闇金でお金を借りると高確率で経験することになってしまう4つの被害
「闇金は危ないイメージがあるけど、借りるとどんなリスクがある?」
「闇金は危険って聞くけど、ちゃんと返せば大丈夫じゃないの?」
銀行や消費者金融の審査で落ちてしまい、他で借りることができない場合に、「闇金しかない」という考えでお金を借りるのは決して珍しい話ではありません。
闇金は信用情報にキズがあり、ほかで借りることができない場合でも利用できますが、融資を受けてしまうと人生に深刻な悪影響が出るので絶対に利用してはいけません。
この記事では、闇金でお金を借りるとどうなるのかや、良心的な闇金は存在するのか、闇金で被害を受けた場合の対応方法などについて解説しています。
被害に合わないために知っておくべき「闇金」とは
ヤミ金とは貸金業登録を行わず、法令を守らずに運営されている違法な金融業者です。
未登録のため当然登録番号が存在しないのは当然のこと、ホームページに住所や電話番号も掲載されていない場合も多いです。
普通に生活していると、闇金とかかわる機会はほぼないと感じる人もいるでしょうが、実はそうではありません。
以下のように私たちの生活のすぐそばに闇金は存在しています。
- ティッシュ配りやビラ配り
- 町中の電柱に貼ってある広告
- SNS投稿やYouTube広告
- 突然の電話やメール
このように、日常生活の中で闇金と出会う機会は意外と多く、意外と身近に潜んでいます。
信用情報に傷があるなどの理由で、他ではお金を借りることができないときに、つい手を出してしまう可能性があり注意が必要です。
消費者金融との違い
消費者金融とヤミ金は同じようなものだと思っている人もいるかもしれませんが、実は大きな違いがあります。
消費者金融を含む貸金業者は国や都道府県に届け出をし、正式な貸金業者として登録したうえで運営されています。
一方、ヤミ金はこういった登録を行わず、法律を無視し運営されています。
具体的には、以下のような違いがあります。
消費者金融 | 闇金 | |
---|---|---|
金利 | 年率20%以下 | 10日で5割や1日2%など(※違法運営なのでルールなし) |
滞納時の対応 | 電話・書面での督促 | 本人や親族への執拗な取り立て/嫌がらせ/恐喝 |
広告・宣伝 | 法律の範囲での広告・宣伝 | 不正確な情報や過大な宣伝もあり |
個人情報の取り扱い | 個人情報保護法に基づき取り扱い | 違法に取り扱い。流出の危険あり。 |
このように様々な面において違いがあります。
どちらもお金を借りることのできる業者ではありますが、中身は全くの別物です。
闇金でお金を借りるとどうなる?
ヤミ金でお金を借りるといったいどうなってしまうのでしょうか?
ここでは、闇金でお金を借りると高確率で経験する、4つの被害についてお伝えします。
法外な利息を請求される
ヤミ金でお金を借りると、高確率で法外な利息を設定されます。
具体的な金利は業者により異なりますが、以下のような場合が存在します。
- 10日おきに1割
- 1日2%
- 1週間で2割
このように、正規の貸金業者と比べると、考えられないほどに利息が高額です。
仮に金利が1日2%の闇金で10万円を借りる場合、30日後には約18万円、60日後には約33万円に膨れ上がります。
もともとお金がないのが原因で闇金を利用したのに、利息が原因で借金がさらに増えてしまい、ますます苦しい状況に追い込まれていきます。
滞納すると嫌がらせされる
ヤミ金でお金を借りると、法外な利息が原因で債務が膨れ上がり、返済が困難になります。
その結果、返済が滞ることになりますが、そうなると無理にでも払わせようと、様々な嫌がらせによる取り立てが始まります。
嫌がらせの具体例としては以下のような内容が挙げられます。
- 繰り返しの電話
1日の間に何度も繰り返し電話がかかってきます。電話に出なければ1日中しつこく電話され、精神的に追い詰められます。だからと言って電話に出てしまうと、今度は高圧的に返済を迫られます。 - 職場への嫌がらせ電話
自分のスマホだけではなく、職場に連絡されるのもよくあるパターンです。職場に闇金の利用がバレてしまい、退職せざるを得ない状況になることもあります。 - 実家や友人への連絡
両親や親せき、友人に連絡され督促されることもあります。身近な人にも闇金の利用を知られ、居場所がなくなってしまいます。 - 出前や救急車を勝手に呼ばれる
救急車や大量の出前を呼ぶといった嫌がらせが行われることもあります。こうした嫌がらせは非常に目立つので、近所からも不審な目で見られてしまいます。
このように様々な嫌がらせをされることで、闇金から借りると職場・親族・友人にも利用を知られてしまい、人生そのものを破壊される恐れがあります。
個人情報を流出させられる
ヤミ金でお金を借りると、返済が滞った際に個人情報をSNSでバラまかれることも珍しくありません。
SNSや匿名掲示板で、運転免許証の写真や連絡先を無断でアップロードされ、情報が拡散しプライバシーを侵害されます。
さらに、近年ではお金を貸す条件として裸の写真を担保に要求し、返済が滞った際に裸の写真を拡散すると脅す闇金も出現しています。
身分証明書や裸の写真は、一旦インターネット上で流出すると半永久的に残り続けることとなり、深刻な被害となってしまいます。
犯罪を強制される場合がある
ヤミ金からの借入が利息によって膨れ上がり、返済できなくなった際に、借金の免除を条件に犯罪への加担を強制されることがあります。
非常に多いのが、銀行口座、キャッシュカードやスマートフォンを渡すように言われるというパターンです。ヤミ金業者はこれらの情報を、振り込め詐欺などの犯罪に利用します。
自分名義の口座やスマートフォンを犯罪に使用されると、犯罪行為に加担したとみなされ、共犯者にされてしまう恐れがあります。
ほかには薬物の運搬や販売、物理的な盗みや強盗行為への加担などを持ちかけられることもあり得ます。
まとも・良心的に見える闇金で借りるとどうなる?
最近、ネット上で「ソフト闇金」や「超ソフト闇金」という言葉を見かけることがあります。
比較的良心的で利用しやすい闇金を指す言葉のようですが、これらの闇金は本当に安心して利用できるのでしょうか?
また、お金を借りるとどうなるのでしょうか?
ここでは、一見まともに見える「ソフト闇金優良」について解説していきます。
まともな闇金は存在しないが良心的に見える闇金は存在する
結論からいえば、「ソフト闇金」や「超ソフト闇金」は決してまともな金融機関ではありません。
これらの闇金には以下のような特徴があり、一見安心して利用できる金融機関のように見えるかもしれません。
- ホームページに清潔感がありクリーンな印象を受ける
- 問い合わせに対する返答が丁寧で安心感がある
- 口コミや評判が良い場合が多い
これらの特徴があるので、「期限までに返済すれば利用しても大丈夫かな」と感じられるでしょう。
しかし、どんなに良心的に見えても、闇金は法律を守らず運営されている違法業者なので全く安全ではありません。
まともそうに見えても闇金は闇金
「ソフト闇金」や「超ソフト闇金」は、一見まともそうに見えても、あくまで違法に運営されている金融業者です。そのため、お金を借りると大変なことになります。
言葉遣いや対応が丁寧でも、利息設定は10日で5割などの法外な設定なので、一旦借りてしまうと借金が急速に膨れ上がり返済が困難になります。
また、返済が滞れば態度が急変します。一般的な闇金と同じように、恐喝や暴力による取り立てが行われたり、嫌がらせをさせる可能性も非常に高いです。
ホームページや広告のデザインが優しそうで、対応が丁寧であっても、中身は闇金であることに変わりありません。
お金を借りると、利息で元本がどんどん膨れ上がり、返済しきれなくなり、厳しい取り立てにより追い込まれる可能性があります。
そのため、「ソフト闇金」「超ソフト闇金」などのうたい文句や、優しそうな雰囲気に惑わされないようにしましょう。
借金を返済できない場合の解決方法と相談先
闇金からお金を借りてしまい返済できない場合の解決方法は、自分でなんとかしようとせず専門家を頼ることです。
闇金からの借金は、実は法的には返済義務がありません。民法第708条で「不法原因給付」という規定があり、違法な金利で借りたお金には返済義務がないからです。
しかし、だからと言って自分で闇金に「返済の義務が無いので返済しない。」と告げるのは、相手を逆上させてしまう原因になるのでおすすめできません。
嫌がらせがエスカレートし、ますます厳しい状況に追い込まれる可能性も高いでしょう。
闇金は反社会勢力の人たちが運営している場合もあり、話し合いが通じる相手ではりません。下手に自分で何とかしようとせずに、専門家に相談し解決を目指すのが賢明です。
闇金被害についての相談先
闇金でお金を借りてしまい、厳しい取り立てや嫌がらせの被害を受けている場合、どこに相談すべきでしょうか?
ここでは、闇金被害を受けたときの相談先についてまとめています。
各市町村の消費者生活センター
闇金の被害に遭ってしまったと考えられる場合、消費者生活センターで専門の相談員に相談できます。
消費者生活センターでは、闇金被害かどうか判断や、解決に向けての情報提供などの支援を受けることが可能です。
ただし、闇金との交渉などはしてくれないので、相談だけで終わる可能性があり、解決には至らない場合もあります。
警察の生活安全課
闇金の取り立てについて、警察の生活安全課に相談するのが一つの方法です。
暴行や恐喝といった違法行為が行われた証拠があれば、被害届を提出することで、すぐに動いてくれる可能性があります。
ただし、警察は民事不介入を前提に動いているので、違法行為の証拠がないと動いてもらえない場合があります。
そのため、警察に行く際には恐喝の電話を録音するなどして、しっかりと証拠を用意するようにしましょう。
日本司法支援センター(法テラス)
法テラスは国が運営する法的トラブルを解決するための案内所です。
闇金のトラブルで悩んでいることを相談すると、以下の支援を受けられます。
- 弁護士への無料相談
資産額が180万円以下であれば、1つ問題につき3回まで、30分程度の無料相談できます。 - 弁護士費用の立て替え
弁護士に闇金への対応を依頼する場合は、法テラスが弁護士費用を立て替えてくれます。費用は分割で支払う必要がありますが、依頼時点ではお金がなくても依頼できます。
ただし、法テラスで紹介される弁護士が闇金問題への対応に不慣れな場合、速やかに解決できず闇金業者を怒らせてしまい報復される恐れがあります。
もしも法テラスから紹介された弁護士が、闇金問題に不慣れなようであれば、依頼しないほうが無難でしょう。
弁護士事務所
闇金についての相談を受け付けている弁護士事務所に相談するのは、闇金問題を解決するうえでおすすめの方法です。
闇金問題の対応経験が豊富であれば、闇金と上手に交渉し、速やかに取り立てをストップさせ解決に向かい話を進めてくれます。
また、闇金からの借入は本来返済義務が無いため、適切な対応が可能な弁護士であれば1円も返済しなくて済むように交渉してくれるでしょう。
さらに、状況によっては、闇金業者に対する民事手続きによる返金請求を行える場合もあります。
闇金問題の取り扱い経験が豊富な弁護士に相談することで、一気に闇金問題が解決に向かう可能性が高くなります。
司法書士事務所
闇金問題を専門に扱っている司法書士事務所で、闇金問題の相談をする方法もあります。
司法書士は基本的には弁護士と同じように、利用者と闇金業者の間に入り問題を解決してくれます。
弁護士と同様、闇金問題の解決に慣れた司法書士に依頼すれば、依頼後まもなく取り立てが止まり、残りの借入を返済する必要がなくなる可能性があります。
ただし、弁護士とは違い司法書士は対応できる金額に制限があり、借入が140万円以下でなければ対応できません。
そのため、闇金からの借入が140万円を超える場合は、司法書士ではなく弁護士に相談するとよいでしょう。
記事まとめ
闇金でお金を借りると、法外な利息を請求され、返済しきれなくなると厳しい取り立てや嫌がらせの被害を受ける可能性が高いです。
これから借りるかどうか迷っている段階であれば、絶対に手を出さないようにしましょう。
「ソフト闇金」などとうたっている、一見まともそうな闇金であっても、法外な利息を設定し、返済が滞ると牙を向いてくるので絶対に利用してはいけません。
すでに闇金からお金を借りている場合は、早急に専門家に相談し解決を図る必要があります。
自分ひとりでの対応はほぼ不可能なため、闇金問題の対応に慣れたや弁護士や司法書士に相談し、できるだけ早く解決できるように対応しましょう。