
カードローンの遅延損害金は最大年20.0%!放置するリスクや減額方法について
カードローンの返済が遅れてしまった場合、遅延損害金(延滞利息)が発生します。これは、延滞に対するペナルティとして課されるもので、通常の利息よりも高い利率が適用されます。
具体的な利率や計算方法、何日目の延滞で発生するのかなど、遅延損害金について不安や疑問を抱えるカードローンユーザーは多いでしょう。
本記事では、カードローンの遅延損害金について基本的な仕組みを解説し、あわせて遅延損害金が生じるリスクや減額、回避方法もお伝えします。
カードローンの返済が滞っている方や、これから借入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
カードローンの遅延損害金(延滞利息)は延滞に対するペナルティ
カードローンの遅延損害金は、支払いが遅れたことに対して課されるペナルティです。「延滞利息」と言われることもあります。
法的な定義では、民法に規定があり、債務の不履行に対する損害賠償金という扱いになります。
民法第419条 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
利率などの詳細なルールは、法律で認められた範囲でカードローン会社が設定し、利用規約に定められます。
何日遅れたら発生する?
遅延損害金の発生は、多くのカードローンで「返済期日の翌日」からとなっており、原則として1日でも延滞したら課されます。
ただし、金融機関によっては数日間の猶予を設けている場合もあります。また、事前に相談することで、返済期日を延ばしてもらえる場合もあるでしょう。
1日単位で加算されるため、延滞が長引くほど遅延損害金は高くなります。また、信用情報への影響や法的措置が取られる可能性もあるため、できるだけ早く対応することが重要です。
支払い方法は?
遅延損害金の支払い方法は、カードローン会社によって異なります。
- 銀行振込(指定口座に振込)
- ATMで入金
- コンビニ払い(バーコードを利用)
一般的には、延滞している返済額と合わせて支払います。
具体的な方法については、早めにカードローン会社へ問い合わせましょう。
遅延損害金の利率は最大で年20.0%
カードローンの利率は、最大で年20.0%と定められています。クレジットカードのショッピング枠とは異なるので注意しましょう。
借入の種類 | 上限利率(年利) | 根拠となる法律 | |
---|---|---|---|
カードローン | 20.0% | 利息制限法(第7条) | |
クレジットカードのキャッシング枠 | 20.0% | 利息制限法(第7条) | |
クレジットカードのショッピング枠 | 一括払い、リボ払い | 14.6% | 消費者契約法(第9条) |
分割払い、ボーナス一括払い | 3.0%※ | 割賦販売法(第6条)、民法(第404条) |
※2025年現在の法定利率で、3年に1度改正。また、「滞納分×年14.6%とどちらか低い方」というケースもある。
年20%を上限として、それぞれのカードローン会社が独自に定めるため、実際の利率はカードローンによって異なります。
カードローンの遅延損害金一覧
下記は、主なカードローンの遅延損害金をまとめたものです。
カードローン | 遅延損害金の利率(年率) |
---|---|
アコム | 20.0% |
プロミス | 20.0% |
SMBCモビット | 20.0% |
アイフル | 20.0% |
レイクALSA | 20.0% |
みずほ銀行カードローン | 19.9% |
三井住友銀行カードローン | 19.94% |
PayPay銀行カードローン | 20.0% |
いずれも上限の20.0%か、それに近い利率を設定します。
通常利息の金利相場が年1.5%~18.0%であることを考えると、遅延損害金の利率は高めに設定されています。
遅延損害金の計算方法
遅延損害金は、以下の計算式で求められます。
遅延損害金 = 借入残高 × 遅延損害金利率 ÷ 365日※ × 遅延日数
※うるう年の場合は366日
なお、遅延損害金と通常利息は同時に発生しません。延滞が始まると、通常利息から遅延損害金の利率に切り替わる形になります。
計算シミュレーション
ここでは、下記の条件で具体的なシミュレーションをいくつか紹介します。
何日でどのくらいの遅延損害金になるのか、おおまかな金額を掴んでおきましょう。
【前提条件】
- 借入残高:50万円
- 遅延損害金:年率20%
計算例①1日延滞した場合
50万円 × 20% ÷ 365日 × 1日 = 約273円
計算例②1週間延滞した場合
50万円 × 20% ÷ 365日 × 7日 = 約1,917円
計算例③1か月延滞した場合
50万円 × 20% ÷ 365日 × 30日 = 約8,219円
計算例④3か月延滞した場合
50万円 × 20% ÷ 365日 × 90日 = 約24,657円
このように、延滞が長引くほど遅延損害金は高額になります。
カードローンの遅延損害金を放置するリスク
支払えないからといって遅延損害金を放置していると、様々なリスクが生じます。
状況を悪化させないためにも、速やかな対処が重要です。
ここでは、遅延損害金の放置によって起きるリスクを詳しく解説します。
信用情報に傷がつく
カードローンの返済が遅延すると、その情報は信用情報機関に記録されます。
特に「61日以上」の延滞をすると、ブラックリスト入りとなり、新規のローン審査やクレジットカード発行ができなくなります。
利用停止になる
延滞が続くと、カードローンの利用停止措置が取られます。滞納額と遅延損害金を支払うまで、追加の借入ができません。
さらに、利用停止後も支払わない状態が続くと、カードローンの契約自体が強制解約となります。社内ブラックとしてカードローン会社にも情報が残るため、新たに申し込んでも審査に通るのは難しくなるでしょう。
法的措置が行われる
長期延滞(3か月以上)が続くと、カードローン会社は法的措置に移行し、裁判所を通じた支払督促や訴訟を実施します。
最悪の場合、財産や給与の差し押さえになるため、生活に大きな支障が生じるでしょう。
法的措置の対応については、弁護士や司法書士など法律の専門家に相談することをおすすめします。
カードローンの遅延損害金を減額または回避する方法
ここまで解説したように、カードローンの遅延損害金を放置すると多くのリスクが生じます。
では、実際に遅延損害金が発生した場合、どのように対処すればよいのでしょうか?
ここからは、遅延損害金を減らす、もしくは回避するための具体的な方法を紹介します。
1日でも早く返済する
先述の通り、延滞日数が長引くほど遅延損害金は増加します。そのため、1日でも早く返済し、延滞を解消することが大切です。
1週間程度なら、遅延損害金も数百円~数千円程度なので、それほど大きな金額にはなりません。また、数日程度なら遅延損害金なしで支払期日の延期を認めてもらえる場合もあります。
最低限の生活費以外は支出を抑え、カードローンの返済を優先的に行いましょう。
借り換えローンを使う
借り換えローンを利用することで、高額な遅延損害金を回避できる可能性があります。
現在の借入を別の低金利のローンで一括返済し、新しいローンの返済条件で支払いを続けることになるので、遅延損害金ではなく通常利息が適用されます。
ただし、借り換えローンも審査に通る必要があり、信用情報に問題があると利用できない場合があります。延滞が長引いていると審査で不利になる可能性もあるため、早めに申し込みましょう。
債務整理をする
どうしても返済が難しい場合、債務整理で借金を減額もしくは免除する方法もあります。
債務整理には3つの種類があり、手続き内容や効果はそれぞれ異なります。
任意整理 | 債権者と交渉し、利息や遅延損害金のカット、分割払いを認めてもらう方法 |
---|---|
個人再生 | 裁判所を通じ、債務を1/5~1/10まで減らして分割払いにする方法 |
自己破産 | 裁判所を通じ、債務を全額免除にする方法 |
ただし、債務整理はブラックリスト入りや財産の処分といったデメリットがあります。また、手続きには法的な専門知識も必要です。
まずは弁護士などに相談し、適切な解決方法を相談してみましょう。
まとめ
カードローンの遅延損害金は、返済期日を過ぎると発生するペナルティであり、利率は年20%が一般的です。
数日程度ならそれほど高額にはなりませんが、長期間放置し続けると大きな負担になります。また、延滞の放置は信用情報の傷や法的措置にもつながります。
なるべく早く支払うことを優先したうえで、どうしても返済が難しい場合は借り換えローンや債務整理も検討しましょう。
万が一延滞してしまっても、適切な対処を取ることでリスクを最小限に抑えられるので、迅速な対応を心がけましょう。