
消費者金融の利用履歴がクレジットカードの審査に影響するかを解説
クレジットカードを作ろうとしたときに「以前に消費者金融を使ったことがあるけど、審査に影響しないかな?」と不安に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
消費者金融とクレジットカードは別物のサービスですが、消費者金融の利用履歴はクレジットカードの審査に少なからず影響を与える可能性があります。
この記事では、消費者金融の履歴がクレジットカード審査に与える影響や、審査に通るための対策について詳しく解説します。
そもそも消費者金融の利用履歴はどこに何が残る?

クレジットカードの審査では申込者の過去の金融履歴が審査材料になりますが、その履歴は「信用情報機関」によって記録・管理されています。
そのため、消費者金融での借入があるとクレジットカードの申込をしても審査に通らない場合があります。
日本における3つの信用情報機関とは
クレジットカード会社が申込者の返済能力を確認する手段の一つに、信用情報機関での照会があります。
信用情報機関には「JICC」「CIC」「KSC」の主に3つあり、個人の借入金額・契約内容・返済履歴・延滞の有無などが記録される仕組みです。
以下の表に、信用情報機関ごとの特徴をまとめています。
名称 | 創立出資 | 加盟企業 | 信用情報の保存期間 |
---|---|---|---|
JICC(日本信用情報機構) | 消費者金融系信用情報機関33情報センター | 消費者金融、銀行、信販会社、保証会社など | 契約中と契約終了後5年以内 |
CIC(株式会社シー・アイ・シー) | クレジットカード会社の共同出資 | 消費者金融、信販会社、クレジットカード会社、百貨店など | 契約中と契約終了後5年以内 |
KSC(全国銀行個人信用情報センター) | 一般社団法人全国銀行協会 | 銀行や信用金庫などの金融機関、銀行系のクレジットカード会社、農業協同組合、日本学生支援機構など | 情報の種類によって異なる |
クレジットカードの申込時には、カード会社が信用情報機関を通じて過去の金融履歴を確認しますが、延滞や債務整理の履歴があれば審査に影響する可能性があります。
クレジットカードの審査で何を見られる?ポイントをチェック
クレジットカードの審査基準は公表されていませんが、一般的に以下の要素が重視されています。
- 年齢
- 年収
- 勤務先
- 勤続年数
- 家族構成
カード会社が上記の要素をチェックするのは、申込者が継続して収入を得られるかを確認することで返済能力を見極めるためです。
例えば、同じ年収でも大手企業の正社員で勤続年数が長い方は、アルバイトや転職直後の方よりも「収入の安定性が高い」と判断されやすくなります。
また、年収は高いほど良いというわけではなく、借入状況とのバランスを見られることが一般的です。年収300万円でも借入が少なければ問題ありませんし、年収600万円あっても借入が多ければマイナスになる可能性もあります。
さらに、貸金業法の「総量規制」により、年収の3分の1を超える借入は原則できないルールになっています。
クレジットカード審査では「どれだけ収入があり、それがどれだけ安定しているか」が重視されているため、申込前には、自分の勤務状況や借入のバランスも確認しておきましょう。
【ケース別】消費者金融の履歴がクレジットカード審査にどう影響する?

消費者金融の利用履歴があるからといって、すべてのケースで不利になるとは限りません。ここではよくある3つのケースについて、消費者金融の履歴がクレジットカード審査にどう影響するのかを説明します。
多額の借入があり返済中の人:審査が厳しくなるかも
消費者金融で多額の借入があり、現在も返済中の場合、クレジットカードの審査は厳しくなる傾向があります。
理由の一つは「返済能力に不安がある」と判断されるためです。加えて、消費者金融の借入は「総量規制」という法律の対象となり、年収の3分の1を超える借入は原則できない仕組みになっています。
例えば、年収300万円の方がすでに100万円(=3分の1)を消費者金融で借りている場合、新たにクレジットカードを申し込んでも「キャッシング枠」を付けるのは困難です。ショッピング枠であっても分割払いやリボ払いなどには「割賦販売法」が適用され、消費者金融の借入状況次第では条件付きの発行となるケースも少なくありません。
現在、多額の借入がある場合は、審査を受ける前に消費者金融からの借入額や返済状況を整理しておくことが大切です。
返済が遅れたことがある場合:信用が下がるリスク
消費者金融で返済が遅れたことがある場合は情報が信用情報機関に記録されており、クレジットカードの審査において不利に働く可能性が高くなります。
例えば消費者金融での借入金額が多く、返済期日を何度も過ぎて支払った場合、その履歴は「遅延履歴」として信用情報に登録されます。クレジットカードの審査では信用情報をもとに「今後も支払い遅れを起こすのでは?」と警戒され、審査が厳しくなることが一般的です。
過去に返済の遅延があった場合、クレジットカードの審査が通りにくくなるため、しっかりと期日を守った返済履歴を残すことが重要です。反対に、滞納や遅延がない場合は信用スコアがプラスに働き、審査に有利に作用する可能性もあります。
少額ですぐ完済した場合:意外と影響は少ない!
消費者金融を利用していても少額で早期に完済していれば、クレジットカード審査への影響は軽微です。
返済能力を証明できていれば、むしろ「計画的な利用者」と評価されることもあります。
消費者金融の利用があってもクレジットカード審査に通るためのコツ

「消費者金融を使ったことがあるから審査に通らないかも」と諦めるのは早いです。ここで紹介する対策を取れば、十分にクレジットカードの審査に通る可能性があります。
まずは消費者金融の借入を完済してスッキリさせよう
消費者金融での借入を完済しておくことで、クレジットカードの審査に通りやすくなります。
カード会社は申込者の返済能力を重視するため、借入が多いと「返済が難しい」と判断されるからです。
無理なく返済できると証明するために不要な借入や契約は整理し、可能なら完済しておくことが審査通過のカギといえるでしょう
審査が優しめのクレジットカードを選ぶのがおすすめ
クレジットカード会社によって審査基準は異なるため、審査が優しめのカードを選ぶことで通過しやすくなります。具体的には、銀行系カードよりも流通系カードや消費者金融系カードのほうが、比較的審査が柔軟です。
次のような特徴を持つクレジットカードは、審査に通りやすいとされています。
- 申込条件に収入が記載されていない
- 即日発行が可能
- 年会費が無料
良い返済履歴を作って信頼をアピール
将来的に良い条件のクレジットカードを持つには、地道な信頼の積み重ねが重要です。信用情報は常に更新されていくため、良好な返済履歴を作れば数年後には評価が改善されます。
例えば携帯料金や公共料金をクレジットカードで支払い、遅延なく返済を続ければ「優良な返済履歴」として記録されます。「ローンの利用=マイナス」と思われがちですが、実際は遅れずに返済することでプラス評価につながるため、コツコツと信頼を積み重ねることが将来の審査通過への近道です。
記事のまとめ

消費者金融の利用履歴は、クレジットカードの審査に影響する可能性がありますが、内容や状況によってその影響の度合いは異なります。
多額の借入や返済遅延がある場合は特に注意が必要ですが、少額で完済済みであれば大きな問題にはなりません。
また、借入を完済する、審査の柔らかいカードを選ぶ、良い返済履歴を積み重ねるといった対策を取ることで、十分に審査を突破することが可能です。
クレジットカードの審査は、信用情報に基づいた「信頼の見える化」ともいえます。正しい知識を持ち、計画的に対策を講じて、安心してカード申し込みを行いましょう。