銀行で個人向けに融資しているローンにはさまざまな種類がある!
ある程度の貯金はしていても、突如急な怪我や病気に見舞われたり、冠婚葬祭が重なったりなど「急にお金が必要になるシーン」に直面することは珍しいことではありません。
また、住宅ローンや教育ローンなどまとまった金額が必要になった場合、銀行から個人融資を受けるケースもあります。
しかし、お金を借りるという行為は重要な決断ですので「銀行で選択できるローンの種類」や「どういった手続きが必要なのか」について、しっかりと理解しておき慎重に選択する必要があります。
今回の記事では、個人向けのローンの種類や手続き、借り入れ条件や返済方法といった部分について、まとめて解説します。
現時点では借りる予定がない方も、突如発生する出来事に冷静に対応するため、知識として知っておいて損ではありませんので、最後までご覧いただけますと幸いです。
銀行が取り扱う個人向けローンの主な種類
それでは、はじめに銀行が取り扱う個人向けのローンについて、主なローンを5つ挙げて解説します。
住宅ローン
住宅ローンとは、その名の通り、住宅を購入したり改築したりするために金融機関から借りるお金のことです。
住宅ローンの利用目的は、申込者の居住用の住宅に限定されていて、以下のような用途に利用可能です。
- 新築や中古住宅の購入
- 増改築などのリフォーム
- 不動産仲介手数料、消費税、保証料などの諸費用
住宅ローンについては、土地や建物を担保にしてお金を借りる「有担保型」が一般的です。
カーローン
カーローンとは、新車や中古車の購入、車検費用といった代金への利用を目的とするローンです。
銀行のカーローンは、ディーラーが準備しているローンや、信販会社よりも金利は安い傾向にあります。
また、ディーラーや信販会社でカーローンを契約すると、車の所有権を借入先の金融機関が持つ場合がありますが、銀行のカーローンの場合は、申込者に所有権があります。
教育ローン
教育ローンは、一般的に高額とされる子ども(学生)の教育に関する資金不足を解消するためのローンです。
借入先が指定する範囲内であれば、学校への入学金や授業料、塾の月謝などさまざまな費用の支払いに充てることが可能です。
中でも銀行の教育ローンは、融資限度額が多いことや、借入れの自由度が高いため、国や公的機関の教育ローンよりも使い勝手が良い傾向にあります。
一方、銀行の教育ローンの利用は使い勝手が良い分、金利は国や公的機関などの教育ローンよりも高めの傾向にあり、入学金や授業料など、必要な教育費がわかる資料を提出する必要があります。
カードローン
カードローンは、住宅ローンやカーローンのように利用目的が決まっておらず、お金を借りるという目的に特化したローンサービスです。
カードローンの金利は、利用限度額が低いほど高く設定される傾向にあります。
特徴としては、限度額の範囲内であれば、どんなタイミングでも自由にコンビニATMなどを使って借入することが可能です。
またカードローン会社によっては、高校生や大学生といった学生用にカードローンを準備しているところもあります。
フリーローン
フリーローンは、カードローンと同様に旅行費用・結婚費用・車購入費用・教育資金など、利用目的を問わないローンですが、カードローンとは違い借り入れ回数が1回のみということが特徴です。
フリーローンには有担保型と無担保型の2種類あり、有担保型のほうが金利は低く借りやすい傾向にあります。
借入回数は原則1回のみのため、追加借入を希望する場合は再契約が必要です。
それぞれのローンに関する特徴は以下になります。
種類 | 借入可能回数 | 融資期間 | 借入可能額 |
---|---|---|---|
住宅ローン | 1回のみ | 最長35年 | 収入や担保となる住宅の価格によって決まる |
カーローン | 一回のみ | 多くの場合、1~10年のあいだで設定 | 主に年収によって決まる |
教育ローン | 1回または設定金額の範囲内で複数回可能 | 無担保型では10年以内が一般的。有担保型は20年、25年といったものもある | 500万円や1,000万円などの上限がある |
カードローン | 借入限度額の範囲内なら、何度でも借入可能 | 審査に問題がなければ、取引可能な年齢まで契約更新となり、そのあいだ借り続けることができる | 収入などの状況によるが最大で700万~800万円前後が多い |
フリーローン | 原則1回のみ(追加で借りたい場合は再契約) | 1~10年で設定するものが多い | 10万~500万円前後 |
銀行からお金を借りるまでの手続きの流れ
銀行からお金を借りる際は、主に以下の流れで借り入れを行います。
手続き①借り入れ先に申し込む
銀行のカードローンについては、昔よりも便利になっておりスマートフォンやパソコンからオンラインで申し込みできるケースが多いです。
銀行の窓口などを利用し対面での申し込みも可能ですが、オンラインの申し込みであれば曜日や時間の縛りはないため、土日祝や営業時間は気にせず自分の好きなタイミングで申し込みが可能です。
また、最近では「みんなの銀行」のように審査手続きが「アプリで完結」するサービスもあるため、自分にあった融資先を選択しましょう。
手続き②必要な書類を提出する
申し込みをしたら、審査に必要な本人確認書類と収入証明書類などの書類を準備します。
また申し込むローンによっては、住民票や現在返済中の住宅ローンに関する返済予定表なども必要になるため、審査に不利益とならないよう銀行の案内にしたがって過不足なく提出するようにしましょう。
手続き③金融機関が審査を行う
申し込みと必要書類の提出が完了したら、銀行側で審査が開始されます。
審査にかかる時間は申し込んだローンの種類や銀行の審査状況によって異なりますが、最短で翌営業日に審査結果がわかる場合もあれば、1~2週間かかるケースもあります。
審査を待っている間は落ち着かないかもしれないですが、ある程度は時間を要すると認識し銀行からの審査連絡を待ちましょう。
また、状況によっては勤務先に「在籍確認」の電話がかかることもあります。
気になる場合は、申し込み時に確認しておくことをおすすめします。
以上の3つの手続きを経て、審査に通過すれば契約をし融資を受けられるようになります。
審査結果については、銀行より電話かメールで連絡がきます。
融資方法は銀行によって違いはありますが、一般的には口座振替かコンビニなどのATMで引き出す方法にて融資を受けることが可能です。
銀行でお金を借りる場合の審査は厳しい?
お金を貸す側の銀行も信頼によってローンサービスを提供しているため、銀行側の信頼性をしっかり確保しつつ「損失を出さないようにする」取り組みが必要となっているため、審査についてはしっかりと実施しています。
借入の条件
銀行ローンには申込条件があるため、自分が申し込む際は借り入れ条件を満たしているか確認しましょう。
申込条件は銀行によって異なりますが、一般的な条件を3つ挙げて解説します。
条件①毎月安定・継続した収入があることが条件になる
一般的な条件として、20歳以上で安定した継続収入があることなどが求められます。
また、一般的に勤続年数は長いほど審査に有利とされています。
一方、専業主婦(主夫)や無職の人はローンでの借り入れが難しい可能性が高いです。
しかし、一部の金融機関では申込者本人に収入がない場合でも、配偶者に収入があれば申し込みできるローンもあるため、条件などを金融機関が提供しているホームページなどでしっかりと確認しましょう。
条件②すでに他の金融機関で借り入れをしている
銀行ローンは1社でしか借り入れできないわけではなく、複数の金融機関から借り入れることが可能です。
ただし、既存の借り入れ金額や件数が多いと、新たな銀行ローンの申し込み審査について通過が難しくなり借りれない可能性が出てきます。
前提として、クレジットカード会社などの信販会社や消費者金融といった貸金業者は「総量規制」に基づいた貸し付けを行っているため、年収の3分の1までしか貸し付けできないルールです。
そういったルールがあるため、すでに多額の借り入れをしているケースでは審査に通過しない可能性が高くなってしまいます。
条件③申込内容に誤り・虚偽があった
銀行ローンへの申し込み時に、意図的に誤った情報を入力した場合はもちろんですが、うっかり間違った情報を入力した場合も審査に影響してしまいます。
各種提出書類と情報が一致しなくなり信用に欠けた申し込みをしてしまうためです。
そのため、申し込み手続きをする際は入力間違いがないように提出する書類も手元に置いた状態で、一致しているか確認しながら入力することをおすすめします。
審査の流れや確認される事項
銀行ローンの審査については、ローン申し込み者の「収入状況」や「返済能力に対する姿勢」といった点をチェックしているため、審査の流れとして、氏名や住所、連絡先、職業、年収、借入状況といった情報を入力の上、申し込みを実施し申告を受けた銀行が、第三者機関である「信用情報機関(※1)」に信用情報を照会したり、申告された勤務先への電話などによる在籍確認も行い審査を進めていきます。
※1 信用情報機関 | 信用情報機関とは、過去のクレジットやローンなどの取引履歴を管理・提供する機関のことです。 ローンやクレジットカードの審査の際には信用情報を確認し、過去に未払いなどの事故情報がないか照会します。 |
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ローンの返済方法や返済期間とは
金融機関などからローンのサービスを利用した時の返済は、借入れ翌月から毎月支払いを行うのが一般的で「約定返済」といいます。
返済手段としてはATMを利用した振込や口座引き落としによる返済が一般的ですが、銀行によってはオンラインのサービスを利用した振込を選択できるケースがあります。
また、返済する金額を決める方法として「元利定額返済方式」と「残高スライド元利定額返済方式」を採用しているケースが多いです。
元利定額返済方式とは
元利定額返済方式の「元利」とは「元金と利息」のことで「元金と利息を合わせて一定額」を毎月の返済日に返済していく方式です。
例えば「毎月ご返済額3万円」と設定している場合、3万円の中に元金と利息が含まれている状態になります。
そのため、借入残高が10万円でも100万円でも、そして追加で借入れをしたとしても、返済額は一定になります。
そういった特性があることから、返済の波がないため毎月の家計への影響が少なく、収支の計画を立てやすいというメリットがあります。
反面、デメリットとしては無計画に借入額が大きくなってしまうと返済までに膨大な時間がかかり、その分の利息がかさんでしまうため注意しましょう。
残高スライド元利定額返済方式とは
残高スライド元利定額返済方式の場合、まず「元利定額」のため「元金と利息を合わせて一定額を返済」していく点は元利定額返済方式と同じですが、その返済額が「借入残高によってスライド(変動)」していくという返済方式になります。
例えば、借入残高が200万円であれば月々の返済額5万円、100万円以下であれば3万円というように「残高に応じて」返済額が変動するという仕組みになります。
残高スライド元利定額返済方式は、借入残高が減ると毎月の返済額が減るため、返済負担が軽減するメリットがあります。
その反面、返済額は一定ではなく借入残高に応じて変わるため、次の返済額がいくらになるのか都度確認が必要になります。
ローンの借入金を「いつまでにすべて返さなくてはいけない」という返済期間の取り決めはないため、返済シミュレーションツールなどを活用し、計画性を持って「返済期間を把握しながら」利用することが大切です。
記事まとめ
今回の記事では、銀行からお金を借りるにあたって、どんなローンの種類があるのかや、その手続き方法、返済方法や期間について解説をしました。
普段は貯金があるので借りる予定はないと思っていても、急にケガや病気に見舞われまとまったお金が必要になるケースはゼロではないです。
各種ライフイベントでも、大きなお金が必要になるケースもあります。
そういう場面に出くわし焦らないように、今からどんなローンの種類があるのかなどの知識をつけておき、いざというときに「正しい選択」ができるよう備えておきましょう。