反映が遅いと感じた場合にすべきことは?安心して投資信託を始めるために知っておきたいこと
ネット証券やつみたてNISA等の普及により、個人投資家の間でも資産運用を始める方は増えてきました。
中でも、プロが運用するファンドである投資信託は、人気の資産運用方法の一つです。
また、注文した投資信託商品の反映が遅い感じることはあるのではないでしょうか。
投資信託の取引には特有のルールがあり、約定日や基準価額の計算方法を理解することが、このような状況を理解する鍵となります。
本記事では、注文した投資信託商品の反映が遅い原因と、約定日や基準価額の確認方法を解説します。
投資信託はいつの基準価額が反映される?
投資信託は、基準価額に基づいて購入や売却などの取引がなされます。
基準価額とは、投資信託の一口あたりの価格のことを指し、ファンドの純資産総額を投資信託の総口数で割ることで算出することができます。
それでは、投資信託を注文した場合いつ時点での基準価額が反映されるのでしょうか。
【結論】ファンドによって異なる
結論から言うと、注文した投資信託が反映されるタイミングはファンドによって異なります。
ファンドの規約に基づき、約定日が決定します。
約定日とは、ファンドの購入または売却注文が成立する日のことです。
投資信託を購入する際は、約定日に反映されている基準価額で注文が成立します。
また、約定日は申込日や受渡日とは意味が異なりますので注意が必要です。
これらの違いについてより詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
基準価額の反映日は交付目論見書で確認する
基準価額は交付目論見書から確認することが可能です。
交付目論見書とは、ファンドを購入する場合に検討材料となるための必要な重要事項が説明された書類のことを指します。
交付目論見書には「手続・手数料等」という項目があり、その中の「購入価額」の欄に反映日が記載されています。
一般的に「購入申込受付日の翌営業日の基準価額」と定められていることが多いです。
反映が遅いと思ったら交付目論見書を今一度確認することをおすすめします。
投資信託で基準価額の反映タイミングが異なる理由
投資信託はなぜファンドごとに基準価額の反映タイミングが異なるのでしょうか。
その理由を以下の2つの観点から解説します。
市場の地理的な違いがあるため
投資信託が異なる国や地域の市場に投資している場合、時差の影響で基準価額の計算と反映のタイミングにずれが生じます。
国内の市場と海外の市場では営業時間が異なるため、全ての市場での取引結果を集計し終えるのが日本時間の夜遅くまたは翌朝になることがあります。
基準価額の反映が遅いと感じるケースは、国内外問わず様々な銘柄を投資対象としていることが理由の一つに挙げられます。
ブラインド方式が採用されているため
ブラインド方式とは、投資信託の基準価額を公表する際に、一定の時間差を設ける方法です。
これは主に、市場の操縦を防ぐためや不正な取引を避ける目的で採用されます。
この方式によって、投資家は実際に取引が完了した時点の市場価格を即座には確認することができないため、公平性を保つことができます。
上記の影響により、基準価額の確定及び反映が遅いと感じる場合があります。
それでも遅いと感じた場合にすべきこと
目論見書に記載されている約定日や受渡日が過ぎており、反映が遅いと感じた場合は注文や申込に不備がある可能性があります。
その場合は注文した金融機関に問い合わせをすることをおすすめします。
ネット証券会社でも電話窓口を設けている会社は多いため、口座開設がネット証券でもスピーディーに対応してもらえるケースが多いでしょう。
どうしても反映が遅い場合や他に何か質問がある際は明確な回答がもらえる可能性が高いのでぜひ利用しましょう。
記事のまとめ
本記事では、投資信託を注文した際の反映日や反映が遅い原因について解説しました。
注文した投資信託商品が反映されるタイミングはファンドによって異なってくるため、交付目論見書を事前に確認することが重要です。
また、申込日や約定日、受渡日なども交付目論見書から読み取ることができるので、確認しておきたい場合は、参考にすることをおすすめします。
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