JAバンクのローンの特徴や、JAバンクでお金を借りる流れなどを解説
「JAバンクのローンって農家じゃなくても借りられるの?」
「JAバンクの金利は?銀行のローンとどっちが低い?」
JAバンクは農協が運営する金融機関です。7種類のローンを提供しており、農業関係の方はもちろん、それ以外の方もローンを利用できます。
今回は農協(JAバンク)でお金を借りたい人のために、JAバンクのローンの特徴や、JAバンクでお金を借りる流れなどを解説していきます。
農協(JAバンク)ローンの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
JAバンクのローンの特徴
JAバンクの存在を知っていても、農家の方専用の金融機関というイメージを持っている方もいるでしょう。
しかし実際には、JAバンクのローンは農家専用というわけではなく、地域に住んでいる方であればだれもが利用できるローンです。
ここではJAバンクのローンの特徴を説明していきます。
JAグループが提供するローン
JAバンクはJAグループが提供するローンで、「破綻未然防止システム」と「貯金保険制度」の2つに制度により、安心して利用できる仕組みを構築しています。
「破綻未然防止システム」と「貯金保険制度」はそれぞれ以下のような制度です。
JAバンクの破綻を防ぐための独自制度です。全国のJAの経済状況をチェックし、経営破綻に至らないよう早めの改善策を講じます。
必要に応じて個々のJAに資金注入などの支援を行い、経営の健全性維持に努めています。
農水産業協同組合が何らかの理由で貯金等の払出しができなくなった場合、貯金者の資金を保護する制度です。
そのための資金として、貯金保険機構(農水産業協同組合貯金保険機構)という機関に、4,708億円の資金が用意されています。
この制度によって、JAバンクに何かあったとしても、預けたお金が払い戻される仕組みになっています。
オンラインで24時間365日申し込み可能
JAのローンは24時間365日いつでも、インターネットから手軽に事前申し込みができます。
数ステップの簡単な操作で、パソコンやスマホで簡単に事前審査に申し込みでき、借入できるかどうかの目安が気軽にわかります。
正式な申し込みにはJAへの来店が必要ですが、オンラインで申込者名や借入理由などを入力できるため、窓口での手続きが楽になるメリットがあります。
借入までの流れ
JAバンクでは複数種類のローンを扱っており、ローンの種類によって申し込み手順が異なります。
ここでは、借り入れたお金を自由に使えるフリーローンを借り入れる手順を説明します。
① オンラインで申し込みたいローンを選ぶ
JAの公式ホームページで利用したいローンを選択します。
② 利用する店舗をさがす
続いて郵便番号や地名などから最寄りのJAを検索します。
最寄りの店舗が表示されたら、引き続き必要情報を入力していきます。
③ 仮審査申し込みフォームから申し込む
申し込みフォームに氏名や住所、借入希望日、借入希望金額といった、必要事項を記入しましょう。
入力が終わったら仮審査の申し込みが完了します。
④ 事前審査結果の連絡が来る
事前審査の結果についてJAから連絡が来ます。仮審査に合格していれば、本審査に申込できます。
⑤ 本審査申し込み
本審査はオンラインでの申し込みはできず、店頭で行う必要があります。
該当の店舗を訪問しローンの申し込みをしましょう。
申し込み完了後、原則10営業日以内にローン審査結果が連絡されてきます。
⑥ ローン契約締結
契約内容を理解したうえでローン契約を締結します。
⑦ 借入
契約が完了したら融資が可能になります。借り入れたお金はJAバンクの口座に入金されます。
初心者必見!JAバンクでお金を借りるための条件とは
JAバンクのローンはだれでも申し込みできるわけではなく、利用のためには一定の条件を満たす必要があります。
ここからは、JAバンクのローンを利用するための条件を3つ紹介していきます。
JA(農協)の組合員であること
JAバンクのサービスを利用するためには、JAの組合員になる必要があります。
JAバンクの組合員には正組合員と準組合員がおり、それぞれ以下の点が異なります。
- 正組合員:農業を仕事にしている人
- 準組合員:JAに出資金を支払い手続きした人
正組合員になれるのは農業関係者のみですが、準組合員には農業関係者でなくともなることができます。
そのため、農業関係者でなくともJAバンクのローンを利用可能です。
年齢がJA(農協)が設定する範囲であること
JA(農協)のローンを利用するためには、JAが定める年齢の範囲に該当することが必要です。
ただし、定められた年齢の範囲は支店によって異なるので、利用する店舗の条件を確認する必要があります。
一例として以下の2店舗を比較すると、ローンを利用できる年齢には、店舗によって違いがあることがわかります。
- JAアルプス:お借入れ時年齢20歳以上、 66歳未満(最終返済時80歳未満)の方
- JA横浜:お借入時の年齢が満18歳以上75歳未満であり、最終償還時の年齢が満80歳未満の方。
このように、店舗によってローンの利用可能年齢が異なるので、借入申し込みの前に条件を確認するようにしましょう。
JAバンクに貯金口座を持っていること
JAバンクのローンを利用する際には、JAの普通貯金口座が必要になります。
JAバンクの貯金口座を持っていない場合には、ローンの本申し込みの際に同時に普通貯金口座を開設する必要があります。
どんな種類のローンがある?金利も確認
JAバンクにはマイカーローンや教育ローン、フリーローンなど様々な種類のローンが用意されています。
ただ、JAバンクのローンの種類や金利は店舗によって異なるので、お住いの地域によって利用できるローンの種類や金利を確認する必要があります。
ここでは、一例としてJA横浜のローン商品一覧と、それぞれの金利を紹介します。
ローンの種類 | 使用用途 | 通常金利 |
---|---|---|
マイカーローン | 車両の購入費用・修理費・車検など | 固定10年以内:年 2.090% ~ 年 3.590% 固定5年以内:年 1.590% ~ 年 3.090% |
教育ローン | 入学金や授業料など幅広い教育資金など | 固定15年以内:年 2.800% ~ 年 4.300% 固定10年以内:年 2.300% ~ 年 3.800% 固定5年以内:年 1.800% ~ 年 3.300% |
住宅ローン | 新築物件の購入・借換 | 固定金利型(全期間固定):1.050%~1.500 % (年率) 変動金利型:0.55 %~ 0.60 % (年率) |
リフォームローン | 住宅の増改築・改装などのリフォームなど | 固定金利選択型 :3.050 % 変動金利型:2.150 % (年率) |
多目的ローン | 結婚式・医療・資格取得など様々な用途など | 年 3.975% ~ 年 4.975% |
フリーローン | 資金用途照明が原則不要で用途自由 | 固定金利型:6.90 %~ 9.30 %(年率) 変動金利型:5.775 %~ 8.175 % (年率) |
カードローン | 借入枠の範囲で何度でも使えるローン | 変動金利型:年 9.200% ~ 年 11.600% |
JA横浜ではこのように、7種類のローン商品が用意されています。
ほかの店舗では利用できるローン商品の種類やそれぞれの金利が変わってくるので、お住いの地域のJAのホームページを確認してみてください。
JAバンクでお金を借りる3つのメリットとデメリット
JAバンクでお金を借りることには、メリット・デメリットが存在しますので、それぞれを3つずつ紹介します。
メリット
金利が低く設定されている
JAは農業関係者を中心に地域住民に様々なサービスを提供し、農業従事者および地域住民の経済的安定と福祉の向上を目的に作られた組織です。
もともと営利企業ではないので金利で儲けようという意思がなく、金利は運営のために最低限必要な水準に設定されています。
実際に、JA・三井住友銀行カードローン・アコムの3種類を比較すると以下のようになります。
カードローンの種類 | 金利 |
---|---|
JA横浜のフリーローン | 固定金利型:6.90 %~ 9.30 %(年率) 変動金利型:5.775 %~ 8.175 % (年率) |
三井住友カードローン | 年1.5~14.5% |
アコムのカードローン | 年10.0%~14.6% |
参照:様々な目的のローン | JA横浜, 三井住友銀行 カードローン : 三井住友銀行 https://www.smbc.co.jp/kojin/cardloan/, アコム
上限金利を比較すると、JAのローンの金利は銀行や消費者金融のカードローンと比較して、大幅に低く設定されていることがわかります。
JAバンクを利用すれば、金利の負担を低く抑えカードローンを利用できます。
年齢層が高くても申し込みできる
年齢が高くても申し込みできる場合が多いのも、JAバンクのローンの特徴の一つです。
たとえば、JA横浜の「JA多目的ローン」の場合には満18歳以上75歳未満までとなっています。
一方で、消費者金融や銀行のカードローンの場合、70歳以上だと申し込めない場合が多くなってしまいます。
JAのローンであれば70歳を超えている方でも申し込める場合があるので、70歳以上の方はお住いの地域のJAについて調べてみるといいでしょう。
保証人・担保がいらない
JAバンクのローンのほとんどにおいて、保証品や担保が不要です。
多くの場合他社のマイカーローンや教育ローンといった、高額ローンは保証人や担保が必要な場合が多いです。
とくに保証人が必要な場合には、保証人になってくれる人をさがす必要があり、見つからない場合には借り入れができなくなってしまいます。
また、保証人の依頼をしたことでトラブルになる可能性も考えられます。
その点、JAのローンは担保や保証人がいらないため、余計なリスクを負う必要なく借り入れが可能です。
デメリット
オンラインのみでの借り入れはできない
JAバンクのカードローンはオンラインのみでの申し込みができません。
仮審査の申し込みから結果を聞くところまでは来店不要ですが、本審査の申し込みには必ず店舗を訪問しなければいけません。
審査通過後にカードが発行された後も、JAのATMや提携ATMで借入できますが、オンラインのみでの借り入れの申し込みはできません。
他の銀行や消費者金融では、オンラインで契約や借入ができるカードローンが増えていますが、JAバンクではこのようなサービスは提供されていませんので注意しましょう。
地域によって金利が変わる
JAバンクのカードローンの金利は全国で統一されておらず、地域によって異なります。
もしもJAバンクの金利が低い地域に住んで入れば、低金利で借り入れできますが、金利が高い地域にお住まいなら負担が大きくなってしまいます。
お住いの地域でJAバンクが決まるため、金利が低いJAバンクを選ぶことはできません。
最寄りのJAバンクの金利を確認し、金利を許容できるかどうかを確認し、借入するかどうかを決めるようにしましょう。
審査完了まで時間がかかる
JAバンクのカードローンは本審査に時間がかかるため、初回融資を受けられるまでにしばらく待つ必要が可能性があります。
一例として、JAいみず野では本審査申し込み後から、原則10営業日以内でローン審査結果を連絡する旨をホームページ上で記載しています。
10営業日ということは、土日祝日をはさむと審査完了までに2週間程度かかる可能性がある、ということになります。
消費者金融の中には即日借り入れが可能な業者も存在しますが、同じ感覚でJAバンクのローンを利用するのは避けるようにしましょう。
記事まとめ
JAバンクのローンは住宅ローンや自動車ローン、フリーローンなど様々な種類が用意されており、幅広い用途で利用できます。
また、銀行や消費者金融と比較して金利が安いため、余計な出費を省きながらローンを利用できます。
こういったメリットがあるため、何らかの利用でお金が必要な場合には、JAバンクのローンの利用を検討してみるといいでしょう。
ただし、JAバンクのローンは店舗によってローン商品の種類や金利が異なるため、お住いの地域のJAにどういったローン商品が用意されているかを確認してください。
また、審査には時間がかかる場合が多いので、JAのローンを利用したい場合にはある程度余裕を持って審査に申し込むことをオススメします。