
消費者金融とは個人向け融資専門の金融機関のこと!安全性や利用時の注意点を解説

消費者金融ってどんな会社なんだろう?

消費者金融から借りたら終わりって本当…?
「消費者金融」という言葉を聞いたとき、どのようなイメージが浮かぶでしょうか?「簡単にお金を借りられる」という印象を持つ人もいれば、「金利が高くて危険」と考える人もいるかもしれません。
実際に、消費者金融は正しく使えば便利なサービスですが、計画的に使わないと生活に悪影響を及ぼす可能性があります。消費者金融を利用するときは、仕組みを理解し、正確な知識を身につけることが大切です。
この記事では、「消費者金融とは何か」について、サービスの仕組みやメリット・デメリットを解説。他の金融機関との違いや、安全に利用するためのポイントもお伝えします。
消費者金融がどのような金融機関なのか把握し、安心して利用できるようにしましょう。
消費者金融とは?サービスの仕組み
消費者金融とは、主に個人向けを対象とした融資を行う金融機関です。
簡単に言えば、手軽にお金を借りられるサービスを提供している会社といえます。
消費者金融は、借入希望者の年収や年齢、過去の滞納歴などを調査した上で貸し付けを行います。
利用者一人ひとりに利用限度額が定められ、その金額以内なら繰り返し自由に借入可能です。
借入には金利が設定され、借りた金額と期間に応じて利息が発生します。消費者金融は、利用者から支払われる利息によって利益を得る仕組みです。
「怖い」「危ない」というイメージがあるのはなぜ?
今でこそ安心して利用できる消費者金融ですが、2000年代前半頃までは高金利や厳しい取り立てが横行し、多重債務者が社会問題となるほどでした。「怖い」「危ない」というイメージは、この時代の業態から付いたものです。
こうした問題への対応策として法規制が強化され、2006年から金利や貸付上限のルールが厳格化。消費者金融への規制は強化されていきました。
現在の消費者金融はコンプライアンスを遵守しており、安心して利用できるようになっています。
また、三菱UFJフィナンシャル・グループのアコムや、SMBCグループのプロミスなど、銀行グループに属する消費者金融も増えており、企業としての透明性も高まっています。
他の金融機関とは何が違う?
消費者金融は金融機関の一種ですが、他の金融機関とはどのように違うのでしょうか?
サービス内容が似ているものを中心に、それぞれの違いを解説します。
サラ金、街金との違い
サラ金とは、かつての消費者金融の俗称です。主な利用者がサラリーマンだったことから、「サラリーマン金融」を略してサラ金と呼ばれました。
街金(まちきん)も同様で、地域に密着してお金を貸していたことから付いた俗称です。
どちらも正式な名称ではないため、法律的にも明確な基準はありません。また、高金利や厳しい取り立てが問題視された時代に付いた呼び名なので、消費者金融がこれらを自称することは少ないでしょう。
銀行との違い
銀行とは、預金やローン、為替(通貨の交換)を主な業務とする金融機関です。様々なローンを提供しており、その中にカードローンもあります。
銀行のカードローンは、金利が低く借入上限額は高いのが特徴です。一方で、審査が厳しく、融資までに時間がかかりやすいというデメリットがあります。
銀行と消費者金融は適用される法律が異なり、銀行は銀行法、消費者金融は貸金業法のルールに従って営業しています。
信販会社との違い
信販会社とは、分割払いやクレジットカードを提供する会社のことです。
カードローン事業を展開している会社も多く、その場合は消費者金融と同じく貸金業法の規制を受けます。
サービス内容は各社で差があり、銀行カードローン並に金利が低いものもあれば、消費者金融より若干高めの場合もあります。
審査スピードや借入上限額も様々なので、商品ごとに比較して選ぶと良いでしょう。
ヤミ金との違い
ヤミ金とは、貸金業法に定められた登録申請をしていない、非正規の違法業者です。
「審査なし」「ブラックOK」といった宣伝文句で勧誘し、法外な高金利や違法な取り立てを行っています。場合によっては、脅迫や嫌がらせ、暴力を受けるケースもあります。
ヤミ金業者とは原則関わらないことが大切ですが、万が一借りてしまった場合は、速やかに弁護士や警察、地域の消費生活センターへ相談しましょう。
カードローンとの違い
カードローンとは、個人向けローン全般を指す言葉です。消費者金融・銀行・信販会社のいずれも、個人向けに提供されているローンサービスなら「カードローン」となります。
ローンカードを発行し、そのカードを使ってATMなどで取引することから付いた呼び方ですが、実際にはカードを発行しないケースもあります。
近年はインターネット取引が増えたため、カードレスに対応しているサービスが大半を占めており、やや形骸化した言葉です。
サラ金などと同じく明確な定義はないため、「気軽に借りられる個人向けローンサービス」というイメージで捉えると良いでしょう。
クレジットカードとの違い
クレジットカードとは、商品購入時に後払いができるサービスです。機能の一部として、キャッシング(貸付)機能があります。
お金を借りられる点は消費者金融と同じですが、クレジットカードのキャッシングは金利が年15.0%~18.0%程度と、やや高めに設定されています(消費者金融は年3%~18.0%程度)。
また、借入上限も少なめで、ショッピング枠との共通です。
金利相場 | 借入上限の目安 | |
---|---|---|
消費者金融 | 年3.0%~18.0% | 500万円~1,000万円 |
クレジットカード | 年15.0%~18.0% | 300万円程度(ショッピング枠と共通) |
緊急時の借入には便利ですが、返済負担の少なさや、まとまった金額の借りやすさでいえば、消費者金融のほうが優れています。
消費者金融のメリットとデメリット
消費者金融にはメリットとデメリットの両方があるため、どちらも把握したうえで利用することが大切です。
それぞれ詳しく解説するので、消費者金融へ申し込む前にチェックしておきましょう。
消費者金融のメリット
消費者金融のメリットは、下記の4つが挙げられます。
- 即日融資が可能
- 担保や保証人が不要
- 在籍確認の電話を避けられる
- 無利息期間のある消費者金融が多い
メリット①即日融資が可能
消費者金融は、銀行と比べててスピーディーに借りられる点が特徴です。
早ければ15分程度で審査が完了し、当日中に借りられます。
「今すぐ現金が欲しい」「今日中にお金がないと困る」といった状況なら、借入先としてこれ以上なく頼りになる存在です。
メリット②担保や保証人が不要
消費者金融では、原則として担保や保証人なしで借りられます。
住宅ローンをはじめ、一般的な借入では担保か保証人を設定する必要があります。消費者金融の借入ではこれらを用意する必要がないため、迅速な借入が可能です。
メリット③在籍確認の電話を避けられる
多くの消費者金融では、在籍確認における職場への電話連絡を原則行わないようにしています。
電話する場合も、借入審査であることは第三者に伝わらないよう配慮されますが、「絶対にバレたくない」と考えるなら電話はないに越したことはありません。
銀行の場合、在籍確認の電話を原則なしにしているケースは少ないため、消費者金融特有のメリットといえます。
ただし、「原則電話なし」としている消費者金融でも、審査状況によっては電話をかける場合があるため注意しましょう。
メリット④無利息期間のある消費者金融が多い
ローンを利用するにあたって利息は必ず発生しますが、消費者金融の多くは一定の無利息期間を設けています。
一般的なのは、初回借入に限り契約の翌日から30日間無利息になるケースです。他にも、60日間や180日間まで無利息になる消費者金融もあります。
無利息期間中に完済できれば、利息は一切支払わずに済むため、返済負担を大幅に軽減できます。
消費者金融のデメリット
消費者金融のデメリットとしては、下記の2点が挙げられます。
- 金利が高めに設定されている
- 総量規制による借入上限がある
デメリット①金利が高めに設定されている
消費者金融の金利はおおむね年3.0%~18.0%が相場です。これは、他のローンと比べると高めの設定といえます。
たとえば、銀行カードローンなら年1.5%~14.5%程度が相場ですし、住宅ローンやカーローンなど用途が決まっているローンなら年1%前後も珍しくありません。
金利が高ければ、支払う利息も多くなり、返済負担は重くなります。消費者金融を借りるときは、余裕をもった返済プランを立てることが重要です。
デメリット②総量規制による借入上限がある
消費者金融は、貸金業法で定められた貸付の上限があり、これを「総量規制」といいます(貸金業法第13条の2)。
総量規制では、個人への貸付を年収の1/3までとしており、それ以上の貸付は原則禁止しています。
また、1社だけでなくすべての借入を合算して判断するため、複数社に分散して借りてもトータルで年収の1/3までです。
あくまで消費者金融に対する規制ですが、貸付上限と借入上限は実質的に同じ意味なので、利用者にとってもデメリットといえます。
ただし、総量規制は借り過ぎを防ぐ役割もあり、利用者を守るためのセーフティーともいえます。借入額が多ければ、その分返済負担も増えるため、無理のない範囲で借り入れるようにしましょう。
消費者金融を安全に利用するための注意点
資金調達方法として便利な消費者金融ですが、安全に利用するためにはいくつかの注意点があります。
返済トラブルにならないよう、ポイントをしっかり押さえておきましょう。
貸金業登録を確認する
正規の消費者金融は、都道府県か財務局※から貸金業登録を受けています。
正規登録している業者であれば、金融庁の登録貸金業者情報検索で検索可能です。
貸金業登録があれば、ヤミ金(違法業者)ではないことがわかるため、安全と判断できます。
借り過ぎに注意する
消費者金融は手軽に借入ができる反面、借り過ぎになる可能性があります。
返済が困難になるまで借りてしまうと、家計が圧迫され、日々の生活にも支障が出てしまいます。
特に、複数社から多額の借入をしている状態は「多重債務」とされ、いつ生活が破綻してもおかしくない状況です。
借入は最小限に抑え、計画的に利用するようにしましょう。
延滞しないよう注意する
返済期日に支払わず延滞してしまうと、様々なデメリットが生じます。
- 遅延損害金の発生(利率はおおむね年20%)
- ブラックリスト化(信用情報に延滞情報の登録)
- 郵便や電話での催促
- 裁判所を介した督促、訴訟
- 財産や給与の差し押さえ
特に影響が大きいのはブラックリスト化で、あらゆる金融機関のローンやクレジットカードを使えなくなる可能性があります。
返済が間に合わない場合は、早めに消費者金融へ問い合わせ、期日の延長などができないか相談してみましょう。また、どうやっても返済できない場合は、債務整理という選択肢もあります。
安心して借りたいならここ!主な消費者金融一覧
ここでは、主な消費者金融を一覧にして紹介します。
いずれも正規業者であり、金融機関として信頼性の高い企業なので、ぜひ借入先を選ぶときの参考にしてください。
- アコム(アコム株式会社)
- アイフル(アイフル株式会社)
- プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)
- SMBCモビット(三井住友カード株式会社)
- レイク(新生フィナンシャル株式会社)
- いつも(株式会社K・ライズホールディングス)
- フタバ(フタバ株式会社)
- アロー(株式会社アロー)
- セントラル(株式会社セントラル)
- フクホー(フクホー株式会社)
上記以外にも様々な消費者金融があるため、安全性を確認しつつ自分に合ったサービスを選びましょう。
利用するなら知っておきたい!消費者金融の用語集
消費者金融に関連する言葉は難しいものも多いですが、「何となく」で利用するのは危険です。
特に重要な関連用語を解説するので、利用前にしっかり押さえておきましょう。
金利とは?
金利とは、借り入れた金額に対してどのくらいの利息がつくのかを表す割合です。利息は、お金を借りたことに対して支払う対価を指します。
消費者金融では、基本的に1か月間のサイクルで利息を計算します。たとえば、金利が年18%、借入額が50万円の場合、1か月後の利息は下記の通りです。
50万円 × 18% × 30日 ÷ 365日 = 7,397円
※端数の処理方法などにより、実際の返済と異なる場合があります。
消費者金融の金利は3.0%~18.0%が相場で、借入額などによって異なります。返済負担を軽くするためには、なるべく金利の低いところで借りることが大切です。
約定返済とは?
約定返済とは、月々の返済を指す言葉です。契約で定められた返済なので「約定返済」といいます。
約定返済の金額は、消費者金融が定めた最低返済額が基準です。たとえば、約定返済額が10,000円であれば、そこから利息を差し引き、残りを借入元金の返済に充てます。
最低返済額は消費者金融によって異なり、最初に決まった金額から変わらない場合もあれば、借入の残高に応じて変動する場合もあります。
なお、約定返済とは別に追加で支払うことを任意返済、あるいは繰上返済といいます。
一括請求とは?
一括請求とは、借入の残高をすべて一度に返済するよう求めることです。
不払いの利息や遅延損害金があれば、それらもまとめて請求されます。
「期限の利益の喪失」と書かれた通知が来たら一括請求の合図なので、それまでに支払いができるよう対処しましょう。
督促とは?
督促とは、返済期日に遅れたとき、その支払いを催促することです。
通常、消費者金融が電話や郵便などで直接催促を行いますが、長期間滞納したままだと裁判所を介した支払督促に移行する場合があります。
支払督促は訴訟になる一歩前なので、通知が来たときは速やかな対応が大切です。
まとめ
かつては「危険」「借りたら終わり」というイメージがあった消費者金融ですが、現在は規制が強化されており、適切に利用すれば安全に借入可能です。
返済不能にならないためには、借入は必要最小限に抑え、計画的に利用することが大切です。
いくらなら無理なく返済できるのか見極め、適切な範囲で賢く活用しましょう。