ライフイベント一覧と費用相場とは?人生に必要なお金の準備方法を解説
人生には、まとまったお金が必要になるライフイベントが多々あります。
この記事では、主なライフイベントと費用目安について解説します。
ライフイベントに必要な資金を用意する方法もお伝えするので、お金の不安を和らげたい人はこのまま読み進めてみてください。
主なライフイベントと費用目安一覧
人生の節目節目に訪れるライフイベントでは、どれほどの費用がかかるのでしょうか。
主なライフイベントと費用目安を一覧にしたので、貯蓄や資産形成の参考にしてみてください。
マイカー購入:200万円程度
ホンダアクセスが実施した「クルマ選びとクルマの利用に関する調査2021」によると、20歳〜69際の対象者のマイカー購入平均費用は209万円でした。
※オプションや諸費用を含む
出典:クルマ選びとクルマの利用に関する調査2021|ホンダアクセス
車両価格は車種やグレードによって大きく異なり、ハイブリッド車・電気自動車はガソリン車に比べて高額です。
マイカーは主に通勤やショッピング、レジャーで使用します。
特にバスや電車などの公共交通機関が少ない地域では、マイカーは必須といえるでしょう。
社会人になったばかりだと、年収が低くて貯蓄がないことがほとんどです。
仮に中古車を購入する場合は、50万円〜150万円ほどの資金が必要になります。
マイカー購入後は任意保険やメンテナンス費用、駐車場代といった維持費がかかることも覚えておきましょう。
結婚:330万円程度
人生における大きなライフイベントの1つに、結婚があります。
「ゼクシィ結婚トレンド調査2023」によると挙式、披露宴・ウェディングパーティーの総額平均は、327万1,000円でした。
ただし、ご祝儀は平均で197万8,000円あることから、実質的な費用総額は半額以下になると考えられます。
出典:ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ|株式会社リクルート
実際に金額を差し引くと約130万円ですが、その他の経費もかかることを考えると約180万円は必要になりそうです。
なお、近年はご祝儀制ではなく、会費制の結婚式も増えています。
会費制は会費の総額を計算しやすく、予算が立てやすいのがメリットです。
主催側のアイデアを盛り込みやすいため、気心の知れた人たちとアットホームな挙式にしたい人におすすめできます。
出産:50万円程度
赤ちゃんの出産は男性・女性を問わず、今後のライフイベントに大きな影響を与えます。
厚生労働省が公表した「出産費用の見える化等について」では、令和4年度における出産費用の全国平均額は48万2,294円です。
この金額は公的病院や私的病院などすべての分娩施設を対象とした、正常分娩における平均額になります。
また、産科医療補償制度に加入していない分娩施設での出産平均額は、48万8,000円です。
都道府県別で見るともっとも平均額が高いのが東京都の60万5,261円で、もっとも低いのは熊本県の36万1,184円でした。
このほかにも、出産には以下のような費用がかかります。
無痛分娩 | 10万円〜20万円程度 |
---|---|
個室の利用 | 1日1万5,000円〜7万円程度 |
妊婦健診 | 5万円程度 |
赤ちゃん健診 | 5万円程度 |
マタニティー・ベビー用品 | 10万円程度 |
例えば、産後1週間を個室で過ごした場合は「1万5,000円×7日間=10万5,000円」が必要となる計算です。
子どもの教育費用:600万円程度(幼稚園〜高校まで公立)
子どもの教育費用は、公立と私立で大きく異なります。
文部科学省が公表した「令和3年度 子供の学習費調査」をもとに、1年間の学習費総額を一覧にしました。
1年間の学習費総額 | 卒業までの学習費総額(※) | ||
---|---|---|---|
幼稚園 | 公立 | 16万5,126円 | 49万5,378円 |
私立 | 30万8,909円 | 119万円6,727円 | |
小学校 | 公立 | 35万2,566円 | 211万5,396円 |
私立 | 166万6,949円 | 1,001万円694円 | |
中学校 | 公立 | 53万8,799円 | 161万6,397円 |
私立 | 143万6,353円 | 430万9,059円 | |
高等学校(全日制) | 公立 | 51万2,971円 | 153万8,913円 |
私立 | 105万4,444円 | 316万3,332円 |
※留年等は考慮せず計算
幼稚園から公立高校までをすべて合算すると、子どもの教育費用は600万円程度が必要です。
公立小学校と私立小学校を比較すると、私立小学校の教育費用が約800万円も高いことがわかります。
私立ルートは教育費が非常に大きくなるため、早めにお金を工面しておくことが大切です。
また、子どもが大学に進学すると、さらに多くの費用が必要になります。
大学進学まで考えている場合は、高校卒業までにある程度お金を蓄えておくことが理想的です。
マイホーム購入:4,000万円程度
マイホームは、ライフイベントの中でもっとも高価な買い物です。
国土交通省の「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」をもとに計算すると、マイホームに必要な費用は平均4,000万円程度になります。
購入する住宅 | 購入費用 | |
---|---|---|
注文住宅(土地購入 + 注文住宅) | 4,713万円 | |
戸建て(分譲住宅) | 新築 | 4,074万円 |
中古 | 3,025万円 | |
集合住宅(分譲マンションなど) | 新築 | 5,048万円 |
中古 | 2,943万円 |
実際に購入する際は住宅ローンを組むのが一般的ですが、「無理のない住宅ローンの借入金額」は年収の5〜6倍といわれています。
つまり、4,000万円の住宅を購入するのであれば年収650万~800万円程度は必要になる計算です。
借入だけでは厳しい場合、頭金を用意するなどして、生活に支障が出ないプランを立てましょう。
リフォーム:200万円程度
住宅の築年数が古くなれば、リフォームが必要になる箇所が出てきます。
内容としては外壁や屋根の補修、水回りの交換、バリアフリー化などです。
国土交通省の「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、リフォームにかかるお金の平均額は「206万円」でした。
戸建やマンション、リフォーム内容によって金額は異なりますが、いずれまとまったお金が必要になることを覚えておいてください。
早めに対処できれば、余計な出費を抑えて住宅の寿命を伸ばせるでしょう。
老後資金:月25万円程度
老後は子どもの独り立ちや自分の定年退職などで、自由な時間が増える時期です。
定年退職を迎えると退職金や年金、これまでの貯蓄でセカンドライフを楽しむことになります。
総務省の「家計調査年報 令和4年」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯平均支出月額は「23万6,696万円」です。
出典:家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)|総務省
一般的に、老後は食が細くなり衣類にあまりお金をかけなくなるので、衣食住費は低くなりやすいです。
ただし、60歳を過ぎると、通院や介護にお金がかかることも考えられます。
「生命保険に関する全国実態調査」では、介護費用の一時的費用の平均が「74万円」、月額費用の平均は「8.3万円」でした。
出典:2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査|生命保険文化センター
60代以降は収入が低くなりやすいので、会社に在籍している間に退職金や年金がどの程度もらえるかを確認しおきましょう。
ライフイベントの資金を用意する方法一覧
ライフイベントの資金を用意する方法はいくつかあります。
早い段階から意識して実践することで、いざというときに柔軟に対処可能です。
ここでは、主な資金調達の方法として以下を紹介していきます。
- ローンを活用する
- 保険に加入する
- 投資を始める
- 補助金を利用する
- 節約を意識する
ローンを活用する
ライフイベントでまとまったお金が必要なときは、ローンを活用するのがおすすめです。
特に人生の3大資金「住宅資金」「教育資金」「老後資金」では、ローンを組む人が多いかもしれません。
以下に、主要なローン一覧をまとめました。
- カードローン
- フリーローン
- 住宅ローン
- リバースモーゲージローン
- マイカーローン
- 教育ローン
- ビジネスローン
例えばカードローンは、趣味や冠婚葬祭の急な出費に充てるなど、ライフイベントに対応しやすくなります。
短期間で返済したい人から長期間かけて返済したい人まで、それぞれのお金事情に合わせて返済できるのもポイントです。
保険に加入する
将来の出費やリスクに備えて保険に加入しておけば、いざというとき役に立ちます。
特に重要な保険は以下の4つです。
- 生命保険
- 医療保険
- 車の任意保険
- 火災保険
これらの保険に加入しておけば、万が一のときに高額な出費を回避をできます。
ほかにも、子どものための学資保険や、自営業やフリーランス向けの小規模事業共済などがあります。
保険料で家計が圧迫されないよう気を付けつつ、個々の状況に応じた保険を検討しましょう。
投資を始める
人生には多くのライフイベントがありますが、老後を見据えて投資を行うことも大切です。
「生活保障に関する調査」によると、老後にゆとりのある生活を送るためには月額平均「37.9万円」が必要になります。
出典:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
投資スタイルにもよりますが、少しずつ投資を行う積立なら運用期間が長いほど利益が増えていきます。
金融機関によっては100円から投資できるため、少しで早い時期から始めるのがおすすめです。
この記事の「ライフイベントと費用目安一覧」を参考にして、いつまでにいくらお金が必要なのかを確認してみると良いでしょう。
補助金を利用する
ライフイベントによっては、補助金を利用できるケースがあります。
例えば「出産育児一時金」は子どもが生まれたときに50万円を受け取れるので、出産費用の大部分をカバー可能です。
ほかにも「高額療養費制度」という、自己負担額を超える医療費を払い戻す制度もあります。
ぜひ補助金を活用して、お金の不安やストレスを少しでも軽減させましょう。
節約を意識する
節約は一度始めると効果が継続しやすく、家計の負担を大きく抑えられるでしょう。
ライフネット生命のアンケート結果では、生命保険を「民間保険」から「ネット保険」に移行したことで1ヶ月平均8,128円、年間9万7,536円もの節約効果が生まれています。
出典:ライフネット生命 2022年申込時アンケート結果|PR TIMES
スマホの見直しやローンの乗り換えなど、節約できるところは他にもあります。
何から節約したらいいのかわからないという人は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのも1つの手です。
記事まとめ
この記事では、人生の主なライフイベントと費用目安を解説しました。
- マイカー購入:200万円程度
- 結婚:330万円程度
- 出産:50万円程度
- 子どもの教育費用:600万円程度(幼稚園〜高校までの公立)
- マイホーム購入:4,000万円程度
- リフォーム:200万円程度
- 老後資金:月25万円程度
ライフイベントに必要な資金を用意する方法として、ローンや補助金の活用などがあります。
自分に必要な資金を見極めて、適切な方法で対処することが大切です。