投資信託
投資信託の仕組みをわかりやすく解説!運用方法や利益の種類を知ろう
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投資信託の仕組みをわかりやすく解説!運用方法や利益の種類を知ろう

投資信託は少額から始められ、プロに任せられる資産運用として注目されています。

この記事では、投資信託について理解を深めるため、投資信託の特徴や運用の仕組み、利益発生の仕組みなどを解説します。

初心者向けに投資信託の始め方や選び方、なぜ長期保有がおすすめなのかについてもわかりやすく紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

投資信託とは

投資信託とは

そもそも投資信託とは、複数の投資家から資金を集め、それを一つの大きな資産として、投資のプロであるファンドマネージャーが運用する金融商品です。

ファンドマネージャーは、投資信託の運用を行う委託会社に所属しており、販売は金融機関などの販売会社が、資産の管理は信託銀行などがそれぞれ行います。

プロに運用と管理を任せられる上、初心者の投資家でも、手軽に多様な投資対象に分散投資できる点が投資信託の最大のメリットです。

ファンドマネージャーは、株式や債券、不動産など、様々な投資対象に分散投資をします。

金融商品の三大要素

通常、金融商品には以下3つの要素がありますが、投資信託は比較的に流動性が高く、購入や売却が容易です。

  • 安全性……投資した元手である元本の保証の確実性を示す
  • 流動性……換金のしやすさの程度を示す
  • 収益性……期待される収益を示す

投資信託は資産運用のプロであるファンドマネージャーが運用する仕組みのため、他の金融商品よりもリスクを分散しやすく、収益性が向上する可能性があります。

また、投資信託には元本の安全性を重視したものから、値動きが大きいものまで、様々なタイプの商品があります。

元本を保証して資金を集めることは、出資法の「出資金の受入れの制限(第1条)」によって認められていないため、元本を100%保証した絶対に安全で必ず儲けが出る商品は存在しません。

分散投資の仕組み

投資信託は、分散投資という仕組みを採用しており、これは投資信託が運用する資金を異なる種類やクラスの複数の投資対象に適切に分散させる戦略を指します。

これにより、ポートフォリオ(保有する複数の異なる資産や証券の集まり)全体のリスクを低減し、安定性を向上させることを目指します。

具体的には、複数の投資家から集めた資金を、ファンドマネージャーが株式や債券、不動産などに分散して運用します。

分散投資の特徴とメリットは以下の通りです。

リスクヘッジになる

異なる資産クラス(投資対象となる資産の種類や分類。具体的には株式、債券、不動産など)はそれぞれの異なる市場条件に影響されます。

分散投資により、特定の市場の変動がポートフォリオ全体に与える影響を軽減し、リスクをヘッジすることができます。

リターンの最大化を狙うことができる

分散投資により、好調な資産クラスのリターンを活かし、全体のポートフォリオのリターンの最大化を目指します。

安定性を向上させる

特定の資産クラスが不調であっても、他の資産クラスのパフォーマンスがそれを相殺する可能性があります。

そのため、分散投資によってポートフォリオ全体の安定性向上が期待できるという仕組みです。

簡単にリスク分散が可能

分散投資では、特定の銘柄に依存することなく、複数の銘柄に資産を分散して運用します。

これにより、特定のリスクに対する影響を緩和します。

このように投資信託では分散投資によって、単一の投資対象に依存することなく、市場の変動や不確実性(リターンが予測できないこと)に対するリスクの分散が実現されるのです。

なぜお金が増えるの?利益発生の仕組み

なぜお金が増えるの?利益発生の仕組み

先述した通り、投資信託は複数の投資家の資金を集め、プロのファンドマネージャーが運用する仕組みです。

投資家が投資信託を購入する際には、基準価額を参照して口数を購入し、また売却する際にも同様に基準価額を利用します。

基準価額とは

投資信託の基準価額は、投資信託の1口あたりの単位価格を指します。

これは、投資信託の資産全体の純資産総額(投資家に帰属する額)を全ての口数で割ったものです。

基準価額は、投資信託の純資産総額に基づいて算出されるため、市場の変動や運用の成績に応じて日々変動します。

投資信託の利益は「譲渡益」と「分配金」

投資信託の利益には「譲渡益」と「分配金」の2種類から成ります。

譲渡益

譲渡益は、投資信託を売却する際に、売却価格が購入価格よりも高い場合に生じる利益です。

株式や債券、不動産などの資産価格が値上がりすると、基準価額も上昇し、それに応じて投資家の保有する口数の価値も増加します。

このタイミングで投資信託を売却することによって購入価格と売却価格の差額が生じ、その差額が譲渡益となります。

分配金

投資信託には、分配金ありのタイプと分配金なしのタイプがあります。

分配金ありの投資信託は、運用中に得た利益を定期的に投資家に分配する仕組みです。

分配金は、投資信託の保有期間に関わらず、決算時点で投資家が保有している口数に応じて支払われます。

分配金がいつ支払われるかは決算の頻度により、一般的には年1回です。

日本で人気の毎月分配型の投資信託は毎月決算があるため、年12回分配金が支払われます。

分配金なし型の投資信託は、運用で得た利益を投資家に分配せず、それを元本に加算する方式です。

つまり利益が元本の一部となるため、長期的に見ると、雪だるま式に利益が利益を生む形になります。

それぞれのメリットとデメリットは以下の通りです。

分配金あり 分配金なし
メリット 投資家は定期的に利益を分配金として受け取り、生活費などの支出に利用できるため、収益をキャッシュ化しやすくなります。 利益が分配されないため、税金の発生が少なくなります。また、分配金が再投資されるため、複利の効果を最大限に利用できます。
デメリット 分配金を受け取ることで税金が発生する可能性があります。また、分配金が再投資されないため、複利の効果を利用できません。 収益を実際の現金として受け取ることが難しいため、収益を利用する際には手続きが必要になる可能性があります。

投資家は、自身の投資目的や納税の有無などを考慮して、分配金ありと分配金なしのどちらの投資信託が適しているかを検討することが重要です。

投資信託の始め方

投資信託の始め方

投資信託は以下の3STEPで始めることができます。

  1. 投資信託口座の開設
  2. 投資信託購入の申し込み
  3. 投資信託を購入

それぞれ詳細を確認していきます。

1. 投資信託口座の開設

運用を始めるには、投資信託を取引するための投資信託口座を開設する必要があります。

投資信託が購入できる金融機関には以下のようなものがあります。

投資信託が購入できる金融機関一覧
  • 証券会社
  • 銀行
  • 郵便局
  • 信用金庫
  • 信用組合

金融機関によって、運用にかかる手数料や商品のラインナップが異なります。

投資したい銘柄が決まっている場合は、その銘柄を扱っている金融機関で口座を開設するのがおすすめです。

投資先をこれから決める場合は、取扱商品の多い金融機関を選んでみるのが良いでしょう。

口座開設の流れは以下の通りです。

  1. 窓口、またはインターネットから口座開設の申し込み
  2. 本人確認書類とマイナンバー確認書類を提出
  3. 審査
  4. 口座開設が完了、口座開設通知の受け取り

2. 投資信託を選ぶ

次に、購入する投資信託を選びます。

投資信託を選ぶ際には、慎重な検討と購入する商品に関する調査がポイントとなります。

具体的には、以下のような点を確認しながら投資信託を選びましょう。

投資目的

まずは、なぜ投資信託を購入するのか、どのような目的を持っているのかを明確にしましょう。

資産の増加、将来のリタイアメント資金の積み立て、子供の教育資金のためなど、目標に合ったファンドを選択することが重要です。

手数料の確認

投資信託を購入する際には、投資信託の募集要項や費用、運用の内容などを記載した「目論見書」などで手数料を確認しましょう。

発生する手数料の金額および手数料自体の有無は、投資信託によって異なります。

投資信託の一般的な手数料は以下の通りです。

購入時 購入時手数料
保有時 運用管理費用(信託報酬)、 監査報酬
売買時 売買委託手数料
換金時 信託財産留保額

このように、一般的な投資信託は購入時のみならず、保有期間中はずっと手数料がかかります。

初心者の場合は極力手数料が安い投資信託を購入することをおすすめします。

リスク許容度

投資信託におけるリスク許容度とは、投資家がリスクをどれだけ受け入れることができるかを示す指標です。

具体的には、投資家がどれだけの価格変動や損失を受け入れることができるかを測る指標と言えます。

リスク許容度は、投資家の個人的なお財布事情や投資目的、想定している保有期間、経験と知識、および忍耐力などに依存し、人それぞれ異なります。

3. 投資信託を購入

選んだ投資信託を購入します。

  1. 投資信託口座に入金
  2. 選んだ銘柄を入力、その名称をクリック
  3. 買付画面で購入ボタンをクリック
  4. 買付完了

一般的には上記のような流れです。

購入の流れは、投資信託を購入する会社によって異なる場合があるので、都度確認しましょう。

【初心者必見】投資信託は、その仕組みを活かした長期保有がおすすめ

【初心者必見】投資信託は、その仕組みを活かした長期保有がおすすめ

投資信託について調べているうちに、「投資信託は長期保有がおすすめ」という情報を見た方は多いのではないでしょうか?

実際、多くの投資家や専門家が、投資信託の長期間保有をおすすめしています。

長期間保有がおすすめされる具体的な理由は以下の通りです。

複利効果が大きくなる

投資信託の長期保有における最大のメリットは、長期保有すればするほど複利効果が大きくなるということです。

分配金なしのタイプや、分配金ありだけど分配金の受け取りを選択しなかった場合は、途中に発生する利子や分配金などを再投資することができます。

これにより、利子や分配金にも利息がつき、複利効果が大きくなっていくという仕組みです。

元本が増加することで複利の効果が大きくなっていき、資産の成長が加速します。

運用のリスクが低減する

長期的な視点で投資信託を保有することで、市場の短期の変動に左右されにくくなるというメリットがあります。

長期的にみると、この変動リスクが小さくなる可能性が高いためです。

世間や企業の経済状況や株式市場のサイクルは時間の経過とともに変動しますが、長期的な投資戦略を採用することでこれらの変動に対応しやすくなり、運用のリスクが低減します。

1年あたりの手数料の負担が軽くなる

先述した通り、投資信託は購入時、保有中、解約・売却時などあらゆるタイミングで手数料が発生します。

申込手数料や信託財産留保額は、購入時や解約・売却時に1回だけ支払うコストのため、保有期間が長くなれば1年あたりの負担率が下がります。

わかりやすくいえば、長期投資は取引回数が少なくなるため、手数料が低減するということです。

記事まとめ

記事まとめ

この記事では、投資信託の運用の仕組みや分散投資のメリット、そして投資信託で利益を上げる仕組みまで幅広く解説しました。

投資信託は、複数の投資家から資金を集めた資産をファンドマネージャーが運用する仕組みであり、少額から株式や債券、不動産などに投資できる手軽な分散投資が魅力です。

また、分散投資によってリスクが分散されている=短期での大きなリターンは期待できないため、投資信託は長期保有が基本の金融商品といえます。

長期でじっくりお金を育てられることも投資信託のメリットですので、投資信託を始めるかお悩みの方や投資初心者の方は、ぜひこの記事を参考に投資信託をスタートしてみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール
小林裕
小林裕
一般社団法人証券相続普及協会 代表理事
大学卒業後、東証一部上場の証券会社に入社。
個人向けの資産運用コンサルティングを中心に活動し、新人賞、社長優秀賞などを数多く受賞。
退職後、資産運用だけでは本当の解決ができないという思いから、2020年に一般社団法人証券相続普及協会を設立、代表理事に就任。
終活カウンセラー1級や上級相続診断士の資格も取得し、現在はお客様の大切な資産を「ふやす、まもる、つなぐ」をモットーに活動している。
【代表著書】
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※2024年9月30日調べ
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