
アコムCMの歴史と歴代出演者一覧を紹介
アコムCMの歴史と変遷
アコムのCMは時代背景や法規制の変化とともに形を変えてきました。1980年代から現在まで、印象的なキャッチフレーズやキャラクターで多くの視聴者の心に残る広告を展開しています。
時代別アコムCMの特徴
1980年代:消費者金融の地位確立期
「サラ金」と呼ばれていた時代から、「消費者金融」としてイメージ改善を図る時期。大場久美子さんなど有名タレントを起用したCMが放映されはじめました。
1990年代:「むじんくん」シリーズの誕生
自動契約機「むじんくん」をフィーチャーしたCMシリーズがスタート。「ラララむじんくん♪」というキャッチーな曲とセイン・カミュ演じるチャント星人の「地球寄ってく?」「いいねー!」というフレーズが一世を風靡しました。
2000年代:「はじめてのアコム」の定着
2000年9月から「はじめてのアコム」というキャッチフレーズが使われるようになりました。小野真弓さんの出演をきっかけにブレイクしたCMシリーズは、多くの人の記憶に残っています。
2010年代:シンプルで洗練されたCMへ
貸金業法の改正により、消費者金融のCMにも規制が入るようになり、内容もシンプルになっていきました。渡部篤郎さんや佐藤美希さんが登場するシリーズなど、シュールな内容のCMが特徴的でした。
2020年代:「侍ビッグ3」と新たな展開
鈴木伸之さん、かまいたちの山内健司さんと濱家隆一さんによる「侍ビッグ3」シリーズがスタート。さらに2025年には新シリーズ「Acom Stories」が始まり、現代的で共感を呼ぶストーリー性のあるCMへと進化しています。
アコムは1936年(昭和11年)に丸糸呉服店として創業されました。その後、質屋業を経て、サラリーマン金融へと事業を転換。1978年には日本初の現金自動貸付機を開発し、1984年にはアコム株式会社を設立しました。1990年代にはATMサービスを24時間化するなど、常に革新的なサービスを提供してきました。現在は三菱UFJフィナンシャルグループの一員として事業を展開しています。
印象的なアコムCMキャラクター
アコムのCMには、様々な個性的なキャラクターが登場してきました。その中でも特に印象に残るものをご紹介します。
歴代の人気キャラクター
キャラクター名 | 時期 | 特徴 |
---|---|---|
チャント星人 | 1996年〜1998年 | セイン・カミュ演じる宇宙人。「地球寄ってく?」のセリフが特徴 |
ハッキリ星人 | 1998年〜 | チャント星人の後継として登場 |
むじんくん | 1990年代 | アコムの自動契約機のキャラクター。「ラララむじんくん♪」の歌と共に人気に |
侍ビッグ3 | 2021年〜 | 鈴木伸之(織田信長役)、山内健司(徳川家康役)、濱家隆一(豊臣秀吉役)の3人 |
ワンコム | 2021年〜 | アコムの公式キャラクター |
中でも「むじんくん」と「侍ビッグ3」は、アコムCMの代表的な存在として多くの人に親しまれています。「むじんくん」のCMはACC賞を受賞するほど評価され、自動契約機の認知度向上に大きく貢献しました。
歴代の有名出演者
アコムのCMには、多くの有名人が出演してきました。時代ごとの代表的な出演者をご紹介します。
- 大場久美子:1982年頃のCMに出演
- セイン・カミュ:チャント星人役として出演
- 小野真弓:2002年のCMで大ブレイク
- 柳沢慎吾:アコム MasterCardのCMに出演
- 渡部篤郎:部長役としてシリーズCMに出演
- 佐藤美希:渡部篤郎さんの部下役として出演
- 鈴木伸之(劇団EXILE):侍ビッグ3シリーズで織田信長役
- かまいたち(山内健司・濱家隆一):侍ビッグ3シリーズで徳川家康役と豊臣秀吉役
- EXILE 松本利夫:侍ビッグ3シリーズにバーテンダー役で登場
- たなかえいぞを(グソクムズ):「妹の結婚式」篇の兄役
- 北浦愛:「妹の結婚式」篇の妹役
中でも小野真弓さんは「はじめてのアコム」のCMでブレイクし、一躍人気タレントに。2025年現在44歳になっても変わらぬ美しさで話題になっています。また、近年の「侍ビッグ3」シリーズは、三英傑を現代的にアレンジした斬新な設定で注目を集めています。
アコムCMソングの魅力
アコムのCMソングは、キャッチーなメロディと印象的な歌詞で多くの人の記憶に残っています。特に有名なCMソングをご紹介します。
印象に残るCMソング
曲名 | 時期 | 特徴 |
---|---|---|
「ラララむじんくん♪」 | 1990年代 | 自動契約機「むじんくん」のCMで使用されたキャッチーな曲 |
「はじめての鈴木くん」 | 2000年〜 | 鈴木崇さんが歌う「はじめてのアコム」のテーマソング |
「これだから最近の若者は最高なんだ」 | 2021年〜 | 忘れらんねえよによる侍ビッグ3シリーズのCMソング |
「夢」 | 2023年〜 | なかねかなによるタイアップ曲 |
「ラララむじんくん♪」は特に記憶に残りやすいシンプルなメロディで、今でも覚えている方も多いのではないでしょうか。また、侍ビッグ3シリーズで使用されている「これだから最近の若者は最高なんだ」は、柴田隆浩のソロプロジェクト「忘れらんねえよ」によるもので、2021年8月11日に配信リリースされました。
最新CM「妹の結婚式」篇の分析
2025年2月から放送が開始された新シリーズ「Acom Stories」の第一弾「妹の結婚式」篇は、これまでのアコムCMとは一線を画す、ストーリー性のある内容となっています。
「妹の結婚式」篇の概要
このCMは「いま、大切なことのために。」というコンセプトのもと、監督に吉田大八さんを起用して制作されました。アルバイトをしながらバンド活動をしている兄が、妹の結婚式のために新しいスーツを購入するというストーリー。たなかえいぞをさん演じる兄と、北浦愛さん演じる妹の自然な掛け合いが印象的です。
- コンセプト:「いま、大切なことのために。」
- 監督:吉田大八
- 出演者:たなかえいぞを(兄役)、北浦愛(妹役)
- 放送開始:2025年2月5日
- 特徴:日常の中にある”いま大切にしたい瞬間”を描いている
このCMは家族愛や大切な瞬間に寄り添うアコムの姿勢を表現している一方で、「借金を美談にするな」などの批判意見も一部でみられました。しかし、多くの視聴者からは「共感できる」「感動した」という意見も寄せられています。
アコムCMの社会的影響と効果
アコムのCMは、単なる広告を超えて社会的な影響力を持つこともありました。その効果と影響について見ていきましょう。
CMが与えた社会的影響
- 「むじんくん」CMシリーズにより自動契約機の認知度が向上し、ACC賞を受賞するほど評価された
- 一方で、「自動契約機を使って安易に借り入れられるような印象を与え、多重債務につながる恐れがある」との批判も
- 貸金業法改正後は、CMの内容や表現に規制が入り、「むじんくん」という名称の自粛やわかりにくいCM表現へと変化
- 「はじめてのアコム」のキャッチフレーズは20年以上経った今も認知度が高く、ブランドイメージの定着に貢献
- 近年の「侍ビッグ3」シリーズは、SNSでも話題となり若年層への認知度向上に貢献
アコムのCMは時代の流れとともに変化しながらも、常に消費者の記憶に残る工夫がなされてきました。90年代から2000年代初頭の規制緩和期には派手なCMが多く見られ、その後の規制強化期にはより洗練されたイメージ広告へと変化。現在は、共感を呼ぶストーリー性のあるCMへと進化しています。
時期 | 金利(実質年率) | 規制状況 |
---|---|---|
2002年 | 13.14%~27.375% | グレーゾーン金利時代(出資法上限29.2%) |
2025年現在 | 3.0%~18.0% | 貸金業法改正後(上限20%に規制) |
まとめ:時代を映すアコムCM
アコムのCMは、時代とともに変化しながらも常に印象に残る工夫がなされてきました。「ラララむじんくん♪」や「はじめてのアコム」など、キャッチーなフレーズやメロディは多くの人の記憶に刻まれています。
また、貸金業法の改正や社会的な批判を受け、CMの内容も変化。過剰な宣伝から、より洗練されたイメージ広告へ、そして現在は共感を呼ぶストーリー性のあるCMへと進化しています。
新シリーズ「Acom Stories」は、人々の大切な瞬間に寄り添うというメッセージを込めた新たなアプローチで、より親しみやすいブランドイメージの構築を目指しています。
アコムのCMは、単なる広告を超えて時代を映す鏡となり、日本の消費者金融業界の変遷を理解する上でも興味深い存在といえるでしょう。これからもアコムがどのようなCMを展開していくのか、注目していきたいところです。