クレジットカードを作成する際に悩むのが、VISAやJCBといった国際ブランドではないでしょうか。
この記事ではクレジットカードの国際ブランドについて、それぞれの違いや特徴、おすすめの選び方までを解説します。
クレジットカードの国際ブランドシェア率などもお伝えするので、初めてのカード作りで悩んでいる人は参考にしてみてください。
クレジットカードの国際ブランドとは「決済システムを持つ会社」のこと
クレジットカードの国際ブランドとは、世界中の国や地域で利用するための、決済システムを持つ会社のことです。
クレジットカードが世界中で使えるのは国際ブランドの決済システムを利用しているためであり、どのクレジットカードも必ずいずれかの国際ブランドに属しています。
国際ブランドは世界中に加盟店があり、VISAのクレジットカードならVISA対応の店舗で使用可能です。
なお、クレジットカードは「国際ブランドが発行しているカード」と「それ以外の発行元(銀行や信販会社など)のカード」の2種類にも分けられます。
銀行や信販会社などが発行元の場合、複数の国際ブランドと提携し、発行時にユーザーが選択できるクレジットカードもあります。
国際ブランドは大きく2つのタイプに分けられる
国際ブランドは、決済カードブランドとT&Eカードブランドに分けることができます。
国際ブランドのタイプ | 特徴 | 代表的な国際ブランド |
---|---|---|
決済カードブランド | 決済機能の利便性に長けている | JCB・VISA・Mastercard |
T&Eカードブランド | 旅行先やエンターテインメント関連のサポートが充実している | American Express・Diners Club |
決済カードブランドは決済機能の利便性が高く、導入コストの低さからほとんどの加盟店が対応しています。
T&Eはトラベル&エンターテインメントの略で、優待サービスやサポートが充実しているのが特徴です。
国内のクレジットカードのシェア率
市場調査コンサルティング会社イプソスが行った調査によると、2020年の国内の国際ブランドシェア率は以下の通りです。
クレジットカードの国際ブランド | シェア率 |
---|---|
VISA | 50.80% |
JCB | 28.00% |
Mastercard | 17.80% |
American Express | 3.10% |
Diners | 0.3% |
銀聯 | 0.10% |
国内におけるVISAのシェア率は50.8%にも及ぶことから、利便性の高さが伺えるでしょう。
VISA・JCB・Mastercard・American Express・Dinersは、総称して5大国際ブランドと呼ばれます。
5大国際ブランドに銀聯とDinersを加えて、7大国際ブランドと呼ばれることもあります。
以下の表に、国内で有名な国際ブランドとクレジットカードの組み合わせ事例をまとめました。
JCB | JCB CARD W、PayPayカード |
---|---|
VISA | 三井住友カード(NL)、楽天カード |
Mastercard | Amazon Prime Mastercard、コストコグローバルカード |
American Express | American Express グリーン・カード |
Diners Club | ダイナースクラブカード |
銀聯カード | 三井住友銀聯カード |
Discovery Card | ディスカバーカード |
国際ブランドとクレジットカードの組み合わせによって、受けられる特典やサービスは変わってきます。
クレジットカードの主な国際ブランド一覧
クレジットカードの主な国際ブランドは、以下の7大国際ブランドになります。
- JCB
- VISA
- Mastercard
- American Express
- Diners Club
- 銀聯カード
- Discovery Card
ここから、それぞれの国際ブランドについて詳しく解説します。
JCB(ジェーシービー)
JCBは、日本生まれの唯一の国際ブランドです。
世界における加盟店数はあまり多くはなく、ヨーロッパや北南米などでは使えない地域もあります。
しかしながら日本人観光客が多い韓国や台湾、ハワイなどは利用できる店舗が多いです。
特にハワイではJCBカードを見せるだけで、ワイキキ・トロリー(ピンクライン)の乗車料が無料になります。
ハワイ旅行をする機会が多い人にとっては、非常に魅力的な特典といえるでしょう。
また、海外旅行をした際に万が一トラブルに遭遇しても、日本語でサポートを受けられるので安心感があります。
VISA(ビザ)
VISAはアメリカ発祥の国際ブランドで、世界シェア・日本シェアともにNo.1を誇ります。
加盟店数も1億3,000万店と多く、利便性が高いのが特徴です。
そのため初めてクレジットカードを持つ人や、2枚目の検討をしている人におすすめの国際ブランドといえます。
キャッシング機能つきのクレジットカードならば、国内外でVISAまたはPlusマークのついたATMで借入が可能です。
海外で急にお金が必要になったときにも、安心して利用することができます。
Mastercard(マスターカード)
Mastercardは、VISAに次ぐシェア率を誇る国際ブランドです。
グローバルATMネットワーク「シーラス」を提供しており、国内外のATMでキャッシングが利用できます。
ヨーロッパ圏で使える店が多いことや、コストコで利用できる唯一の国際ブランドであることが大きな特徴です。
また、プライスレス・シティというMastercard会員限定の特典を利用できるというメリットもあります。
American Express(アメリカンエキスプレス)
American Expressはアメリカ発の国際ブランドで、自社でクレジットカードを発行しています。
加盟店は他の国際ブランドより少なめですが、体験やエンターテインメントを重視したい人におすすめです。
アメックスグリーンカードは空港ラウンジを無料で利用できたり、対象レストランのコース料理が一人分無料になったりと、嬉しい特典があります。
100円で1ポイント貯まるポイントは、商品やマイルなどに交換して楽しむことも可能です。
Diners Club(ダイナースクラブ)
Diners Clubは、世界で初めて登場したクレジットカードです。
American Expressと並び、ハイステータスな国際ブランドとして知られています。
国内でのシェア率は低いですが、グルメやトラベル、エンターテインメントの優待サービスが充実しているのが魅力です。
例えばゴルフレッスンやスパ利用料がお得になるサービスを提供したり、人気レストランの空席情報を提供してくれたりします。
銀聯(ぎんれん)カード
銀連(ぎんれん)もしくはUnionPayカードは、中国中央銀行を主導に作られた国際ブランドです。日本国内で発行しているクレジットカード会社もあります。
2020年8月時点でクレジットカードの累計発行枚数は80億枚を突破しており、Mastercardを抜いて世界2位のシェアを誇ります。
国内でも訪日中国人の増加に合わせて、百貨店や空港の免税店などを中心に加盟店が増加中です。
例えば松屋銀座で10%オフになったり、マツモトキヨシで最大7%オフになったりするキャンペーンなどが、定期的に開催されています。
Discover Card(ディスカバーカード)
Discover Cardは2015年に国際ブランド入りした注目株で、北米を中心に加盟店が増えています。
JCBや銀聯と相互提携しており、それぞれの加盟店で利用できるようにすることでネットワークを広げています。
ただし、日本国内ではまだ発行ができません。発行するためには、アメリカや東南アジアなどに一定期間住み続けた後に、専用口座を開設してから申し込む必要があります。
【目的別】おすすめ国際ブランドの選び方
国際ブランドは、目的別に選ぶのがおすすめです。
特典や割引サービスといった特徴を比較・把握することで、お得に使うことができます。
国際ブランドの特徴と選び方を、早速見ていきましょう。
国内利用が多い:JCB
日本発の国際ブランドであるJCBは、国内利用が多い人におすすめです。
セブンイレブンやスターバックスなどの優待店で利用することで、Oki Dokiポイントを貯めることができます。
貯めたポイントは支払いやデジタルギフトとの交換、寄付などに利用可能です。
また、自身の都合に合わせて、支払いを最長6ヶ月先まで調整できるスキップ払いは、JCB独自のサービスになります。
JCBでは万が一カードを紛失・盗難があった場合に、24時間いつでも電話かWebから利用停止が可能です。
紛失・盗難の連絡日から60日前以降の損害額を全て補償してくれるので、安心して利用できるでしょう。
海外利用が多い:VISA・Mastercard
海外へ旅行・出張をする人には、VISA・Mastercardがおすすめです。
VISAは世界シェア1位で特にアメリカに強く、Mastercardは世界シェア3位でヨーロッパでの使いやすさに定評があります。
どちらも世界中で利用できるATMが何百万台も存在するため、急にお金を用意したいときにも安心です。
ステータスを重視したい:American Express・Diners Club
ステータス性を重視したい人は、American ExpressやDiners Clubがおすすめです。
これらのクレジットカードは高額な年会費がかかりますが、その分ステータス性が高く、クレジットカードのステータスは利用者の社会的地位や信用性を示します。
海外では日本よりクレジットカードのステータスが重要で、ハイランクのカードを持っていればホテルやレストランなどでも一目置かれます。
サポートデスクや各種特典も充実しているため、サービスの満足度という観点でもAmerican ExpressやDiners Clubはおすすめです。
迷ったときは発行会社との組み合わせで選ぶのもおすすめ
クレジットカードは国際ブランドだけではなく、発行会社の特典やサービスで選ぶのもおすすめです。
例えば国内で人気の高い、楽天カードの特徴を見てみましょう。
楽天カードはVISA・Mastercard・JCB・AMEXの国際ブランドの中から、自由に選択できます。
楽天カードの魅力は、なんといってもポイント還元率の高さです。
楽天グループサービスの利用に応じて、楽天市場でのお買い物がポイント最大17倍になるなど、お得なサービスが充実しています(※2024年6月現在)
クレジットカード発行会社のサービス内容やステータスなどを加味すると、より自分に合ったカードを選べるようになるのです。
なお、クレジットカードをどうしても1枚に絞れない人は、2枚持つことをおすすめします。
特徴の異なるクレジットカードを同時に持つことで、状況に合わせて最適なサービスを受けられます。
記事まとめ
クレジットカードの国際ブランドにはポイントやお得なサービス、サポートなどのメリットに違いがあります。
人によっておすすめの国際ブランドは異なるので、職業や生活サイクルなどに合わせて選びましょう。
また、クレジットカードは複数持つことも可能なので、国際ブランドごとに発行することもおすすめです。
自分がクレジットカードに何を求めるのか考えて、うまく使い分けることが大切です。