質屋でお金を借りる仕組みと利用するメリットから、利息や査定などの注意点まで解説
質屋は、品物を担保としてお金を借りたり、不用品を売ったりできるサービスです。
お金はさまざまな方法で借り入れられますが、質屋なら品物を持ち込むだけで即日融資が受けられるため、利用を検討する方も多いのではないでしょうか。
本記事では、質屋の仕組みや利用方法などを解説します。
質屋を利用するメリットのほか、利息や注意点もまとめているので、借り入れを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
質屋でお金を借りる流れ
質屋でお金を借りる流れは以下の通りです。
- 質入れする品物を持ち込む
- 査定額を確認し質入れする
- 期限までに返済する(おおむね3ヶ月)
それぞれ詳しく解説します。
質入れする品物を持ち込む
質屋でお金を借りるには、まず品物を店舗へ持ち込みます。
質入れできるものの例としては、次のような品物が挙げられます。
- 時計
- アクセサリーや宝石類
- カメラ
- 電化製品 など
取り扱っているジャンルは質屋によってやや差があるので、事前に確認しましょう。
なお、質屋を利用する際は、品物とあわせて、現住所が記載されている身分証明書も提示する必要があります。
- 運転免許証
- 健康保険証
- パスポート
- 住民票
- マイナンバーカード
- 在留カード など
査定額を確認し質入れする
質屋に品物を持ち込んだら、融資金額を決定するために査定を受けます。
査定額は品物の状態や再販価値などにもとづき算出されるのが一般的です。
査定額を確認して質入れしたら、利用者は現金と質札(流質期限などを記載した預り証)を受け取ります。
質札は借入元金と利息を完済後、品物を返してもらう際に必要となるため、必ず保管しておきましょう。
期限までに返済する(おおむね3ヶ月)
質入れをしたら、返済期限までに借入元金と利息を返済します。
基本的な返済期限は質入れした日から3ヶ月です。3ヶ月以内に借入元金と利息を支払うことで、品物が手元に戻ってきます。
返済期限を過ぎてしまうと、「質流れ」といって、品物の所有権が質屋に移ってしまうので注意が必要です。
ただし、質屋によっては利息のみを支払うことで期限を延長できる場合もあるので、必要に応じて確認してみてください。
利息上限は年率109.5%!実際の相場はどのくらい?
カードローンなどの金利は最大20%と法律で定められている一方、質屋は貸金業者よりも高い利息の設定が認められており、最大で年利109.5%にもなります。
上限金利(年利) | 関連する法律 | |
---|---|---|
質屋 | 109.50% | 質屋営業法、古物営業法 |
貸金業者 | 20% | 貸金業法、出資法、利息制限法 |
ただし、実際の相場は月利設定で2〜8%(年利24〜96%)が一般的です。基本的に、金利は借入額が多いほど低くなるように設定されています。
質屋でお金を借りるメリット
次は、質屋でお金を借りるメリットを解説します。
取り立てがない
質屋は預けた品物を担保として扱うため、利用者は必ずしも借り入れ金を返済する必要はありません。
したがって、たとえ支払いが遅れても、督促状や電話、直接訪問などで取り立てられる心配は不要です。
返済できないまま期限を迎えた場合は、預けた品物が自動的に質流れとなりますが、仮に返済が困難でも、品物を失うだけで済む点はメリットといえるでしょう。
即日融資を受けられる
即日融資を受けられるのも、質屋でお金を借りるメリットの一つです。
質屋は、品物の査定額さえ決まれば融資が受けらるため、個人情報や信用情報の重要度がカードローンより高くありません。
実際に、質屋でお金を借りる場合、早ければ15〜30分ほどで手続きが完了することも多く、基本的にその場で現金が受け取れます。
そのため、最大限スピーディーにまとまった資金を調達したい場合は特に重宝するでしょう。
審査なしで借り入れできる
質屋を利用するメリットとして、審査なしで借り入れできる点もあげられます。
質屋は質屋営業法にもとづいて運営しており、銀行や消費者金融のように総量規制(※)の対象とはなりません。
※年収などを基準に、3分の1を超える貸付けを原則禁止するルール
また、あくまで品物の価値に応じて融資を決定する性質上、利用者の年収や借入状況を確認する必要がなく、自社の独自基準で融資できるのです。
もちろん、職業や年収も関係ないので、カードローンなどの審査に通過できない人でも、比較的お金が借りやすい方法といえます。
質屋でお金を借りる際の注意点
ここからは、質屋からお金を借りる際の注意点を見ていきましょう。
ローンより5倍ほど利息が高い
質屋の金利は、金融機関のカードローンと比べて5倍ほど高くなるのが一般的です。
具体例として、10万円を1ヶ月借りた場合の利息を下表にまとめました。
金利(相場の金利を採用) | 1ヶ月の利息 | |
---|---|---|
質屋 | 月利8.0%(年利96.0%) | 8000円 |
消費者金融カードローン | 年利18.0% | 1,479円 |
質屋の金利は借入額や期間によって異なりますが、基本的に金融機関からの融資より利息は高いものと考えて良いでしょう。
ちなみに、金融機関のカードローンの中には、短期間の無利息サービスを実施しているものもあります。
短期返済できるなら、質屋ではなくカードローンなどの方が利息を抑えられる可能性もあるため、自身の状況にあわせて選んでみてください。
1日で返しても1月分の利息がつく
質屋の利息は、キャッシングやカードローンのような日割りではなく、1ヶ月単位で計算されます。
つまり、質屋に品物を預けると、たとえ1日で返済しても1ヶ月分の利息を支払う必要があるのです。
また、返済期間を延長する場合はさらに注意しなければなりません。
たとえば、3ヶ月の契約を結んだ際に1日だけ延長し、4ヶ月目に突入してしまうと、その時点で1ヶ月分の利息が加算されてしまうので、少しでも利息を抑えたい方は期限内の返済を目指しましょう。
査定は7〜8割程度安く見られる
質入れの査定額は買取価格の7〜8割程度が一般的であり、相場よりもやや安い水準となります。
その理由として、買取価格は持ち込み時の相場で判断できる一方、質入れは質流れのタイミングやその時点の相場を読めないことが挙げられます。
したがって、質入れする品物によっては、査定額が希望金額に満たないことも少なくありません。
もし、借り入れ後に返済できる自信がなく、質流れも視野に入れている場合は、始めから買い取りを依頼することで、より多くの現金を手にできる可能性があります。
まとめ
質屋は、質入れする品物と身分証明書を持参すれば、最短15分程度でお金を借りられます。
そのため、最大限スピーディーに融資を受けたい方には、特に重宝するのではないでしょうか。
一方、買取価格の7〜8割程度でしか借り入れできず、基本的にカードローンなどより高い利息を支払う必要がある点には注意が必要です。
質屋の利用を検討する際は、金融機関のサービスとも比較したうえで、自分に合った借入方法を選びましょう。