カードローン
カードローンの時効は最短5年!時効援用の方法や条件・リスクを徹底解説
fin_user

カードローンに時効はある?時効援用の条件やデメリットも詳しく解説

カードローンの返済が滞ってしまい、支払いができない状況にある場合には時効が適応される可能性があります。

相談者A
相談者A

以前借りていたカードローンの請求が来た

相談者B
相談者B

カードローンに時効はある?

上記のように、以前借りていたカードローンの請求が来て驚いた経験をした方もいるのではないでしょうか。

カードローンには時効があり、一定期間経過して権利が消失した場合は返済に応じる必要はありません。

本記事では、カードローンにおける時効を詳しく解説します。

時効援用の方法やリスクなども紹介しているので、ぜひご覧ください。

カードローンにおける時効とは?

カードローンにおける時効とは?

カードローンの時効とは、ある出来事から一定期間経っている点を尊重し、事実状態に合った権利関係を確定する制度です。

特定の権利を持っていても、一定期間権利を行使しないと本来持っていた権利が消失する状態を「消滅時効」と呼びます。

カードローンの場合は、債権者が一定期間権利行使しないと、借金を返す義務がなくなります。

カードローンの時効は、民法で5年間と定められています。

出典:e-GOV「民法」

https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-Pa_1-Ch_7-Se_3-At_166

カードローンをはじめとした貸金業者は、5年間と定められていますが、信用金庫が貸主の場合、期間は10年です。

時効は必ずしも5年間ではなく、カードローン以外は10年間になるケースもあります。

時効援用とは?

時効援用とは?

カードローンの返済が滞ったときから5年経過していれば必ずしも借金がなくなるわけではなく、時効援用をする必要があります。

カードローンにおける時効援用とは、権利の所有者に時効だと宣言する行為であり、「規定の期間が経過したため、返済は行いません」と宣言する手続きです。

ここからは、時効援用の条件や方法を紹介します。

時効援用の条件

カードローンでの時効援用を行える条件は下記の通りです。

  • 5年以上返済しておらず、債権者からの請求を受けていない
  • 債務の承認はしていない
  • 裁判手続きをされていない

「債務の承認」とは、時効中に借金がある旨を認める行為を指します。

カードローンの債務の承認をしてしまうと時効期間が振り出しに戻ってしまうため、時効援用は行えません。

裁判所から差し押さえや催告などの通知がされている場合も同様に、時効の期間が振り出しに戻ります。

時効援用を検討している方は、裁判所から通知が届いていないかを確認しましょう。

時効援用の方法

カードローンの時効援用の方法と流れは下記の通りです。

  1. 債権者と取引をした最終日を確認する
  2. 時効の条件を満たしているかを確認する
  3. 通知書を送る

カードローンの時効援用を行う際は、まず債権者と最後に取引した日から5年間経過しているかを確認しましょう。

利用明細を参照したり、債権者に問い合わせたりするとカードローンの最終取引日を突き止められます。

期間に問題がなければ、手続きを行える条件に当てはまっているかの確認を行います。

条件に当てはまっているかわからない方は、債権者に照会してもらいましょう。

最後は通知書を郵送または口頭で郵送します。

口頭でも行えますが、あとから「聞いていない」とトラブルになる可能性もあるため、書面で郵送のがおすすめです。

時効援用通知書に記載すべき項目

カードローンの債務者に時効援用を知らせる場合は、トラブルを防ぐために書面で通知する方法がおすすめです。

書面で通知書を作成する際は、下記の項目を記載しましょう。

  • 送付日
  • 自分の名前・住所・生年月日
  • 手続きを主張を主張する旨
  • カード番号や契約番号など契約を確認できる事項

上記の項目を記載した通知書を内容証明郵便で送付しましょう。

証拠が残りづらい普通郵便やFAXはおすすめできません。

内容証明郵便であれば配達証明の控えが自宅に届くため、万が一「通知書を受け取っていない」といわれても証拠を提示できます。

時効援用のリスクとデメリット

時効援用のリスクとデメリット

カードローンの時効援用の条件を満たしていない状態に気づかず、通知を出してしまうと催促や一括請求されたりするリスクがあります。

時効援用を行う前に、リスクやデメリットも理解しておきましょう。

未払い分の催促が再開する

時効援用に失敗すると、カードローンの未払い分の催促が再開する恐れがあります。

時効が成立しなければ返済義務は消失せず、長期間返済を滞納していた場合は、返済を強く要求されるでしょう。

カードローンの支払督促を無視し続け、一定期間内に異議申し立てを行わないと、最終的には財産差し押さえになる可能性があります。

最低限の生活費を除く給与やボーナス、不動産などを全て差し押さえられてしまうため、催促状が届いた場合は、速やかに対応しましょう。

残債を一括請求される

条件を満たしていない状態で時効援用をしてしまうと、残債を一括請求されるケースもあります。

残債を一括請求される状態を「期限の利益の喪失」と呼びます。

期限の利益は、債務者が返済期日が到来するまで返済をしなくても良い権利です。

返済期日を過ぎ権利を失うと、債権者は残債一括返済請求ができます。

債権者からの一括請求に対応せずにいると支払督促が届きます。

最終的には財産取り押さえになる可能性もあるため、注意が必要です。

時効期間が延びてしまう

5年間の時効期間が経過する前に「過払い金返還請求」を行っていると、規定の期間が延長されてしまいます。

過払い金とは、カードローンなどを法律の上限を上回る額で支払った利息を指します。

過払い金返還請求をすると、払いすぎた利息が返金されたり、借金が消滅して返済や減額できたりする仕組みです。

過払い金請求をしてカードローンの借金を完済していれば問題ありません。

ただし借金が残った場合は、規定の期間が延長されるため注意しましょう。

カードローンの返済に困っているなら債務整理という方法も

カードローンの返済に困っているなら債務整理という方法も

時効手続きの条件に当てはまらなかったり失敗したりして困っている場合は「債務整理」で解決できる可能性があります。

ここからは、債務整理の仕組みやメリットを紹介します。

債務整理とは

債務整理とは、債権者に交渉を行ったり、裁判所を通して減額してもらったりする正当な解決方法の総称です。

債務整理は、任意整理・個人再生・自己破産の3つの方法があり、詳細は下記の通りです。

任意整理 債権者と交渉を行い、利息を免除してもらう方法
自己再生 裁判所に申し立てを行い、財産を残しつつ借金を80%〜90%減額してもらう方法
自己破産 裁判所に申し立てを行い、借金を全額免除してもらう方法

自己破産は、財産を取り押さえられ、最低限の生活費しか手元に残らないため、本当にカードローンの借金が返済できない場合の最終手段です。

元金だけなら3〜5年で返済できるケースは、利息を免除してもらえる任意整理がおすすめです。

一方で元金の返済が難しい際は、カードローンの借金額を減らしてもらえる自己再生を検討しましょう。

債務整理のメリット

債務整理は、カードローンなどの借金に困っている方をサポートする正当な解決手段です。

時効でカードローンの借金が消滅するのを待つよりも、借金問題を解決しやすいといえます。

他にも債務整理を行うメリットは、下記があげられます。

  • 一定期間が経過するのを待つ必要がない
  • 借金問題を解決できる可能性が高い
  • 過払い金が戻って来る可能性がある

時効援用は、カードローンであれば5年間経過するのを待たなくてはなりません。

債務整理は、時効期間に関係なく手続き可能なため、わざわざ5年間経過するのを待たずに減額や免除を受けられます。

さらに過払い金が発生している場合は、返還請求を行えます。

返還請求で戻ってきたお金を借金に充てて減額や完済を目指せるのもメリットです。

ただし、債務整理にもデメリットがあるため、メリットだけでなくマイナス点を理解したうえで検討しましょう。

記事のまとめ

記事のまとめ

カードローンの時効は、債権者との最終取引日から5年間です。

5年間経過し、債務の承認や裁判所との手続きを一切行っていないなど条件を満たしていれば、時効援用が行えます。

時効援用が成立すれば、カードローンの返済義務がなくなります。

しかし時効援用に失敗すると、一括請求を求められたり、催促が再開したりするリスクもあるため、注意が必要です。

時効援用を活用できない場合は、任意整理や個人再生などの債務整理も検討しましょう。

監修者プロフィール
菱村真比古
菱村真比古
ファイナンシャルプランナー
10種の金融資格と中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャルプランナー。NISA、住宅ローン、社会保障制度などが複雑に絡み合うライフプランを明快シンプルに紐解きます。中でも《菱村式老後資金計算法》は将来に不安を抱える子育て世代に好評。生命保険と金融サービス業界の最高水準として世界中で認知されている独立組織MDRTの正会員。『お金のエキスパート』として講演や営業マンの育成など幅広い領域で活動している。

【資格情報】
・住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー
・日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー
・生命保険協会認定トータルライフコンサルタント
・CCAA クレジットカードアドバイザー
・相続診断協会認定 相続診断士 
記事URLをコピーしました
フッターバナー