カードローンとビジネスローンの違いは?金利や限度額など8つを比較
カードローンとビジネスローンは利息を支払うことを条件にお金を借りられる、便利な金融サービスです。
しかし自営業者や経理担当者の中には、どちらのローンが最適かがわからない人もいることでしょう。
この記事ではカードローンとビジネスローンの違いについて、金利や限度額などを比較しながら解説します。
どちらにするか迷ったときの選び方も紹介するので、資金調達に悩んでいる人はぜひ最後までご覧ください。
カードローンとビジネスローンの違いとは
カードローンもビジネスローンも、「お金を借りる」という点では同じですが、それぞれ目的や特徴が異なります。
ここでは、カードローンとビジネスローンの定義の違いを見てみましょう。
カードローン:個人向けの少額融資ローン
カードローンとは、個人向けの少額融資ローンのことです。
ローンカードやスマホアプリを使い、数千円単位での少額から借りられます。
ATMからもお金を引き出せ、最短即日融資が可能なので、手軽かつスピーディーに資金調達できます。
また、一度契約しておけば利用限度額の範囲内で繰り返し借りられるので、都度審査を受ける必要がありません。
運営元によって金利や審査の厳しさなどに違いがあるので、特徴を比較して自分に合ったカードローン会社を選ぶことが大切です。
ビジネスローン:事業用途の専用ローン
ビジネスローンとは、法人の経営者・個人事業主(フリーランス含む)向けの金融サービスのことです。
ビジネスローンは事業用途専用ということもあり、借入限度額が高いのが特徴です。
法人の経営者か個人事業主が事業資金を調達したいときは、必然的にビジネスローンを利用することになります。
また、ビジネスローンと混同されやすいローンが、法人向けカードローンです。
ビジネスローンは借入のたびに契約書を作成する単発の融資商品で、法人向けカードローンはローンカードで利用枠の範囲内で借入できるという違いがあります。
カードローンとビジネスローンの違い8つを比較
カードローンとビジネスローンの違いについて、以下の8項目で比較してみましょう。
- 資金用途
- 金利
- 借入限度額
- 審査対象
- 審査期間
- 総量規制の有無
- 返済方法
- 必要書類
両者の違いを確認して、自分に合った借入方法を見つけてみてください。
なお、カードローンとビジネスローンともに、原則無担保・保証人なしで借り入れができる点は共通しています。
①資金用途
カードローンの資金用途は、以下の通りです。
- 生活費
- 趣味・娯楽費
- 家賃の支払い
- 自動車の購入費・修理費
- 旅費・レジャー費
- 医療・美容費
- 冠婚葬祭費
- 教育費
上記のように、カードローンの資金用途は基本的に自由ですが、事業資金に利用することは禁止されています。
一方、ビジネスローンは、その名の通り開業資金や設備投資、運転資金といった事業用途にのみ利用できます。
カードローンの資金用途は事業資金以外なら自由ですが、ビジネスローンの資金用途は事業資金に限られるというのが大きな違いです。
②金利
カードローンとビジネスローンの金融機関による金利相場をまとめたので、ご覧ください。
カードローン | 金利 | |
---|---|---|
メガバンク | みずほ銀行カードローン | 2.0%〜14.0% |
りそな銀行カードローン | 3.5%〜13.5% | |
地方銀行 | 京都銀行カードローン | 1.9%〜14.5% |
高知信用金庫パックカードローン 基本プラン | 5.8%〜11.8% | |
ノンバンク | アイフル | 3.0%〜18.0% |
プロミス | 4.5%〜17.8% |
ビジネスローン | 金利 | |
---|---|---|
メガバンク | みずほ銀行 みずほスマートビジネスローン | 1%台〜14% |
三菱UFJ銀行 ビジネスローン「融活力」 | 2.35%〜9.0% | |
地方銀行 | 横浜銀行 ビジネスフリーローン | 4.8%〜14.5% |
福岡銀行 フィンディ | 2.0%〜14.0% | |
ノンバンク | AGビジネスサポート 事業者向けビジネスローン | 3.1%〜18.0% |
GMOあおぞらネット銀行 あんしんワイド | 0.9%〜14.0% |
カードローンの金利相場は3.0%~18.0%、ビジネスローンの金利相場は1.0%~18.0%という違いがあります。
双方とも、金利の高さは「メガバンク>地方銀行>ノンバンク」の順です。
金利が高いと支払う利息が多くなるため、計画的に返済して短期間での利用を心がけましょう。
③借入限度額
カードローンの借入限度額の相場は300万円〜1,000万円程度、ビジネスローンの借入限度額の相場は500万円〜1億円程度です。
ビジネスローンのほうが借入限度額が高い傾向にあることがわかります。
借入希望額が大きい人は、あらかじめカードローン各社の借入上限額をチェックすると良いでしょう。
ただし、借入限度額と契約者が実際に借りられる利用可能枠は違うので、注意が必要です。
利用可能枠は、個人あるいは事業の年収(事業成績)や信用情報などから総合的に判断されます。
④審査対象
カードローンの審査対象は個人の年収や信用情報、他社の借入状況などを重視します。
一方、ビジネスローンの審査対象は主に法人や個人事業主で、重視されるのは前年度の業績や財務状況、資金用途などです。
このように、個人と法人では置かれている状況が異なるため、審査基準には大きな違いが生まれます。
なお、ビジネスローンはカードローンより融資金額が大きくなりやすいことから、審査がやや厳しくなります。
また、ビジネスローンの場合、創業間もない事業者は審査の判断材料が乏しいため、審査が厳しくなるのが特徴です。
⑤審査期間
カードローンは最短即日~数日で審査が終わるため、すぐにお金を用意したいときに非常に重宝します。
特に消費者金融カードローンはわずか5分で融資を受けられる商品があることから、すぐにお金を用意したい人はローン選びの候補に入るでしょう。
一方、ビジネスローンの審査期間は、3日~1週間程度かかります。即日融資は難しいため、「今日すぐにお金が必要」という場合はおすすめできません。
⑥総量規制の有無
消費者金融と信販・クレジットカード会社が提供するカードローンは、総量規制の対象になります。
総量規制とは、賃金業者が個人の年収の3分の1を超える貸付けはできないとするルールのことです。
そのため、いくら年収が高くても、年収の3分の1までしか借り入れはできません。
銀行カードローンは総量規制の対象外ですが、同等の自主規制を敷いていて実質的に総量規制があるのと変わらないでしょう。
一方で、ビジネスローンは総量規制の対象外です。
自身の収入を気にせず事業資金を調達できるメリットは、大きいといえます。
事業拡大などで多額なお金が必要なときに、ビジネスローンは頼りになる融資サービスといえるでしょう。
⑦返済方法
カードローンの返済方法は主にリボ払いが採用されており、元利定額方式と元金定額方式があります。
- 元利定額方式:元金に利息を含めて計算して、毎月一定金額を返済する方式
- 元金定額方式:元金を一定額に設定して、そこに利息を計算して上乗せする方式
元利定額方式は毎月の返済額が一定額で返済計画を立てやすいものの、返済総額が元金定額方式より大きくなるのが難点です。
一方、ビジネスローンの返済方法は上記のリボ払いに加えて、一括返済を使える場合があります。期日までに元本をまとめて返済する方法で、それまでは利息を支払うだけなので、月々の返済負担を最小限に抑えられます。
資金に余裕があり、今後の見通しがある程度立っているなら、一括返済を検討してみるのも良いでしょう。
どの返済方法を採用しているかはカードローン会社によって違うので、事前によく確認したうえで返済計画を立てることが重要です。
⑧必要書類
最後に、カードローンとビジネスローンの必要書類の違いを見ていきます。
一般消費者を対象としたカードローンの必要書類は、以下の通りです。
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)
- 借入額が50万円を超える場合は収入証明書(源泉徴収票、住民税決定通知書、確定申告書など)
法人の経営者を対象としたビジネスローンの必要書類は、以下の通りです。
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)
- 申込書
- 決算書(過去2期分)
- 登記事項証明書
- 事業計画書(開業して1年程度の場合)
- 経営改善計画書(赤字経営の場合)
個人事業主を対象としたビジネスローンの必要書類は、以下になります。
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)
- 所得証明書(確定申告書など)
- 事業計画書(開業して1年程度の場合)
- 経営改善計画書(赤字経営の場合)
法人向けのビジネスローンは借入金額が大きくなりやすく、必要書類が増える傾向です。
どのケースでもスムーズに手続きを進められるように、必要書類はあらかじめ用意しておくことをおすすめします。
どちらを利用すべきか迷ったときの選び方
ここまで記事を読んでみて、カードローンとビジネスローンのどちらが良いかわからない人もいるでしょう。
それぞれの利用すべきケースをお伝えするので、自身の目的と照らし合わせてみてください。
カードローンを利用すべきケース
カードローンの利用におすすめなケースは、個人消費が目的の人です。
カードローンは事業目的以外ならお金の使い道は自由ですし、最大1,000万円程度の借り入れが行えるのでお金の不安を払拭できます。
融資までのスピードが非常に早く、すぐにお金を用意したい人にもおすすめです。
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ビジネスローンを利用すべきケース
ビジネスローンの利用におすすめなのは、事業拡大などの長期計画や担保にできる資産がある場合です。
長期的な経営ビジョンがあるなら、多くの融資を受けられるビジネスローンが適しています。
また、資産に不動産があれば、不動産担保ビジネスローンという選択肢もあります。高額融資を低金利で借りられる可能性があるので、事業を大きく伸ばしたい人はぜひ利用を検討してみましょう。
まとめ
カードローンは個人向けの少額融資ローン、ビジネスローンは事業用途の専用ローンという違いがあります。
カードローンは金利こそ高いものの審査には受かりやすく、ビジネスローンは審査が厳しめですが億を超える融資を受けることも可能です。
資金用途や借入限度額、金利などは明確な違いがあるので、この記事を参考にしながら無理のない返済計画を立ててみてください。