カードローン
自己破産後でもカードローンの審査は通る?申込時の注意点を解説
自己破産後でもカードローンの審査は通る?申込時の注意点を解説
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自己破産後はカードローンをいつから利用できる?申し込む際のポイントや注意点を解説

自己破産を経験した方の多くは「カードローンの審査は通るのか」と不安に感じているのではないでしょうか。

自己破産後の生活再建で資金が必要になる場面は少なくありません。

しかし、自己破産による信用情報の影響で、カードローンを利用するには多くの制約が伴います。

適切な準備と正しい知識があれば、カードローンの利用も決して不可能ではありません。

この記事では、信用情報の仕組みや事故情報が与える影響、自己破産後に審査を通過するための具体的な対策まで、段階的に解説します。

ぜひ参考にしてください。

【結論】自己破産後すぐは利用できない可能性が高い

【結論】自己破産後すぐは利用できない可能性が高い

自己破産の申立て後、信用情報機関には債務整理の履歴が登録されます。

信用情報機関に登録されると、金融取引での制約が発生するため、すぐにはカードローンを利用できない可能性が高いといえます。

具体的な制約期間や内容は、信用情報の種類や事故情報の性質によって異なります。

審査時に重視される信用情報の詳細と、ブラックリストと呼ばれる事故情報の削除にかかる期間について、それぞれ詳しく解説します。

信用情報について

信用情報とは、ローンやクレジットカードの返済履歴や借入状況、延滞の有無など、個人の金融取引における信用度を示す重要な記録です。

銀行や消費者金融、クレジットカード会社は、審査の際に以下の信用情報機関に登録された情報を確認します。

  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
  • 株式会社日本信用情報機構(JICC)
  • 一般社団法人全国銀行協会(KSC)

消費者金融や信販会社の取引情報はCICとJICCへ、銀行関連の融資情報はKSCへ登録されます。

自己破産の手続きでは、代理人弁護士から貸金業者へ受任通知を送付するのが一般的です。

貸金業者は通知受領後、信用情報機関へ債務整理の情報を提供します。

事故情報が登録された場合、カードローンのほかにも住宅・自動車ローン、クレジットカードの新規申し込みが制限されるため、理解しておきましょう。

事故情報(ブラックリスト)が削除されるまでの期間は?

信用情報機関への事故情報の登録期間は、各信用情報機関によって異なります。

信用情報機関別の事故情報削除期間

債務整理の種類 CIC JICC KSC
自己破産 免責確定から5年 免責確定から5年 開始決定から7年

参考:株式会社シー・アイ・シー(CIC)「自己破産の登録は何年間ですか?」
https://www.cic.co.jp/faq/detail/cre/cre01/002585.html#:~:text=%E5%A5%91%E7%B4%84%E7%B5%82%E4%BA%86%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%8C%E3%81%84

参考:株式会社日本信用情報機構(JICC)「JICCに登録されている信用情報は、どのくらいの期間登録されるのですか?」
https://www.jicc.co.jp/faq/detail/a095i000000LtgCAAS

参考:全国銀行個人信用情報センター(KSC)「一部情報の登録終了および登録期間の短縮について」
https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/info/18379/

自己破産の場合、銀行取引を管理するKSCは7年間記録が残り、ほかの信用情報機関と比べて長期による登録期間を設けています。

一方、消費者金融やクレジット会社が利用するCICとJICCは、比較的短い5年間の登録期間です。

削除される期間が異なるため、自身の事故情報が登録されている信用情報機関の把握が重要です。

なお、手数料を支払えば信用情報を削除できるという勧誘は詐欺的な行為であり、絶対に応じてはいけません。

更新前の情報が残っている場合もある

信用情報機関の記録は通常、加盟企業からの報告で更新され、登録期間経過後に削除されます。

しかし、加盟企業からの報告が遅れたり手続きが完了していない場合、予定通りに削除されないケースがあります。

また、各信用情報機関の更新時期は異なるため、定期的な確認が必要です。

事故情報の状況は、各信用情報機関への開示請求で確認が可能です。

信用情報機関 インターネット 郵送
CIC 500円 1,500円
JICC データ受取:1,000円
郵送受取:1,300円
1,300円
KSC 1,000円 1,679円~1,800円
※コンビニによって異なる

情報の更新や削除がされていない場合は、該当の加盟企業へ問い合わせ、カードローンの審査前には必ず確認を行いましょう。

自己破産後にカードローンを申し込む際の注意点

自己破産後にカードローンを申し込む際の注意点

自己破産後にカードローンの申し込みをする際は、まず信用情報の確認が必要です。

信用情報に事故情報が完全に削除される前に申し込むと、審査は通らず、審査否決の記録が残ります。

審査が否決された履歴は、事故情報が削除されたあとの審査にも影響を及ぼすため、申し込みのタイミングは慎重に選ぶ必要があります。

自己破産後のカードローン審査に通りやすいタイミングと、具体的な対策を詳しくみていきましょう。

複数社へ同時に申し込まない

自己破産後にカードローンを申し込む際は、複数社への同時申込は避けましょう。

申込履歴は信用情報機関に即座に記録されます。

短期間に複数の申込があると、差し迫った借入のニーズがあると見なされ、審査が通りにくくなります。

さらに、一度審査に落ちた履歴があると、他社での審査にも影響し、より一層審査は厳しくなるのです。

また複数社から借入れると、毎月の返済額や利息負担が増え、着実な返済計画も複雑になります。

自己破産後は、1社からの必要最小限の借入にとどめ、返済実績を作るのが大切です。

自己破産後に行うカードローン申し込みは2社程度までとし、金利や返済条件を比較したうえで、最適な1社を選びましょう。

一度も利用したことがない会社に申し込む

信用情報機関の記録が削除されても、自己破産時に借入のあった金融機関やグループ会社などでは、会社独自の記録が残っている可能性があります。

審査の通過が難しい可能性が高いといえるでしょう。

一方、取引していない消費者金融や新規の金融機関では、信用情報機関の記録のみで審査を行います。

したがって、事故情報が削除されたあとは、これまで利用していない金融機関に申し込む方が審査に通る可能性があるといえます。

新規の金融機関を選ぶ際は企業の信頼性や金利、返済条件を確認した上で、過去の借入先とは異なる業態の会社も検討しましょう。

良いクレヒスを維持する

クレヒス(クレジットヒストリー)とは、クレジットカードやローンの利用・返済履歴を示す信用記録です。

利用限度額や支払方法、返済の遅延有無など、金融取引における信頼性を表す重要な指標となります。

金融機関は審査時にクレヒスを参照し、融資の可否や限度額を判断します。

自己破産後は良いクレヒスを作るために、以下のような点を意識して信用を回復していきましょう。

  • 少額の携帯電話の分割払いや、キャッシング機能のないクレジットカードから利用を開始する
  • 借入限度額の低いカードローンの取引から始め、確実な返済実績を積み重ねる
  • 支払い明細の確認を習慣化し、請求金額や支払期日の管理を徹底する

定期的な利用と期日内の支払いにより、良好な信用履歴を作れます。

キャッシング機能のないクレジットカードや少額の借入で確実な返済実績を重ね、維持していけば、長期的な信用回復につながります。

確実な返済実績を重ねて信用を回復させよう

確実な返済実績を重ねて信用を回復させよう

銀行や消費者金融、クレジットカード会社は、カードローン審査の際に信用情報機関に登録された情報を確認します。

自己破産の申立て後、信用情報機関に債務整理の履歴が登録されるため、削除されるまでは、新規のカードローンの利用は困難となります。

しかし自己破産後にカードローンが利用できないからといって街金や闇金融、SNSでの個人間融資など、違法な金融取引は避けなければなりません。

高金利や違法性など、深刻なリスクが潜んでいるためです。

信用情報の記録が削除されたあとは、大手金融機関や信頼性の高いカードローンを選びましょう。

ただし、申込前には必ず信用情報の確認を行い、収入状況と返済能力を慎重に見極めるのが大切です。

まずはカードローンで少額の取引から始め、確実な返済実績を重ねれば徐々に信用を回復し、将来の安定した金融取引へとつながります。

監修者プロフィール
菱村真比古
菱村真比古
ファイナンシャルプランナー
10種の金融資格と中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャルプランナー。NISA、住宅ローン、社会保障制度などが複雑に絡み合うライフプランを明快シンプルに紐解きます。中でも《菱村式老後資金計算法》は将来に不安を抱える子育て世代に好評。生命保険と金融サービス業界の最高水準として世界中で認知されている独立組織MDRTの正会員。『お金のエキスパート』として講演や営業マンの育成など幅広い領域で活動している。

【資格情報】
・住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー
・日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー
・生命保険協会認定トータルライフコンサルタント
・CCAA クレジットカードアドバイザー
・相続診断協会認定 相続診断士 
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