消費者金融
消費者金融とは?定義・銀行との違い・安全に借り入れる方法について
消費者金融とは?定義・銀行との違い・安全に借り入れる方法について
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「消費者金融とは何か」の定義と銀行などとの違い、メリット・デメリットを紹介

お金が足りないとき頼りになるのが消費者金融ですが、「お金を借りられるところ」という情報以外、詳しく知らない人も多いと思います。

また、実際に利用する際は、「消費者金融は安全なの?」「銀行のカードローンと何が違うの?」といった疑問が湧いてくるものです。

そこでこの記事では、「消費者金融とは何か」を解説するとともに、銀行などとの違い、消費者金融で借り入れるメリット・デメリットを解説します。

安全に利用するためのポイントも紹介しているので、消費者金融での借入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

消費者金融とは個人向け小口融資を行う業者

消費者金融とは個人向け小口融資を行う業者

消費者金融を端的に説明すると、「個人向けに小口融資を行っている貸金業者」となります。

数千万円~数億円の大規模な融資ではなく、個人の消費者に対して数万円~数百万円規模で貸金業を行うのが消費者金融の特徴です。

また、法律としては貸金業法によって規制されています。この法律によると、貸金業を行うには内閣総理大臣もしくは都道府県知事の登録を受ける必要があります。

貸金業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては内閣総理大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該営業所又は事務所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。

引用:e-Gov法令検索「貸金業法 第3条」

企業規模にかかわらず、「貸金業法上の登録を受けていること」が法的な消費者金融の定義となります。

銀行との違い

「お金を借りるところ」で言えば銀行も馴染み深い組織ですが、消費者金融とはさまざまな違いがあります。

まず、銀行は融資だけでなく預金・為替取引・金融商品の仲介など、さまざまな業務を行います。対する消費者金融は、基本的に融資業務しか行いません。

また、銀行も消費者金融もカードローンを提供している点は似ていますが、その金利相場や審査基準は異なります。基本的に、銀行のほうが金利は安く審査は厳しい傾向です。

法律面から言うと、銀行は銀行法の対象であり、貸金業法とは関係ありません。そのため、「消費者金融は規制されるが銀行には当てはまらないルール」も存在します。

このように、同じ「お金を借りるところ」であっても銀行と消費者金融では大きな違いがあります。

クレジットカード会社との違い

クレジットカードにはショッピング機能とキャッシング機能があり、このうちキャッシング機能のみ貸金業法の対象です。

つまり、クレジットカード会社と消費者金融は同じ貸金業者に分類されます。

ただし、消費者金融は基本的に貸金業一本であるのに対し、クレジットカード会社はあくまで事業の一部として貸金業を行っています。

ショッピング機能については割賦販売法が適用されるため、クレジットカード会社は2つの法律に基づいてサービスを提供していることになります。

闇金との違い

闇金とは、法律を守らずに貸金業を営んている業者を指します。正規に登録を受けている消費者金融とは全くの別物であり、関わるのも危険な存在です。

金利が法外で、年利換算すると1,000%以上(利子だけで元金の10倍以上)になるケースが珍しく有りません。また、嫌がらせや脅し、時には暴力を使った取り立てを行います。

貸金業法の登録を受けていない業者は当然闇金ですが、中には登録業者の名を騙ったり、あたかも登録しているように偽装したりする闇金もいます。

金融庁のWebサイトに正式な貸金業者を検索するサービスや違法業者の情報を共有するページがあるので、貸金業者からお金を借りるときは参考にしてみましょう。

金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」

金融庁「各財務局のホームページ(違法な金融業者に関する情報)」

消費者金融のメリット・デメリット

消費者金融のメリット・デメリット

消費者金融に対してネガティブなイメージを持つ人も少なくありませんが、決してリスクだけではなく、銀行などにはない利点も存在します。

ここからは、消費者金融で借り入れるメリットとデメリットをそれぞれ紹介していきます。

メリット4つ

消費者金で借り入れるメリットには、次の5つが挙げられます。

  • 1.審査が早い
  • 2.融資までの手続きがシンプル
  • 3.無利息期間がある
  • 4.在籍確認なしの会社が多い

消費者の立場からすると、気軽に借りやすいサービス設計となっています。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.審査が早い

消費者金融の最大の特徴は、審査が短時間で済むことです。早ければ数分~数十分で審査が終わる場合もあります。

多くの消費者金融が即日融資を行っており、急いでお金が必要な場合は大いに役立ちます。

ただし、審査時間は個々の条件によって変わるため、確実に即日融資を受けられるとは限りません。収入が少なかったり書類不備があったりすると、審査完了まで1日以上かかる場合もあります。

2.融資までの手続きがシンプル

申し込みから借入までの手続きがシンプルなのも、消費者金融の大きなメリットです。個人情報や借入希望額を入力し、本人確認書類・収入証明書類を提出するだけで審査を受けられます。

最近はWebやアプリでの手続きが普及しており、数分程度ですべての申し込み手続きを完了させることもできます。

審査通過後の借入も簡単で、オンライン上で振込を依頼したり、コンビニATMで引き出したりといった方法で借入が可能です。

3.無利息期間がある

消費者金融によっては、初回借入時に30日~60日程度の無利息サービスを設けている場合があります。

無利息期間中なら元金をそのまま返すだけで良いので、金銭的損失は一切ありません。

近日中にまとめて返済できる見込みがあれば、ぜひ無利息期間を活用しましょう。

4.在籍確認で電話がこないケースが多い

在籍確認とは、申し込み者が本当に勤務しているかどうか確認する手続きです。

銀行カードローンやクレジットカードの場合、在籍確認は職場に電話するのが基本です。確認時は借入関連であることがバレないよう配慮されますが、電話自体が嫌な人も多いでしょう。

しかし、近年の消費者金融は「在籍確認の電話は原則しない」と明言しているケースが増えています。仮に電話することになっても、事前に本人の同意を得てから実施します。

職場への電話を避けたい人でも、消費者金融なら安心して申し込みが可能です。

デメリット3つ

消費者金融で借りるデメリットとしては、次の3つが挙げられます。

  • 1.金利が銀行より高め
  • 2.借り過ぎになりやすい
  • 3.借り入れられる金額が決まっている

これらのデメリットをしっかり把握し、自分でリスクコントロールすることが大切です。

それぞれ詳しく解説します。

1.金利が銀行より高め

消費者金融の最大のデメリットは、銀行と比べて金利が高めであることです。

具体的な利率は一人ひとり違いますが、一般的には年3.00~18.00%程度となります。一方、銀行カードローンは2.00~14.50%程度が相場です。

金利差の影響は、借入額や返済期間に比例します。高額融資・長期返済の場合、数%の差で返済総額が数万~数十万円も変わる可能性があります。

なお、金利は法律によって上限が定められています。以下の金利を超える場合は違法業者なので、借入を申し込まないよう注意しましょう。

借入額の範囲 上限金利(年率)
10万円未満 20%
10万円以上〜100万円未満 18%
100万円以上 15%

参照:e-Gov法令検索「利息制限法 第1条」

2.借り過ぎになりやすい

消費者金融は気軽に借りられる分、返済能力を超えて借りてしまう人もいます。

最初は数万円程度でも、繰り返し借りていると借金に対する抵抗感がなくなるため、数十万円、数百万円と借入額が増えていくかもしれません。

借り過ぎで生活が破綻しないよう、計画的に利用することが大切です。

3.借り入れられる金額が決まっている

消費者金融をはじめとした貸金業者には「総量規制」というルールがあり、収入の3分の1を超える貸付を禁止されています。

例えば、年収300万円の人は「300万円×1/3=100万円」が上限額となり、それ以上は借り入れられません。1社だけでなく、すべての貸金業者の借入総額が対象です。

返済能力を超える貸付を防ぐためのルールですが、ユーザーからすれば「大口融資を受けられない」というデメリットでもあります。

ただし、複数のローンを借り換えて1本にまとめる「おまとめローン」は総量規制の対象外なので、すでに年収の3分の1の借入があっても利用可能です。

安全に借入するためのポイント

安全に借入するためのポイント

消費者金融は便利なサービスですが、デメリットも多いため利用は注意が必要です。

安全に借り入れるためのコツとして、次のポイントを押さえておきましょう。

  • 返済計画を立てて利用する
  • 信頼できる消費者金融を選ぶ

返済計画を立てて利用する

もっとも大切なのは、事前にしっかりとした返済計画を立てることです。返済能力を超えた借入をしてしまうと、滞納から差し押さえへと事態が悪化してしまうかもしれません。

大手の消費者金融であれば返済シミュレーションを用意しているため、まずは公式サイトで確認してみることをおすすめします。

月々の収入と返済額を照らし合わせて、無理のない範囲で借り入れましょう。

信頼できる消費者金融を選ぶ

大手消費者金融ならそれほど心配ありませんが、小規模の会社だと闇金業者が偽装している可能性があります。そのため、借入先の信頼性を調べることが大切です。

まずは先述した金融庁のサイトで検索し、正式な許可を得て営業しているかを確認しましょう。

また、インターネットで口コミを調べたり、所在地に事務所がちゃんとあるかチェックしたりなど、さまざまな面から情報を集めて信頼性を確かめましょう。

おすすめの消費者金融一覧

おすすめの消費者金融一覧

消費者金融を利用する場合、最初は大手企業から選ぶことをおすすめします。

大手なら信頼性が高く、中小の消費者金融と比べて金利も比較的低めです。

以下に、おすすめの大手消費者金融とその概要をまとめたので、借入先を選ぶときに参考にしてください。

企業名 金利(年率) 借入上限 最短審査時間 初回無利息期間
アコム 3.0%~18.0% 最高800万円 最短20分 30日間
プロミス 4.5% – 17.8% 最高500万円 最短3分 30日間
SMBCモビット 3.0% – 18.0% 最高800万円 最短30分 なし
レイクALSA 4.5% – 18.0% 最高500万円 最短25分 60日間もしくは180日
(Web申し込み・借入額のうち5万円まで)
アイフル 3.0% – 18.0% 最高800万円 最短18分 30日間

記事まとめ

記事まとめ

消費者金融は審査が早く、いつでも気軽に借りられるというメリットがあります。一方で、金利が高めなことや、気軽さから借り過ぎになりやすいといったデメリットには注意が必要です。

消費者金融を上手に活用するためには、無理のない範囲で借り入れ、計画的に返済していくことがポイントです。また、信頼性の面から大手消費者金融の利用をおすすめします。

リスクコントロールさえしっかり行えば、消費者金融は便利なサービスです。さまざまな用途に使えるため、お金が必要な際はぜひ活用していきましょう。

監修者プロフィール
菱村真比古
菱村真比古
ファイナンシャルプランナー
10種の金融資格と中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャルプランナー。NISA、住宅ローン、社会保障制度などが複雑に絡み合うライフプランを明快シンプルに紐解きます。中でも《菱村式老後資金計算法》は将来に不安を抱える子育て世代に好評。生命保険と金融サービス業界の最高水準として世界中で認知されている独立組織MDRTの正会員。『お金のエキスパート』として講演や営業マンの育成など幅広い領域で活動している。

【資格情報】
・住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー
・日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー
・生命保険協会認定トータルライフコンサルタント
・CCAA クレジットカードアドバイザー
・相続診断協会認定 相続診断士 
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