「ブライダルローン」について基礎から詳しく解説
結婚を控えており、「ブライダルローン」という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどんなサービスなのかよくわからない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、その「ブライダルローン」について基礎から詳しく解説します。
自分に合ったブライダルローンを見極めるために、既にブライダルローンを検討している方も、今後検討する可能性がある方も、ぜひ参考にしてみてください。
結婚費用として使える「ブライダルローン」ってどんなもの?
ブライダルローンとは、結婚式や新婚旅行などの結婚に関する費用をまかなうために利用できるブライダル専用のローンです。
具体的には、結婚披露宴の会場費や飲食費、衣裳代、写真代やビデオ代、新婚旅行代などの結婚式に関連する費用に利用することができます。
銀行や信販会社が提供しているケースが多く、金利が比較的低めに設定されているのが特徴です。
審査基準は厳しめですが、手元に十分な現金がなくても理想の結婚式を挙げられることから、近年利用者も増えつつあります。
審査基準を解説
ブライダルローンを申し込むにあたって、審査基準が気になる方も多いのではないでしょうか。
ブライダルローンの審査基準は金融機関によって異なりますが、一般的には以下5つのポイントで判断されていると考えられます。
- 20歳以上など、年齢が一定以上であること
- 安定した収入があること
- 2年以上など、勤続年数が一定年数以上であること
- 過去の返済実績が良好であること
- 保証会社の保証が受けられること
それぞれ詳しく解説していきます。
1. 20歳以上など年齢が一定以上であること
ブライダルローンの審査基準の一つに「年齢が一定以上であること(20歳以上など)」があります。
これは、ローンを返済する能力があるかどうかを判断するための基準です。
20歳未満では収入が不安定な人が多いため、20歳以上とすることである程度の収入を得ていると考えられるからです。
ただし、20歳以上でも学生などの場合は収入がない人もいます。
そのため、ほとんどのブライダルローンでは、連帯保証人がいることを求めています。
連帯保証人は借り手の返済能力に関係なく返済義務を負うため、審査基準を緩和する意味もあります。
2. 安定した収入があること
「安定した収入があること」もブライダルローンの審査基準の一つです。
これはローンを返済する能力があるかを判断する上で最も重要視される項目です。
「安定した収入」とは、正社員や公務員などの永続的な雇用形態で、安定した収入が見込めることを指します。
派遣社員や契約社員、パートなど不安定な雇用形態の人は審査を通りにくい傾向にあることを覚えておきましょう。
また、自営業の場合は営業年数が一定以上であることや、税務申告書による過去の収入実績を確認することで安定性が判断されます。
いずれにしても、審査時点で安定した収入が現在および将来にわたって見込めることを証明できることが重要視されるための基準といえるでしょう。
3. 2年以上など勤続年数が一定年数以上であること
「勤続年数が一定年数以上であること」も、ブライダルローンの重要な審査基準の一つです。
会社員の場合、入社したての頃は収入が不安定なことが多いため、一定の勤続年数を求めることで、ある程度以上の収入が安定している人かを判断するためです。
2年以上とする金融機関が多いですが、3年以上を求めるところもあります。自営業の場合は営業年数で判断されます。
勤続年数が短いと審査に通らないケースが多いので注意が必要です。
4. 過去の返済実績が良好であること
「過去の返済実績が良好であること」は、過去に借り入れたローン等の返済実績をチェックすることで、借り手の返済能力や意欲を判断するものです。
過去の返済実績が良好な状態とは、これまでに借り入れたローンの返済がきちんと行われ、延滞していないことを指します。
延滞経験がある場合は返済意欲が低いとみなされて審査に通らないことがあります。
また、複数のローンを同時に返済している場合、その合計額が自己の返済能力を上回っていないかどうかもチェックされます。
ローンの返済負担が過大でないことが重要なポイントです。
過去の返済実績によって今後の返済意欲や能力が推測できるため、審査の重要な要素として設けられている基準と言えます。
5. 保証会社の保証が受けられること
ブライダルローンの審査基準の「保証会社の保証が受けられること」については、借り手の返済能力に関わらず、保証会社が主債務者としてローンの返済を保証することでリスクを軽減するものです。
保証会社とは、借り手の返済能力に関わらず、ローンの返済を保証する会社のことをさします。
つまり、借り手がどうしても返済できなくなった場合、保証会社が代わりに返済することを約束しているのです。
したがって、保証会社の保証が付いている場合、金融機関からすれば返済不能リスクが下がります。
そのため、保証会社の保証が受けられるかどうかが、ブライダルローンの審査を通るかどうかの重要な要素となっているのです。
一方で、保証会社の保証を受けるには別途保証料が必要になります。コスト増につながるデメリットがあることにも注意が必要です。
これらがブライダルローンの主な審査基準となっています。
特に収入と勤続年数については重視されるポイントです。過去の返済実績も審査結果に大きな影響を与えます。
これらの条件をクリアできていれば、多くの場合は審査を通過できると考えられるでしょう。
ブライダルローンを利用するメリット
ブライダルローンはブライダル専用のローンですので、審査基準や金利設定が結婚という特定の目的に合わせた形となっているのが大きな特徴です。
ここでは、ブライダルローンならではのメリットをいくつか紹介します。ぜひ自分に合った活用法を検討してみてください。
高額な資金を一括で借り入れできる
ブライダルローンを利用するメリットの一つに、「高額な資金を一括で借り入れできる」という点があります。
結婚式や披露宴を挙げる際には、会場費や衣裳代、写真代等、数百万円単位で予算が必要になるケースが少なくありません。
そのため、一時的に手元にある資金だけでは間に合わない状況も出てきます。
この点、ブライダルローンなら最大で500万円程度を一括借入することが可能です。
会場予約の際に必要な手付金から、当日までに必要となる諸費用を一気に賄えるので、資金面で細切れになるストレスを軽減できます。
高額な婚礼費用をある程度安心して準備できる点が大きな魅力といえます。
金利が低めに設定されていることが多い
「金利が低めに設定されていることが多い」ことも、ブライダルローンを利用するメリットの一つです。
結婚式や披露宴には多額の費用がかかり、多くのカップルが経済的な不安を抱えています。
このため、ブライダルローン会社や銀行では、社会的な支援促進の意味合いも込めて、金利を低く設定する傾向があります。
具体的には3〜10%程度と、フリーローン等と比べても1〜5%ほど金利が低いことが一般的です。
低金利に設定されていることで、実際の返済負担を大きく抑えることが可能となっているのです。
安心して準備に充てられるという点で、大きなメリットがあるといえるでしょう。
資金使途が結婚費用に限定されるので借り過ぎを防げる
ブライダルローンは使途が披露宴費用や新婚旅行の費用など、ブライダル関連費用に限定されているのが一般的です。
これは一見不便に感じるかもしれませんが、逆に金額の上限が設定されることで無計画な出費を防ぐことができます。
例えば500万円の上限がある場合、それ以上の金額を借りられないため、必要以上の高額な支出をする心配がなくなります。
新婚生活に突入するにあたって、家計急変による資金不足を引き起こさないよう、ある程度節度を保つことが大切です。
新婚生活に影響を与えにくい返済設計が可能
ブライダルローンの返済期間は最大10年間と長期に設定することができます。
これにより、月々の返済額を抑えることが可能で、新婚生活に影響を与えにくい返済設計を立てることができるでしょう。
例えば、300万円の借入を10年間で返済する場合、月々の返済額は2万5千円程度で済みます。
これは新婚生活に突入した場合でもある程度の負担限度内と考えられ、返済が苦しくなることもほぼないのではないでしょうか。
むしろ余裕のある返済設計が可能とも考えられます。
もちろん、余裕資金が発生した際にはいつでも繰上返済することも可能です。
段階的に家計の余裕度合いに応じた返済スケジュールを自由に設定できるのは、ブライダルローンならではのメリットといえます。
祝儀などで一時的に返済原資が集まった場合、随時繰上返済が可能
結婚披露宴を挙げると、多くの場合、来場者からご祝儀を渡されますよね。
国内外問わず、祝儀の金額自体が多額に上ることも少なくありません。
この祝儀から一部または全額をブライダルローンの返済に充当することが可能です。
例えば50万円の祝儀をいただいた場合、借入金300万円のうち50万円を繰上返済することで、その分返済期間や総支払利息を圧縮することができます。
ローン会社によって多少条件が異なりますが、多くのブライダルローンは、手数料なしでの繰上返済が認められているのでぜひご活用ください。
おすすめブライダルローン5選
ここでは、低金利設定の魅力的なブライダルローンを5つをピックアップしました。
- 楽天銀行 ブライダルローン
- みずほ銀行 多目的ローン
- 住信SBIネット銀行 多目的ローン
- スルガ銀行 結婚式費用立替えプラン
- 千葉銀行 ちばぎんブライダルローン
金利の低さはもちろんのこと、返済のしやすさなど、新婚夫婦にとって大切な選択基準から厳選したブライダルローンです。
結婚を機に新しい生活をスタートさせるにあたって、ブライダルローンをご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
楽天銀行 ブライダルローン
楽天銀行のブライダルローンは、結婚式や新婚旅行などの婚礼費用を支払うのに利用できるローン商品です。
金利は固定の年7%で、割安感があるのが特徴です。
また、借入額に応じて最低返済額が決まっているため、50万円以下であれば月1万円から返済できます。
少額からのスタートが可能で、返済負担が軽いというメリットがあります。
楽天銀行のブライダルローンはインターネットで申し込むことができ、添付書類も最小限で済ませられます。
ただし支払後には領収証の提出が必要になる点には注意が必要です。
最大融資限度額は300万円で、返済期間は最長8年4ヶ月。
低金利で長期分割返済も可能なので、新婚生活の負担を抑えたい夫婦におすすめのブライダルローンといえます。
下限金利 | 年7% |
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上限金利 | 年7% |
借入限度額 | 300万円 |
資金使途 | 結婚式や披露宴などの費用、結婚・婚約指輪などの購入費用、新婚旅行の費用 |
借入期間 | 8年4か月 |
担保・保証人 | 原則不要 |
みずほ銀行 多目的ローン
みずほ銀行の多目的ローンは、結婚資金としても利用できる金融商品です。
利用できる金利に変動金利(年5.875%)と固定金利(年6.650%)の2種類があり、利用者の希望に応じて選ぶことができます。
みずほ銀行の多目的ローンの最大の特徴は、資金の使い道が自由であることです。
したがって、結婚式や新婚旅行などの婚礼費用はもちろん、住宅購入資金や自動車購入費用といったその他の支出にも活用できる、幅広いローン商品といえます。
借入限度額は10万円以上300万円以下で、返済期間は6ヶ月から最大7年となっています。
インターネットからの申込みが可能で、審査基準も緩やかなうえに、親族の連帯保証人も不要です。
みずほ銀行との取引があれば、さらに優遇金利が適用されるなどメリットも豊富なローン商品といえます。
下限金利 | 年5.875% |
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上限金利 | 年6.85% |
借入限度額 | 300万円 |
資金使途 | 車購入、結婚資金、旅行費用、家電製品の購入など |
借入期間 | 7年 |
担保・保証人 | 原則不要 |
住信SBIネット銀行 多目的ローン
住信SBIネット銀行の多目的ローンは、インターネット専業銀行ならではの低金利と優れた利便性が魅力的なローンです。
昨今の低金利傾向も相まって、事実上の最低水準である変動金利年3.975%から利用することができます。
多目的ローンのため、婚礼費用のみならず、新居や新生活で必要となる諸費用にも利用できます。
最大融資額は1,000万円と国内最大級で、最大10年間の長期返済にも対応しています。
追加申込みなしの繰り上げ返済や提携ローンと併せた返済方法変更も柔軟に行える点もユーザーから高く評価されています。
住信SBIネット銀行の他のサービスと併せて利用することによって、最大1%の金利割引も受けられることが大きなメリットです。
多様化するブライダルローンのうち、おそらく最高のコストパフォーマンスを誇る一択といえるでしょう。
下限金利 | 年3.975% |
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上限金利 | 年4.975% |
借入限度額 | 1,000万円 |
資金使途 | ブライダル、旅行、引越しなど |
借入期間 | 10年 |
担保・保証人 | 原則不要 |
スルガ銀行 結婚式費用立替えプラン
スルガ銀行の結婚式費用立替えプランは、最大の特徴として3ヶ月間の無利息・無返済サービスが提供されているブライダルローンです。
また、挙式日が未定の場合でも事前に審査申し込みができるほか、ローン利用中であっても追加での借り入れが可能な点も大きなメリットです。
婚礼費用だけでなく、新居購入費用といった新生活に必要な資金を柔軟に調達できるのが魅力的といえます。
金利は変動制で毎月の残高に応じて日割計算されるため、できるだけ早期の返済が得策です。
下限金利 | 年8.8% |
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上限金利 | 年12.8% |
借入限度額 | 800万円 |
資金使途 | 結婚式関連費用(挙式費用、各種衣装代、プレゼント代、装飾品代、新生活にかかる費用等) |
借入期間 | 10年 |
担保・保証人 | 記載なし |
千葉銀行 ちばぎんブライダルローン
千葉銀行のちばぎんブライダルローンは、主に関東地方を営業地域とする千葉銀行ならではの地域性と利便性が高いのが大きな魅力です。
千葉県内はもちろん、東京都や神奈川県の一部も営業対象地域内に含まれます。
ちばぎんブライダルローンの金利は低めの変動金利年5.4%が適用されますが、さらに同行の住宅ローン利用者や子育て家庭カード「チーパス」会員は最大0.4%まで優遇金利が引き下げられる特典も。
月々の返済額が大幅に圧縮できるメリットがあります。
融資対象となる婚礼費用には式場や衣装・指輪に加えて新婚旅行費用も含まれているため、ひとつのローン申込みだけで幅広い支払いに対応できることも魅力的なブライダルローンといえます。
下限金利 | 年5.4% |
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上限金利 | 年5.4% |
借入限度額 | 500万円 |
資金使途 | 結婚式・新婚旅行などに関するあらゆる資金 |
借入期間 | 10年 |
担保・保証人 | 原則不要 |
記事まとめ
結婚を控え、式場の準備などを進める際、その資金繰りに苦労してしまうカップルは少なくありません。
そこでこの記事では、結婚に向けた準備を考えている方に向けて、ブライダルローンについて詳しく解説しました。
ブライダルローンのメリットは、高額な結婚式費用を一括で借りられる点にあります。
金利が低く設定されていることも多く、他のローンと比較すると実際の支払利息を抑えられることもブライダルローンの魅力でしょう。
一方で審査基準は厳しめなため、夫婦の返済能力に見合った商品を選ぶことが大切です。