個人間融資は法外な金利の設定や取り立て、個人情報の流出など、多くのリスクを伴う危険な方法
個人間融資はSNSや掲示板を通じて知らない人同士がお金を貸し借りする形態です。
手軽に借りられるように見えますが、個人間融資を謳うほとんどが違法な闇金業者で、法外な利息や個人情報の悪用、違法な取り立てなど、多くのリスクがあり利用すべきではありません。
この記事では個人間融資の危険性と、安全なお金の借り入れ方法を解説します。
個人間融資を利用してしまうことがないよう、この記事を参考にしてみてください。
個人間融資とは
個人間融資とは、インターネットの掲示板やSNSを通じて知り合った面識のない個人同士が行うお金の貸し借りを指します。
お金に困った人が掲示板などに投稿し、それを見た貸す余裕があると称する個人が直接連絡を取ってくるという形で個人間融資は成立します。
審査もなく気軽に借りられるように見えますが、実際には法外な金利の設定や取り立て、個人情報の流出など、多くのリスクを伴う危険な方法です。
お金を借りる際は正規の金融機関を利用することが望ましく、個人間融資の利用は避けるべきであるとされています。
【注意】SNSや掲示板での個人間融資は違法であることが多い
SNSやインターネットの掲示板を通じてお金を貸し借りする個人間融資は、多くのケースで法律に抵触している可能性があります。
日本の貸金業法では、営利を目的として不特定多数の人に対してお金を貸す行為は「貸金業」と定義されており、都道府県の許可が必要不可欠です。
しかし個人間融資を提供している個人は、ほとんどが無登録業者です。
加えて、利息制限法の定める上限金利を超える設定も多く、違法性のリスクが高いと言えます。
無登録業者からの借入はトラブルの温床となる可能性が極めて高く、利用してはいけません。
ここでは、SNSやインターネットの掲示板を通じた個人間融資でお金を借りることの危険性を解説していきます。
法外に高い金利を設定されることがある
個人間融資では、法定の利息制限を超える法外に高い金利設定をされるケースが多く報告されています。
日本の利息制限法では、貸金業者が設定できる金利の上限が法律で定められています。
例えば10万円未満の場合は年20%まで、100万円以上では年15%までとなっています。
ところが個人間融資の場合、貸し手が貸金業者でない無登録業者であることも多く、利息制限法の制約を受けません。
そのため、10日で50%といった常識外れの金利設定がされ、借り手が返済困難に陥るリスクが高くなっています。
こうした法外な金利設定を防ぐため、個人間でお金を貸し借りすること自体が法律で禁止されています。
安全性の確保された正規の金融機関を利用することが必要不可欠であり、個人間融資の利用は避けるべきです。
個人情報の悪用や流出の可能性がある
個人間融資を利用すると、運転免許証や健康保険証などの個人情報を求められることがあります。
これは「本人確認」を名目としていることが多いですが、実際には個人情報の悪用目的である可能性があります。
先述した通り、個人間融資でお金を貸している人は、ほとんどが無登録業者です。
法的規制を受けていないため、取得した個人情報を第三者に売買したり、名義借りや不正契約、振り込め詐欺などの犯罪に利用されてしまう恐れがあります。
また、融資を受けられなかった場合でも、一度提供した個人情報は容易に拡散・悪用されてしまう危険性が高いのです。
違法な取り立てをされる可能性がある
個人間融資では、返済が滞った際に通常の金融機関の取り立てとは異なる違法な方法での債務回収をされる可能性があります。
正規の貸金業者の場合、法律で取り立てに関する規制が設けられていますが、個人間融資は闇金など無登録業者が違法な取り立てを行うことがほとんどです。
夜間や早朝のしつこい訪問、家族・親族への連絡、SNSでの晒し上げなど、法的根拠なくプライバシーを侵害する行為を受ける可能性があります。
違法な取り立てを回避するためにも、個人間融資の利用はやめましょう。
反社会的勢力との関わりができてしまうリスク
例えば、ヤクザなどの反社会的勢力が個人間融資の裏にいることがあり、高金利が支払えなくなった借り手に対して、違法な仕事への参加を要求してきます。
中には、ヤクザ組織の資金洗浄(マネーロンダリング)の手伝いをさせられたり、犯罪現場の見張り役をさせられたりする例も報告されています。
これらは法律違反行為であり、個人の生活が壊されてしまうようなリスクがある行為です。
女性が性的被害に遭うケースがある
個人間融資を利用する女性が、性的被害に遭うケースが社会問題となっています。
女性の借り手に対して、男性の貸し手が性的対価を要求する事例が後を絶ちません。
例えば、融資を受ける見返りとして性的な関係を強要されたり、わいせつな画像の提供を求められたりするケースです。
画像や動画がSNS上で流出したり、融資後も性的関係を要求され続けたりすることで、女性が精神的ダメージを負ってしまったり、社会的信用を失ったりといった結果を招いてしまうのです。
このような人権侵害や性被害を避けるためにも、個人間融資は利用すべきではありません。女性の方は特に注意が必要です。
個人間融資でお金を借りてしまった場合の解決方法
個人間融資で多額の借入をしてしまった場合、法外な利息や取り立て、更には反社会的勢力との関わりなど、多くのリスクに晒されることになります。
こうした事態を招いてしまった時の対処法にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、個人間融資でお金を借りてしまった場合の解決方法をいくつか紹介していきます。
法外な利息や取り立てをされたら消費生活センターに相談
個人間融資を利用している場合、法外な利息の請求や違法な取り立てをされることがあります。
その際にはまず、地方自治体の消費生活センターなどに相談することをおすすめします。
消費生活センターは、個人間融資業者に対して利息制限法や貸金業法に違反していないか改善を求める指導を行うことができます。
違法行為があれば契約書の再交付を要求したり、金利の引き下げを依頼するなどの対応に乗り出してくれます。
法的根拠のない過酷な取り立てから自分を守るためにも、悪質業者に対する行政からの指導は有効です。
消費生活センターに相談することで問題の早期解決につながります。
脅迫などで生活に支障が出た場合は警察に被害届を出す
個人間融資を利用している際に、業者からの違法な脅迫を受け、生活に支障が出ている場合は警察署に被害届を提出することを検討してください。
脅迫・恐喝は個人の命や身体の安全が脅かされるため、看過できる問題ではありません。
警察に被害届を出すことで事案を把握してもらい、対応してもらうことができます。
また、個人間融資が反社や暴力団関係者との取引になってしまっている可能性もあり、その場合は組織犯罪対策部門が本格的な捜査に乗り出すこともあります。
早めに警察に相談することで、脅迫行為の早期解決と自分の安全を確保することが重要です。
返済できなくなった時は自治体の債務整理相談を活用
個人間融資で多額の借入を行なってしまい、返済が困難になった場合は、自治体が無料で実施している「債務者相談」を活用することをおすすめします。
債務者相談では、弁護士やFPなどの専門家が、個々の債務の状況を整理した上で、国の支援制度も含めた返済計画の策定を支援してくれます。
返済能力を超えた債務状況から抜け出す有効な方法を自力で判断することは難しく、専門家の助言が必要です。
債務整理の方法として、個人再生や個人破産などの法的手続きの是非も検討できます。ひとりで悩まずに、早めに専門家に相談しましょう。
弁護士に相談し、法的な対応を検討する
個人間融資でトラブルに巻き込まれ、業者からの脅迫などで返済を迫られている場合は、弁護士への相談も検討しましょう。
弁護士は法律のプロフェッショナルとして、違法業者に対する法的な対応を提案してくれます。
業者が犯罪行為を行っている場合には刑事告訴も視野に入れつつ、損害賠償請求訴訟を提起することで威圧的な取り立てを阻止できる可能性があります。
また、現実的な返済能力を超える債務がある場合には、個人破産などの手続きも検討してくれるでしょう。
家庭裁判所で個人再生を申請し、債務整理に着手する
個人間融資により多額の債務を抱え、返済能力を超えてしまった場合は、家庭裁判所に個人再生の申し立てをすることで、債務整理を進めることができます。
個人再生とは、債務整理に関して裁判所が関与する手続きで、弁護士などの再生計画策定人とともに返済計画案を作成し、債権者に対して債務の減免や返済期間の延長などを提案していきます。
過剰な借入などから抜け出す有力な手段の一つである個人再生を活用することで、法的保護の下、現実的な返済プランの再構築が可能になるはずです。
安全にお金を借りる方法
個人間融資の利用を避け、安全にお金を借りるのであれば、銀行のフリーローンや消費者金融のカードローンといった正規業者の利用をおすすめします。
中でも即日での融資が可能な消費者金融系のカードローンが即時性の高さからおすすめですが、銀行系の方が低金利のメリットが大きいという特徴があります。
ここでは、個人間融資を利用せず、安全にお金を借りる方法を紹介していきます。
個人間融資で借金を作ってしまい、トラブルに巻き込まれることがないよう、参考にしてみてください。
銀行のフリーローンを利用する
フリーローンは生活費や習い事、医療費など幅広い目的での借入が可能で、借入先が銀行のため安心感もあります。
審査によって借入可能額が決まりますが、定額で一括での借入が基本的な特徴です。
既存取引先の場合には手続きは比較的簡単で、短期間での借入開始が可能です。
返済方法も元利均等返済(毎月等分)、ボーナス併用返済など選択肢が豊富。銀行ならではの安定性と信頼性が魅力です。
信用力のある消費者金融からのカードローンを申し込む
消費者金融大手各社は貸金業法に基づいた適正な運営が義務付けられているため、安全性が高いです。
短時間のうちに借入限度額が設定されたカードが発行され、あとは都度借り入れが可能なのが魅力。
収入などを証明する書類があれば比較的早く審査を通過しやすいので、緊急時の生活費調達として重宝します。
なお、税引前年収の1/3が限度額の目安です。
クレジットカードのキャッシングサービスを活用する
クレジットカード会社が提供しているキャッシングサービスも、安全なお金の借入方法のひとつです。
クレジットカードのキャッシングは、すでに保有しているクレジットカードの利用枠内で融資を受けるもののため、改めて審査を受ける必要がないのがポイント。
24時間365日いつでも融資を受け取ることが可能で、緊急時やつなぎ資金として活用しやすいサービスといえます。
利用枠を超えない範囲であれば複数回の利用もでき、ごく短期間での返済を想定したサービスであることから、有効な一時的な資金繰り策として利用を検討してみてはいかがでしょうか。
国の教育ローンや各種支援制度の利用を検討する
国の教育ローンや各種支援制度を利用する方法もあります。
教育ローンは低金利で借入限度額も高く設定されているうえ、担保や保証人が不要なものもあります。
また失業時には返済を停止できるなど、優れたセーフティネットが用意されています。
学び直しや生活立て直しを目的とした公的な支援策を活用することで、より安定的に借入を受けられます。
親族や知人からの借入で、利息と返済計画を明確にする
個人間融資に手を出してしまう前に、まずは親族や知人に相談してみるのはいかがでしょうか。
この方法の場合、金融機関を介さない分、手軽に借りられる一方で、利息や返済日などの条件をあいまいなまま借りてしまうと後々トラブルに発展する可能性があります。
このため、お金を借りる場合には必ず「借用証書」を取り交わすなどし、利息と返済スケジュールを明確に定めておくことが大切です。
当事者間の信頼関係があっても形の上で約束ごとを確認しておけば、トラブルを防ぐことができます。
質屋で私物を担保にお金を借りる
質屋にブランド品や宝石、楽器などの物品を担保として預けることで、その時価相当額の7〜8割を即日で現金化することができます。
返済が滞った場合には担保の所有権が質屋に移りますが、クレジット会社のように信用情報機関に登録される心配がなく、後々まで影響はありません。
ただし手数料と保管料がかかるほか、担保物件の損傷や紛失のリスクがあるのがデメリットです。緊急時の資金として有効な方法ではあります。
記事まとめ
この記事では個人間融資の危険性と、安全なお金の借り入れ方法を解説しました。
個人間融資は利息制限法や貸金業法に抵触する違法行為が多く、利用すべきではありません。
安全にお金を借りるのであれば、銀行や信金のフリーローン、消費者金融のカードローン、国の教育ローン制度など、正規の金融機関や公的融資を利用することを強くおすすめします。
違法な個人間融資を利用してトラブルに巻き込まれることがないよう、お金に困った際は他の選択肢を考えましょう。