2.0%
- 資格試験・学校等の受験費…1.5%
- その他…5.6%
出典:日本貸金協会「2023年度資金需要者等の借入意識や借入行動等に関する調査 第3編 3.資金需要者等の借入行動等について ④借入申込を行なった際の資金使途」
ほかの理由を見ると、「外食等の遊興費」「衣料費」など不要不急の理由も上位に挙がっています。
お金を借りる理由は人それぞれであり、そこに良い悪いはありませんが、大切なのは無理のない範囲で借りることです。
どのような理由であっても、お金を借りるときは自分の返済能力と返済額を把握し、安全な借入先を選ぶようにしましょう。
借金しないほうがいい「お金を借りたい理由」とは?
上記のように、どのような理由で借金するかは人によってさまざまです。
ただし、お金を借りる理由が以下にあてはまる場合は、借金することを考えなおすようおすすめします。
- 収入に見合わないブランド品や高級品が欲しい
- ホストやキャバクラに通いたい
- ギャンブルがしたい
- 株やFX資金が欲しい
これらはただの浪費であり、万が一返済できなくなって自己破産(裁判所に返済免除を申し立てる手続き)をしたくなっても、「免責不許可事由」として認められない可能性があります。
また、上記の理由でお金を借りる人は、自分の返済能力を見誤っているケースが大半です。
一旦冷静になって状況を整理し、お金を借りるべきか否か考えましょう。
友達や身内からお金を借りるためによく使われる言い訳
お金を借りるときには、相手や金額によって適切な頼み方や言い訳が必要です。
特に、友達や身内からお金を借りるときには、信頼関係を損なわないように注意しなければいけません。
また、借りる金額や相手との関係性も重要です。どのような理由でいくら借りたいかによって、頼む相手も変わってきます。
代表的な「友達や身内からお金を借りるための理由・言い訳」として、次の5つを見ていきましょう。
お金を借りる言い訳 | お金を借りる相手 |
---|---|
財布を落としてしまった | 親、祖父母、友達 |
税金や反則金の支払いがある | 親、祖父母 |
冠婚葬祭が続いてお金がない | 親、祖父母、友達 |
食費や水道高熱費・医療費が足りない | 親、祖父母 |
事業に融資してほしい | 親、祖父母、友達 |
財布を落としてしまった
「財布を落としてしまった」という理由は、不注意とはいえやむを得ないと思われます。
そのため、身内だけでなく友達にもお願いしやすい言い訳です。
財布を落とすと現金がなくなるだけでなく、クレジットカードも使えなくなります。
そのため、当面の生活費程度にはお金を借りられる可能性があります。
「次の給料日までに支払いがある」「クレジットカードの再発行まで時間がかかる」など、ある程度まとまった資金が必要なことを説明すれば、10万円以上のまとまった金額でも借りられるかもしれません。
税金や反則金の支払いがある
「税金が思っていたより高かった」「スピード違反で反則金が必要」という理由も、お金を借りる理由としてよくあるケースです。
財布を落としたときと同様、不注意ですがやむを得ない事情と受け取られます。
ただし、財布を落とした場合と比べて自身の過失が大きくなるので、切り出すときは誠実さが重要です。
反省していることをしっかりろ伝え、丁寧にお願いしましょう。
なお、反則金はおおむね数千円~数万円、税金は種類や収入・資産によりますが数万円~十数万円程度(一戸建ての場合)が一般的です。
借りるお金も、この金額の範囲内が目安になります。
冠婚葬祭が続いてお金がない
冠婚葬祭による支出はコントロールできるものではないため、お金を借りる理由として使いやすい言い訳です。
ご祝儀・ご香典だけでなく、礼服代や会場への交通費なども必要になるため、数万~10万円程度なら相手も納得しやすいでしょう。
基本は身内にお願いしたほうが借りやすいですが、「地元の友人が結婚するが祝儀代がない」「遠方の恩人が亡くなったけど交通費がない」といった状況であれば、共通の友人・知り合いにお願いすることも1つの方法です。
その場合、「〇〇さんのために駆け付けたいがどうしてもお金が足りない」といった理由を伝えれば、相手の理解を得られる可能性があります。
食費や水道高熱費・医療費が足りない
食費や水道高熱費・医療費などの「生活や健康の基礎となる費用」が足りない状況は、かなり切羽詰まっているといえます。
こうした状況の場合、身内である親や祖父母に頼ってみましょう。
家庭環境にもよりますが、大抵の親や祖父母は子・孫の安全を第一に考えます。生活が追い詰められているとわかれば、立て直すために必要な援助をしてもらえるでしょう。
食費や水道高熱費・医療費が不足していると、体を壊してさらに状況が悪化する恐れもあります。
家族に頼れない場合は、役所に相談して公的支援を受けることもおすすめです。
事業に融資してほしい
「会社を立ち上げたい」「新事業を始める」といった理由で、身内や友達からお金を借りるケースもあります。
事業計画書を作成し、将来性があることをプレゼンすれば、まとまったお金を借りらる可能性があります。
ただし、実際に事業を起こすつもりもないのに融資してもらうと、詐欺罪になってしまいます。
社長や個人事業主として責任を持ち、本気で事業を成功させるための計画を立てましょう。
お金を借りるときは嘘をつかず正直に伝えることが大切
お金を借りる際、つい嘘をついてしまう人もいますが、相手をだましてお金を借りると次のようなリスクが生まれます。
- 嘘がバレて信用を失う
- 過剰に借りてしまう
- 法的なトラブルに巻き込まれる
嘘をついてお金を借りる最大のリスクは、バレたときの影響です。
お金を借りた当人だけでなく、周囲の人全員から白い目で見られてしまい、孤立する恐れがあります。
また、嘘をつくことで過剰に借りてしまい、返済できなくなるケースもあります。
お金を借りようとしている人は冷静に物事を考えられなくなっている場合が多いですが、相手に理由を伝えれば、第三者の視点からより良い解決方法を提示してもらえるかもしれません。
また、嘘をついてお金を借りると、詐欺罪に抵触するリスクもあります。
詐欺罪にあてはまると懲役刑になる恐れもあるため、高額な金額を借りる場合は特に注意しましょう。
これらのリスクを避けるためには、お金を借りる理由を正直に伝え、納得してもらったうえで貸してもらうことが大切です。
相手が身内や友人でも借用書を作成し、責任をもって返済しましょう。
カードローンで聞かれる「借入理由」は重要?
銀行や消費者金融のカードローンに申し込むときは、借入理由を問われます。
カードローンで借りたお金の用途は原則自由ですが、申し込み時の借入理由によっては審査で不利になることもあります。
銀行や消費者金融の目的はあくまで「返済時に利息を得ること」なので、返済能力に問題がある人や今後トラブルを起こしそうな人には貸してくれません。
これらの判断材料として、借入理由が見られます。
例えば、次のような借入理由の場合、カードローン審査に落ちやすくなります。
- ギャンブル
- 株・FX資金
- 事業資金
- 不動産の購入・増改築
- 車の購入資金
ギャンブルや株・FX資金は、基本的にどの銀行・消費者金融も貸付を禁じています。
借入理由として答えた場合、審査に落ちる可能性が高いでしょう。
事業資金や不動産の購入・増改築、車の購入資金については、専用のローン(目的別ローン)が用意されているので、そちらを利用したほうが好条件で借りられます。
なお、カードローンは実際に面談したり契約後に後追い調査をしたりすることはないため、申し込み時の借入理由と異なる用途で使ってもほとんど問題にはなりません。
例えば、申し込み時の借入理由を「生活費」としていても、限度額の範囲内であれば「娯楽費」「自己投資資金」として使えます。
また、審査は借入理由だけで決まらず、収入や過去の滞納歴なども見られます。
借入理由が上記の「落ちやすい理由」でなければ、正直に書いても審査結果への影響は少ないでしょう。
記事まとめ
お金を借りる理由は人それぞれですが、重要なのは貸主に嘘をつかないことです。
相手が個人でも銀行・消費者金融でも、理由は正直に伝えたうえでお金を借りましょう。
下手に言い訳をしたり、嘘をついたりすると、信頼関係の悪化や法的トラブルが生じます。
お金を借りる負い目や見栄からついつい嘘をつきたくなるかもしれませんが、正直に理由を伝えて、誠実にお願いすることが大切です。
また、どのような理由であれ、借りたお金は必ず返す必要があります。
自分の収入や日々の支出をしっかり計算し、無理なく返済できる金額を借りましょう。