投資信託
投資信託のスイッチングとは?制度を活用するメリットやデメリットを解説
投資信託のスイッチングとは?制度を活用するメリットやデメリットを解説
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投資信託におけるスイッチングのあれこれを徹底解説!

日本国内において投資信託は、私募投信まで含めると10,000本以上のファンドが証券会社等を通じて販売されています。

選ぶ種類が多ければ多いほど、自身の理想とするファンドに出会える可能性が高くなります。

一方で、運用成績の悪いファンドを選んでしまうケースもあるため、そのような場合は売却もしくは商品の乗り換えを検討することが必要です

投資信託の乗り換えをする方法の一つに「スイッチング」という仕組みがあります。

本記事では、投資信託におけるスイッチングとそのやり方に加えて、制度を活用する際のメリットやデメリットについて解説します。

投資信託のスイッチングとは?

投資信託のスイッチングとは、一言で言うと「同一の口座内で運用しているファンドを乗り換える」ことを指します。

スイッチングのメリット

スイッチングを行うメリットには主に以下の3つが挙げられます。

手数料を節約できる

投資信託の運用においてスイッチングをする最大のメリットは、購入手数料の節約が期待できることです。

通常の流れで投資信託を乗り換える際は、保有商品の売却→新商品の購入手続きを別々にしなければなりません。

この時ファンドによっては購入手数料が発生することがあるため投資元本が目減りしてしまうことがあります。

スイッチングを活用すると、購入手数料がかからないことが多いので余計なコストをかけずにファンドを乗り換えることができ、手数料の節約が可能になります。

ただし、運用商品によって売却時にかかる信託財産留保額等の費用がかかる場合があるので、注意点として覚えておきましょう。

運用の見直しにより利益が最大化される

投資信託でスイッチングを検討するメリットは、定期的に運用の見直しをする機会が得られる点です。

投資信託は金融商品である以上、景気の影響や保有する資産クラスの悪化に起因する基準価額の下落が避けられないこともあります。

保有するファンドにおいて基準価額の回復が見込めない場合は、スイッチングすることで資産を守る他、場合によっては為替ヘッジのリスクを軽減することにもつながるでしょう。

経済状況や市場のトレンドに応じて、成長が見込まれるファンドにシフトすることにより、投資成果を最大化できるでしょう。

乗り換えに時間がかからない

投資信託において約定日と受渡日にはタイムラグが生じます。

約定日とは、取引が確定する日を指し、受渡日は売買の決済がされる日のことを言います。

一般的に受渡日は約定日から3〜5営業日後とされていることが多いので、新しいファンドの購入までに時間を要してしまいます。

スイッチングではファンドの売却と購入を同時に行えるため、タイミングを逃すことなく投資信託の運用ができる点がメリットであると言えます。

スイッチングのデメリット

一方で、投資信託でスイッチングを行うデメリットは以下のようなものが挙げられます。

乗り換え先のファンドが限定される

投資信託のファンドでは証券会社にもよりますが、スイッチング先が限定されていることが多いです。

例えばゆうちょ銀行だと、一つのファンドに異なる複数のコースが用意されている商品のみスイッチングの対象となります。

※具体例:野村世界6資産分散投信(安定コース)→野村世界6資産分散投信(分散コース)

スイッチング先のファンドが限定されると言うことは、購入できるファンドの選択肢が狭まることと同義となるのでデメリットであると言えます。

利益が出ている場合は税金が徴収される

スイッチングを検討しているファンドに運用利益が生じている場合、税金が徴収されます。

課税される税金は運用利益の20.315%を計算した金額です。

スイッチングを頻繁に行うことは、売却手数料のほか利益に税金が課税され非効率的な運用になる可能性が生じるためデメリットであると言えます。

関連するよくある質問

Q.新NISA口座内でスイッチングは可能?

利用している証券会社や銀行によりますが、NISA口座での投資信託はできない金融機関が多いです。

例えば、SBI証券や楽天証券、ゆうちょ銀行ではNISA口座における投資信託のスイッチングができません。

三井住友信託銀行では可能となっています。

NISA口座内でスイッチングを検討している方は、ご利用中の証券会社等のページで一度検索することをおすすめします。

Q.スイッチングは頻繁に行うべき?

投資信託においてスイッチングは最小限にとどめておくべきだと言えます。

利益が生じている場合は、売却時に税金が徴収されるほか、投資信託の特徴と言えるつみたて投資の運用効果が発揮できないデメリットが発生するためです。

Q.スイッチングと配分変更の違いは?

スイッチングとは、投資信託等において現在保有しているファンドを同一の運用会社内で乗り換えることを指します。

一方で配分変更とは、主にiDeCo(確定拠出年金)等で、毎月積み立てている運用ファンドの資金配分を変更することです。

Q.スイッチングを検討するタイミングは?

投資信託のスイッチングを検討するタイミングは、主に以下の2つがあります。

  1. 保有ファンドの運用成績が悪い時
  2. ライフステージの変化によりリスク許容度が変わった時

保有しているファンドの運用成績が悪い場合は、利益の最大化を図るためにもスイッチングの判断を検討する必要があるでしょう。

また、ライフステージが変わった場合も検討のタイミングであると言えます。

例えば結婚や子どもの誕生です。

このようなケースでは一般的にリスク許容度は低く設定されることが多いです。

したがって、保有するファンドがハイリスクの商品である場合、インデックスファンドを中心とした投資信託の運用へ切り替えることも考えるべきだと言えます。

Q.スイッチングにはどのようなリスクがある?

乗り換え先のファンドでも運用損失を被るリスクが生じます。

投資信託でスイッチングをする際は、乗り換えるファンドの投資対象や、運用目標を確認することが重要です。

【証券会社別】スイッチング手続き参考URL

以下に代表的なネット証券および対面式の証券会社、銀行等の金融機関におけるスイッチングの手続きの参考となるURLを記載しています。

証券会社によってはスイッチングができない金融機関もありますので、不明な場合は直接お問い合わせください。

楽天証券

スイッチングの方法 | 楽天証券

マネックス証券

加入後の各種お手続き方法 | お手続き方法 | 個人型確定拠出年金 iDeCo(イデコ) | マネックス証券

SBI証券

スイッチング(預け替え)|SBI証券 加入者サイトご利用方法

野村證券

国内投信 スイッチング注文 | オンラインサービス ヘルプ | 野村證券

ゆうちょ銀行

投資信託のスイッチング:個人のお客さま|ゆうちょ銀行

三井住友銀行

三井住友銀行<投資信託<ファンドのスイッチング

みずほ銀行

みずほインターネット専用投信 | みずほ銀行

投資信託や資産運用のお悩みは「IFA」に相談を

投資信託をはじめとする資産運用に関して、運用成績が芳しくない場合や、スイッチングを検討している方は、「IFA」に相談することがおすすめです。

IFAは、独立系ファイナンシャルアドバイザーの頭文字を取った略称です。

彼らは、幅広い金融商品から最適なものを客観的に選択して顧客に提案する、言わば「投資の専門家」です。

IFAに資産運用を相談するメリットはいくつかありますが、最大の特徴は中立的な立場からの助言が得られる点です。

NISA口座を開設している証券会社や銀行に投資信託の乗り換え相談をしても、自社が販売しているファンドの案内しかできないため機会損失が発生する恐れがあります。

IFAは特定の証券会社等に所属しないため、一つの金融機関や商品に偏ることなく市場全体から多様な金融商品の提案が可能です。

したがって、理想のファンドを運用できる可能性がより高くなると言えるでしょう。

また、投資信託において、運用損失が生じた際に必要となる損益通算などの手続き等の相談ができる点も魅力の一つでしょう。

R&Cは何度でも相談無料
スイッチングをIFAに相談する
(オンライン相談もOK)

記事のまとめ

本記事では、投資信託におけるスイッチングについて解説しました。

スイッチングは上手に活用することで、手数料の削減など、投資信託の運用効果を最大化することが可能です。

一方で乗り換え先のファンドが限定されていたり、NISA口座では利用できない場合があるなど、制約も多く存在するため慎重に判断する必要があります。

投資信託やNISAでの資産運用にお困りの際は、一人で悩まずにIFAなど「投資の専門家」に相談して、より効果的な資産運用を行ってくださいね。

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監修者プロフィール
小林裕
小林裕
一般社団法人証券相続普及協会 代表理事
大学卒業後、東証一部上場の証券会社に入社。
個人向けの資産運用コンサルティングを中心に活動し、新人賞、社長優秀賞などを数多く受賞。
退職後、資産運用だけでは本当の解決ができないという思いから、2020年に一般社団法人証券相続普及協会を設立、代表理事に就任。
終活カウンセラー1級や上級相続診断士の資格も取得し、現在はお客様の大切な資産を「ふやす、まもる、つなぐ」をモットーに活動している。
【代表著書】
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