お金を借りるなら銀行へ!ローンの種類と借入方法、注意点を解説
銀行ではカードローンから住宅ローン、ビジネスローンまで幅広い商品を提供しています。
ローンの種類によって金利や借入限度額などが異なるため、自分に合った商品を選ぶことで返済の負担を抑えられるでしょう。
この記事では、銀行で借りられる各ローンの説明に加えて、お金を借りる流れや注意点について徹底解説します。
銀行で借りられるローンの種類
銀行で組めるローンはいくつか種類があり、借入可能額も用途もバラバラです。
銀行のローンとは融資を受けて、利息を上乗せした返済額を少しづつ返済する仕組みを指します。
「すぐにお金を用意したい」「金利はできるだけ抑えたい」など、この項目を参考にして自分のニーズに合ったローンを探してみてください。
カードローン
銀行が提供するカードローンは、個人向け融資サービスの1つです。
銀行のキャッシュカードや専用のローンカードを使って、利用限度額分までのお金を借りられます。
利用限度額が高く、限度額まで何度でも借り入れができることから、急な出費にも対応しやすいでしょう。
借りたお金は食費や公共料金、冠婚葬祭費用など幅広く利用でき、利便性と自由度の高さが魅力です。
また、近年は借り入れや振り込みが銀行ATMだけではなく、コンビニATMにも対応しています。
わざわざ店舗まで行く必要がないので、カードローンの便利さをより身近に感じられるでしょう。
多目的ローン(フリーローン)
多目的ローンは事業や投機以外に利用できる、個人向け融資サービスです。
多目的ローンと似たサービスにフリーローンがありますが、ほとんどの金融機関では同意義のように扱われています。
お金の使い道は以下のように自由ですが、契約を結ぶには利用目的などを記載した書類提出が必要です。
- 教育関連
- 食費
- 趣味
- 旅行
- 引越し
- エステ
- 冠婚葬祭など
多目的ローンでは一括でお金が入金されるため、ローンカードは発行されず、追加の借り入れもできません。
「途中でお金が足りなくなった!」とならないように、お金の管理をしっかりと行いましょう。
なお、融資を受けるまで時間がかかるため、急な出費には対応しにくいことも覚えておいてください。
自動車ローン
自動車ローンとは、車やバイクの購入を目的としたローンです。
金融機関によっては「マイカーローン」や「オートローン」とも呼ばれます。
銀行の自動車ローンは車検や修理、カスタマイズにも利用でき、用途の幅が広いです。
金利相場は銀行系自動車ローンが年1.2%〜4%程度で、ディーラーローンは年3.5%〜9%程度になります。
なお、ディーラーローンの場合は、ローン返済中の名義人はディーラーやクレジット会社です。
銀行で自動車ローンを組むと所有者は本人となり、車の売却や廃車にする際に所有権を変更する煩わしさがありません。
頭金を用意するとある程度の経済力を示せることから、審査に受かりやすくなるでしょう。
銀行の審査に落ちるようなら頭金を増やすか、車・バイクのグレードを下げることを検討してみてください。
住宅ローン
住宅ローンとは戸建て住宅やマンションを購入する際に、銀行からお金を借りることです。
住宅ローンを検討する際に覚えておきたいのが「固定金利期間選択型」「全期間固定金利型」「変動金利型」による違いです。
金利の種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
固定金利期間選択型 | 2年、5年、10年など一定期間中は金利が固定されるプラン | 一定期間金利を固定できる。全期間固定金利型より金利が低い | 一定期間終了後に金利が上昇している可能性がある |
全期間固定金利型 | ローンを完済するまで金利が固定されるプラン | ライフプランが立てやすく金利上昇リスクに強い | どのプランよりも金利が高い |
変動金利型 | 市場金利に伴って金利が変動するプラン | どのプランよりも金利が低い | 市場金利の上昇次第で返済総額が大きくなる。ライフプランが立てにくい |
銀行の住宅ローンの融資期間は最長35年に設定されていることが多く、融資期間が長引くほど利息負担や返済総額は大きくなります。
「子どもが社会人になるタイミングまでは10年間の固定金利にする」など、ライフスタイルを考慮した金利プランを選ぶことが大切です。
リフォームローン
リフォームローンは住宅の屋根や外壁、水回りなどの改修に利用できる、リフォーム専用のローンです。
金融機関によっては、住宅ローンでリフォーム資金がまかなえるタイプもあります。
リフォームローンには「無担保型リフォームローン」と「有担保型リフォームローン」があり、特徴は以下のとおりです。
借入可能額 | 借入期間 | 特徴 | |
---|---|---|---|
無担保型リフォームローン | 10万円〜1,500万円程度 | 10年〜20年 | 審査期間は短いが金利が有担保型より高い |
有担保型リフォームローン | 1億円以内 | 最長30年 | 審査にやや時間がかかるが金利が無担保型より低い |
小規模なリフォームを希望する人は審査の手続きが簡単という理由から、無担保型リフォームローンをおすすめします。
災害や震災によりフルリフォームが必要になった人は、有担保型リフォームローンも視野に入れてみてください。
リバースモーゲージローン
リバースモーゲージローンは、土地と持ち家を担保にして融資を受けられるローンです。
不動産を担保にするものの自宅に住み続けられるという特徴があり、契約者が亡くなった際に不動産を売却して一括返済を行います。
一般的にリバースモーゲージローンは、老後の資金確保を目的とした高齢者向けの融資サービスです。
リバースモーゲージローンの契約後は、毎月「利息分」のみの支払いとなるため、返済の負担を大きく抑えられます。
ただし、リバースモーゲージローンには、3つのリスクがあることを覚えておきましょう。
金利上昇リスク | 金利の上昇で融資額が少なくなったり月々の返済額が多くなったりする |
---|---|
不動産価格下落リスク | 不動産評価額が下がると融資限度額も下げられる。借入残高が限度額を上回った場合は差額の返済が必要 |
長生きリスク | 契約期間終了後に契約者が生きていた場合は、元金と利息の一括返済が必要になる |
「返済負担が少ない」「住み慣れた自宅で生活できる」といったメリットもあるので、契約前にじっくりと検討することが大切です。
教育ローン
教育ローンでは、銀行から子どもの教育費を借りることができます。
入学金や授業料以外にも制服の購入から部活動の費用まで、幅広い活用が可能です。
対象者は高校生や大学生、専門学生で、金利は「変動金利型」と「固定金利型」から選択ができます。
一般的な金利相場は年2〜5%で、借入限度額は1,000万円程度です。
ほとんどの銀行で元利均等返済を採用しているので、毎月の返済額が変わらず管理がしやすいというメリットがあります。
医療ローン
医療ローンは診察や手術、入院などにかかる費用を借りられるローンです。
美容整形や歯科矯正、レーシック手術など保険適用外の医療にも利用できるため、手持ちのお金が足りなくても医療行為を受けられます。
銀行の医療ローンは、カードローンと比較して金利が低いところが魅力です。
ただし、審査に3週間ほどかかるケースもあるので、融資を受けるまでの間の費用を用意しておく必要があります。
アパートローン
アパートローンはアパートやマンションへの投資など、自分の居住以外の目的に利用できる商品です。
投資以外の使い道には、以下のようなケースがあります。
- アパート・マンションの建築やリフォーム資金
- 借入中のアパートローンの借り換え資金
アパートローンの借入金額の目安は1億円〜5億円以内で、返済期間は最長35年になります。
金利相場は地方銀行が年1.5%〜3%で、都市銀行は年1.5%〜2%ほどです。
金利は数%違っても、支払い総額に数百万円の差が生まれることもあります。
アパートローンを検討する際は、返済シミュレーションをしっかり行って、無理のない返済プランを立てましょう。
ビジネスローン
ビジネスローンは開業資金や運転資金など、事業資金の用意を目的としたローンのことです。
融資を受けられるのは「法人」と「個人事業主(フリーランス含む)」のみとなります。
企業の信用や事業の将来性で審査されるため。資金繰りで苦労する事業者にとって利用しやすい商品です。
なお、都市銀行と地方銀行では、借入限度額や金利が異なります。
金利相場 | 借入限度額 | 審査期間 | |
---|---|---|---|
地方銀行 | 3%〜15% | 300万円〜1,000万円程度 | 3〜5営業日 |
都市銀行 | 1%台〜14% | 1億円以内 | 3〜5営業 |
審査では事業の実績や支払いの滞納歴、契約者の年齢などを考慮します。
銀行のカードローンや多目的ローンは事業資金の利用が禁止されているので、まとまった事業資金を用意したい人は、利用を検討してみてください。
銀行でお金を借りるときの流れ
銀行でお金を借りるときの流れは、どのローンを借りるかによっても変わります。
ここでは、おおまかな流れとして次の手順を紹介します。
- 銀行に申し込む
- 必要書類を準備する
- 審査を受けて契約する
あらかじめ流れを確認しておくことで、事前準備が捗り契約がスムーズに進みます。
1.銀行に申し込む
まずは銀行にローンの申請を行いましょう。
申し込みは店舗で申し込む方法と、パソコンやスマホからWebで申し込む方法があります。
Web申し込みであれば店舗の営業日に関係なく、自分の好きなタイミングで申し込みが可能です。
2.必要書類を準備する
次に、銀行へ提出する必要書類を準備します。
書類に不備があると審査に時間がかかったり受理されなかったりする可能性があるため、確認を怠らないように気をつけましょう。
本人確認書類の一例は、以下のとおりです。
- 運転免許証
- 健康保険証
- マイナンバーカード
- パスポート
- 特別永住者証明書
- 印鑑証明書
本人確認書類に本人の写真がない場合は、住民票の写しや公共料金の領収書などを用意します。
収入証明書類の一例は、以下のとおりです。
- 源泉徴収票
- 課税証明書
- 確定申告書
- 住民税決定通知書
- 納税証明書
融資額が50万円を超える場合は、源泉徴収票などの収入証明書が必要となります。
3.審査を受けて契約する
必要書類を提出した後は、借り入れが可能かどうかの審査です。
審査期間は銀行や審査状況によって異なり、最短でも翌営業日、長ければ1ヶ月を超えることもあります。
なお、申請者が実際に会社に所属しているかを確認する、在籍確認が行われることもあるでしょう。
無事に審査を通過すると、店頭またはWebから契約に進みます。
契約成立後は融資額が口座に振り込まれる、という流れです。
実際に返済が始まったら、返済日を忘れないようにリマインド機能を使ったスケジュール管理をおすすめします。
銀行でお金を借りるメリット
銀行からお金を借りるメリットや魅力を紹介するので、借入先に悩んでいる人は参考にしてみてください。
利息が安い
銀行でお金を借りるイチバンのメリットが、利息の安さです。
利息が安いと、毎月の支払額や返済総額が少なくなります。
実際に、利息額の計算式と計算例を見ていきましょう。
利息額=借入金額(円)×金利(%)×借入日数(日)÷365
具体的な計算例を挙げると、以下のようになります。
20万円×15%×30日÷365=2,466円
500万円×8%×1,825日÷365=200万円
仮に事例2の金利が7%になると利息額は175万円になり、25万円もの差が生じます。
借入期間が長引くほど利息額は大きくなるため、利息の安い銀行からお金を借りるメリットは非常に大きいです。
安心感がある
銀行は、消費者金融などと比べて安心感・信頼感があることもポイントです。
厳しい規制を守っていることや、長い歴史があること、店舗が多く身近な存在であることなどがその要因でしょう。
トラブルに巻き込まれる心配が少ないため、それほどストレスを感じずに借入ができます。
総量規制が適用されない
銀行は賃金業者ではないため、総量規制が適用されません。
総量規制とは年収の3分の1を超える貸付を禁止する制度で、契約者を多重債務などのリスクから守るためのものです。
例えば年収が600万円の人は、借入限度額は200万円までとなります。
銀行の場合は不動産ローンや自動車ローン、医療ローンなど年収に関係なく借入が可能です。
ただし、ローンの種類によっては、総量規制と同等な規制ラインが設けられていることがあります。
銀行でお金を借りる際には、自分の希望額まで借りられるのかを、確認したほうが良いでしょう。
お金を借りる際の注意点
銀行からお金を借りる際には、いくつかの注意点があります。
あらかじめ知っておけば、不意なトラブルが起こっても慌てずに対処できるでしょう。
銀行で即日融資は難しい
銀行からお金を借りる方法として比較的審査スピードが早いカードローンでも、即日融資には対応していません。
即日融資に対応できない理由は、大きく2つです。
- 銀行の過剰融資が社会問題になったから
- 契約者の反社会的勢力データベースへの照合が義務付けられたから
実際に、各銀行は2018年1月から新規借入の審査基準を厳格化して、即日融資をストップしています。
このような背景から、銀行での即日融資は厳しいといえます。
どうしても今すぐお金を用意したい人は、消費者金融の利用を検討してみてください。
ほかの金融機関で借入があると審査に不利
すでにほかの金融機関から借入がある場合は、審査で不利になることがあります。
前述したとおり、各銀行では総量規制と同等の規制ラインを設けており、返済が難しいと判断されると審査に落ちやすくなるからです。
また、申請者が多重債務者になるリスクも考慮されて、通常より大きな返済能力が求められることもあります。
返済能力を超えない範囲で借りることが大切
お金を借りる際に重要なのは、収入と返済額のバランスの見極めです。
自身の返済能力を超える借り入れは、多重債務や自己破産に陥るリスクを高めます。
収入と返済額のバランスを保つには、返済負担率を20%〜25%以内に収めましょう。
返済負担率とは年収に占める返済額の割合のことです。「年間返済額÷年収×100」で計算します。
例えば年収500万円で毎月の返済額が10万円(年120万円)とすると、返済負担率は「120万円÷500万円×100=24%」です。
自身の返済負担を増やさないように、無理のない借り入れを行いましょう。
記事まとめ
この記事では銀行のローンの種類から借入方法、お金を借りる際の注意点までを解説しました。
銀行のローンは種類が多いので、自分に合ったものを選ぶことで利息を減らして返済総額を少なくできます。
お金を借りる際は収入と返済額のバランスを見極めて、無理のない返済プランを計画しましょう。