
消費者金融と銀行カードローンの違いを解説
お金を借りる方法には、消費者金融と銀行カードローンの2つの選択肢がありますが、どちらを選べばよいのか迷っている方も多いでしょう。
金利や借入条件、審査の難易度など、それぞれに違いや特徴があり、利用目的に応じて選ぶことが大切です。
この記事では、消費者金融と銀行カードローンの違いや、それぞれのメリット・デメリットを比較し、どちらが自分に合っているかを判断できるように解説します。
【比較表】消費者金融と銀行カードローンの違い
消費者金融と銀行カードローンは、適用される法律やサービス内容に違いがあります。
以下の比較表で全体像を把握しましょう。
消費者金融 | 銀行カードローン | |
---|---|---|
適用される法律 | 貸金業法 | 銀行法 |
総量規制 | 適用される(年収の3分の1を超える貸付が禁止) | 適用されない |
金利 | 年18%前後 | 年15%前後 |
審査スピード | 最短15分 | 最短即日~1週間程度 |
融資スピード | 即日融資対応 | 最短翌営業日以降 |
信用情報への影響 | あり | あり |
銀行カードローンは消費者金融と違い、金利が低めに設定されていることが一般的です。
カードローンに適用される金利は「利息制限法」という法律に基づき、借入額に応じて年15.0%~18.0%が上限と定められているため、各カードローン会社は範囲内で金利を設定しています。
<利息制限法とは>
貸金業者や金融機関の貸付金利を一定の範囲内に抑え、消費者を保護することを目的とした法律です。
過剰な利息や違法な貸付行為を防ぐために存在し、2010年に借入額に応じて以下の上限金利が適用されました。
- 10万円未満の場合…年20.0%
- 10万円以上100万円未満の場合…年18.0%
- 100万円以上の場合…年15.0%
このように、同じ借入でも消費者金融と銀行カードローンでは性質に大きな違いがあります。
それぞれの特徴を理解したうえで、利用する方法を選びましょう。
消費者金融の特徴
消費者金融は、財務局や各都道府県に登録したうえで「貸金業法」という法律にもとづいて融資を行う貸金業者です。
主に、設定された利用限度額の範囲内で繰り返し借入ができる「カードローン」を取り扱っています。
銀行が預金や送金といった為替業務も行うのとは違い、消費者金融は「貸付業務」に特化している点が大きな特徴です。
消費者金融のメリット
消費者金融の主なメリットは、以下のとおりです。
- 最短即日で融資を受けやすい
- 返済の自由度が高い
- 周囲に知られずに利用しやすい
消費者金融は、銀行カードローンと違い、審査スピードが非常に速く、最短で申し込み当日に融資を受けられる場合があります。
例えば、急な出費が発生した場合でもアプリでその場から申し込み、最短1時間以内にコンビニATMで現金を引き出せます。
また、返済日を自由に選べるサービスもあるため、給料日後に設定することで無理のない返済が可能です。
なお、スマホアプリを活用したカードレス取引が可能な会社は多く、申込から借入まで来店不要・郵送物なしで完結します。
周囲に知られたくない方でも安心して利用しやすくなっています。
消費者金融のデメリット
消費者金融でお金を借りる主なデメリットは、以下のとおりです。
- 銀行カードローンより金利が高い
- 年収の3分の1を超える借入ができない
- 闇金業者に注意が必要
- 審査時に在籍確認が行われる場合がある
消費者金融は銀行カードローンと違い、金利が高く、上限は年18%程度になるケースもあります。
長期間の借入では利息負担が大きくなりやすいため、借入金額や返済期間をしっかり計画しましょう。
貸金業法の「総量規制」により、年収の3分の1を超える借入はできません。
利用者が過剰に借りすぎないよう守るためのルールですが、まとまった資金が必要な場合は不便に感じるかもしれません。
「個人間融資」や「ブラックでも融資OK」といった甘い言葉で誘う闇金業者(無登録の消費者金融)には要注意です。
無登録の業者から借りると違法な取り立てや高金利トラブルに巻き込まれる恐れがあるため、心配な場合は金融庁の公式サイトで登録業者か確認しましょう。
審査時には「在籍確認」が行われる場合があり、職場への電話連絡によって勤務実態をチェックされます。
周囲に借入を知られたくない場合は、事前に相談するのがおすすめです。
銀行カードローンの特徴
銀行カードローンは、銀行が提供する個人向けの無担保ローンです。
消費者金融と違い金利が低く、借入限度額も高く設定されていることが多いため、大きな融資を希望する方や長期的に借りたい方に有利です。
消費者金融とは違い、銀行カードローンには「総量規制」が適用されませんが、銀行カードローンも年収に対して3分の1を上限とする独自の基準を設けている場合があります。
銀行カードローンのメリット
銀行カードローンのメリットは、主に以下のとおりです。
- 金利が低め
- 銀行口座を持っていると利便性が上がる
- 総量規制が適用されない
銀行カードローンの金利は、消費者金融と違い、15%程度と低く設定されていることが多いです。
ただし、金利は借入条件や審査に基づいて個別に設定されるため、必ずしも銀行が常に低金利とは限りません。
また、銀行口座を持っていると申込時の手続きが簡素化され、ATMや振込手数料の無料回数が増えるなどの利便性もあります。
さらに、総量規制が適用されない点も消費者金融との大きな違いであり、審査結果によっては年収の3分の1を超える借入が可能となる場合があります。
ただし、過剰融資を防ぐために銀行も独自の基準を設けていることがあるため、その点は注意が必要です。
銀行カードローンのデメリット
銀行カードローンのデメリットは、主に以下のとおりです。
- 審査に時間がかかる場合がある
- 口座開設が求められることがある
銀行カードローンは、消費者金融と違い、審査に時間がかかる傾向があります。
特に、銀行の審査は信用情報機関や警察庁のデータベースを照会するため、審査プロセスが複雑で時間を要します。
場合によっては、1~2週間程度かかることがあり、「すぐにお金が必要」という場合には不便に感じるかもしれません。
特に土日・祝日を挟むと、審査が遅れることがあるため、余裕をもって申し込むことが大切です。
また、銀行のカードローンでは、預金口座の開設が条件となる場合があります。
口座を持っていない場合は、新たに口座開設手続きが必要になり、申込から融資までの手間が増えることになります。
記事のまとめ:消費者金融と銀行カードローンの違いを理解し、自分に合った選択をしよう
「消費者金融」と「銀行カードローン」は、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットを持っています。
消費者金融は、即日融資が可能で、スピード重視の方に向いていますが、金利が高いというリスクがあります。
一方、銀行カードローンは低金利で借りられる反面、審査に時間がかかるため、計画的な利用が重要です。
また、「消費者金融」は総量規制の対象となるため、年収の3分の1を超える借入はできませんが、「銀行カードローン」は規制の対象外であり、柔軟な借入が可能です。
ただし、過剰な借入による多重債務には十分注意しましょう。
借入を検討する際は両者の違いを理解し、自分の資金計画や返済能力を冷静に見極めることが大切です。
「すぐに借りたい」「今月中にどうしても必要」といった場合は消費者金融、「金利を抑えて長期的に返済したい」という場合は銀行カードローンを選ぶとよいでしょう。