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カードローンの危険性を徹底解説!リスクの回避方法について
カードローンの危険性を徹底解説!リスクの回避方法について
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カードローンが持つ危険性と滞納時のリスク、上手に使うためのコツを紹介

カードローンの利用を検討しているものの、どのような危険性があるのかわからず不安を感じている人は少なくありません。

カードローンは借りやすいというメリットがある反面、金利の高さなどデメリットも多数あります。安易に利用すると生活に支障が出るので、デメリットを把握し自制しながら使うことが重要です。

そこでこの記事では、カードローンが持つ危険性やデメリットを紹介しつつ、それらの回避方法についても解説します。滞納による信用情報への影響や金利相場についても触れているので、「返済できなくなるとどうなる?」「借入先はどこがいい?」と悩んでいる人もぜひ参考にしてください。

カードローンの危険性・デメリット4つ

カードローンの危険性・デメリット4つ

カードローンの主な危険性・デメリットとして、次の4つが重要です。

  • 借り過ぎになりやすい
  • 金利がほかのローンより高い傾向にある
  • 返済が長期化して利息が膨らむ
  • ほかのローン審査に影響する場合がある

それぞれ詳しく解説します。

借り過ぎになりやすい

カードローンは、一度契約すれば限度額の範囲でお金を借りられます。早ければ申し込んだ当日に借りられますし、ATMやアプリを利用すればすぐに現金引き出しが可能です。

一方で、その借りやすさゆえに借り過ぎになってしまうケースが多々あります。気軽に借りられるため「借金をしている」という意識が低くなり、借金癖がついてしまうのです。

最初は少額でも、繰り返し借りることで返済不可能な金額まで膨れ上がる恐れがあります。簡単に借りられるからといって使い過ぎず、計画的に利用することがカードローンでは重要です。

金利がほかのローンより高い傾向にある

カードローンは借りやすい反面、ほかのローンより金利が高く設定されています。以下は、各種ローンのおおまかな比較表です。

ローンの種類 金利相場(年利)
カードローン ・銀行…1.5%~14.5%
・消費者金融…4.5%~18%
クレジットカードのキャッシング 10%~18%
住宅ローン 0.3%~3%
マイカーローン 1%~4%
教育ローン 1%~3%

※上記の金利相場はあくまで目安です。実際の数値とは異なる可能性があります。

住宅ローンやマイカーローンのように資金用途が決まっているものと比べると、非常に高金利だとわかります。

目的に合致したローンがある場合、そちらを利用したほうが返済負担を軽減できます。

返済が長期化して利息が膨らむ

カードローンは、返済に対する負担感を軽くするため、毎月の返済額を低く設定されているものが多くなっています。一方で、毎月の返済額が少ないことで利息総額は膨らみやすくなってしまいます。

なぜ毎月の返済額が少ないと利息が増えるのかというと、利息は毎月の返済日時点の支払い残高(元金)を基準に計算するためです。「返済日時点の支払い残高×15%×利用日数÷1年の日数」という計算式になるため、返済額の減るスピードが遅いほど利息は高くなります。

返済を長期化させないためには、毎月の返済額アップや臨時返済(繰り上げ返済)など、無理のない範囲で返済期間を前倒しにすることをおすすめします。

ほかのローン審査に影響する場合がある

カードローンを借りることで、ほかのローン審査に通りにくくなる可能性もあります。

どのローンでも、審査の際には他社も含めた借入総額が調べられます。ローンの借入状況はすべて信用情報機関に記録されるため、ごまかすことはできません。

銀行や貸金業者は、顧客の返済能力から貸付上限額を決定します。そのため、既存の借入額が多いと借りられる金額を減らしますし、あまりにも高額の借入があれば審査の段階で落とします。

ローン審査の通過率を上げるためには、なるべくほかの借金がない状態で申し込むことが大切です。

滞納したときのリスク4つ

滞納したときのリスク4つ

さまざまな危険性のあるカードローンですが、決められた返済を毎月きっちり支払っていれば、大きなトラブルにはなりません。ただし、返済を滞らせてしまうと、次のようなリスクが生じます。

  • 信用情報に傷がつく(ブラックリスト)
  • 遅延損害金が発生する
  • 督促がきて家族や職場にバレる
  • 訴訟や差し押さえになる

具体的にどのようなことになるのか、各リスクを詳しく解説していきます。

信用情報に傷がつく(ブラックリスト)

カードローンを滞納すると、信用情報に傷がついてしまいます。信用情報とは、個人の借入歴や収入などを記録した情報です。

信用情報は、国が指定する専門機関(信用情報機関)に管理されており、金融機関や貸金業者などが審査の際に照会します。そこに滞納歴などの事故情報が記録されていると、審査に落とされてしまいます。

滞納歴は契約終了から5年間ほど残るため、その間はどの金融機関や貸金業者でも審査を通過できません。住宅ローンや教育ローンなども利用できなくなります。

なお、信用情報に傷がつくことを「ブラックリストになる」と言うこともありますが、実際にブラックリストという名の帳簿はありません。もともと存在する信用情報に事故情報が載るのであり、ブラックリストは俗語的な表現となります。

遅延損害金が発生する

カードローンを滞納すると、1日ごとに遅延損害金が発生します。遅延損害金の利率は法律によって上限は定められており、カードローンの場合は「上限利息の1.46倍」となっています。

下記は、利息および遅延損害金の利率一覧です。

元金 利息の上限 遅延損害金の上限(上限利息の1.46倍)
10万円未満 年率20% 年率29.2%
10万円以上100万円未満 年率18% 年率26.28%
100万円以上 年率15% 年率21.9%

参照:利息制限法第1条、第4条|e-Gov法令検索

実際の契約では、年率20%前後で設定しているカードローンが一般的です。

なお、遅延損害金は「(滞納している金額)×(遅延損害金の利率)÷365日 ×(滞納日数)」で計算します。滞納が続けば基準となる滞納金額が増え、遅延損害金も膨らんでいきます。

督促がきて家族や職場にバレる

カードローンの返済を滞納すると、カードローン会社から督促の電話や郵便がきます。最初は名義人の携帯電話にかかってくるのが一般的なので、この時点で対応できればバレる危険性はほぼないでしょう。

しかし、携帯で連絡がつかない場合は家の電話に、それでも連絡が取れない場合は職場に連絡がきます。そこから家族や職場にバレてしまうかもしれません。

周囲にバレるのを防ぐためには、カードローン会社からの連絡にはすぐ対応し、なぜ返済が滞っているのか、いつまでなら支払えるのかをしっかり説明しましょう。

訴訟や差し押さえになる

滞納からおおむね2か月程度経つと、次のような流れで訴訟に発展します。

  1. 信用情報に登録され、一括請求される(滞納から2か月程度)
  2. 裁判所から訴状もしくは支払い督促が届く(滞納から3か月程度)
  3. 差し押さえの判決が下される(訴状もしくは支払い督促から数週間~数か月)
  4. 強制執行になる(差し押さえ判決から1か月程度)

強制執行までいくと、給料や財産をすべて没収されてしまいます。なるべく早く対応することが大切なので、返済の見通しが立たない場合は早めに弁護士などへ相談しましょう。

カードローンの危険性・リスクを回避するコツ

カードローンの危険性・リスクを回避するコツ

ここまで解説した通り、カードローンには多くの危険性が潜んでいます。これらのデメリットを避けるためには、カードローンのリスクを把握したうえで、上手に利用することが大切です。

カードローンの危険性・リスクを回避するコツとして、次の5つを押さえておきましょう。

  • 年収に見合った金額だけ借入する
  • 複数社から借入しない
  • 返済期間は可能な限り短くする
  • 返済シミュレーションで支払いイメージを固めておく
  • なるべく金利の低いところから借りる

年収に見合った金額だけ借入する

カードローンは無理なく返済できることが大切なので、年収に見合った金額だけ借り入れるようにしましょう。借入額の上限としては、「総量規制」という貸金業者のルールにより、顧客の年収の1/3までとなっています。

ただし、上限が年収の1/3までだとしても、ぎりぎりまで借りてしまうのは危険です。返済を継続するためには、ある程度の余裕が必要となります。

具体的な金額は家計の状況にもよりますが、例えば住宅ローンでは、返済額が収入の20%程度になるのが無理のない返済の目安とされています。カードローンについても、20%を1つの目安にしてみましょう。

複数社から借入しない

カードローンは簡単な審査で契約できるため、複数社から借入してしまう人も少なくありません。返済のために他社から借りるという、悪循環に陥る人もいます。

複数社から借りてしまうと、返済額が増えるだけでなく、返済日の管理が大変になります。どの借入先にいくら返済するのかが複雑になり、うっかり滞納してしまうかもしれません。

複数社からの借り入れている状態は「多重債務」といい、生活が破綻する一歩手前です。新たなカードローンの利用は、いまある借金を完済してからにしましょう。

返済期間は可能な限り短くする

先にも解説した通り、返済期間は長引くほど利息は膨らみます。そのため、返済期間はなるべく短くすることが大切です。

返済期間の短縮方法としては、まず月々の返済額アップが考えられます。また、ボーナスなどの臨時収入が入ったときに、繰り上げ返済を行うのもおすすめです。

ただし、これらの対策で生活が苦しくなるようでは意味がありません。いずれの方法も、無理のない範囲でおこなうことが大切です。

返済シミュレーションで支払いイメージを固めておく

カードローンを利用する前に、月々いくら支払い、それを何年間続ける必要があるのかシミュレーションしておきましょう。

支払いイメージを固めておくことで家計の調整がしやすくなりますし、過剰な借入を防ぐ効果もあります。

大抵の銀行や消費者金融は、自社で借り入れたときの返済シミュレーターをWebサイトで公開しているので、借り入れる前に利用してみましょう。

なるべく金利の低いところから借りる

一口にカードローンといっても、借入先によって条件はさまざまです。危険性・リスクを抑えるためには、なるべく金利の低いところを利用しましょう。

一般的な傾向としては、「銀行≦信販会社・クレジットカード会社≦消費者金融」の順で金利は高くなります。以下は、それぞれの具体的な会社を一例として比較したものです。

会社 金利(年率)
三井住友銀行カードローン(銀行) 1.5%~14.5%
JCB CARD LOAN FAITH(クレジットカード会社) 4.4%~12.5%
プロミス(消費者金融) 4.5%~17.8%

ただし、金利相場が低いほど審査は厳しくなるというデメリットもあります。また、実際の金利は個々の年収などにもよるため、審査を受けるまでわからない点は覚えておきましょう。

上手に使えばカードローンは便利なサービス

上手に使えばカードローンは便利なサービス

カードローンについてさまざまな危険性やリスクを紹介しましたが、デメリットばかりというわけでもありません。カードローンを上手に使えば、日々の生活にも大いに役立ちます。

「借入額は少なめに」「金利はなるべく低いところを利用する」など、どうすればデメリットを回避できるか考えれば、メリットのほうが大きくなるでしょう。

用途自由でいつでも利用できるのがメリット

カードローンのメリットは、借りた資金の用途が問われず、いつでも借りられるところにあります。

申し込み時に用途を聞かれますが、その後は何回借りて何に利用しても、いちいち説明する必要はありません。借入の理由で何であっても、自由に現金を調達できます。

また、ATMやアプリを使えば、24時間365日いつでも借りることが可能です。急な出費に対応しやすく、手元に現金がなくて慌てずに済みます。

闇金と消費者金融は別物なので注意

カードローンの危険性については、闇金と混同されていることが多々あります。闇金とは、違法金利で貸し付けていたり、貸金業法の登録を受けずに営業していたりする業者のことです。

闇金業者と消費者金融をどちらも同じものと考える人もいますが、消費者金融は法律を守って営業している合法企業であり、両者は明確に異なります。

以下のような特徴がある業者は闇金なので、絶対に関わらないようにしましょう。

  • 「審査不要」「ブラックOK」と宣伝している
  • 違法金利で貸し付けている(10日で1割など)
  • 個人間融資とうたい、SNS上で勧誘をしている

記事まとめ

記事まとめ

この記事では、カードローンの危険性やリスク、その回避方法について解説しました。

カードローンを利用する際は、シミュレーションで支払い額をよく確認し、自分に返済能力を超えないよう計画的な利用することが大切です。そうすれば、リスクの大半はコントロールできます。

カードローンはたしかに危険な部分もありますが、使い方さえ間違えなければメリットも多いサービスです。無理のない範囲で適切に利用し、生活に役立てましょう。

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監修者プロフィール
菱村真比古
菱村真比古
ファイナンシャルプランナー
10種の金融資格と中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャルプランナー。NISA、住宅ローン、社会保障制度などが複雑に絡み合うライフプランを明快シンプルに紐解きます。中でも《菱村式老後資金計算法》は将来に不安を抱える子育て世代に好評。生命保険と金融サービス業界の最高水準として世界中で認知されている独立組織MDRTの正会員。『お金のエキスパート』として講演や営業マンの育成など幅広い領域で活動している。

【資格情報】
・住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー
・日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー
・生命保険協会認定トータルライフコンサルタント
・CCAA クレジットカードアドバイザー
・相続診断協会認定 相続診断士 
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