カードローンの任意整理は可能?メリットやデメリットを詳しく解説!
「任意整理をしているとカードローンは利用できない?」
「カードローンで任意整理をするとどうなる?」
上記のように任意整理中のカードローン利用や、カードローンで任意整理をすると、どうなるのか疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
カードローンは、担保や保証人が必要なく、手軽さから借りすぎてしまい返済に困る方も少なくありません。
本記事では、カードローンと任意整理の関係を詳しく解説します。
銀行系カードローンを任意整理するメリットやデメリットも紹介しているので、ぜひご覧ください。
債務整理中だとカードローンの審査は通らない
任意整理中(債務整理)にカードローンの審査を受けても通過できません。
任意整理とは「債務整理」の1つで、カードローンや分割払いの利息カットを金融機関に相談し、返済負担を軽減する手続きです。
なかには、借入額の減額や過払い金請求をできるケースもあります。
任意整理後は、返済に関する返済負担を軽減できますが、信用情報にブラックリストとして掲載されてしまいます。
信用情報とは、カードローンやクレジットカードに関する申し込みや利用状況が記録された情報機関です。
ブラックリストに掲載されると、クレジットカードが利用できなくなったり、ローンを組めなくなったりするため注意が必要です。
銀行系カードローンを任意整理するメリット
カードローンを利用するなかで支払いが難しい場合は、任意整理を行うと返済負担を軽減できます。
ここからは、銀行系カードローンを任意整理するメリットを4つ紹介します。
月々の返済額が減る
カードローンを任意整理すると、月々の返済額を一部カットできます。
任意整理をすると借り入れ額に対して発生する「利息」を減額や免除してもらえます。
利息は金融機関に対して支払う対価を指し、一般的に年1.5~15.0%程度が目安です。
300万円を金利15%で3年間借り入れた場合、利息は135万円発生します。
【利息=借入金額×金利×利用日数÷365日】
【135万円=30万円×15.0%×1,095÷365】
しかし、利息分を減額または免除できれば、返済負担を大幅に軽減できます。
返済計画の見直しができる
任意整理では、返済計画を見直せるのもメリットです。
一般的に任意整理は、返済期間を伸ばして返済回数を増やせます。
任意整理後の返済期間は、3〜5年程度に設定されますが、場合によっては最長5年程度延長可能です。
利息分をカットしたうえで返済計画を伸ばせば、計画的に返済できるようになるでしょう。
法的な手続きが不要
任意整理は、裁判所を通した法的な手続きが必要ありません。
基本的に任意整理では、利息の減額や免除、支払回数の延長などの交渉を金融機関に直接行います。
しかし、必ずしも金融機関と直接交渉するわけではありません。
銀行系カードローンには、保証会社がついているケースが多く、受任通知後は保証会社と交渉する流れになります。
対応してくれる銀行が多い
銀行系カードローンは、任意整理に対応してくれる金融機関が多い傾向にあります。
金融機関側は支払いの遅延が続くよりも「任意整理を行い計画的な返済を受ける方がメリットが多い」と判断されるためです。
万が一、返済が難しくなった場合でも銀行系カードローンであれば、任意整理に対応してもらいやすいのはメリットです。
任意整理にはデメリットもある
任意整理は、月々の返済負担を軽減できたり、法的な手続きは必要なかったりするのがメリットですが、デメリットもあります。
メリットだけでなくデメリットも理解しておきましょう。
信用情報に事故情報が登録される
銀行系カードローンで任意整理をすると、信用情報に事故情報が掲載されます。
ブラックリスト(事故情報)が消えるには、借金完済から5年程度かかるため、カードローン以外にクレジットカードの利用もできなくなります。
一般的に任意整理で借金を完済するには、3〜5年程度かかるため、借り入れを再開できるのは8〜10年程度が目安です。
なおブラックリストへの掲載期間が過ぎれば、通常通りクレジットカードやローンを利用できるようになります。
弁護士費用などが発生
カードローンの任意整理は、弁護士や司法書士に対し、以下のような依頼費用が発生します。
- 相談料
- 着手金
- 解決報酬金
- 減額報酬金
- 過払金報酬金
- 交通費や郵送費など
依頼費用は弁護士事務所によって異なりますが、目安は5~15万円程度です。
裁判所を通さないため、個人再生や自己破産など他の債務整理に比べると安価で済む傾向にあります。
ただし複数から借り入れていたり、多額の借り入れをしていたりする場合は、さらに費用が発生する可能性がある点に留意しておきましょう。
返済額があまり減らない
銀行系カードローンで任意整理をしても、返済額があまり減らず、思うような効果を実感できないケースもあります。
銀行が運営するカードローンは、消費者金融と比較すると金利が低い傾向にあります。
金利が低い場合は、減額される利息も少なくなり、任意整理で得られる借金を減らす効果が少なくなるのです。
しかし金利が低くても借入額が多いケースは、思うような経済的負担の軽減を期待できない可能性もあるため、一概にはいえません。
預金口座が一時的に凍結される
預金口座が一時的に凍結されるのも銀行系カードローンで任意整理をするデメリットです。
預金と借金を相殺するため、預金口座が一時的に凍結され、振り込みや引き落としなどができなくなります。
一時的に凍結される預金口座は、カードローン運営元の預金口座のみであり、他行の口座は問題ありません。
任意整理の手続きをする前に、預金を引き出しておけば、日常生活に支障が出るのを防げます。
まとめ
任意整理中は、カードローンの申し込みをしても審査には通過できません。
カードローンを利用できる目安は、任意整理後の完済から5年程度です。
なおカードローン利用中に返済が難しくなった場合の手段として「任意整理」が可能です。
任意整理をすると月々の返済額を軽減できたり、返済期間を延長してもらえたりできます。
ただし、任意整理後は5年間ブラックリストに掲載され、預金口座を一時的に凍結されます。
任意整理はメリットだけではないため、デメリットも理解したうえで検討しましょう。