ETCカードは高速道路、有料道路の料金所をノンストップで通過でき現金のやり取りをする煩わしさがないため、車での移動が多い人にとって大変便利なカードです。
ETCカードを利用すれば高速道路の運転がスムーズになるだけでなく、料金の割引やマイレージポイントの付与など、様々な特典を得られます。
この記事ではETCカードの3つの作り方とその流れ、またETCカードの選び方についてくわしく解説しますので、ETCカードの利用を検討されている方はぜひ参考になさってください。
ETCカードとは
ETCカードとは、ETCシステムを利用して高速道路(有料道路)を通行する際の料金決済(清算)を行うICカードのことです。
ETCカードには次の3種類があります。
- 楽天やイオン、Visa、JCBなどクレジットカード会社が発行するETCカード
- 東/中/西日本高速道路株式会社発行の法人向けコーポレートカード
- クレジットカード機能を持たないETCパーソナルカード
それぞれのカードについてくわしく解説します。
①楽天やイオン、Visa、JCBなどのクレジットカード会社が発行するETCカード(無料の場合が多い)
楽天やイオン、Visa、JCBなどのクレジットカード会社が発行するETCカードは、クレジットカードにETCを追加する形で発行されるもので、車載機に挿入することでETCシステムの利用が可能になります。
カード料金はクレジットカード会社で異なりますが、無料の場合が多いです。
有料道路の料金の支払いについてはクレジットカードの利用金額として扱われるため、他のショッピングなどと同様の後払いです。
②東/中/西日本高速道路株式会社が発行するETCコーポレートカード(法人向け)
東/中/西日本高速道路株式会社が発行するETCコーポレートカードは高速道路(有料道路)を頻繁に通行する法人を対象としたカードで、使用する車番(法人名義の社有車)を限定して発行されます。
カード料金は組合費として1社につき1万円(退会時に返金されます)と、カードの年間使用料として1台につき629円必要です。
車番ごとの高速道路(有料道路)の利用回数に応じて割引率が変動し、利用料金は1カ月ごとに後払いするシステムです。
高速道路を頻繁に利用する法人の方はこのコーポレートカードの利用をぜひ検討しましょう。
③クレジットカード機能を持たないETCパーソナルカード
ETCパーソナルカードはクレジットカード機能が付帯されておらず、高速道路(有料道路)の通行料金の支払いにのみ使用できるカードです。
申し込みはETCパーソナルカード事務局に申込書を郵送する形で行います。
その際、高速道路(有料道路)の平均利用月額の4倍の金額をデポジット(保証金)として支払うことでカードが発行され、通行料金は毎月月末締めの翌月払いです。なおデポジットは退会時に全額返金されます。
ETCカードの作り方は3パターン
ETCカードの作り方は主に次の3パターンがあります。それぞれについてくわしく確認してみましょう。
- ETCカードを付帯できるクレジットカードを新規で申し込む
- 使用中のクレジットカードでETCカードを追加発行する
- クレジットカード機能なしのETC専用カードを申し込む
発行から利用までの手順(カードの作り方の流れ)
ETCカードの作り方の流れを作り方の種類ごとにもう少しくわしく確認していきましょう。
1.ETCカードを付帯できるクレジットカードを新規で申し込む
ETCカードの作り方のひとつにETCカードを付帯できるVisaやJCBなどのクレジットカードを新規で申し込む方法があります。
新規申し込みでのETCカードの作り方は、クレジットカードの申し込みの際にETCカードを「追加カード」を選択するだけでOKです。
作り方の注意点としては、クレジットカードを申し込む前にETCカードの追加発行が可能かどうか、またETCカードの年会費についても確認しておきましょう。
作り方
- どのクレジットカードにするか決める
- 必要書類を揃えて申し込みをする(追加カードでETCカードを選択する)
- 審査が通ればクレジットカードとETCカードが郵送で送られてくる(別送の場合もあります)
この作り方がおすすめな人
- クレジットカードを持っていない人
- 今お持ちのクレジットカードではETCカードの発行ができない人
2.使用中のクレジットカードでETCカードを追加発行する
現在すでに使用しているクレジットカードがETCカードの追加発行に対応している場合、追加発行を依頼するのが2番目の作り方です。
作り方
- 現在使用しているクレジットカード会社の公式サイトから「ETCカードの追加発行」を申し込むだけでETCカードが作れます。
※電話での申し込みも可能です。 - 使用しているクレジットカードが複数ある場合、最も使用頻度が高いクレジットカードにETCカードを追加しましょう。ただしETCカードの年会費や発行手数料がかかる場合はメインカードを変更するか新たにクレジットカードを作るのもひとつの方法です。
この作り方がおすすめの人
できるだけカードを増やしたくない人
3.クレジットカード機能なしのETC専用カード(ETCパーソナルカード)を申し込む
クレジットカード機能の無いETC専用カードを作る方法もあります。
ETC専用カードはETCパーソナルカードと呼ばれるもので、東/中/西日本高速道路株式会社、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社の6社が共同して発行しているものです。
高速道路(有料道路)の 通行料金のお支払いにのみ使用できます。
作り方
- ETCパーソナルカードの公式サイトで「パソカ(ETCパーソナルカード)の新規申し込み」で申込書を作成し、必要書類を揃えてETCパーソナルカード事務局に郵送する。
- デポジット払い込み用紙が届いたらデポジットを振り込む
- デポジットの入金確認後に順次ETCパーソナルカードが郵送で送られる
この作り方の注意点
ETCパーソナルカードは「デポジット」と「年会費」が必要です。
年会費は一律1,257円で、デポジット(保証金)は高速道路(有料道路)の平均利用月額の4倍にあたる金額を支払わなければいけません。
例えば毎月5,000円位高速道路(有料道路)を利用している方は20,000円のデポジットが必要です。
このデポジットはプリペイドのような前金ではなくあくまでも保証金ですから高速道路の料金の支払いに利用することはできませんので注意しましょう。
この作り方がおすすめの人
クレジットカードを作りたくない人
ETCカードを作るメリット
ETCカードを作るとどんなメリットがあるのでしょうか。
日本は高速道路の料金が世界一高いとも言われていますから、ETCカードを作ることで少しでもお得になればうれしいですよね。
ここではETCカードを作るとどんなメリットがあるのかくわしく解説します。
- 一定の時間帯の利用で料金の割引が受けられる
- ETCマイレージサービスへの事前登録でポイントが貯まる
- クレジットカードのポイントも貯まる
- スマートIC(ETC専用出入口)が利用できる
- 事前登録でキャッシュレス決済「ETCX」が利用できる
一定の時間帯の利用で料金の割引が受けられる
ETCカードを利用すれば、平日の朝夕(A.M.6:00~9:00)(P.M.5:00~8:00)に最大50%、深夜(A.M.0:00~4:00)と土日祝日の24時間に最大30%の料金の割引が受けられます。
ただ早朝の割引は次に紹介するマイレージサービスに登録されている方のみ適用となりますのでご注意ください。
ETCマイレージサービスへの事前登録でポイントが貯まる
ETCマイレージサービスは、事前にETCカードを登録しておけばETCカードで支払った通行料金の金額に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントは通行料金の支払いに利用できます。
登録した当日からポイントが付与されるので、ETCカードを受け取ったらまずマイレージサービスに登録しましょう。
登録は無料で年会費などもかからないのもうれしいポイントです。
※ETCカードを作れば自動的にETCマイレージサービスに登録されるわけではないので、注意しましょう。
クレジットカードのポイントも貯まる
ETCカードを利用した通行料金はVisaやJCBなどクレジットカードの利用代金として扱われるため、JCBのカードならJCBのポイントも貯まります。
マイレージサービスに登録しておくとマイレージポイントに加えてクレジットカードでポイントが2倍貯められるので、大変お得です。
スマートIC(ETC専用出入口)が利用できる
ETCカードを利用するとスマートICが利用できます。スマートIC(SIC)は高速道路の既存施設と一般道を結ぶETC専用出入口のことです。
スマートICは全国的に増え始めており、サービスエリア(SA)やパーキングエリア、高速バス乗り場などに併設されることも多いため、ETCカードを持っていると交通アクセスの向上に期待できます。
事前登録でキャッシュレス決済「ETCX」が利用できる
ETCカードを利用する場合、キャッシュレス決済「ETCX」に事前登録しておけば、車内にいながら高速道路などの有料道路はもちろん、商業施設などの駐車場やコインパーキング、ドライブスルー、ガソリンスタンドなどのキャッシュレス決済が可能です。
現在サービス拡大中ですので今後もっと便利に利用できると予想されます。
カードの選び方
ETCカードの便利さをお伝えしたところで、ETCカードの選び方についてご紹介します。
年会費と発行手数料が無料か
ETCカードの作り方として、年会費と発行手数料が無料かどうかは気になるポイントです。
ETCカードが発行可能なクレジットカード会社は楽天やイオン、Visa、JCBにアメックスとたくさんありますが、年会費が無料のところも多いですが、会社によっては「年に一回以上の利用」条件としているところもあります。
ちなみにPaypayカードや楽天カードの場合は年会費が550円かかりますが、会員ランクによっては年会費がかからないという特長があります。
とくにそれほど高速道路や有料道路を利用しない人は無条件で年会費が無料になるイオンやJCBが発行するETCカードがおすすめです。
ちなみにETCカードの発行手数料は、三菱UFJカードのVIASOカードやau PAYカードの場合で1,100円となっています。
発行までの時間
旅行の計画が間近にありすぐにETCカードが欲しい場合には、発行までに時間がかからないクレジットカードを選ぶのもひとつの方法です。
新しく作るクレジットカードと同時に申し込む場合、一般的にETCカードが手元に届くまでに数日から数週間かかるとされています。
即日発行可能と記載されいているクレジットカードでも、ETCカードの発行には2週間前後時間がかかることが多いので申し込み時に確認しましょう。
セゾンパール・アメリカン・エクスプレスカードの場合、カードを店舗受取にすれば申し込み当日にETCカードを受け取ることが可能です。
ポイントが貯まりやすいかどうか
ETCカードを選ぶ際、ポイントが貯まりやすいかどうかも重要です。還元率を比較してみると0.5%~1.2%までカード会社によって違いがあります。
オリコカードは還元率が通常1%ですが入会後の半年間は2%になりますし、楽天カードも入会で最大5,000円プレゼントキャンペーンを行っています。(2024年2月現在)
ETCカードのお得な作り方として、ご自分がよく利用する施設やジャンルのポイント還元率が高いクレジットカードを選ぶのもおすすめの方法です。
自分のライフスタイルに合うかどうか
ETCカードのおすすめの作り方として、自分のライフスタイルに合うかどうかも大切なポイントになります。
例えば丸井で買い物をすることが多いならエポスカードにETCカードを付帯するのもひとつの方法です。
また学生の方ならライフカードでは海外旅行でのショッピングが3%キャッシュバックされるカードもあります。(学生限定)
このようにご自分のライフスタイルに合わせ、お得に使えるETCカードを作るのも良いでしょう。
記事まとめ
ETCカードは20年以上前に導入がスタートしましたが、時代の流れとともにより使いやすく便利に進化を続けています。
車で出かけることが多い人から年に一度位は高速道路を利用するという方まで、それぞれの状況に応じてETCカードを活用されてはどうでしょうか。
今回ETCカードの選び方も紹介しましたが、年会費が永年無料のもの、還元率の高いものなどクレジットカード会社により特長もさまざまです。
ぜひご自分のライフスタイルに合うETCカードを探してみましょう。