投資信託の再投資で税金は発生する!その詳細を徹底解説
「投資信託の再投資って複利効果で儲かるらしいけど実際はどうなの?」
「再投資した場合、税金はどうなるの?」
この記事を訪れた方の中には、このような疑問を持っている方もいるかもしれません。
投資信託の再投資は、長期的な資産形成において非常に有効な手段ですが、税金の仕組みを正しく理解していないと、思わぬ損をしてしまう可能性があります。
そこでこの記事では、投資信託の再投資における税金の基礎知識から、NISA口座を活用した節税方法、さらに再投資を成功させるための注意点まで、わかりやすく解説します。>
投資信託の再投資で損しないためにも、ぜひこの記事を参考にして、賢く資産を増やしていきましょう。
そもそも再投資とは?
投資信託の再投資とは投資によって得られた収益を、さらなる投資に充てることを指します。
ここでは、投資信託における再投資のメリットについて詳しく解説します。
投資信託で再投資をするメリット
投資信託で再投資をするメリットは、おもに3つあります。
ここからは、それぞれのメリットについて解説していきます。
複利効果で資産を増やせる
再投資の最大のメリットは、複利効果を得られる点です。
複利効果とは、投資で得た利益を元本に組み込み引き続き運用することで、雪だるま式に資産が増えていく効果のことです。
例えば、毎月3万円を年利3%で運用する場合、20年間で約892万円になります。
しかし、分配金を再投資して複利効果を活用すると、最終的な資産は約921万円となり、29万円も多くなります。※
このように、再投資によって得られた利益をさらに投資に回すことで、時間の経過とともに資産が加速度的に増加していくのです。
しっかりシミュレーション | 金融広報中央委員会
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/sikin/menu/s_tumitate.html
時間を分散して投資できる
投資信託の再投資は、時間分散投資にもつながります。
時間分散投資とは、一度にまとめて投資するのではなく、時間を分けて少しずつ投資する方法のことです。
毎月一定額で投資信託を購入し、分配金を再投資することで、価格変動のリスクを分散させることができます。
購入時の価格が高い時もあれば安い時もあるため、分散して投資することで平均購入価格を抑えられるのです。
このように、投資信託の再投資は、価格変動リスクを抑えながら安定的な資産形成を目指すことができる方法だと言えます。
投資信託の再投資をすることで、高値掴みのリスクを軽減し、長期的に資産を積み立てていくことができるでしょう。
手間をかけずに投資を継続できる
投資信託の再投資は自動的に行われるため、毎回の買付手続きが不要となり、時間と手間を省くことができます。
忙しい毎日の中でも、自動的に投資が積み重なっていくので、手間をかけずに投資を継続することが可能です。
毎回手動で利益を再投資するのは手間がかかるため、自動で再投資できる点は大きなメリットとといえるでしょう。
【結論】投資信託の再投資は税金がかかる!
投資信託の運用で得たお金を再投資する際には、税金がかかるということを覚えておく必要があります。
この点を知らずに再投資を行うと、無申告になってしまう可能性があるため、投資信託で資産運用する際は注意が必要です。
ここからは、再投資に関する課税対象となる利益と、その課税タイミングについて説明します。
課税対象:分配金などの配当
投資信託の運用で得られる分配金には、2種類の分配金があります。
- 普通分配金
1つ目は、普通分配金です。普通分配金を受け取った場合は、20.315%の税金を支払う必要があります。
- 特別分配金
2つ目は、特別分配金です。
特別分配金は、投資信託の基準価額が下がり、分配金を受け取った後の基準価額が、投資家が投資信託を購入した時よりも下回った場合に支払われます。
特別分配金は、投資したお金の一部が戻ってきたものとみなされるため、税金はかかりません。
このように投資信託の分配金には、税金がかかる普通分配金と、税金がかからない特別分配金があります。
分配金の種類によって税金発生の有無が変わる点を押さえておきましょう。
※投資信託の税金 | 一般社団法人投資信託協会
https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/costtax/tax/
課税タイミング:再投資がなされるとき
投資信託で得たお金を再投資する場合、分配金については受け取った時点で税金がかかります。
分配金を受け取るか、再投資するかに関わらず、分配金が発生した時点で課税されるためです。
例えば、1月と7月に分配金が支払われる投資信託の場合、1月と7月のそれぞれで税金が発生します。
このように、投資信託の分配金は受け取った時点で課税されるため、投資信託で資産運用をする際には、覚えておく必要があります。
確定申告が必要もしくは不要なケース
投資信託の再投資では、分配金を受け取ったり、投資信託を売却して利益を出したりすると、そのタイミングで税金がかかります。
ただ、確定申告が必要かどうかは、投資のやり方によって変わってきます。
ここでは確定申告が必要となる場合と不要となる場合について解説します。
確定申告が必要なケース
投資信託を売却して利益が出た場合、その利益に対して税金を納める必要があります。確定申告が必要となるケースは以下の通りです。
- 特定口座(源泉徴収あり)以外の口座で投資信託を持っている場合
- 特定口座の中で、損益通算や繰越控除を行う場合
- NISA口座で持っていた投資信託を売って、非課税枠を超えて利益が出た場合
特に、NISA口座で非課税枠を超えて利益が出てしまった時は注意が必要です。
非課税枠を超えた分は、普通の口座で利益が出たのと同じように扱われ、確定申告をしなければなりません。
確定申告が不必要なケース
以下のケースでは、投資信託の再投資で確定申告が不要です。
- 特定口座(源泉徴収あり)で投資信託を持ち、損益通算や繰越控除を行わない場合
- NISA口座で投資し、利益が全て非課税枠の範囲内である場合
特定口座(源泉徴収あり)を使っている場合、投資信託を売って得た利益に対するお金は自動的に集められるので、普通は確定申告をする必要はありません。
ただし例外として、損益通算や繰越控除を行う際は、確定申告が必要になります。
また、NISA口座では、一定の投資枠内で得た利益が非課税になります。
もし、NISA口座内で得た利益が非課税枠を超えなければ、確定申告は不要です。
再投資する際は、非課税枠を有効活用することで、税金を支払うことなく投資を続けられます。
【重要】NISA口座であれば再投資でも税金はかからない
通常、投資の利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座ならその心配はありません。
NISA口座で再投資すれば、利益を丸ごと次の投資に回せるので、資産が増えるスピードが大きく向上します。
ここからは、NISAの仕組みや、NISA口座での再投資について詳しく解説していきます。
NISAの仕組みと特徴
2024年からスタートした新しいNISAは、非課税期間が無期限になるなど、より使いやすく魅力的な制度に変わりました。
新しいNISAには、主に以下の特徴があります。
- 非課税期間:投資で得た利益が無期限で非課税
- 投資枠の種類:「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠を併用可能
- 非課税保有限度額:生涯を通じての非課税保有限度額が1,800万円
また、つみたて投資枠と成長投資枠の主な違いは以下の通りです。
項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
---|---|---|
年間投資上限額 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有限度額(総枠) | 1,800万円 | 1,200万円 |
対象商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託等 | 上場株式、公募株式投資信託、ETFなど |
このように、新しいNISAは、自分の投資スタイルに合わせて、非課税で投資できる金額や投資できる商品を選べる制度です。
年間で最大360万円まで、利益が非課税になるのでぜひ活用したい制度といえます。
※NISAを知る | 金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html
再投資の利点とNISAの組み合わせ
新NISA口座で再投資を行うと、その効果を最大限に引き出せます。
新NISA口座内では、利益にかかる税金をずっと気にせずに、資産を増やし続けられるからです。
具体的には以下のような利点があります。
- 配当金や売却益を税金なしで全額再投資に回せる
- 複利効果で、資産が長期的に大きく増える可能性がある
- 非課税投資枠を再利用できるため、投資商品の入れ替えがしやすい
例えば、100万円を年5%で運用する場合、10年後の資産額は、再投資なしでは約150万円ですが、再投資ありでは約163万円になります。
特に長期投資を考えている人にとって、新NISAと再投資の組み合わせはとても魅力的だと言えるでしょう。
※しっかりシミュレーション | 金融広報中央委員会
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/sikin/menu/s_tumitate.html
NISAを活用する際の注意点
新NISAを活用して再投資を行う際には、2つの注意点があります。
ここからはそれらについて解説していきます。
NISA口座内で得られた利益は再投資するのが重要
非課税投資枠を最大限に活用するためには、NISA口座内で得た利益を再投資に回すことが重要です。
NISA口座からお金を引き出すと、その分の非課税枠が無駄になってしまいます。
そこで、利益を再投資して元本に組み込むことで、合計360万円分ある非課税枠を最大限に活用できます。
NISA口座を使って資産を効率よく増やしたい人は、再投資を積極的に行いましょう。
2023年にNISA口座で投資した場合、NISA口座での再投資ができない
NISA口座での分配金の自動再投資は、購入時期によって取り扱いが異なります。
2023年にNISA口座で投資した場合、NISA口座での再投資ができません。
そのため、2023年12月31日までにNISA口座で購入した投資信託の場合、2024年1月1日以降に受け取った分配金は、NISA口座内ではなく、課税口座(特定口座または一般口座)で再投資されます。
一方、2024年1月1日以降にNISA口座で購入した投資信託の場合、非課税投資枠が残っていれば、分配金はNISA口座内で再投資されます。
2023年以前にNISA口座で投資信託を購入した場合は、NISA口座内で再投資が行われないので気をつける必要があります。
投資信託の運用に悩んだら「お金のプロ」に相談を
投資信託は、個人投資家にとって大切な資産運用の選択肢の一つですが、商品選択や売買のタイミングかなどで迷うことも多いでしょう。
そんな時は、お金の専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのがおすすめです。
FPは投資信託に詳しく、あなたの投資の目的やお金の状況に合わせて、ぴったりの商品や売買のタイミングなどをアドバイスしてくれます。
相談する際は、自分の投資の目的やお金の状況、具体的な悩みなどをきちんと伝えましょう。
そのうえでアドバイスを参考に、自分なりの運用方針を決めるのがおすすめです。
投資信託の運用は、長い目で見て取り組むことが大切です。
定期的にFPと相談し状況に合わせて運用方法を見直していくと、資産を増やせる可能性が高くなります。
投資信託の運用で悩んだら、一人で抱え込まず、ぜひFPに相談してみてください。
専門家の知恵を借りて、自分に合った運用方法を見つけ、将来に向け資産形成していきましょう。
(オンライン相談もOK)
記事のまとめ
この記事では、投資信託の再投資における税金について解説しました。
再投資は複利効果で資産を増やす有効な手段ですが、分配金や売却益には税金がかかる場合があります。
しかし、NISA口座を活用すれば非課税で再投資できるため、効率的に資産を増やせます。
NISA口座には、つみたて投資枠と成長投資枠があり、それぞれ年間投資上限額や対象商品が異なります。
どちらの枠を使うかや、どの投資信託を選ぶかによって、再投資の効果も変わってきます。
投資信託の再投資は、長期的な資産形成に有効な手段ですが、そのためには税金の仕組みやNISA口座の活用方法を正しく理解することが大切です。
この記事を参考に、賢く資産を増やしていきましょう。