投資信託における節税効果についてご紹介!始める上での注意点等も併せて解説
岸田政権下にて資産運用立国を目指すという方針が発表され、今まで以上にニュースやネット記事等で資産運用について耳にする機会は増えています。
中でも2024年よりスタートした新NISAでは、非課税保有期間が無期限化されるなど税金対策としても注目が集まるようになりました。
噂では聞くものの、投資信託が本当に節税につながるのか疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、投資信託は節税対策として有効なのか、投資信託を始める上での注意点について解説します。
NISAを活用した投資信託が節税対策に有効!
結論から言うと、NISAを活用した投資信託は節税対策として有効な手段です。
また、数ある資産運用方法と比較してもNISAを活用した投資信託は節税対策として非常に効果的だと言えるので以下にその理由を解説します。
なぜ節税に投資信託がおすすめなのか
運用益に税金がかからない
旧NISAを活用した投資信託においても、運用して得た利益は非課税対象とされてきました(積み立てNISAは5年、一般NISAは10年)。
しかし、新NISAとなった2024年1月以降は上述の非課税期間に上限がなくなり運用益に対しては恒久的に非課税となりました。
ETFやREIT、通常の株式投資では運用益に約20%の課税がされるため、NISAを活用した投資信託は節税対策として大きなメリットであると言えます。
「投資のプロ」が運用
そもそも投資信託とは経済・金融などに関する知識持った証券会社のプロフェッショナルが、投資家に代わって運用する金融商品です。
投資の初心者であるサラリーマンが一から銘柄を選ぶよりも、投資信託を選択する方が損失が出るリスクを抑えられるので損をしてしまう確率は低いと言えるでしょう。
投資信託で節税する方法とその仕組み
投資信託で節税を行うにはどのような点に留意すれば良いのでしょうか?
冒頭でも述べた通り、投資信託を始めるにしても、NISAを活用して投資信託を始めることが節税としてベストな選択肢と言えます。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有期間 | 無期限化 | 無期限化 |
非課税保有限度額 | 1,800万円 | 1,200万円 |
口座開設期間 | 恒久化 | 恒久化 |
投資対象期間 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 上場株式・投資信託等 |
対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
新NISAは年間でつみたて投資枠は120万円、成長投資枠では240万円を上限として投資に回せる上、非課税保有期間は無期限となっています。
NISAでは売却益や配当利益に対して税金はかからないため大きな節税効果があります。
仮に別の資産運用で同じ金額の売却益を生じた際には約20%もの資産を節税することが可能です。
NISAでは非課税となるので確定申告も不要となり、面倒な手続き等も発生しない点が魅力の一つであると言えます。
NISA口座を開設
新NISAの制度を活用して投資信託を行う場合、銀行や証券会社、投信会社等にNISA口座を開設する必要があります。
NISA口座は一人一つまでしか保有することができない上に、金融機関によって購入可能な商品は変わってきますので注意が必要です。
また、特定口座か一般口座の投資信託口座を持っていない場合は、いずれのNISA口座を開設することができません。
NISA口座で投資信託を取引したい場合は、特定口座か一般口座を開設する必要があります。
初心者の方には源泉徴収ありの特定口座がおすすめです。
投資信託による節税の注意点
投資信託においても通常の投資と同様にデメリットも存在します。
考えなしに購入してしまえば節税どころか損失が発生してしまうことも。
そうなってしまわないよう、どのような点に注意すべきかポイントを解説します。
手数料を支払う必要がある
投資信託は金融商品となるので、運用会社に対して支払う手数料が発生します。
発生する手数料は代表的なもので下記が挙げられます。
- 購入時手数料
- 信託報酬
- 信託財産留保額
上記の3つをそれぞれ詳しく紹介していきます。
1. 購入時手数料
入時手数料とはその名の通り、金融商品を購入した際に販売会社に支払う費用となります。
申込価額の数%(2〜3%)が手数料として発生します。
また、ノーロードファンドと言ってファンドや販売会社によってはこの費用を徴収しない場合もあります。
2. 信託報酬
信託報酬とは一言で言うと運用管理費のようなものです。
こちらは投資信託を保有している期間中に費用が発生します。
信託報酬の割合は年率で表記されることが一般的であり、
具体的な例を挙げると、「信託報酬0.1%」の場合、保有額に対して年率の0.1%を運用会社に信託報酬として支払うことになります。
3. 信託財産留保額
信託財産留保額とは、投資信託を途中で売却・換金する際に発生する手数料です。
一般的には、投資信託の保有額に対して0.2〜0.3%の手数料が換金代金から差し引かれる形で徴収されます。
こちらも投資信託によってこの費用は徴収されない場合があります。
こちらは「信託財産留保金」と呼ばれることもあります・
元本割れの可能性がある
投資信託は銀行預金や定期預金とは違い、元本保証がありません。
一方、銀行預金では「預金保険制度」によって1,000万円の元本を上限と併せた利息が保証されています。
投資信託は景気や経済、社会情勢の変動による株式投資リスクや、金利の変動などによる債権投資リスクにより解約や売却のタイミングによっては元本割れを引き起こしてしまう危険性も生じます。
効果を最大化するためのポイント
公募されている投資信託の商品数は2024年3月現在、5,924本にのぼります。
数多くの商品から節税に向いている投資信託を見つけるとなると大変な作業に。
ここでは投資信託を始める上でおすすめの選び方や、効果を最大化するための考え方について解説します。
運用の目的を明確にしてファンドを選ぶ
「長期的に保有し節税対策をしたい」
「ハイリターンな投資で利益を得たい」
「老後の資金として積立感覚で運用したい」
「すぐ必要になるので売却手数料が低いものが良い」
など、資産運用は人それぞれで目的や選び方が変わってきます。
そのため自分の考えに合ったファンド選びを行うことが必要となります。
ファンド選びの際に最も重要となるのが「目論見書」です。
目論見書とは、該当する投資信託について投資判断に必要とされる重要事項について詳しく解説された書類のことです。
目論見書には以下の4つの重要事項について記されています。
1. ファンドの目的・特色
何を目的として、どこの国の、何の銘柄に投資をしているか。ファンドの仕組みについてなどが記載されています。
2. 投資のリスク
価格変動リスク、為替変動リスク、金利変動リスク等、投資を行う上で必ずついてまわるリスクについて商品ごとに記載されています。
3. 運用実績
投資信託の過去の運用実績が詳しく解説されています。
具体的には基準価額や純資産総額の推移、分配金の推移、年間利益率の推移等になります。
4. 手続・手数料等
ファンドの購入単位、購入時の手数料や運用中の信託報酬など、ファンドにかかる諸費用等について記載されています。
記載項目や記載順序はどのファンドにおいても統一されているので内容をわかりやすく比較することが可能です。
ファンド選びに悩んだらFPに相談
投資信託と一口に言っても、数多くの運用会社が存在し、どの商品を購入して良いのか決めきれれないと言う方も多いのではないでしょうか。
そんな時はお金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するのも一つの手です。
ファイナンシャルプランナーとは、相談者の将来のライフプランニングに寄り添った資金計画やアドバイスを行う専門家のことです。
NISAや節税についてはもちろんのこと、保険やiDeCoなどその他の金融資産、所得に応じた家計管理を総合的な観点からアドバイスをもらえます。
仕事で忙しい方や、どうしても判断に迷ってしまう方はファイナンシャルプランナーに相談してみるのも良いかもしれませんね。
記事のまとめ
この記事では投資信託における節税効果について詳しく説明しました。
NISAを活用して自分の目的に沿った商品選びができれば大きな節税効果を見込むことが可能となります。
一方で、火急の要件で売却する場合や、すぐに現金が必要となり短期解約に迫られた場合は損失が生じてしまう場合もあります。
投資信託を始める際はご自身のライフプランを見つめ直し、じっくり考える機会を作ってみるのも良いですね。
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