カードローンが利用停止になると信用情報はどうなる?影響と対処法について
カードローンが利用停止されると「ブラックリストに載ってしまった!」と思う方は多いのではないでしょうか。
利用停止になっても直ちににブラックリスト入りするわけではありませんが、高確率で載ってしまうのは事実です。
この記事では、カードローンが利用停止になった際の信用情報への影響や詳しい対処方法について解説します。
「信用情報が傷つくとどうなるのか」「どうすれば防げるのか」を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
カードローンが利用停止になってもすぐには信用情報に影響しない
カードローンが利用停止になっても、すぐに信用情報に傷がつくことはありません。
ただし、度重なる支払いの延滞や長期間の延滞は、信用情報機関に記録されるので注意が必要です。
信用情報機関には返済を延滞した履歴が記録され、銀行系や消費者金融系、信販・クレジット系各社で履歴情報などが共有されます。
信用情報の評価が悪化すると、クレジットカード作成時や住宅ローン審査に悪影響を与えるので注意しましょう。
「延滞してもすぐに返済すれば大丈夫」とは考えずに、銀行口座の残高には気を配り、支払いの延滞を起こさないことが重要です。
利用停止は早ければ滞納翌日から
銀行やカードローン会社によって異なりますが、カードローンの利用停止は早ければ滞納の翌日から発生します。
意図的ではなく、うっかり口座にお金を入れ忘れたケースでも利用停止になることを覚えておきましょう。
カードローンが利用停止になると「趣味が楽しめない」「家賃の支払いが滞る」といった事態を招くため、残高の確認を忘れないようにしてください。
なお、カードローンが利用停止になると、返済が終わるまでカードローンを利用できません。
遅延損害金を含めた金額を返済し、会社側で確認が取れた後に利用可能となります。
返済するタイミングや状況によっては、利用再開まで数日を要するので覚えておいてください。
遅延損害金が発生してしまう
カードローンの滞納により、返済期日の翌日を1日目として、遅延日数に応じて遅延損害金(遅延利息)が発生します。
遅延損害金の計算方法は以下のとおりです。
遅延損害金 = 借入残高(元金) × 遅延損害金年率 × 延滞日数 ÷ 365日(うるう年は366日) |
遅延損害金年率は高めに設定されていることが多く、おおむね14.6%〜20%となります。
具体的な年率は、住宅ローンで14.6%前後、銀行系カードローンが約18〜20%、消費者金融系カードローンは約20%です。
法律上の上限としては、「利息制限法第1条に定める利息上限の1.46倍まで」と定められています。以下は、利息制限法における利息上限と、それを1.46倍した遅延損害金の上限をまとめたものです。
借入残高(元金) | 上限利息 |
---|---|
10万円未満 | 年率20% |
10万円以上100万円未満 | 年率18% |
100万円以上 | 年率15% |
借入残高(元金) | 上限利息 |
---|---|
10万円未満 | 年率29.2% |
10万円以上100万円未満 | 年率26.28% |
100万円以上 | 年率21.9% |
※利息制限法の上限を超える遅延損害金は無効
カードローンの返済を延滞して余計な遅延損害金を支払わないように、日頃から残高管理には十分に注意しましょう。
総量規制でカードローンが利用できないこともある
総量規制でカードローンが利用停止になることもあります。
総量規制とは賃金業者に対する規制のことで、年収などを基準に3分の1を超える貸付を原則禁止するというものです。
例えば、年収が300万円の人の場合は、総借入額の限度は3分の1にあたる「100万円まで」となります。
賃金業者が1社だけではなく、他社からも借り入れている場合は「合計額」で判断されることを覚えておいてください。
なお、賃金業者とは消費者金融やクレジットカード会社などを指し、銀行や信用金庫のカードローンは対象外です。
支払い遅延が信用情報に傷をつけるのは滞納からおおむね2か月後
返済の延滞が数回程度ならば、信用情報にそれほど大きな影響はありません。
しかし、度重なる延滞は、信用情報に傷をつけるだけではなく多くのデメリットにつながるので注意が必要です。
基本的に、個人の信用情報は「信用情報機関」で取り扱われ、以下のような記録が残ります。
- 滞納期間が一ヵ月半の場合は信用情報欄に「延滞」と登録
- 滞納期間が「61日以上」経過すると信用情報に「異動」と記録(長期延滞事故)
ここでいう「異動」と書き込まれた状態こそが、世間一般でいうところの「ブラックリストに載った状態」です。
信用情報に傷がつく原因としては、以下のようなものがあります。
- 督促状・一括請求書を無視し続けている
- 債務整理を行なった
- 多数のカードローン業者に同時申し込みをしている
強制解約させられる
電話やSMSでの連絡、督促状などに応じないまま支払い遅延が2ヵ月を過ぎると、カードローンの強制解約が起こります。
強制解約になると同じカードローン会社や同じ系列のカードローン会社で、ローンを組めなくなるので注意しましょう。
財産を差し押さえられる可能性がある
督促や一括請求を無視し続けると、訴訟を起こされて財産を差し押さえられる可能性があります。
財産の差し押さえとして、真っ先に対象となるのが「給与」でしょう。
なぜなら、ローンを返済するために給与が充てられるようになるからです。
差し押さえの優先順位としては給与が一番高いですが、その他、換金性のある家財道具や資産が差し押さえられる可能性もあります。
最低限の家具や衣類、仕事道具など生活に欠かせない財産は、差し押さが禁止されているので安心してください。
各信用情報機関で自身の信用情報を確認する方法
自身の信用情報を確認する方法が、信用情報機関の「情報開示制度」です。
情報開示制度では自身の支払い状況や延滞経歴、カードローン審査の合否などを確認できます。
ただし、信用情報機関ごとに、信用情報を確認する方法が異なるので注意しましょう。
信用情報は借入先の金融機関が加盟している信用情報機関に対して、開示請求を行う必要があります。
信用情報機関名 | 情報開示の方法 | 情報開示の申込み先 |
---|---|---|
JICC(株式会社日本信用情報機構) | インターネット・郵送・窓口 | 開示を申し込む|JICC |
CIC(株式会社シー・アイ・シー) | インターネット・郵送 | 情報開示とは|CIC |
JBA(一般社団法人 全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター) | インターネット・郵送 | 本人開示の手続き|JBA |
開示請求はスピーディーな審査かつ手数料を抑えられる、パソコン・スマホからの申請がおすすめです。
パソコンやスマホがない人は、郵送で申請してみてください。
郵送の場合は、申し込み書類を発送した後「一週間〜10日ほど」で開示結果が送付されます。
ブラックリストになった場合の影響とは?
カードローンの滞納で一度でも「ブラックリスト」に登録されると、生活に悪影響が出てしまいます。
例えば「クレジットカードの使用や作成ができない」「新たなローンの借入審査に通らない」などです。
信用情報機関のブラックリスト情報は永遠に残るわけではなく、完済日や自己破産決定日から起算して「5〜7年程度」経過すると抹消されます。
ここから、ブラックリストに載ることで起こる影響について、詳しく解説します。
ほかのローンやクレジットカードが使えなくなる
クレジットカードやETCカード(クレジット機能があるもの)、住宅ローン、カーローンの利用および作成ができなくなります。
信用情報機関から、返済能力に問題があると見なされてしまうのが大きな理由です。
カードローンの審査に落ちた情報も登録されるため、審査に落ちれば落ちるほどカードローンが組みにくくなることを覚えておきましょう。
口座から直接引き落とされるデビットカードやスマホのキャリア決済、現金チャージ型の電子マネーは引き続き利用できます。
電子決済などをうまく活用すれば、日常生活への影響を少なくできるはずです。
入居審査に影響する可能性がある
賃貸住宅に住む際は、入居者に家賃の支払い能力があるかどうかを審査します。
ブラックリストに載ってしまうと「家賃の支払い能力に不安あり」とみなされて、審査を通過できない可能性が高いです。
「家賃が収入に見合っていない」「無職だと本当に支払ってくれるか心配」と思うことは、家主として当然の思いでしょう。
ただし、入居者の信用情報を確認する賃貸保証会社は、信用情報機関に加盟する信販系の企業のみです。
代表的な信販系の賃貸保証会社には以下があります。
- 株式会社クレディセゾン
- 株式会社オリコ
- 株式会社ジャックス
- ライフカード株式会社
どうしても賃貸住宅が必要な場合は、賃貸保証会社が不要の物件か、信販系以外の家賃保証会社が使える物件を探しましょう。
保証人になれなくなる
ブラックリストに載っている間は、家族や友人の保証人になれません。
保証人や連帯保証人はお金を借りた人が返済できなくなった場合に、代わりに借金を返すことになります。
ブラックリストに載っている人は「十分な返済能力がない」とみなされるので、他人の借金を肩代わりできないのも自然なことです。
銀行からの借入やマンション・アパートの賃貸借契約、奨学金の保証人も同様です。
子どもの奨学金などで保証人が必要な場合は、家族や親族を頼ってみましょう。
スマホの分割払いができない
スマホの機種代金を分割払いにしている方は多いでしょう。
信用情報に傷がついていると、スマホの分割払いができません。
スマホを購入する際は「現金一括で購入する」「家族に分割払い契約をしてもらう」などの対処が必要です。
カードローンが「利用停止」になったときの対処方法
ここでは、カードローンが利用停止になった際の対処方法を確認しましょう。
なお、カードローンの利用停止が解除されるまで、金融機関や賃金業者によって多少の誤差があります。
カードローンの返済に専念する
シンプルですが、カードローンの返済に専念することはもっとも大切です。
- 口座振替の場合は「振替日」を改めて確認する
- 振替日の前日までに「残高確認」をするクセをつける
- ATM返済の場合は「返済日」を間違えないように注意する
カードローンが利用停止になる大きな原因は「残高」と「振替日(返済日)」を把握できていないからです。
スマホのリマインダー機能で「残高」と「振替日(返済日)」を確認するクセをつけて、不自由のない生活を目指しましょう。
おまとめローンを利用する
カードローンの返済が難しい場合は「おまとめローン」の利用がおすすめです。
おまとめローンとは複数の金融機関や賃金業者からの借入を一本化して、返済していくローンを指します。
複数のカードローンを利用していると、利息分の負担が増えたり返済日を忘れたりするのが問題です。
おまとめローンで借入を一つにまとめることで、返済の管理がしやすくなり毎月の支払額を抑えられるようになります。
うっかり延滞してしまったときはどうする
どれだけ気を付けていても、うっかり延滞してしまうことはありえます。
カードローン返済を延滞してもすぐに支払うことで、信用情報に大きな傷をつけなくて済みます。
しかし、延滞が続くと以下のように次第に状況が悪化するので注意が必要です。
- メールやSMSによる確認連絡
- 電話や督促状による督促の連絡
- 一括返済を求められる
問題を先延ばしにすればするほど、カードローンの利用停止や財産差し押さえのリスクが高まります。
当たり前のことですが、万が一延滞してもすぐに支払いを済ませることが何よりも大切です。
記事まとめ
信用情報に傷(長期延滞事故)がつくと、情報が抹消されるまでに5年〜10年という長い年月が必要です。
長期延滞事故はカードローンや住宅ローン、奨学金の審査に通らなくなるなど、生活に大きな悪影響を及ぼします。
スマホのリマインダー機能を活用すれば「支払いし忘れた!」という事態を大幅に防げるはずです。
もし滞納してしまったら一刻も早く返済を済ませて、自身の信用情報を守り続けましょう。